外資系1年目のための英語の教科書

 


 

フレーズとマナー両方学べる!

ビジネスに適した英語の使い方とシーンにふさわしいマナーの両方が書かれている教材というのはとても少ないです。本書は、著者が外資系企業で働きながら学んだ美しく丁寧な英語とスマートなマナーをまとめてあります。ビジネスで英語を使う人には非常に役立つおすすめの一冊です。

フレーズだけ覚えただけでは、ビジネスシーンで実際に使うことはなかなか難しいのですが本書では、状況や相手に合った英語の言い回しと同時にマナーを学ぶことができます。ビジネスで様々な場面に出くわしても、どこへ行っても通用するための英語力を身につけましょう。

はじめに

アメリカ人の父と日本人の母のもとに生まれた私は、日常的に英語を聞く環境で育ち、小学校から大学まで英語で教育を受けました。高校ではア メリカのボストン近郊にあるボーディングスクールへ、大学ではハワイ大 学への留学も経験し、まさに「英語漬け」の毎日でした。

ですので私は、社会人1年目も「これまでの環境の延長でスムーズに進めるだろう」と、英語を話すことについてはほとんど不安がありませんでした。
ところが実際に外資系企業で働き始めると、そこで使われる英語は、それまで私が使っていた英語とは少し違うことに気づきました。飛び交う単語は馴染みのあるものばかりなのに、その選び方や組み合わせによって、 全く印象が変わるのです。

例えば何かを依頼するとき、ビジネスの現場では、
Could you kindly get back to us by tomorrow?
というようなフレーズが頻繁に使われていました。 英語漬けの環境で育った私でさえ、この”kindly”(親切に、優しく)と いう単語を添えるだけで、相手への思いやりが伝わることを初めて知り、とても洗練された印象を受けたのを今でもよく覚えています。

加えて、立ち居振る舞いについても、社会に出てからは全くの別世界でした。先輩や上司が、海外のオフィスから来た社員や役員と握手をしながら自己紹介をし、食事会が始まる前のスモールトークでとても和やかな雰 囲気を作りあげていく姿に、ただ惚れ惚れするばかりでした。

どうすれば、こんなふうに美しく丁寧な英語を使えるようになるんだろう? どうすれば、あんなに洗練された、スマートなマナーを身につけることができるんだろう?
私は書店を巡り、その答えを教えてくれる本を探しました。ビジネス英単語やフレーズ集、英文メールの書き方などの本はたくさん ありましたが、私がほしかったのは、 ビジネスに適した英語の使い方とそのシーンにふさわしいマナー を1冊にまとめた本でした。 どちらか1つだけでは足りないことを私は現場で痛いほど感じていたからです。けれども残念なことに、そのような本は見つかりませんでした。

頼るものがなかった私は、気まずい場面も失敗もたくさん経験し、まさに悪戦苦闘の日々でした。周りで活躍する人たちの表現や立ち居振る舞い をお手本に、ひとつずつ学んでいくしかありませんでした。

一方それは、見方を変えれば、自分の働く環境が唯一の「生きた英語の教材」ということでした。
私は丁寧でプロフェッショナルな言い回しに出会うたびに書き留めるようにし、オリジナルのテンプレート集を作りました。そして、そうしたフ レーズがどのようなマナーと共に使われているかを頭に焼きつけるようにしました。それらを現場で実践していくうちに、コミュニケーションもだんだんとスムーズになり、自信がついていきました。 そのとき私は思ったのです。 「これから英語を使って仕事をしなければいけない人たちが、私と同じような苦労をするかもしれない。自分の経験や学びを通して何か役に立て ないだろうか」と。

もし今、あの頃の私が必要としていたような本があれば、仕事で使う英 語に悩んでいる人が1人でも多く救われる。もっと「省エネ」でビジネス に必要な英語やマナーを武器にでき、皆さんが持つ本来の能力を発揮でき るはずだ、と。
この本を書いたのは、そんな思いからです。

マヤ・バーダマン (著)
出版社: KADOKAWA (2020/3/14)、出典:出版社HP

本書を読む上での3つの基本

「日常会話すらおぼつかないのに、英語で仕事をするなんて自信がない」 「文法が間違っていたらどうしよう」という不安はよく耳にします。
でも実は、ビジネスで頻繁に使われるフレーズは限られています。ある 意味、日常会話や雑談より簡単で、中学までで教わる英語でも十分通用し ます。越えるべきハードルは、難しい単語やフレーズの丸暗記ではなく、 単語の組み合わせと、状況に合った適切な言葉、それらを使う際に必要に なるマナーなのです。

さらに、世界がボーダレス化している今、様々な国、文化、言語の人が 一緒に働いているため、コミュニケーションの相手が必ずしも英語のネイ ティブスピーカーとは限りません。彼らの英語は発音やアクセントにクセがあったり、文法が間違っていることも少なくありません。けれども彼ら はその英語でコミュニケーションカを大いに発揮し、世界を舞台に活躍しているのです。

つまり、これからの時代、ビジネスでは「完璧な英語」「ネイティブ並 みの発音」を目指すよりも、きちんと要点が伝わり、それを丁寧な表現と 適切なマナーで伝えられる能力のほうがますます重要になってくると言えるでしょう。
では改めて、そうした英語とマナーの基本とはいったい何なのか。 本文に入る前に、この点を整理しておきたいと思います。

基本の「英語には敬語がない」は誤りだと認識する

「完璧な英語じゃなくて良い」というと、「英語は伝われば良い」「英語は言いたいことをストレートに言えば良い」「英語は敬語がなくフラットな言語だ」と解釈されてしまうことがあるのですが、これはよくある誤解です。

英語圏の友人が「日本人は日本語では丁寧で礼儀正しいのに、英語で話すといきなり失礼になる」とこぼしていたことがあるほどで、実際にもこうした思い込みが原因で、信頼関係に影響が出ることがあります。

帰国子女や留学経験者など、英語にある程度自信のある人でも注意が必 要です。学生時代のように目上の人に声をかけると、カジュアルすぎて失礼に聞こえてしまう可能性があるからです。

基本2丁寧な英語とマナーを組み合わせる とはいえ英語には、日本語のように、「ございます」「存じあげます」「御 社(貴社)・弊社」といった敬語そのものにあたる言葉やルールは存在しません。では英語はどうすれば丁寧に聞こえるのでしょう。それは、単語のチョイスや組み合わせ、言いたいことを言う前にクッションのようにつけ加える言葉、声のトーンなどで「調整」することによって 表現します。また、それらをどのタイミングで使うのか、どのような立ち 居振る舞いと共に相手に伝えるのか。この英語とマナーの両輪が揃うこと で、プロフェッショナルな英語が完成するのです。

基本3シーンに合わせて「適切な表現のパターン」を選ぶ

直接的で不躾な表現や曖昧な表現を使ったり、日本語の表現をそのまま 英語に直訳したりしてしまうと、相手との間に誤解や混乱、不安を生じさせてしまうことがあります。「伝われば良い」という考え方ではなく、英 語独特のニュアンスを意識し、それにふさわしいシーンと一緒に、できる だけ「英語の感覚のまま」覚えることが重要です。

本書を読む際には、これらの3つの基本を頭の片隅に置いておいてくと、 様々な学びが結びついていくはずです。 難しいことはありません。 忘れたらまた読み返せばいいのです。 そうやって確かめながら繰り返し使っていくうちに、そのフレーズがいつの間にかあなたのものになり、そのシーンにふさわしいマナーが自然に 身につき、自信を持ってコミュニケーションが取れるようになっているでしょう。

この本が、英語を使って仕事をするあなたにとって、デスクの引き出し にしまっておく「お守り」になってくれたら、これに勝る喜びはありません。
肩の力を抜き、自分が生き生きと振る舞い、英語で会話しているシーンを思い浮かべながら、本書を読み進めていただけたらと思います。

The best of luck to you!
(うまくいきますように!)
マヤ・バーダマン

本書の使い方 3 Steps

Step1 The Essentials をおさえる
ビジネスシーンで英語を使うときは、「挨拶で使う英語」を丸暗記して も通用しません。使う際にどんなことを心がけるのかを理解した上で、フレーズを使う必要があります。そうした基本的なマナーをThe Essentials にまとめているので、まずはこのマナーをおさえることを優先しましょう。

また、英語初学者の方でフレーズを覚えるのが難しく感じる場合は、まずはこのThe Essentialsだけを読み進め、マナーをさらうだけでも構いません。

The Essentialsー本当の基本一
1おうむ返しを避ける
2完全なセンテンスで話す
3挨拶にプラスαを

Step 2 英語フレーズは使う場面をイメージしながら音読する
Step 1でマナーが理解できたら、次はそのマナーに基づいて英語フレーズを学びます。本書では紹介しているフレーズの音声を無料でダウンロー ドできるので、音声に合わせ、実際に使う場面をイメージしながら音読し ましょう。このとき、The Essentialsのマナーも頭に入れながら使うと、 プロフェッショナルな英語が身につくようになります。

3挨拶にプラスαを Track 1-3
どの言語でも同じですが、挨拶がその後の様々なやりとりのきっかけに なるので、次につながるようにプラスaの表現をひとこと添えると良いで しょう。自分のことをより知ってもらい、または相手についてより知るきっかけとなり、信頼関係を築くことにつながるでしょう。

プラスαの表現
It’s a pleasure to meet you. お会いできて嬉しいです。
名前と部署を伝える
My name is Sayaka Komatsu. I’m an Associate in the Finance department. ファイナンス部門のアソシエイトの小松沙也加と申します。

Step3 Review Dialogue で総仕上げ
各Chapter の最後には、Review Dialogue を設けています。これは、それぞれのChapterで紹介した主なマナーや英語をDialogueの形で収録したものです。この Review Dialogueを音声に合わせて音読することで、実 際にどのような会話の中でマナーやフレーズが使われるのかを確認することができます。ここで各 Chapter のおさらいをして、それぞれのChapter で学んだことを記憶に定着させましょう。

Review Dialogue 1-1 復習ダイアローグ 1-1
• Scene:浅間さんが、同じ会社のマイクさん(部下)を取引先会社のCEOの内藤さん()
に紹介しています。
●A=浅間圭吾(紹介)B-Mike Brown
C= 内藤翔太 (ABCテック・ホールディングスCEO)
A: Hello, Mr. Naito. I’d like to introduce to you Mike Brown from our IT
Department. Mr. Shota Naito is the CEO of ABC Tech Holdings. B: It’s a pleasure to meet you, O.Mr. Naito.0 C: I’m pleased to meet you, O Mr. Brown. I heard from Mr. Asama that
you were involved in developing the popular English translation application for smartphones. I use that app on my phone regularly and it’s very convenient, particularly when I’m traveling.

マヤ・バーダマン (著)
出版社: KADOKAWA (2020/3/14)、出典:出版社HP

目次

はじめに
本書の使い方 3 Steps
音声ダウンロードについて
Chapter1
挨拶の基本
01 丁寧な挨拶をする
02 丁寧な自己紹介で良好な関係を築く
03 上司や同僚をスムーズに紹介する
04 はじめましての挨拶で大事な「坂手」
05 スマートに名刺を渡す
06 サッと毎日の挨拶をする
07 丁寧な挨拶をする
08再会の挨拶は相手と状況にカスタマイズする
Review Dialogue 1-1
Review Dialogue 1-2

Chapter2
依頼の基本
01 気遣いの感じられる依頼をする
02 頼みづらいことを依頼する
03 角を立てずに催促する
04 フォローアップで結果につなげる
05 効率よくスケジュールを立てる
Review Dialogue 2-1
Review Dialogue 2-2

Chapter3
メールと電話の基本
01 コミュニケーションツールをうまく使い分ける
02 プロフェッショナルなメールを書く.
03 スムーズな電話応対
04 電話をかけるときも自信を持ってスムーズに
Review Dialogue 3-1
Review Dialogue 3-2

Chapter4
会議とプレゼンの基本
01 自信を持って発言する
02 ミニッツ (議事録)の効果とポイント
03 質問も価値がある。
04 細かいニュアンスを含めて賛成・反対を表明する
05会議を効率よく進める
06会議を円滑に進めるファシリテーション
07 プレゼンは相手目線で.
08 プレゼンをスマートにスタートする
09 プレゼンのロードマップを示す
10 スムーズにプレゼンを進めてメッセージを伝える
Review Dialogue 4-1
Review Dialogue 4-2
Review Dialogue 4-3

Chapter5
謝罪と感謝の基本
01 状況に応じて謝罪の表現を変える
02 深刻な場合は4ステップに沿って謝罪する
03 状況に応じて感謝の表現をカスタマイズする
Review Dialogue 5-1.
Review Dialogue 5-2
Review Dialogue 5-3
Review Dialogue 5-4

Chapter 1

挨拶の基本
The Basics of Greetings

01
丁寧な挨拶をする
初対面の挨拶はあなたの first impression(第一印象)を決定づける大きな要素です。実際、第一印象は7秒、あるいは30秒で決まる、といった説をForbesやBusiness Insider などの記事でよく目にします。たったそれだけの時間でどう振る舞うべきか悩むかもしれませんが、以下の点を意識すれば丁寧でありながら形式的ではない挨拶ができ、良い第一印象で相 手との関係をスタートできるでしょう。

The Essentials-本当の基本一
1おうむ返しを避ける
2完全なセンテンスで話す
3挨拶にプラスaを

1おうむ返しを避ける Nice to meet you. Pleasure to meet you. Pleased to meet you.
(Better > It’s nice to meet you. It’s a pleasure to meet you. I’m pleased to meet you.

Best Practices ―現場からのヒントー
Chapter1 | snow

ワンパターンにならないように
ここでご紹介したフレーズを積極的に使うのは良いことなのです が、その際に、The Essentialsの○で紹介した、おうむ返しを避けるということを念頭に置くようにしましょう。外資系の企業で働く と、外国人の同僚、初めて会うクライアント、アメリカの本社から 日本を訪問する役員など、様々な方と挨拶をする機会があります。 こういったシーンを英語で切り抜けるとなると、日本語のときより も緊張してしまうでしょう。慣れないうちは相手が言った言葉を操り返したり、決まった表現に頼ったりと、機械的な挨拶になりがち です。なるべく相手と違う挨拶を返し、自分から挨拶をする場合に も表現のバリエーションを意識すると良いでしょう。

表現は現場で覚えていく
ここでご紹介したフレーズはあくまでも基本として覚えておき、 挨拶をする場面で、相手がどんな返事をするかを聞き、ご自身のボ キャブラリーに加えていくことをおすすめします。ストックが増えれば臨機応変に対応でき、相手によってカスタマイズできるように なります。こうした心がけで毎日の挨拶をすると、様々な相手や場 面でも自信を持って気持ちよく挨拶ができるようになるはずです。
英語を使う現場こそが皆さんの「生きた英語の教材」です。挨拶 に限らず、現場の中でフレキシブルに学んでいき、アウトプットを していくことが、語彙を増やして、使う表現ややりとりの幅を広げることにつながります。

挨拶にプラスαをTrack 1-3)
どの言語でも同じですが、挨拶がその後の様々なやりとりのきっかけになるので、次につながるようにプラスの表現をひとこと添えると良いで しょう。自分のことをより知ってもらい、または相手についてより知るきっかけとなり、信頼関係を築くことにつながるでしょう。
ブラスαの表現
It’s a pleasure to meet you. お会いできて嬉しいです。
名前と部署を伝える
My name is Sayaka Komatsu. I’m an Associate in the Finance department, ファイナンス部門のアソシエイトの小松沙也加と申します。
「今後ともよろしくお願いいたします」のひとことを添える
I look forward to working with you.
一緒にお仕事ができるのを楽しみにしております(「今後ともよろしくお 願いいたします」のニュアンスで使える)。
※「よろしくお願いいたします」の直訳がないので、場面によって適した表現を使います。
相手についてひとこと述べる
I’ve heard your name often from my coworkers. 同僚があなたの話をしているのをよく開きます。 ポジティブなニュアンスです。

メールのやりとりが続いたあと、実際に会うのが初めてのとき
Chapter 1
I’m happy to finally be able to meet you in person. やっとお会いできて嬉しいです。
プラスαの要素
以上のような表現に笑顔を添えるとより良い印象になります。「演技でも良いので、笑顔で自信があるように見せるだけで印象が変わる」。これは筆者自身が緊張する場面で上司から受けたアドバイスです。このように、 言葉遣い以外の要素にも気を配ることをおすすめします。

02丁寧な自己紹介で 良好な関係を築く
実は、自己紹介で使うフレーズはバリエーションが多くはありません。 ビジネスの場面では自分の名前を伝えるときに、言葉遣い以外にも注意すべき点があります。
The Essentials-本当の基本一
1 最初からファーストネームやニックネームを押しつけない
2日本語名の発音が外国人にとって難しいときは、ゆっくり発音するか、ニックネームで呼んでもらう

1最初からファーストネームやニックネームを押しつけない
[ Track 1-41 My name is Shota. Call me Sho! などと、初対面の際に「ファーストネー ムで呼んで」と言う方がいます。「英語圏ではファーストネームで呼び合うもの」「ファーストネームで呼び合えると距離が縮まる」というイメー ジがあるのかもしれませんが、これは誤ったものです。
ファーストネームというと、中曽根康弘元首相とレーガン元大統領の 「ロンヤス」外交(同盟)を思い出す方がいるかもしれません。お互いにファーストネームで呼び合う仲というアピールになり、日米同盟の強化につながった象徴的な外交として知られています。しかし、通常のビジネ スシーンでは、初対面の人にファーストネームを強要すると、場合によっては軽く表面的な印象や、カジュアルでTPOに合わない印象を与えてしまいます。 また、ファーストネームで呼び合うからといって距離が一気に縮まるわけではありません。それは、あくまでも相手とある程度関係を築いてから のことで、一方的にファーストネームで呼んだり、呼んで良いかと聞いたり、自分も呼んでもらうように要求するのは避けましょう。
ただし、同僚の場合はファーストネームが一般的で、自然です。企業や 組織によっては、上司やシニアマネジメントの方々もファーストネームで 呼び、プレジデントやCEOの場合は Mr. [Clark], Ms. [Johnson] などと呼 ぶことがあります。周りがどのような呼び方をしているのかをお手本にす るか、上司の方に聞くのも良いでしょう。
さらに、目上の人が自分のことをファーストネームで呼ぶように言う場 合は、自分からも同様にファーストネームで呼んでもらうよう伝えるのが 自然です。具体的に次のような会話が交わされます。

A: It’s nice to meet you. I’m Simon Clark from Corner River Incorporated. はじめまして。コーナーリバー株式会社のサイモン・クラークです。
B: It’s a pleasure to meet you, Mr. Clark. I’m Toshiya Matsui from Hoshino Corporation. お会いできて嬉しいです、クラークさん。星野コーポレーションの松井 俊也です。
A: Please call me Simon. サイモンと呼んでください。
B: Certainly, Simon. And please call me Toshi. 承知しました、サイモン。私のことはトシと呼んでください。

2日本語名の発音が外国人にとって難しいときは、ゆっくり発音
するか、ニックネームで呼んでもらう(Track 1-5 自分の名前が外国人にとって馴染みがない、または発音が難しい名前で ある場合はゆっくり発音します。もしくは、こちらから名前の短縮形やニッ クネームを伝えると親切です。「ニックネームは押しつけない」と説明し ましたが、このような場合では適切です。以下は、外国人にとって発音が 難しい名前の例と、そのニックネームの例です。
Fumihito/Fumihiko = Fumi
Kazutoshi = Kaz, Kazu, Toshi
Kenichi = Ken
Kazuhiro = Kaz, Kazu, Hiro
Junichi = Jun
Junko = Jun, June
Kyoko = Kyo
Masahiro = Masa
Mariko = Mari
Natsumi – Natsu
Yukihito, Yusaku, Yudai = Yu

次のようにニックネームを紹介すると丁寧です。
My name is Kazutoshi Matsumoto. You are welcome to call me Toshi for short. That’s easier to remember.
松本和寿と申します。トシのほうが覚えやすいかと思うので、よかったら、 そう呼んでください。
in you are welcome to… は、「どうぞお気軽に「よかったら」ご自由に」の意味で、相手に選択肢を与えている丁寧なニュアンスです。

Best Practices ―現場からのヒントー

ニックネームはTPOに合わせて
相手をニックネームで呼ぶことは、状況によっては失礼に当たる 場合があるので注意してください。普段はニックネームで呼び合う 同僚でも、クライアントや役員クラスの上司が同席する場では ファーストネームかフルネームで呼ぶようにしましょう。
また、日本では「~さん」と呼び合うことを知っている外国の方 もいるので、例えば田中さんに対しては”Hello, Tanaka san.” と言うこともあり、メールでも Tanaka san や Tanaka-san とすることが あります。日本語の場合、名字で呼び合うことがあり、カジュアル なシーンでは「よっ、田中」「おう、佐藤、お疲れ」などと言いま すが、英語では同じような感覚でラストネームでは呼び合いません。 ファーストネームまたは「ラストネーム+さん」で呼びます(ただ し、仲のよい人同士(特に男性)が少しユーモアを交えて“Hey Vardaman!”、”Hi Bryant.” という会話は聞くことがありますが、これはよっぽど仲が良くカジュアルな場面に限られます)。

The Stepping Up -一歩上を行く
回よくある外国人のニックネームを知っておく
よくある英語の名前の短縮形やニックネームの中には、Wiliam がBillになるなど、元々の名前とは綴りや発音が違うものもありま す。中には、短縮形の名前をビジネスでも使う方もいます。社内の ディレクトリー(オンラインの電話帳)やメールアドレスの名前の 部分には Bilなどの短縮形、名刺にはWilliam などフルで書き出した名前を使うケースもあるのです。以下のようなパターンもあることを知っておくと便利でしょう。
Christine = Chris
Alexander = Alex
Andrew = Andy
Anthony = Tony
Benjamin = Ben
Charles = Chuck
Christine = Chris
Cynthia = Cindy
Daniel = Dan, Danny
David = Dave
Donald = Don
Edward = Ed, Ted
Elizabeth = Beth, Liz
Jacqueline = Jackie
James = Jim, Jimmy
Jennifer = Jen, Jenny
John = Jack, Johnny
Jonathan = Jon
Joseph = Jo, Joe
Kathryn = Kathy, Kate, Katy
Margaret = Maggie, Peggy, Daisy
Matthew = Matt
Mary = Polly
Megan = Meg
Michael = Mike, Mikey
Patrick = Pat
Philip = Phil
Rebecca = Becky
Robert = Robby, Bob
Susan = Sue
Theresa = Tracy
Thomas = Tom, Tommy
Tiffany = Tiff
William = Bill, Will

03 上司や同僚をスムーズに紹介する
他の人を紹介するときのフレーズも基本的には限られているので、それらを覚えつつ、親切な紹介をするように意識しましょう。

The Essentials-本当の基本一
1紹介役は相手が聞き取りやすいように名前を発音する
2紹介された人は相手の名前を呼ぶ
3話題を広げるためのトピックを投げかける

1紹介役は相手が聞き取りやすいように名前を発音するTrack 1-7
初対面の2人がお互いの名前を覚えやすいように、紹介役は名前をはっ きりと述べて強調します。
Mr. Woods, allow me to introduce my colleague, Mike Steele We work together in the accounting division at ABG Company. Mike, I’d like you to meet Mr. Collin Woods, COQ of Woods Corporation, one of our important clients. ウッズさん、私の同僚をご紹介させてください。ABC社のアカウンティング部門で一緒に働いております、マイク・スティールです。マイク、こちらはいつもお世話になっているウッズコーポレーション COOのコリ ン・ウッズさんです。

2紹介された人は相手の名前を呼ぶ a Track 1-3
初対面の2人がお互いの名前を言うことで、相手の名前を聞き取ったことを示し、やりとりに親しみも加わります。自分で声に出すと、覚えやすくなる効果もあります。また、名前の部分は特にはっきりと言います。も し聞き取れなかったり、忘れてしまったりしたら、I’m sorry, could I have your name again?(もう一度お名前を教えていただけますか?)と聞い ても全く問題ないです。むしろ、その場で名前を確認して記憶できた方が 良いですし、相手に「この方はきちんと名前を覚えようとしてくれている」 という印象が残るでしょう。 例えば、次のように相手の名前を呼ぶようにします。

A = 川崎健(紹介役) B = 佐藤恵美 C = Sarah Lim
A: Hello, Ms. Lim. I’d like to introduce to you Emi Sato from our Finance Department. Ms. Lim is the new Director of the Risk Management Department at ABC Company. リムさん、ご紹介させてください。弊社ファイナンス部門の佐藤恵美です。 【佐藤さんのほうを向いて]リムさんはABC会社のリスクマネジメント部 の新ディレクターです。
B: It’s a pleasure to meet you, Ms. Lim. リムさん、はじめまして。
C: I’m very happy to meet you, Ms. Sato. 佐藤さん、こちらこそ、お会いできて嬉しいです。

カジュアルな場面での場合
A = 月島美希(紹介役) B = 霧島栄治 C = Scott Newburg
A: Eiji Kirishima, I’d like to introduce Scott Newburg, my colleague. Eiji is an analyst in the Research Department. 霧島栄治さん、私の同僚のスコット・ニューバーグさんをご紹介します。 [スコットさんのほうを向いて] 栄治さんはリサーチ部のアナリストです。
B: Nice to meet you, Scott. スコットさん、はじめまして。
C: Glad to meet you, Eiji. お会いできて嬉しいです、栄治さん。

Stepping Up -一歩上を行く一
Track 1.9
人を紹介するときによくある「名前を忘れてしまった」「相手の名前が聞き取れなかった」といった場面は、次のような表現でスマートに乗り切ることができます。

相手の名前を忘れてしまったとき
I’m sorry, but I just can’t remember your name. Could you please remind me of your name? 申し訳ございません、どうしてもお名前が思い出せません。お名前を教えていただけますでしょうか?
Could you please repeat your name? もう一度お名前をおっしゃっていただけますか?

相手の名前が聞き取れなかったとき
I’m sorry, but I’m afraid I didn’t catch your name. 申し訳ございませんが、お名前を聞き取れませんでした。
I’m sorry, but I couldn’t catch your name. 申し訳ございませんが、お名前を聞き取れませんでした。
※上記の場合、catchは「聞き取る」という意味になります。
Could you please repeat that? もう一度おっしゃっていただけますか?

相手の名前の発音がわからないとき
I’m afraid I’m not sure how to pronounce your name correctly. Could you please tell me the proper way to say your name? 申し訳ないのですが、お名前の正しい発音がわかりません。正しい発音を教えていただけますか?

相手が自分の名前を間違えたとき・名前の発音を間違えたときに丁寧に教える
My name’s a bit difficult to pronounce. The correct way is… 私の名前の発音はちょっと難しいのですが、正しくは・・・です。

4話題を広げるためのトピックを投げかけるTrack 1-10
紹介の場では軽く挨拶をするだけで終わることもありますが、話が広がると、お互いのことをもっと知ることができ、印象に残るでしょう。そのきっかけになるような質問の例を参考にしてみてください。

How long have you been at the firm? この会社で働いてどれくらいになりますか?
I heard that you play on the company’s basketball team. 会社のバスケのチームで活躍していると伺いましたよ。
Ken told me that you transferred from the London office. I actually worked there for a six-month assignment in 2016. We might have passed by each other in the hallway! ケン(紹介役)から、スコットさんはロンドン・オフィスからトランスファー (異動)で来たと伺いました。実は、私は2016年に半年間そこで働いていました。もしかして廊下ですれ違っていたかもしれませんね!」

※「Best Practices ―現場からのヒントー
声のトーンや大きさは相手に合わせる
会話が続く際、声のトーンや大きさを相手と合わせることも心が けるとよいでしょう。英語では常に全力で大声、自信満々にジョー クを交えながら元気よく話すと印象がよい、というイメージを持っている方にお会いすることがありますが、これは誤解です。会話は 言葉のキャッチボールなので、スムーズにいくようにお互いに話を 投げかけるときの姿勢や雰囲気、声の大きさやトーンなどの言葉以 外のところにも意識を向けて合わせていくとよいでしょう。

マヤ・バーダマン (著)
出版社: KADOKAWA (2020/3/14)、出典:出版社HP