ビジネス英語 Word Choice [類語・類似表現700] (Z会のビジネス英語)

ビジネスに欠かせない

仕事で使う700語について、類語や類似表現がコンパクトにまとまっています。ニュアンスの違いが説明されているので、使い分けが必要な表現をきちんと学ぶことができます。類義語辞典としても使えるので、デスクに置いておきたくなるような1冊です

Z会編集部 (著), Patrick Horckmans (著)
出版社: Z会 (2020/3/12)、出典:出版社HP

本書を手に取った方へ

「技術の急速な進歩により、メールやチャット,電話やWeb会議を通じて,世界中のビジネスパーソンと仕事をする時代になりました。そんな中で英語は,ネイティブスピーカーのみならず、アジア・ヨーロッパ・中東などの世界中の非ネイティブとのコミュニケーションツールにもなっています。本書を手に取った方の多くも、そうした環境に身を置いているのではないでしょうか。
本書は、仕事で必ず使う700語について、類語・類似表現の違いをコンパクトにまとめた1冊です。ビジネスパーソンに必要な情報を厳選した上、見やすさ・探しやすさにもこだわり、職場のデスクに置いて、仕事に即活用していただける書籍となっています。ここでは本書を手に取ってくださった皆さんへ類語を学ぶことの意義をお伝えします。
似た意味の単語なら、どれを使っても同じ?
「読む・聞く」を中心に行ってきた日本人が,「書く・話す」にシフトする際にぶつかる壁として、単語の訳を1対1対応で覚えていることが挙げられます。同じような意味の単語ならどれを使っても同じでしょうか?いくつか具体例を見てみましょう。

①目上の方に、金曜日の予定が空いているか尋ねたい。
「予定が空いている」はfreeなので、Are you free on Friday?と言いたいところですが、これは「金曜日、暇ですか?」という尋ね方です。これでは目上の方に対して、失礼な印象になってしまいます。
→正しい表現はp.213
②ミスの再発防止に全力を尽くすことを伝えたい。
「全力を尽くす」はdo my bestなので,I will do my best.と言いたいところですが、これでは確実に再発防止がなされるのか、場合によっては言われた側に不安が残ります。あなたの誠意が正しく伝わらないかもしれません。
→正しい表現はp.233
③同僚に「出張のことで相談したい」と伝えたい
和英辞典で「相談する」と調べるとconsultが出てきますが,この場面でconsultは絶対に使いません。consultは同じ「相談する」でも「専門家に相談する」という意味だからです。同僚は出張の専門家ではないはずなので、他の表現が適切です。
→正しい表現はp.189

これらは日本語で考えると正しそうですが、いずれも伝えたいニュアンスや,場面に沿った意味からは離れてしまっています。これは、英語と日本語には「1対1」のイコールの関係は成り立たないからです。つまり,free, do my best, consultの「訳語」を覚えていたとしても、本当の「意味・ニュアンス」を理解していないと,書いたり話したりする際に間違った使い方をしてしまうのです。
ほかにも,and soonはよく「など」と訳されますが、日本語の「など」がすべてand soonに置き換えられるわけではありません(0.237)。また、「サラリーマン」「アルバイト」のような和製英語のほか、「パンフレット」はpamphletではなくbrochure(p.169),「メリット」はmeritではなくadvantage(p.325)と言うことが多いなど、本来の英語とは異なる使われ方をされている言葉も多くあります。

違いを知ることは、自然で豊かな表現力につながる
以上のように、単語を「話す・書く」という視点で意識した経験が少ないと、頭に浮かんだ言葉や調べて出てきた言葉をそのまま使い、失礼な表現や,誤った表現をしてしまうことがあります。
類語の意味・使い方の違いを知って、正しく区別すること。そして、日本語を英語に直訳するのではなく、場面や状況によって、どの単語を使えば伝えたい要素を表現できるかを考えること。この点を意識することで,自然な英語にぐっと近づきます。
さらにこのことは、表現の幅を広げることにも役立ちます。パラフレーズ(言い換え)は、読みやすい文章を書いたり、わかりやすく話すための基本的なテクニックです。「とても重要」と言いたいとき,very importantを連発するだけでは重要性は伝わりません。よく使う言葉のバリエーションを増やすことは、説得力にもつながるのです。
また、「とても」はveryやSoで表せますが(p.256),フォーマルな場面で「すごく」と言ったり、友人に「非常に」と言ったりすると不自然なように,相手や場面によって使い分けるという視点も重要です。

ビジネスに即活用できる学び方!
非ネイティブである私たちは、特異な単語を知っている必要はありませんが、よく使う言葉に関する一定のルールを押さえておく必要があります。
本書は見開きのレイアウトを採用し,類語の使い分けを一覧表で整理しています。さらに、イラストも交えて「語1語詳しく解説しているほか,実用的な例文をあわせて掲載し,使い方が一目でわかるようになっています。また、TIPSには、コロケーション・和製英語の解説や,グローバル・コミュニケーションにおいて気をつけたい事柄などを掲載しています。
本書には、Z会のビジネス英語講座で長年指導をされてきたPatrick Horckmans先生をはじめとする添削者の先生方、そしてZ会編集部の知識と経験が詰まっています。さらに、受講者の答案を分析することで,学習者の「学校では習わなかった!」「もっと早く知りたかった!」に応える内容となっています。実際に,本書の企画開発にあたってモニター調査を行った際には,次のような声が寄せられました。
・多用する言葉である割に、意識的に正しく使えていなかったことを気づかされた。
・日本語では同じ意味でも、ニュアンスの違いがまとまっているため、イメージしやすかった。
・これまでインターネットで確認していたが、一冊にまとめられていると復習「もしやすく,困ったときにすぐ確認できるので良い。

膨大な辞書やインターネットから必要な情報を探すのは一苦労ですが,本書をデスクに置いておけば、迷った表現をパッと確認できます。本書を通して、皆さんが英語の類語・類似表現に対する理解を深め、仕事で活躍するための英語力を向上させるお手伝いができることを願っています。
2020年3月Z会編集部

Z会編集部 (著), Patrick Horckmans (著)
出版社: Z会 (2020/3/12)、出典:出版社HP

本書の利用法

①見出し語
該当ページで取り上げる日本語を示しています。今で結んでいる語とあわせてp.373以降の日本語索引から検索できます。
②表
使い分けを一覧表で整理しています。掲載している語句は,p.360以降の英語索引から検索できます。
③FOCUS
で取り上げた語句について,意味・使い方・ニュアンスを詳しく解説しています。語句の持つイメージや場面・状況を表すイラストを掲載している項目もあります。説明文中のdoには動詞の原形が,one’sには所有格の代名詞が、Aには名詞相当語句が入ります。また、Sは主語,Vは述語動詞を示しています。
④EXAMPLES
の語句を使った例文を掲載しています。ビジネスシーンでそのまま使える実用的な例文を通して、語句の使い方を確認できます。
⑤TIPS
間違いやすいコロケーション・和製英語や,グローバル・コミュニケーションにおいて気をつけたい事柄など、現場で役立つプラスaの解説を掲載しています。

目次

本書を手に取った方へ
本書の利用法
あ行(あいまいな〜およそ)
か行(会議~今後)
さ行(最近~相談する)
た行(大丈夫~努力する)
な行(など~能力)
は行(発売する~本当の)
ま行(待つ~問題)
や行(休み~予約する)
ら行(利益,利点~論点)
わ行(わかる1~分ける)

基本の形容詞
間違いやすい前置詞
英語索引
日本語索引
Column1「予定」を表すwill/be going to
2「アドバイス・義務」を表すshould/must/have to.
3「予測・可能性・推量」を表すwill/can/may
4「依頼」を表すさまざまな表現
5「頻度」を表す副詞(いつも~時々~一度もない)
6「確信度」を表す副詞(絶対に~たぶん〜ひょっとすると)
7「理由」を表すbecause/since/as
8動詞の種類(自動詞と他動詞、動作動詞と状態動詞)
9形容詞の使い方に注意(限定用法と叙述用法)
10「話し言葉」と「書き言葉」の違いに注意!
11単語は意味だけでなく、使い方をチェック!

あ行

あいまいな
会う
明らかな
明らかにする
扱う①
扱う②
集める,集まる
誤った
誤り
ある,いる
案内する

行く
以前の

受け取る
疑う

選ぶ
得る
延期する

終わる,終える
おかげで
教える
同じ
思う
主な
およそ

Z会編集部 (著), Patrick Horckmans (著)
出版社: Z会 (2020/3/12)、出典:出版社HP