基礎に必要な単語と文法はどう覚える?【TOEIC®L&R受験前の基礎英語 Part2】

 


 

これまで英語が得意というわけではなく、英語学習を始めたばかりの人にとってTOEIC®を受験する前に基礎英語を身につけてしまいたい。しっかりと基礎を叩き込んだ後にTOEIC®のテキストに取り組むと、スコアの伸びがぐんと上がる。そこで、TOEIC®910点や英検1級などを保持する市川基寿氏に基礎英語の固め方を教えてもらおう。

現状の英語力を把握して単語力と文法力を身につける

勉強を始める上で大切になるのが、「今の英語力を確かめること」。大まかな英語レベルを確認するためのツールとして、日本英語検定協会の公式ウェブサイトにある『英検級かんたん測定』をオススメしましたが、より詳しく自分の英語力の長所と短所を知ることでも効率的な学習に繋げられます。そこで推奨するのが、英検の過去問題を使用した方法です。

まずは、英検の最新の過去問を3回分用意します。公式サイトにはリスニングの音源もあるのでこちらを利用すると良いでしょう。そして、できれば3級から取り組んでください。3級は中学卒業程度の英語力を確認することができるため、中学英語で挫折した経験がある人にとって適しているのです。3級といっても合格点を取ることが目的ではなく、中学英語に穴はないかを確かめるため、全問正解を目標とします。3回分の過去問を解いて、全てのテストで満点がとれたら次のステップへ進みましょう。

逆に、どこかで間違いや弱点があるなら、苦手な部分を補強しないと大幅なレベルアップは望めません。そのため、最初に英語力の基盤に当たる「中学英語」の習熟度を確かめるわけです。

次に現在の自分自身の単語力を正確に把握したいと思います。なおここでいう単語力は認識語彙(すぐに意味が分かる語彙)とします。これにうってつけなのはアルク社の『標準語彙水準SVL12000』です。この単語帳は、頻出英単語である12000語を12段階のレベルに分けてリスト化しているものです。最低でもレベル2までの2000語は、見た瞬間に意味がわかるというレベルまで身につけましょう。

まずは、各レベルのページをプリントアウトします。続いて、わかる単語を塗りつぶして消していき、最終的にわからない単語のみを残すようにします。各レベルは1000語収録されているので、「塗りつぶせた単語÷1000」が該当するレベルの語彙の認識率になります。認識しているとは「見た瞬間に意味がわかるか」という基準で判断していきます。

単語と同じくらい重要になるのが文法力です。自分の苦手な部分がわかるのであれば問題ありませんが、本当に英語が苦手な人は、「全分野わからない状態」と全てに苦手意識を持っていると思います。そのため、まずは、現在できる・できないところの仕分けをしたいので、前述のように英検3級の過去問を3回分解くわけです。その中でも、パート1の文法や単語が問われているセクションの正答率を確認します。苦手な分野はくり返し間違えていると思うので、そこを重点的に勉強して理解を深めましょう。

基礎英語力を勉強する際に市販の参考書を使う人が多いと思いますが、TOEIC®や英検など特定の試験の受験者をターゲットにした参考書よりも、中学・高校英語などを総復習できる参考書を使って学習することをオススメします。理由は、前者の参考書よりもリーズナブルなことが多く、解説も詳しいからです。

購入するときの注意点として、レビューばかりを気にしてしまって自分に合っていない書籍を選んでしまわないようにすることもあります。もちろんレビューが高い参考書はわかりやすい場合が多いのですが、必ずしも自分好みや学習スタイルに合致しているとは限りませんので、書店に足を運んで実際に手に取った上で厳選すると良いと思います。この文法理解が、学習していく中で大きく英語力の伸びを左右するので、時間と手間をかけて欲しいフェーズです。

単語帳は見た瞬間わかる単語を認識していると考えよう

リスニングの勉強をする前に発音を習得する

最後にリスニングです。リスニングの対策をするというと、多くの人がいきなり問題に取り組んでしまい、「聞き取れない」と意気消沈してしまいがちです。ですので、私はリスニングの勉強に取り掛かる前に、「発音」を学ぶことを推奨しています。

英語を学ぼうと決心した人たちの多くは、海外経験もなければ、中学校から高校までの6年間か、もしくはそれ以上の期間読解を中心としたスタイルで英語を学んできた人だと思います。そのような人たちは往々にして「英語の音」を十分に知らないまま英語を学習しています。英語の発音は日本語と大きく異なり、日本語の母音は「a・i・u・e・o」の5つの音素しかありませんが、英語は母音だけで24の音素があります(区別により数は変わる)。

つまり、母音だけを切り取っても日本語の5倍以上の音素が英語にはあるのです。ちなみに「a」は日本語では「ア」だけですが、英語では[æ]、[ɑ]、[ə]、[ʌ] といった種類があります。これらは意図的に学ばない限り、日本人には「ア」とした聞き取れないため、音の区別ができずにリスニングにも悪影響が出てしまいます。

ですから、まずは発音記号を勉強しつつ、英語の正しい音をインプットする必要があるのです。この際に、耳だけじゃなくて口を使って自分でも同じ音が出せるかを試すことも大切です。将来的にスピーキング力を伸ばしたいと思っている人にとっては尚更必要な過程です。この「発音」を最初の段階に学んでおくことが、その後のリスニングに対する得手・不得手が分かれてしまうと言っても良い重要なフェーズです。

TOEIC® L&Rテストを受ける前に必要な英語力をつけるためには、まずは自分の英語力について詳しい分析をして苦手な部分を明確にします。その後、基礎英語力である単語と文法を身につけ、英検3級レベルを完璧にして土台を作り上げます。単語と文法を身につけたら、いよいよリスニングに取り掛かりましょう。いきなりリスニング問題に取り組むのではなく、英語特有の発音を習得することで、学習していく中でもリスニングとスピーキングのスキルの伸び幅が上昇します。このようなフローで学習していくと、少ない時間の中でも効率よく基礎英語を習得できると思います。