履歴書は直接持ち込め! 元英会話講師が教える海外での就活法

 


 

多くの人はワーキングホリデーを取得する場合、滞在先にて何らかの仕事に就くのではないか。では、どのように現地で仕事を探せば良いのか? 日本ならいざ知らず、海外での職探しは簡単なことではない。これからワーキングホリデーを取得して現地で働こうと考えている人に、現在、ニュージーランドでホテルの仕事をしている中野大河さんが、就業するためのポイントを教えてくれた。

最初の難関は正しい言葉で履歴書を作ること

ワーキングホリデーを取得して現地で生活をする場合、ほとんどの人が滞在先で働くことを選択すると思います。現に私自身も滞在先のニュージランドでは、ホテルの仕事に従事しています。

今でこそホテルで働けていますが、仕事を得るまでは苦難の連続でした。ニュージーランドに到着直後から、インターネット上の求人サイトを通して応募を始めましたが、5件、10件と応募しても一向に連絡が来ません。面接で落ちるならまだしも、面接にすらたどり着くことができないのは大問題です。「まずいな」と思ったのも束の間、気つけば30件以上の求人に応募をしていました。しかし、それでも企業から1通も返事はありませんでした。

一方、仕事探しとは裏腹に家探しの方はスムーズに進み、国際色豊かなシェアハウスに住むことが決まりました。そこで、家主に仕事探しが上手くいっていないことを相談すると英文履歴書を見せるように言われました。私の拵えた履歴書を見て、オーナーは「フォーマルではない言葉選びと誤字・脱字があるから、書類選考で弾かれているかもしれない」と原因を教えてくれました。

そこからはアイルランド出身でネイティブスピーカーのオーナーの下、何度も書類に手直しを加えた結果、立派な履歴書が完成しました。また、オーナーは「直接企業に訪問して、完成した履歴書を手渡しする方が良い」というアドバイスもくれました。

履歴書は“送る”のではなく“持ち込む”

満を持して“履歴書配り”を始めましたが、いきなり英語面の課題に直面しました。そもそも、直接企業に出向いて履歴書を渡した経験がないので、緊張して簡単な英語ですらサラッと出てこず、噛み噛みになってしまったのです。開口一番に笑顔で「Hi, how are you? I am looking for a job in a hotel…(こんにちは。ホテルの仕事を探しているのですが…)」と切り出そうとしたのですが、緊張して「How are you?」がサラッと出てこない…。そして冒頭で躓くと後の内容もつられて上手く英語が出せないという悪循環に陥ってしまいました。

しかし、そんなことも最初の5件くらいでした。最初の5件を配り終えて、ニュージーランドで働く人の明るさや包容力に触れることができ、緊張が解けたことからスムーズに英語が出るようになりました。そして、ついに履歴書配りが身を結び、面接の機会を得ることができました。「ラグジュアリーホテル」と言う5つ星の1つ上のランクのホテルへの挑戦です。面接室に通されると、豪華絢爛な装飾に加え、窓からは街や湖を一望できる景色が広がり、「こんな所で働くことができたら良いな」と胸が高鳴りました。

ところが、ここでも問題が発生。面接官はイギリス系の英語を話す女性の方でしたが、面接官の英語が全く聞き取れないという事態に直面しました。私はTOEIC®のリスニングパートで480点(満点は495点)を持っているので、決してリスニング力は低くないはずですが、耳なじみのない英語に歯が立たなかったのです。

面接の冒頭で面接室から一望できる景色を見て、「What a spectacular view!(なんて、美しい景色でしょう)」と言ったのに対して、面接官の「Not bad, right?(悪くないでしょ?)」という返答が聞き取れず、3回も聞き返してしまいました。

面接の最後に面接官の方から「残念ながら採用はできない」ということを言われました。理由は、英語のリスニング力の問題だけではなく、高級ホテルでの勤務経験がなかったため、即戦力を探しているホテルのニーズに合っていないからです。

その後も仕事が決まりませんでしたが、何とかホテルの仕事を得ることができました。現在働いているホテルは、履歴書を持ち込んだときにインターフォンを鳴らしても中からは誰も出て来ず、「ああ、ここはダメかなあ」と半ば諦めていました。運よく看板にオーナーの電話番号が記載されていたので、「人生は一回しかない。このまま海外で仕事も経験できず帰国するわけにはいかない!」と自分を鼓舞して電話をかけました。

藁にもすがる思いだった私は、電話を取ったオーナーに自分の経歴や「なぜこのホテルで働きたいのか」を懸命に伝えました。すると、オーナーは「ちょうどホテルのスタッフがいなくて困っていたんだ。早速明日面接に来てくれ」と言ってくれました。

日本の面接と海外の面接との違いとは?

ここからは、私自身が面接を受けて感じたことをお教えします。まず、面接が決まった後にすべきこととは何か? それは、面接でよく聞かれる質問の回答を準備しておくことです。私の場合は、ホテルの仕事の面接でしたので「Hotel job interview questions」とインターネットで検索をしました。すると、よく聞かれる質問と回答例が出てくるので、回答例を参考にしながら、自分の経験を元に書きました。あとは何も見ないで質問の答えをスラスラ言えるようになれば十分です。

次に大切なことは、面接を受ける会社の下調べをすることです。受ける会社のウェブサイトや外部サイトのレビューなどを徹底的に読みましょう。特に外部サイトのレビューには、会社のサービスを体感した顧客の感想が書いてあるので、良い面・悪い面を含めた企業の実情を知ることができます。例えば、面接の場で「うちの会社の改善した方がいいと思うところはありますか?」と言った質問があったら、ネット上の顧客の声を元に意見を述べることができるでしょう。

そして、話すときに意識すべきことが、質問に対する結論を最初に述べることです。日本語では、考えやエピソードを述べた後に結論を話すのが一般的な物事の伝え方です。ですが、英語では真逆で、最初に結論を述べてから理由や具体例を述べます。そのため、日本語のような伝え方で話してしまうと、面接官に「この人は何を言いたいのだろう?」と聞く耳すら持ってもらえません。これから英語面接を受けられる方は、結論を最初に言うクセをつける必要があります。

ここまで自身の体験を元に海外での就職について話してきました。フォーマルな言葉で書かれた英文履歴書と面接での回答を準備して就職活動に臨むと良いというのが、私から海外で仕事を探し中の人や将来的に海外の仕事を探す人へのアドバイスです。また、既に渡航日が決まっているのならば、現地で苦戦しないよう、日本にいるうちにできる限りの準備をして飛び立つことをオススメします。