脳が忘れない 英語の「超」勉強法

脳の仕組みを活かす

大人と子供の脳には違いがあるので、大人が英語を学習する際にはその脳の仕組みにあった勉強法で学習するのが効果的です。ただ単に学校英語のやり直しをするのではなく、本書を活用することが英語習得への近道になるでしょう。

瀧 靖之 (著)
出版社: 青春出版社 (2020/3/10)、出典:出版社HP

はじめに

「脳のしくみ」がわかれば、英語の勉強法はこれしかない!
英語を身につけたい、でも学生時代のようなつらい勉強はしたくない――この本は、そんなふうに考えている大人のために書いたものです。
「仕事で英語の習得を迫られている」「ツアー旅行ではなくフリーで海外旅行を楽しみたい」などなど、英語をやり直したいという方々のために、最新の脳医学の成果も参考にして、従来とは違ったアプローチで英語の勉強法をまとめました。
その効果は、私自身が証明しています。恥ずかしい話なのですが、30歳ごろまで私の英語は本当にひどいものでした。医学部卒業ということでさぞかし英語が得意だったのだろうと思われるかもしれませんが、そうではありません。本当に人並み以下のレベルだったのです。
高校まで北海道の田舎で過ごしてきた私は、英語の読み書きはそこそこできていましたが、聴き取りや会話になるとまったく歯が立ちませんでした。しかし、今の時代に求められる英語能力は、まさに聴き取りや会話がメインです。それができなくては、外国人とコミュニケーションがとれません。実際に、相手の話す英語がわからずに、私は恥ずかしい思いや悔しい体験をしてきました。

効率的な学び方の秘訣は脳に聞け!
大人のための英語の本や教材はいろいろと出版されていますが、その多くは中学英語の文法のやり直しのようなもの。もちろん、そうしたことに意味がないとはいいませんが、私を含めた日本人の英語の問題は、それでは解決できそうにありませ
そこで、私は専門である脳医学の知識をベースにして、「大人の脳に合った学び方」を考えました。詳しい勉強法については本文で説明していきますが、とくに大事なことは次の2つで

1.英語に親しみや好奇心を持つこと
2.脳のしくみや働きに合った勉強をすること

英語を身につけようとしたら、何より楽しい気持ちで学ぶことです。現に、好きな趣味ならば、時間が経つのも忘れて没頭し、どんどん頭に入ってくるでしょう。英語も、そうした趣味の一つにしてしまおうというのが、1つめのポイントです。

そして、脳のしくみや働きを知って、それを利用しようというのが2つめのポイント。なかでも重要なのは、脳の「相手の真似をしたがる」性質です。この性質を大いに活用することで、効率よく英語を身につけることができるのです。
英語圏で育ったわけではなく、英語習得にさんざん苦労した私だからこそたどり着いた英語の「超」勉強法のコツを、本文では惜しみなく紹介していきましょう。

英語ができると、嬉しいおまけがついてくる!
英語は、人と人をつなぐコミュニケーションツールです。英語ができるようになれば、世界中の何十億という人を相手にしてコミュニケーションが可能になることを意味します。
そこには、さまざまな国で生まれ育ち、考え方も生き方も違う人がたくさんいます。自分が知らなかった新鮮な考え方を知ることができますし、人脈もケタ違いに広がっていきます。

私自身も英語ができるようになって、多くの外国人と気軽にコミュニケーションができるようなり、世界がすっかり変わった気がします。こんなに素晴らしいコミュニケーションツールはほかに思い当たりません。
なかには、会社から言われていやいや英語を勉強している人もいるでしょう。しかし、英語ほど人生を豊かにしてくれるものはありません。その習得のために会社がバックアップしてくれるとは、なんとありがたいことなのだろうと思いませんか。この本を読んで、1人でも多くの方に英語の楽しさに目覚めていただき、ご自分の世界を広げるためのお役に立てれば、著者としてこれほど嬉しいことはありません。

瀧 靖之 (著)
出版社: 青春出版社 (2020/3/10)、出典:出版社HP

 

『脳が忘れない英語の「超」勉強法』

Contents

はじめに
「脳のしくみ」がわかれば、英語の勉強法はこれしかない!

chapter 1
大人のやり直し英語にはコツがある
脳医学者がたどり着いた効率のいい方法
30歳を過ぎてから、本気で英語をモノにしようと決意
脳が変化すれば、勉強の仕方も変わる
脳はいくつになっても変わる力を秘めている
英語は“勉強”しないほうが身につく!?
テストの「結果」よりも「その先」を考える
働きながらでも英語を学ぶ時間はつくれる
英語の習得は公平!やればやっただけ結果が出る
「語学堪能な人は脳が違う」は本当か

chapter 2
英語は「真似したがる脳」で上達する!
脳のしくみを活かすヒント
脳医学的に見た英語マスターの最短ルート
中学英語からやり直さなくていい
発音はそのままカタカナで覚える
「真似る」授業で外国語が好きになる
運動は脳の「模倣力」と関係している
記憶力アップにも運動が効果的
音楽が「英語耳」をつくる!
早く習得したものは、忘れるのも早い!?
ラクをするより、楽しく続ける工夫が大事
サビついた英語力を復活させるには

chapter 3
脳が忘れない!英語の「超」勉強法最速で最大の成果を上げる!
大人の英語攻略法には「順番」がある!
反射的なコミュニケーションを身につけるには
聴く力をつける(リスニング)
手はじめに好きな音楽から入る
映画で視覚と聴覚の両方からインプット
好きな映画を教材にすれば苦にならない
「ディスイズアペン」は忘れてしまおう
カタカナで覚えた単語の「固まり」を増やしていく
「乱聴」と「精聴」を組み合わせる
話す力をつける(スピーキング)
「アウトプット」の機会をつくる
特定の人の英語しか聴き取れなくなっていないか
海外旅行は最高のアウトプットの機会
「場数」を踏むことの重要性
100時間の座学よりも大きい「体験」の効果
読む力をつける(リーディング)
わからない単語は調べず推理するクセをつける
短い英文小説に挑戦してみよう
ことわざ、格言、金言は意外に役立つ
書く力をつける(ライティング)
「これは使える!」という英文をストックしておく
凝った文章よりもシンプルな文章で
単語力をつける
大人の脳は「連合記憶」で覚える
暗記ものは寝る前がおすすめ
最低3回繰り返すといい理由
英語習得の基本
やさしすぎず、難しすぎない教材を選ぶ
あれこれ手出しするより、1、2冊の教材を繰り返す
「いつでも、どこでも勉強できる」ようにする

chapter 4
英語で脳が若返る!人生がもっと楽しくなる!英語を学び続けることのメリット
英語ができることで人脈も知識も広がっていく
海外でのトラブルを英語が救ってくれた
AI時代に英語を学ぶ意味
コミュニケーションが旅を何倍もおもしろくする
英語学習は認知症予防ともかかわっている!?
認知症を予防するための3つの習慣
英語の勉強は、最高の認知症予防法だった!
学んだ英語を台無しにする残念な習慣
「忙しいから」であきらめてはもったいない!
「続ける」ためのモチベーションを保つには
子どもを英語好きにさせる、たった1つの方法
「その国の言葉が話せる」ことはやっぱり強い
数カ国語話せる人は、特別な人ではない!?
さまざまな言語を学ぶことで得られる相乗効果
「熱中体験」が多いほど、できることが増えていく
一芸に秀でる人は多芸に秀でる
ライフプランを考えてわかった英語の必要性
英語をマスターすれば将来の選択肢が増える
英語が人生を生きる武器になる
大人のためのおすすめ英語教材

イラスト富永三紗子
カ二村高史

Chapter1
大人のやり直し英語には
コツがある
脳医学者がたどり着いた効率のいい方法

瀧 靖之 (著)
出版社: 青春出版社 (2020/3/10)、出典:出版社HP