【科学的トレーニングで英語力は伸ばせる!】英語学習も“科学する”時代に! 第二言語習得研究とは?

英語学習を科学するとどうなる?

日本人は英語を苦手としている人が多いと言われています。その原因の一つは効率的ではない英語の学習をしているからなのです。本書は、第二言語習得研究という研究で実証された、科学的に効率的で効果的な英語学習方法を紹介しています。英語学習をしている人は読んでおくべき一冊です。

「英語を話せるようになる」ということはサラリーマンにとって長年にわたって言われ続けてきた課題です。これまで、様々なトレーニングが効果的だと謳われてきましたが、実際に日本人は英語ができるようになりましたか? もちろん、中には英語を習得することができた人もいるでしょうが、多くの英語学習者は苦戦を強いられていると思います。これは、科学的根拠が明確になっていないまま学習をしてしまっているからです。

もちろん、全く効果がないというわけではありません。長い時間をかけて勉強すれば一定の効果が出るとは思います。しかし、英語を学ぶ上で効果的な順序というものは存在します。今回、紹介するマイナビ出版の「科学的トレーニングで英語力は伸ばせる!」では、人間が言語習得するプロセスやメカニズムを調査する「第二言語習得研究」に基づいた科学的根拠のある英語学習方法が記されています。

著者の田浦秀幸氏は、シドニー・マッコリー大学で言語学の博士号を取得。現在は立命館大学大学院・言語教育情報研究科・研究科長を務め、言語習得・喪失に関する基礎研究に従事している言語学のスペシャリストです。これまで効果的と言われてきた「早期学習」、「聞き流し英語」、「ネイティブによる授業」について、なぜ非科学的なのかを説明しています。

それでは、「第二言語習得研究」によってどのような勉強法が良いと明らかになったのでしょうか。話の腰を折るかもしれませんが、第二言語習得研究で分かっていることは、「誰でもすぐに英語ができるトレーニング法」ではありません。第二言語習得研究とは、人がどのように第二言語を身につけていくのかというプロセスを科学的に解き明かしていくものです。

では、どのように学習を進めていくのが効果的なのかをご紹介します。第二言語習得研究では、「文法」、「発音練習・語彙習得」、「異文化勉強」、「短期留学・映画」、「できないことを認識」、「できないことを強化(シャドーイングなど)」、「ビジネスの面で使用」という流れで進めると良いとされています。スポーツと同じで課題に応じた合理的なトレーニングをすることが大切なのです。

また、英語の4技能(書く、聞く、話す、読む)は、先に「読む」、「聞く」を伸ばすことが効果的です。これは、英語を読むことと聞くことができなければ、書くことと話すことができないからです。聞くことができれば相手の言っていることから学ぶことができるようになります。それは書くことについても同様です。

これらのように本書では、第二言語習得研究に基づいた科学的な学習方法が書かれています。英語学習で困っている人やこれから英語を勉強する人にとって、効果的に学習するということは継続すると同じくらい大事なことです。短期間で効果を実感できれば、意欲も下がることはありません。ずっと使える英語学習方法を学びたい人にとって、本書はバイブルになることでしょう。

目次

はじめに
第1章 その常識は非科学的です
英語を学ぶのは早ければ早いほどよい?
英語学習の常識を覆した研究結果
早期学習より効果があがる方法
科学的トレーニングで英語力は伸ばせる!(マイナビ新書)
聞き流すだけで英語が上達する?
4歳児と10歳児の方法は違う
教わるならやっぱりネイティブ?
集中的に時間をかけるべき?

第2章 第二言語習得研究で明らかになった最適な勉強法とは
第二言語習得研究でわかってきたこと
実技には科学的なトレーニングが不可欠
第二言語習得研究が証明する効果的なトレーニング
「読む力」と「聞く力」からトレーニングを始めよう
短時間でリーディングとリスニングを伸ばす方法
英単語をアイコン化して高速読み
「書く力」と「話す力」はいっしょに伸ばす
シャドーイングで語彙や言い回しを頭に入れよう
高めるべきは「聞く力」と「書く力」

第3章 「受験英語」は無駄じゃない
高校までの英語力で足腰を鍛える
受験英語に足りないのは、書く力、話す力
受験英語も変化してきている
訳読のメリットとデメリット
「文法軽視」という危険な風潮
語彙力はすべての基本

第4章 まず「文法」を伸ばせ! 科学的な3つの方法
文法が一部で軽視される理由
「ビジネス英語」に必要な力の伸ばし方
ビジネスレターを書く力をつけるには
注目の新手法「ディクトグロス」
Focus on Formという文法指導
「文法問題のための文法」から「英語を使うための文法」へ
「コミュニケーション」のための文法を学ぶ
タスクベースで文法を学ぶ

第5章 「聞く力」は「脳の自動化」で伸ばそう
英語の上達は「リスニング」の自動化から
日本人が知らない「英語の音声変化」
ディクテーションで音声変化に対応する力を養う
「音を聞く」ことと「文章を聞く」ことの違いを理解する
「聞く」ためには正しい音を発音できた方が良い
日本人にとって、音は高いハードル
聞いている時間の絶対量が大切
どうしても短期間で身につけたいなら?

第6章 「読む力」は「チャンク読み」で伸ばそう
「読む力」と「聞く力」は脳の同じ回路を使う
チャンク読みができると予測読みができる
母語と第二言語の読解力
スキミングとスキャニングも効果的
日本人が英語を「訳さないで読む」ことは可能なのか
上級者は英語を小脳で自動的に処理する
リーディングを鍛える教材選び

第7章 「書く力」は「プロセスライティング」で伸ばそう
ライティングはとりわけ習得が難しいスキル
プロダクトライティングからプロセスライティングへ
書く力を伸ばすためにはリライトの繰り返しが必須
そもそも、日本語を書くことも難しい

第8章 最後に「話す力」を「総力戦」で伸ばそう
間違いを恐れる世代と、正確さに欠ける世代
上級者はスカイプ英会話で練習試合を行う
基礎力が足りないときは日本人の先生でトレーニング
初心者は暗唱、上級者はイントネーション
メモ書きの有効性
おわりに
巻末紹介

本書はリフロー形式で制作されています。本文は文字の書体と大きさを変えることが出来ますので、お好みの設定で読書をお楽しみください。
◆本文中には、M、©、🄬などのマークは明記しておりません。
◆本書に掲載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。
◆本書によって生じたいかなる損害につきましても、著者、監修者ならびに(株)マイナ
ビ出版は責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。

田浦 秀幸 (著), StudyHacker ENGLISH COMPANY(協力) (監修)
出版社: マイナビ出版 (2016/1/26)、出典:出版社HP

はじめに

「外国語を身につけるにはどうすれば良いのでしょうか」
立命館大学で言語教育についての教鞭を執る私は、そのような質問を常にいただきます。
これまで、英語学習は先生や学ぶ人の個人的な経験則や思い込みなどによってなされることが多く、きちんと検証された学習法というものは実際のところ多くはありませんでした。

英語学習は特に世間の関心が高いために、本当にたくさんの学習法が提示され、一般の人にとってはどれが本当に効果のある方法なのか、わかりにくくなってしまっているという現状があります。

そんな疑問に真っ正面から答えようとする、「第二言語習得研究(SLA)」という学問があります。そこでは、人間が言語を習得するプロセスやメカニズムが調査され、得られた知見の一部は、実際の英語学習に使える方法に応用されてきています。

もちろん、これまで提示された様々な方法がすべて誤りであり、まったく役に立たないものであるということではありません。どんな方法でも長い時間をかけて勉強し続ければ一定の効果は出るかもしれません。しかし、英語を学ぶための効果的な順番というものは確かに存在します。

たとえば、中学レベルの文法もおぼつかない、単語もあまり知らない状態でいきなり会話の練習をしても効果はあまり高くないでしょうし、その状態で文章を書く練習をがんばっても効率は良くないでしょう。

TOEICのような英語のテストで高得点をとることを目指しながら、大学入試で出題されるような和訳問題を一生懸命解いても目的を果たすことは難しいものです。
本書ではまず、「英語を学ぶのは小さい子供のころからはじめるべきだ」とか、「やはり英語はネイティブに習うべきだ」といった、英語学習の「常識」は科学的に見るとどうなのか、ということについて考えています。

それから、「聞く・読む・書く・話す」という4つのスキルそれぞれの伸ばし方について科学的なトレーニングの方法を示します。また、それらすべての前提となる文法の力を身につけるためのいくつかの方法も提示しました。

近年のグローバリゼーションの潮流の中、英語を身につけることはこれまでにも増して重要度の高いことになってきました。「これまで英語ができなくても何も問題がなかったのに、急に英語の力を求められて困っている」という声もたくさん耳にしています。もはや一部の特別な人ができれば良いという時代ではないということかもしれません。

これまでいろいろな方法で英語にチャレンジしたけれど、何度も挫折してしまったという人にこそ、本書を読んでいただきたいと思っています。正しい方法と順序でていねいに学ぶことで、着実に力がついてくることがおわかりいただけるでしょう。

田浦 秀幸 (著), StudyHacker ENGLISH COMPANY(協力) (監修)
出版社: マイナビ出版 (2016/1/26)、出典:出版社HP