隠れた名参考書!
本書は、IELTSのスコアを上げるための参考書です。英語力を上げるというよりも、問題を素早く解くためのポイントを学んでいくことが目的となっています。リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4つの章それぞれの解説と練習問題があり、構成も各章ごとに独立しています。試験までに、時間がある方は、しっかりと読み込んで学習していき、時間がない方は、苦手な章や重点的に学習したいポイントを絞って活用することができます。
ターゲット バンド 7
アイエルツ アカデミック モジュール
短期間でスコアを伸ばす方法
第3版
シモーネ ブレイバーメン
訳 月岡 祐介
目次
本書について
本書の使い方
アイエルツの構成
リスニングテスト(概略)
リーディングテスト(概略)
ライティングテスト(概略)
スピーキングテスト(概略)
リスニングテストの秘訣
訓練が大切
設問をしっかり読みましょう
困難は分割せよ!
惑わされないで!
注意すべき情報
答えが聞こえたらすぐに書き写す
終わったことにこだわらない
手掛かり
スペルを問う設問
出題形式
消去法
穴埋め問題のテクニック
文法をチェックしましょう
時間を有効に使いましょう
引っ掛け問題に気をつけて
スマートに答えを写しましょう
解答用紙はこのような書式です。
練習あるのみ! リーディングテストの秘訣
構成
時間を有効に使いましょう
読むのではなく、スキャンしよう!
マッピングをしよう
出題形式
戦いは自分で選ぶ
見出し問題の取り組み方
True/False/Not Given 問題の取り組み方
択問題の取り組み方
文章穴埋め問題の取り組み方
練習あるのみ! ライティングテストの秘訣
まず、一般的なことから
ライティングタスク1(レポート)の秘訣
グラフのタイプ
良いレポートとはどんなもの?
“日付”と文法
シングル線グラフ
ダブル線グラフ
棒グラフ
円グラフ
Pie chart sample task
表
Table sample task
プロセス図
Process sample task
図面/地図
Plan / map sample task
練習あるのみ!
シングル線グラフ
ダブル線グラフ
棒グラフ
円グラフ
表
プロセス図
図面/地図
ライティングタスク2(エッセイ)の秘訣
構成
A(rgument)タイプの構成
H(idden Argument)タイプの構成
S(ituation)タイプの構成
エッセイの易しい書き方
40 分?これじゃ足りない!
練習あるのみ!
スピーキングテストの秘訣
シンプルに答えよう!
インタビュー
よく聞かれる質問とその回答例
スピーチ
もしもこんなことが起こったら?
まとめ
学習計画
Practice Test
Answers
本書について
この本は英語力そのものよりも、アイエルツのスコアを上げることを目的としています。この試験は英語が母国語である人でも、対策を行わなければ良いスコアが取れない試験だからです。克服すべき 障壁は3つあります。時間、引っ掛け問題、紛らわしい問題文です。
特にアイエルツにおいては、時間が最も大きな障壁となります。もちろん時間をかければ全問正解することも可能でしょうが、実際は限られた時間の中でたくさんの設問に答えなければなりません。
この本が皆さんに伝えたいのは、以下の5つの秘訣です。
・すばやく答えを聞き取り、設問に答えるための秘訣
・すばやく文章を読み取り、的確に設問に答えるための秘訣
・すばやくエッセイを書くための秘訣
・どんなトピックでも、面接官との対話を成立させるための秘訣
・引っ掛け問題に気づきそれに対処するための秘訣
この本は、英語を完璧にマスターするということよりは、アイエルツで目標スコアを獲得するという目的において非常に有用でしょう。
心構え
私は、自分の生徒さん達が、目標とするスコアを獲得するのを数多く目の当たりにしてきました。そ の経験から自信を持って言えるのは、試験対策に4週間以上は要らないということです。毎日3時間きっちりと取り組めば、必ずや希望するスコアが取れるでしょう。本書のガイドに従って取り組みさえすれば、現時点での英語力で、最大限のスコアを取ることができるでしょう。また、週に1日程度のオフをとることすら可能です。
アイエルツに関する無料のアドバイスや情報を手に入れるには、http://www.ielts-blog.comにアクセスして購読してみて下さい。非常に多くの有用な試験情報やサポートが得られるでしょう。
本書の使い方
この本は、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4つの章で構成されています。 それぞれは独立していますので、どのような順序で取り掛かってもらっても構いません。
もし時間がなければ、ざっと一通り目を通して、掲載している練習問題のみをやってもらっても構いません(理想的ではないですが)。時間があるならば、是非しっかり読み込んで、本書に散りばめられたアイエルツの極意を吸収し、本試験で活かせるように練習して下さい。各章の最後に役に立つアイエルツ教材のリンクを載せています。また、本書の最後のほうには学習計画表も掲載しています。 ご自身の学習計画の参考にしてみて下さい。
また、”まとめ”(リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングのヒント集)も最後のほうのページに掲載しています。練習や本番前に目を通してもらえば効果抜群です。是非とも利用してみてください!
アイエルツの構成
試験は、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4つから成ります。リスニングの試験時間は約 40 分間です。30 分で問題を聞いて答えを探し、残りの 10 分で答案用紙に 答えを記入します。
リーディングの試験時間は約1時間です。文章を読み、その内容に基づいて設問に答えます。設問の形式については後述します。
ライティングも試験時間は約1時間で、2つのパートに分かれます。レポートの作成に 20分間、エッ セイの作成に 40 分間使うことを想定されています。スピーキングは 15 分以内で終了します。3つのパートに分かれており、個人に関わる一般的な質問、2 分間のスピーチ、面接官とのディスカッションという順で進みます。すべてのモジュールは連続で行われ、スピーキングの前のみ短い休憩時間が与えられます。場合によっては、スピーキングは別の日に実施されます。
リスニングテスト(概略)
4 つのセクションからなります。音声を聞いて、全部で 40 問の設問に答えます。音声は途中で止める ことはできず、且つ、一度しか流されません。後半に行くにしたがって、難易度は上がります。
不安に感じる人は多いですが、全く恐れることはありません!秘訣があります。とりあえずは、答えを書き損じず、試験官が読めるように書くことを心がけましょう。このモジュールでは鉛筆のみ使用できます。
リーディングテスト(概略)
3 つの文章を読んで、40 問の設問に答えます。選択問題、見出し、穴埋めなどのタイプがあります。 いずれのタイプの設問にも解答指示と例が書いてあります。本文は本、新聞、雑誌から引用されており、トピックは多岐にわたります(スキューバダイビングから宇宙開発まで)。1つ目の文章が最も易 しく、3つ目の文章が最も難しく設定されています。まず強調したいことは、本文すべてを読む必要はないということです。詳細は後に述べます。気をつけなければならないことは、答えを答案用紙に書き写す時間が設定されていないということです。
60 分間で、文章を読んで答案記入も済ませなければなりません。過去に答案記入をし忘れて試験を終えた受験生を見たことがありますが、見るに堪えませんでした。リーディングの合計スコアが 0 になってしまい、涙していました。このモジュールも鉛筆のみが使用できます。ペンは使用できません。
ライティングテスト(概略)
2つの大問に分かれています。1つ目はグラフ、表、図、に関するレポート作成です。約150 単語で記入します。2つ目は与えられたトピックに関するエッセイ作成です。250 単語以上で記入します。ここも不安な方が多いと思いますが、まったく心配無用です!これから伝授する秘訣とあなたの持っている想像力をもってすれば、全く恐れるに足りません。このモジュールはトレーニングが必要です が、少しばかり練習を積めば、自信を持って本番に臨めることと思います。
スピーキングテスト(概略)
ここは最も楽しいモジュールといえるでしょう。これまでの3つのモジュールで疲れてしまっている と思いますので、休憩時間をとりリラックスしましょう。試験官は何があっても笑顔でいるよう訓練されていますので、親友と話しているような気持ちで会話しましょう。
スピーキングの1つ目のパートはインタビューです。あなた自身の事や、仕事・勉強・両親・兄弟・ペットのことなどが質問されるでしょう。ここは比較的準備をしやすいパートです。
2つ目のパートでは、3~4個の質問の書かれたカードを渡されます。1分間で構想を組み立て、1~2 分間のスピーチをします。カードに書かれた質問すべてに答えなければなりません。スピーチの終わりに、追加でいくつか質問されることもあります。パート3は試験官とのディスカッションです。質問の内容はパート2のトピックと関連していますが、より抽象的なものになります。自分の意見を述べ、その理由も説明する必要があります。
試験官が会話を録音しますが、これは、受験者をテストするためのものではなく、試験官をテストしているものですので、不安に思う必要はありません。
リスニングテストの秘訣
一般的な話
リスニングは皆が一番恐れているモジュールでしょう。その恐怖心を払拭するために、まずテレビ番 組を英語で観るようにしてみましょう。映像をみることにより、聴こえる単語の理解がしやすくなるので、ラジオやオーディオブックよりもテレビの方がいいでしょう。
リスニングは与えられた才能ではありません、獲得する技術なのです
私の経験から考えるに、リスニングは最も発達していない技術だといえます。もしリスニングスキル が弱いとお考えの方は、次のことを肝に銘じておいてください。「誰しもリスニングスキルを持たず に生まれ、成長の過程で習得して言語理解が可能になる」。既に十分なリスニング力がある方は、次の項目を飛ばしてもらって構いません。
訓練が大切
リスニング技術を上げる唯一の方法は、耳を鍛えることです。言い換えれば、聞こえてきた英語の単語のつなぎ目を判別し、理解できるようにすることです。時に”Blablablablabla”と聞こえてしまい、何を言われているのかわからなくなってしまうのは、聴こえてきた英語を単語ごとに判別することができないからです。リスニングの訓練をするときには録音をするようにしましょう(ニュース、講義、 テレビ番組、映画、アイエルツの過去問など)。
MP3 がおすすめです。簡単に録音でき、わからなかったところを何度も繰り返し聞くことができるからです。今では小さく軽くなっていますので、通勤 中・犬の散歩中にも活用することができます。
まず、フレーズ毎に英語を聞き、覚えるようにします。そして、頭の中で数回繰り返しましょう。たとえば、“Tonight, we have a special guest”, “Tonight, we have a special guest”,“Tonight, we have a special guest”といったように。次に、声に出して唱えるようにしましょう。
もしも、一回目に聞いた段階で理解できた場合には発音の練習になりますし、一回目に聞いたときに何を言っているか理解できなかった場合には、この繰り返し練習によりフレーズを単語に分解することが可能になり、意味をとらえる ことができるようになるからです。それでもまだ難しいと感じる方は、この練習をさらに繰り返すようにしましょう。
紙に書かれた単語を見ることと、聞くことには大きな違いがあります。すなわち、一度見たことがあるからといって、それを聞き取れるとは限らないのです。ですので、見たことがある単語でも、最低でも一回は音を聞かなければなりません。
設問をしっかり読みましょう
すべての設問には解答指示があります。「分かりきった事を」と思われるかもしれませんが、解答指 示をしっかり読むことが大切です。何を答えるべきかを明示してあるからです。たとえば、何文字で 答えるか、穴埋めすべき箇所があるかどうか、単語の選択肢があるかどうか、いくつ答えるべきかなどです。また、3 単語で答えるよう指示されている場合に、2 単語や4単語で答えると0点になってしまいますので注意してください。例を挙げて説明しましょう。 リスニングの会話の中で、下のような1文があったとします。 “Well, if you are dieting, try to avoid fruits with lots of fructose like watermelon, mango, peaches or grapes.”
それに対して、
“Name 2 fruits a person on a diet should not eat.”
という設問があった場合、答えは、”watermelon, mango”か““mango, peaches”などになります。決して3 つも4つも答えないように注意しましょう!!! 念のためのつもりで、”watermelon, mango, peaches, grapes”と、指定の数以上答えると0点にされます。また、”a”や””the”や数 (159)は1単語にカウントされます。
設問で、”a maximum of 3 words”や”no more than 3 words” と指示されているときは、1 単
語か2単語か 3単語で答えます。決して4単語以上で答えないように注意しましょう。
困難は分割せよ!
音声はいくつかのまとまりに区切られて放送され、まとまりの間には 20~30 秒間のポーズがあります。 各まとまりに、4~5 個の質問が設けられています。音声指示が流れ始めたときにまずやるべきことは、どこの設問を答えるべきかをはっきり
させることです。
たとえば、音声指示で”Look at questions one to four.”と指定された場合、設問1から4を読む時間を約 20 秒間与えられたことになります。設問のキーワードにアンダーラインを引きましょう(設問のメイ ンとなる箇所がキーワードです)。そうすることにより、何を聞き取ればいいのか予想をすることが 可能になります(数なのか、場所なのか、人名なのか)。設問4の後に線を引きましょう。これから流れる放送とその設問に集中するためです。
次に、問題文が流れ始めたら、答えを聞き取りながら、設問に対する解答を問題用紙にメ
モしなければなりません。
その後、音声指示が次の設問番号を指定しますので、同様の作業を繰り返します。このように、答えるべき設問を区切ってはっきりさせることによって、取り組むべき問題に集中力を注ぎながら試験に取り組むことができます。