超時短イングリッシュ 今すぐ始めるお手製学習法ーー私が私の先生! GOTCHA!新書

目次

はじめに

1章 勉強開始前にやっておきたい環境作り
01 三日坊主でもOK!目標達成できる学習計画の立て方
02 英語が「どこでも勉強できる」アイデア10選
03 英語の勉強に役立つ文房具紹介!上手に活用して細切れ学習をブースト

2章 アプリをフル活用して英語上級者の仲間入り!
01 語彙制限本で耳読書!壁にぶち当たったときの気軽な勉強法
02 カテゴリーで分類!効率的な単語の覚え方
03 TOEIC900点を突破!スマホの「再生アプリ」を使った英語勉強法
04 ラジオ講座を続けるコツ

3章 インプットとアウトプットを繰り返す「使える」英語の勉強法
01 英文を読むのが苦手な初心者必見!大人も子どもも洋書好きになる3ステップ
02 頭の中で妄想劇場を繰り広げる!ひとりごと英語
03「ひとりごと英語」を実践に生かす方法
おわりに

はじめに

はじめまして!Marieと申します。
10年以上運営しているブログ「Mandarin Note」(https://mandarinnote.com/)では、バレットジャーナル(箇条書きのノート術)を中心とした手帳術に加え、KindleやiPhoneアプリ、Androidアプリを使った語学や多読について、紹介しています。
外国語学習や読書以外にも、絵を描いたり編み物をしたり、手を動かして物を作ることも大好きです。やりたいことがたくさんあって、一日30時間あっても足りないくらいです。
このたび、語学情報ウェブマガジン「GOTCHA!」(https://gotcha.alc.co.jp/)に掲載された記事に書き下ろしを加え、電子書籍化していただくことになりました。この本では、飽きっぽい私が、期限のある目標を達成するために暮らしに取り入れている外国語学習Tipsを紹介していきます。
英語がもっとできるようになりたい。とはいえ、他のやりたいことのための時間も確保したい。そんな方にぜひおすすめしたい方法です。
語学のためのまとまった勉強時間が取れなくても、あきらめることはありません。手持ちの限られた時間の中で欲張りに、そして、英語学習を楽しんでいきましょう!

1章 勉強開始前にやっておきたい環境作り

01 三日坊主でもOK!目標達成できる学習計画の立て方

◆「目標型」と「展開型」、あなたはどっち?目標達成までの道のりには、「目標型」と「展開型」の二つのタイプがあるのだそうです。
「目標型」は、ある一つのゴールを定めて、そこにたどり着くための綿密な計画を立て、その計画通りに達成するタイプ。「展開型」は、人生の各段階で起こるイベントや出会う人たち、その時々に自分を合わせていくことで、自分の持っていた願望を実現するタイプ。
今、頭の中で、(自分はこっちだな~)とカテゴライズしましたか?さて、皆さんはどっちのタイプでしょうか。私はおそらく「展開型」人間です。計画的に物事を進めるのが苦手です。ゴールを目指してはみるものの、あっちも気になりこっちも気になり、ピョンピョンと道筋を変えては、地道なカメさんに先を越されてしまう、そこつなウサギタイプです。

「目標型」の道を行く人に憧れ、計画を立てては挫折することを繰り返し、自己嫌悪に陥ってしまうこともありました。しかし、短所は見方によっては長所にもなり得ます。カメは目標に着実に到達するために必要な地道さを長所として持っていますが、好奇心を抑えきれずによそへ寄り道するウサギにも、長所はあるのです。
「展開型」の人は、一つのことに熱しては冷めながら、そのとき必要なことに集中して取り組み、より広く知識や経験を得ることができます。いつも三日坊主になってしまうと嘆いて、歩みを止めてはもったいない。三日坊主を繰り返していけばいいのです。とはいえ、気分次第で目標が変わっていくせいで、寄り道が過ぎて迷子になってばかりなのも、困りものです。

この章のタイトルにある「目標達成できる学習計画」からは、「目標型」ルートを連想しますよね。歩みを止めずに、休まずコツコツ。「展開型」であっても、「目標型」寄りのルートを取って進むためには、どんな工夫をしていけばよいのでしょうか?

◆制限時間付き勉強プラン

新しく買ったテキストの目次に、Lesson 1から20までが並んでいます。
平日に1章ずつやれば終わるな、とカレンダーのマスに1から20まで書き入れたのに 、数日もたたないうちに予定が狂ってしまってがっかり。すっかりやる気をなくしてしまいました。カレンダーに書き込んだ予定だけがむなしく残ります……。

こういう計画倒れを繰り返している人には、一度計画を「制限時間付き」で立ててみることをお勧めします。毎日1章ずつテキストを進めていく。そこにかける時間は必ず20分以内、というように、ルールを決めます。タイマーをかけて取り掛かり、時間が来たら強制終了。

隅から隅まで学習が終わっていなくても、できたところで本日のノルマ完了とします。やりきれなかった所はそのまま飛ばして、次の日は次の章から取り掛かる。学習計画がうまくいかなくなる理由の一つが、「20分でできるだろうと予測して計画を立てたが、実際は30分かかった」といった、所要時間の見積もりミスです。
ノルマが「量」だと、やるべきことが終わるまでだらだら時間をかけてしまいますが、ノルマが「時間」であれば、かけたタイマーが終了を告げればそこで終わりです。制限時間を設けることで、計画が大きく狂うことを防げます。

また、制限時間を短めに設定しておくことで、心のハードルが下がり、取り掛かりやすくなります。あらかじめ取り組む時間が決まっていれば、集中力も発揮できます。タイマーをかけると、テストの本番のような緊張感が生まれるのもメリットの一つです。
継続しているうちに、「20分で終わらなくても、最低ここまではたどり着くようにしよう」「ここだけは理解しておこう」というような、「制限時間20分で到達できる合格ライン」ができてきます。20分ではあまりにも時間が足りないと思うなら、制限時間を5分伸ばしてみるなど、続ける中で微調整をしていきましょう。

◆達成感をモチベーションに学習継続
虫食いのような形であっても、どうにかこうにか続けていって、教材の最後のページまでたどり着いたときの、その達成感はひとしおです。「最後までできた」という達成感は、次の新しい一歩につながります。この「やったー!やりきったー!」という気持ちをバネにして、また学習を続けることができるのです。
私はこの方法で『English Grammar in Use』や(『英語が身につくちいさなノート術』で詳しく紹介しています!)、ボキャブラリー・ビルディング用の洋書 (ボキャブラリー・ビルディング=語彙増強。以降、ボキャビルと呼びます)、『Instant Word Power』などを最後までやりきりました。

*上の写真は2019年4月から5月にかけて復習したときの記録です。
『Instant Word Power』はこれまでに何度も挑戦しています。忘れている単語も多くありましたが、初めてのときよりは覚えている単語も増え、かなり負荷が小さくなっていると感じました!最後までやりきったからと言って、テキストの内容が全部頭に入っている訳ではもちろんありません。見返すたびに新しい発見(つまり、覚えたはずのものをすっかり忘れているということです)があり、残念な気持ちになることもしょっちゅうです。
しかし、以前は最初の数ページの内容にだけやたら詳しくなって、後ろのページはめくりもしていなかったことを考えると、一冊の教材をひと通りやり終えることができるようになっただけでも、私にとっては大進歩です。
機が熟したら、二巡目にトライです。再びタイマーをかけて時間を計りつつ、学んだ所が身に付いているかの確認と、やり残した部分に再挑戦していきます。二巡三巡しているうちに、自分の成長を感じられることも多くなっていくと思います。達成感をごほうびに、楽しく勉強を続けていきましょう!

◆「目標達成できる学習計画の立て方」のまとめ
・制限時間を設けて学習プランを立ててみる
・「思ったより時間がかかって計画が後ろ倒しに」を防げる!
・「○分しかない!」という緊張感のおかげで集中できる
・「最後までできた」という達成感が、次の学習へのモチベーションになる

02 英語が「どこでも勉強できる」アイデア10選

◆「どこでも勉強」するメリットとは? TOEICや英検などの資格試験を受けると決めたら、まず取り掛かるのが、「どこででも勉強できる」環境を整えることです。学習時間を確保しようとするとき、スケジュール帳に「○時から○時まで、○ページをやる」と学習予定を書き込む、という人も多いと思うのですが、実際やってみると、なかなかその通りにはいかないものです。家庭を持っている場合は特に、家にいる時間の多くは家族の予定に振り回され、決まった時間に学習時間を取りづらいのが現状です。
仕事が休みの週末ですら、毎週まとまった時間を取るのは難しく、たとえ事前に時間を確保できたとしても、急なトラブルで予定を変えざるを得なくなることも多々あります。そこで、まとまった学習時間を取ることはあきらめ、細切れの時間をメインに進めていく方法を考えるのも一つの手です。

◆事前の「仕込み」が大事です! 細切れの時間をメインに学習を進めていくとはいえ、すきま時間の多くは、想定外に発生するものです。数分の空き時間ができたそのときになって、「さて、何をしようかな」と考え始めたのでは、結局何をすることも
なく時間が流れていってしまいます。
そこで、私の場合は「決まった時間にこれをする」というルールではなく、「この場所ではこれをする」というルールに変えて、場所と学習内容を結び付けてみることにしました。その場所でどんな勉強をするか、教材までしっかり準備できていれば、「空き時間ができた、さて何をやろうかな」と考える必要がなくなります。
「その場所」にいるときに、5分でも空き時間ができたら、「あらかじめやると決めていること」を即座に始めましょう。家の中ででも、わざわざ勉強道具を取りにいかなくてもいいように、その場所に学習ツールを仕 込んでおくことが必要です。出先であれば、カバンなどからすぐに取り出せるようにしておくこと。「この場所でこれをやる」が習慣化されてくると、考える前に体が動き始めるので、勉強への面倒くささが軽減され、学習時間の確保が楽になってきます。

◆「場所とやること」を結び付ける
実際に手と体を動かして勉強してみるのはもちろん、事前にどこでどんな勉強ができるかをノートに書き出してみましょう。アイデアを実際に試してみて、無理なく効率的に取り組めそうだったら、どんどん実行して、生活の中に組み込んでいきます。