CD付き 正しく診断するための 医師の診療英会話

筆者が現場で働く英語ネイティブスピーカー。

この本の特徴は何と言ってもPart 2。です。
各診療科の様々な病状について、メインの会話文と関連表現が紹介されているため、
類似品と比較しても例文が多く、ボリュームがあります。

バーマン・シャーリー・J (著), バリー・ブラム (監修)
出版社: ナツメ社 (2016/6/16)、出典:出版社HP

はじめに

読者の皆様へ、
本書を選んでいただきありがとうございます。本書の PART 1 と PART 2は全くなった観点で構成されています。

PART 1は、典型的な日本の病院で繰り広げられる日常のやりとりを日本人の視点から提供しています。新規の外国人の患者さんと何か会話をするときに参照するのと PART 1は格好の入門書です。録音された日本語と英語の会話を交互に聞くことで、曲型的な病院でのやりとりに精通されることでしょう。

PART 2は、各診療科で日々繰り広げられる数多くの病状に関わる英語表現を、異文化の観点で紹介しています。PART 2によって、医療の専門家と患者さんとの間で取り交わされる他に類を見ない実践的な会話を習得されることでしょう。

本書に登場する外国人の患者さんは、日本在住の平均的な外国人で、多くが病状に精通しています。医療従事者の中には留学や海外勤務の経験を持つ人も多いので、日本人を対象とする患者のケアとの文化的な相違点は想像に難くないでしょうが、こうした外国人の患者さんが、本編を通じて随所で使っているのは、英語の医療書で扱われている用語ではなく「lay terms (一般用語)」です。

lay terms (一般用語) は日本の医療専門家にとって注目すべき有益な分野です。興味深いのは、英語で使われているlay termsの多くの状況が、日本語でも lay terms として用いられていることです。たとえば、日本人は一般に、「肩関節周囲炎(専門用語)」ではなく「四十肩(一般用語)が普及しています。同じ症状については、英語でも専門用語ではなく、「frozen shoulder (凍結肩)」という一般用語が普及しています。

そうかと思うと、日本ではアレルギーの症状を説明するとき、「アレルギー鼻炎(専門用語)を用います。英語でも一般の患者さんが専門用語で病状を説明することがあります。つまり普及している専門用語もあれば、普及していない専門用語もあるわけです。

本書では、英語圏の患者さんと医師との間で今日よく用いられる会話例を多数掲載しています。「私は弘前大学医学部医学科の医療英語コースにおいて、こうした用語を教材として作成しましたが、学生たちは一般用語と専門用語の対に触れたいに刺激を受けています。本書を通じてより多くの読者の皆様に教材を提供できることをうれしく思います。本書が皆様のより発展的な学習の手助けとなれば幸いです。

本書の執筆にあたり、監修を快諾し的確なアドバイスをくださったバリー・ブラム先生、そして編集のコーディネーションや助言をいただいた(有)ジャパン・ランゲージ・フォーラムの小林裕子さん、(株)シー・レップスの飯尾美子さん、ナツメ出版企画(株)の遠藤やよいさんにこの場を借りて御礼申し上げます。

2016年5月1日 バーマン・シャーリー・J

監修のことば

I am honored to serve as Editorial Supervisor for this medical conversation book. The author, Shari Berman, has been a colleague and friend for many years. She is a brilliant linguist who has mastered many languages out of sheer interest in effective communication.

I was profoundly impressed by the scope, the depth and the accuracy of her dialogs. Bridging the communication gap between a patient and a doctor coming from different backgrounds is critically important. Ms. Berman’s book is designed precisely for this purpose. Her skillful preparation of the material here should enable the Japanese medical professional to communicate with his or her English speaking patients accurately and comfortably, even with patients who speak idiomatically and not just according to the dictionaries. Aloha,
Barry Blum, MD

本書に監修として参画できたことを光栄に思います。著者のシャーリー・バーマンは、私の長年にわたる仕事仲間であり友人です。彼女は才能ある言語学者で、効果的なコミュニケーションへの純粋な興味から多言語を習得してきました。

私は彼女が執筆した本書の会話が持つ幅広さ・奥深さに深く感銘を受けました。さまざまな経歴を持った患者と医師の間のコミュニケーションギャップを埋めることは極めて重要です。本書はまさしくこうした目的で作られています。長年の経験に基づいて構想された本書を学習すれば、日本人の医療従事者が英語圏の患者と、たとえ彼らが一般的な話し言葉を使ったとしても、正確かつ無理なく意思疎通ができるようになるに違いありません。

バリー・ブラム医学博士

バーマン・シャーリー・J (著), バリー・ブラム (監修)
出版社: ナツメ社 (2016/6/16)、出典:出版社HP

Contents

本書の構成と使い方
音声 CD の活用法

PART 1 基礎編
Chapter O- 病院概要
1院内組織
2受診の手順
3院内順路案内

Chapter 1- 総合受付
1初診患者
2初診受付
3再診受付
4初診受付(一般診療所)
5 診療科受付

Chapter 2- 問診
1症状をたずねる
2症状を詳しくたずねる
3日常の習慣をたずねる
4既往歴・家族歴をたずねる

Chapter 3- 身体診察
1視診・聴診触診を行う
2バイタルサインの評価を行う

Chapter 4- 検査
1検査を指示する
2採血・尿検査をする
3さまざまな検査をする

Chapter 5- 診断・処置・処方
1検査結果を伝える
2処方箋を出す
3次の予約を入れる

Chapter 6- 手術・入院
1必要性・注意事項を説明する
2麻酔について質問・説明する

Chapter 7- 会計
1会計口

Chapter 8- ER(救急治療室)
1救急措置 –

PART 2 応用編
内科系

Chapter 1- 神経内科
1神経痛
2頭痛

Chapter 2- 消化器内科
1潰瘍性大腸炎
2胃潰瘍

Chapter 3- 腎臓内科
1腎臓病

Chapter 4- 呼吸器内科
1慢性閉塞性肺疾患
2閉塞性睡眠時無呼吸

Chapter 5- 循環器内科
1心臓疾患(1)
2心臓疾患(2)
3高血圧症
4 動脈硬化

Chapter 6- 血液内科
1リンパ腫
2悪性貧血

Chapter 7- 糖尿病代謝内科
1糖尿病

Chapter 8- 精神科
1摂食障害
2うつ病
3双極性障害

Chapter 9- リウマチ科
1関節リウマチ

外科系
Chapter 10- 一般外科
1虫垂炎
2胆石
3腰痛・背痛

Chapter 11- 整形外科
1捻挫・骨折
2傷
3ヘルニア
4手根管症候群

Chapter 12- 心臓血管外科
1虚血性心疾患

Chapter 13- 脳神経外科
1てんかん
2脳卒中
3アルツハイマー病

Chapter 14- 乳腺外科
1乳腺腫瘍

その他
Chapter 15- 小児科
1ぜんそく・インフルエンザ

Chapter 16- 肛門科
1核

Chapter 17- 産婦人科
1子宮筋腫
2分娩

Chapter 18- 泌尿器科
1膀胱炎
2前立腺肥大

Chapter 19- 形成外科
1顔面神経麻痺

Chapter 20- 皮膚科
1皮膚アレルギー
2できもの
3抜け毛

Chapter 21- 眼科
1ドライアイ
2白内障

Chapter 22- 耳鼻咽喉科
1めまい・耳鳴り
2メニエール病
3鼻炎・副鼻腔炎
4耳感染症

Chapter 23- 歯科・口腔外科
1歯根管

医療用語リスト

バーマン・シャーリー・J (著), バリー・ブラム (監修)
出版社: ナツメ社 (2016/6/16)、出典:出版社HP

◎本書の構成と使い方

本書は PART 1 『基礎編』と PART 2『応用編』の2つのパートで構成されています。
PART 1で基本表現をマスターし、PART 2では PART 1で学習した基本フレーズをふまえて、各診療科に特化した専門性の高い診療会話を身につけていきます

(PART 1)
患者さんが病院の門をくぐってから、診察を受け、会計を済ませるまでの流れ沿って、病院内で医師をはじめとする病院スタッフが外国人患者に応対する抗話表現が掲載されています。

イラスト(IMG_0693.JPG)省略

(PART 2)
各診療科での会話例です。ここでは、南弘前病院という架空の病院の診療科で日常繰り広げられる会話で構成されています。

イラスト(IMG_0694.JPG)省略

◎音声CDの活用法

CD1にPART 1の会話例、CD2に PART 2の会話が収録されています。会話にトラックを分けて収録されていますので、必要なところから開始することができます。

●CD 1(PART 1)の活用法
CD 1には日本語での会話も収録されています。英語を聞いたあと、意味を確認することで、しっかりと基本表現を定着させることができます。

●CD 2(PART 2)の活用法
CD 2は診療科別のより専門性の高い会話が収録されています。実際の医療場面に使われるナチュラルスピードになっていますので、繰り返し聞くことで実践で役立つ診療英語を身につけることができます。

トラック一覧

Chapter 0 …. 病院概要
Chapter 1… 総合受付
Chapter 2 … 問診
Chapter 3… 身体診察
Chapter 4…. 検査
Chapter 5 … 診断・処置・処方
Chapter 6 … 手術・入院
Chapter 7… 会計
Chapter 8 … ER(救急治療室)

Chapter 1 … 神経内科
Chapter 2… 消化器内科
Chapter 3… 腎臓内科
Chapter 4… 呼吸器内科
Chapter 5… 循環器内科
Chapter 6 … 血液内科
Chapter7… 糖尿病代謝内科
Chapter 8 … 精神科
Chapter 9 … リウマチ科
Chapter 10…一般外科
Chapter 11…整形外科
Chapter 12…心臓血管外科
Chapter 13… 脳神経外科
Chapter 14… 乳腺外科
Chapter 15…小児科
Chapter 16… 肛門科
Chapter 17…産婦人科
Chapter 18…泌尿器科
Chapter 19…形成外科
Chapter 20…皮膚科
Chapter 21…眼科
Chapter 22…耳鼻咽喉科
Chapter 23…歯科・口腔外科

バーマン・シャーリー・J (著), バリー・ブラム (監修)
出版社: ナツメ社 (2016/6/16)、出典:出版社HP