忙しい社会人でも学習を効果的にできる方法とは?【社会人からの英語学習[8]】

社会人にとって学習時間を確保することは簡単なことではない。平日は日によって確保できる時間も変動するだろう。こういった場合に効果的なことが、前もって時間ごとに学習する範囲を決めておくことだ。毎日、学習を継続するための約束事を現役英会話講師の“まえたく”こと前田拓也さんに教えてもらおう。

優先順位をつけて学習することを決める

社会人の場合、仕事で忙しいときと比較的に時間の取れるときがあるでしょう。そのため、毎日一定の学習時間を確保できるわけではありません。そこで、必要なことが自分の中で優先順位をつけて進めるということです。毎回、使うことができる学習時間が異なるために、順位をつけてやることを明確にすれば、目標に近づきやすくなります。ここでもう一つ大切なことは、時間がないときでも最低10分は優先度の高い分野に取り組むということ。逆に、時間があるときは優先度順に高いものから低いものまで最後までやり抜きましょう。

それでは、TOEIC®などの語学試験を目標とする人と英会話を目標とする人の2パターンにわけて優先順位の決め方を説明します。TOEIC®などの語学試験が目標で時間がある場合、苦手な分野順に取り組むべきです。例えば、リスニングが苦手ならばリスニングが最優先になります。問題を解いたり、音声を聞いたりとリスニングの強化につながることに取り組みましょう。

一方で、全然時間がない場合は、最も得意な分野を伸ばす方が良い結果が出やすいです。順位づけをするときは、一番得意な分野を最優先事項にすると良いですね。時間がないときでも10分間は取り組んでほしいです。中には、単語、文法、リスニングの全てが苦手という人もいると思います。これらは全て英語を上達するために大切な要素なのですが、最初の一歩としてどれか一つを選んで優先的に進めてみると良いでしょう。

次に英会話を目標とする人の優先順位の決め方です。最終目標が英会話なので、もちろん英語を話すことが最優先事項になります。時間がある場合は、洋画を見たり、英会話スクールに通ったりしても良いと思います。英会話において最も重要なのは、実際に英語を話すアウトプット作業なので、アウトプットすることを最優先事項として意識しましょう。もし、時間がない場合は、10分でも良いのでオンライン英会話を使って英語を話すか、YouTubeなどで使えそうなフレーズを一つ覚えることを心がけましょう。

このように、目標に最短ルートで近づくようにやらなければならないことの優先順位をつけて学習をすることが大切です。人によって目的、目標が異なるので、「必ずこれをしなさい」ということは一概に決めることができません。ですが、自分自身で目標に近づくためには、何を優先的に取り掛からなければならないのかを決めて、時間がないときは10分でもいいので優先順位が高いものを進め、時間があるときは高いものから低いものまで最後までやり切ることが大切です。

最後に一番やってはいけないことをお伝えします。それは優先順位を決められずに、結局何をやるべきかわからず、何もやらなくなってしまうことです。昔の私を含めて、英語学習初心者が陥りやすい状況です。この機会に学習の中身に優先順位をつけて、自分が使える学習時間ごとに取り組んでみてください。