表現英文法[増補改訂第2版]

 


 

英文法を分かりやすく、体系的に

文法が苦手だという人はとても多くいます。本書はそのような人たちに向けて、現在完了・使役動詞といった分類ではなく、わかりやすい分類方法で文法を紹介しています。映画のワンシーンや小説などの生きた英語を例文に使っているため、実際に使える英文法の力が身につきます。

田中茂範 (著)
出版社: コスモピア (2017/1/26)、出典:出版社HP

はじめに

文法のない言語は存在しません。英語学習においても、文法力が英語力の基盤になることは間違いありません。そこで、英文法を学ぶことは絶対に必要なことです。しかし、「英文法は大事だ」という 際の「文法」とは何を指すのでしょうか。

私たちに親しみのある学校英文法の多くは、文法項目の選定、配列、説明において類似しています。新たな試みもみられますが、基本的な構成の仕方は、英文法書の典型(プロトタイプ)というものが存在し、それをなぞる形で学習文法書が書かれているのでは、という印象を受けます。文法項目の説明に関しても共通したものが多くみられます。そして、実際、それが私たちの文法の理解のベースになっているように思われます。

これまでの英文法の知見は幾多の研究成果の結果であって決して 過小評価することはできません。しかし、従来の文法が英語力を高めることに十分貢献しているかといえば、さまざまな否定的な意見も聞かれます。「英文法が苦手でわからない」だとか「英文法の知識が使えない」といった意見です。実際、いろいろな調査をみると、 文法がわからないから英語に苦手意識を持っている学習者も少なくありません。また、文法を学習しても英語力に直接つながらないという問題もたびたび指摘される通りです。文法知識と文法力は違うということです。

では、「従来の文法で何が問題か」と問われれば、筆者は以下のふたつが最大の問題だと考えています。
(1)「全体像の欠如」問題
個々の文法項目の説明は行われるが、項目が有機的に関連しあっ た文法の全体像が示されていないため、知識がバラバラになりが ちで、実際の運用能力にはつながりにくい。

(2)「説明力の不足」問題
説明に納得感を与えることが難しいことから、文法嫌いの学習者 を作り出す傾向が強い。

項目が有機的に関連し合った文法の全体像がなければ、「何をなぜ学んでいるか」「何を学べばいいのか」「全体の文法のどこが弱いのか」などを知る手がかりがないということです。闇雲に文法項目を学んでいっても文法力にはつながりません。ここで必要なのは英文法のネットワーキング(関連化)です。また、説明が不十分であれば、「わからない」という気持ちになり、なんとなく暗記するのが英文法の学習であるというとらえ方が優勢になってしまいます。この問題については 「気づき」を促し、高めるような説明が必要となります。

こうした問題を意識してか、2012年施行の「学習指導要領(中学 校編)」では、以下のような記述が行われています。
1 「文法については、コミュニケーションを支えるものであることを踏まえ、言語活動と効果的に関連付けて指導すること」
2 「用語や用法の区別などの指導が中心とならないように配慮し、実際に活用できるように指導すること」「語順や修飾関係などにおける日本語との違いに留意して指導すること」
3 「英語の特質を理解させるために、関連のある文法事項はまとまり をもって整理するなど、効果的な指導ができるよう工夫すること」

全体的な風潮としては、文法よりもコミュニケーションを重視した指導を求めるという傾向がありましたが、この学習指導要領では、第一に、「文法かコミュニケーションか」ではなく、「文法はコミュニケーションを支えるもの(基盤)である」という文法観と、「文法は言語活動のためのものでなければならない」という見方が示されています。

第二に、文法の指導に際しては、「用語や用法の区別などの指導が中心とならないように配慮し、実際に活用できるように指導すること」が強調されると同時に「語順や修飾関係などにおける日本語との違いに留意して指導すること」が明記され、ここでも「使える」ということだけでなく、言語的な気づきを高める(awareness-raising)工夫の必要性が示されています。

そして、第三に、「英語の特質を理解させるために、関連のある文法事項はまとまりをもって整理するなど効果的な指導ができるよう工夫すること」が指摘されていることに注意を向けたいと思います。ここでは、文法は体系であり、項目が相互にネットワーキングしあったとき、本来の文法の姿がみえてくるということが示唆されています。

この基本的な考えは、高等学校の新学習指導要領(文部科学省、 2009)にも反映されており、「文法はコミュニケーションの基盤であ る」という見解が示されています。2022年施行予定の新学習指導要領 も間もなく開示されますが、文法に関する基本的スタンスは変わらな いだろうと思います。
指導要領で示されたこうした文法観はきわめて健全なものであると いえるでしょう。しかし、問題は、現行の文法書の多くは、そうした 文法観を必ずしも反映しているとはいえないことです。
本書で示す英文法は、その欠けていると思われる部分を補うこと をねらいとして執筆したものです。そして本書の特徴は、以下の3 点に注視したところにあると思います。

(1) 人が世界について語るという表現者の視座を徹底していること
(2) 英文法の全体的な姿を示しているということ
(3) 引く文法害(リファレンスとしての文法書)に対して読む文法書(理解のための文法書)の要素を加えていること

本書では、表現者が世界と向き合い、世界について語るという視点から英文法をとらえています。このことをふまえて「表現英文法」 という言い方をします。また、英文法の姿が見えないまま英文法を学習するというのも方向性を伴わない学びになってしまいます。そこで、本書では、モノ世界を語るための名詞の文法、コト世界を語るための動詞の文法、そして状況世界を語るための副詞の文法の総合として英文法の全体像を示す試みをしました。また、本書は、説んで「なるほど」が実感できる本格的な文法書を目指しました。

本書は2013年に初版が刊行され、2015年には、読者の方々からのコメントに応える形で大幅な増補改訂を行いました。この度、増補改訂2版を作成する機会を得ました。文法の在り方を考えるちょうどよい機会であるととらえ、いろいろ考えた末に、(1) 文法を使い、表現力を高めるためにはチャンキング的発想を身につけることが大事であ ること、そしてそのためには(2) 慣用表現の有効な利用が欠かせないことに気づきました。本書では、慣用表現とチャンキングの関係についての概説を付けるとともに、できるだけ多くの重要な機能慣用表現 (提案や依頼などに関する表現)を精選して盛り込みました。このような解説や表現を加えたことで、さらに充実した「表現英文法」になったのではないかと考えています。

また、「かさばって持ち運びしにくい。何とかならないか」とい う読者の要望に応えて、いつでもどこでも引けるように、紙質を 変え、軽くなって携帯しやすくしました。

本書の読者としては高校生から一般社会人、英語教師までの幅広い 層を想定しています。特に大きな影響力を持つ英語の先生には、ぜひ 英文法の参考書として本書を利用していただきたいと思います。
本書を通して、読者の方々が文法力を身につけるという目標の達成 に少しでも貢献できればと願っています。

2017年1月1日
田中茂範

田中茂範 (著)
出版社: コスモピア (2017/1/26)、出典:出版社HP

Contents

はじめに
本書の基本的な考え方

第1部 名詞の文法
名詞の世界はモノ的世界
Chapter 1 対象のとらえ方を示す冠詞
Unit 1 不定冠詞か無冠詞か
1 冠詞と名詞の可算形・不可算形
2 a(n)の使用原理
3 不可算名詞[物質名詞と抽象名詞
4 慣用表現の影響で不可算形になる 名詞形
5 形が違えば意味も違う
6 見え方と数えやすさ
7 日本語的な発想では理解しにくい名詞形の使い方
8 固有名にaがつくケース
9 品詞変換
Unit 2 情報共有を表すthe
1 theの使用原理
2 対象把握と情報共有
3 対象に対する共有感覚を持つための3つの条件
4 新情報には the を使わない
5 固有名と the
Unit 3 総称概念
1 総称概念を表す名詞形
2 「a+名詞」の総称用法
3 用語の定義
4 「the +名詞」の総称用法
5 「名詞の複数形」の総称用法
6 目的語の位置にある総称名詞
Unit 4 比較的固定した名詞形
Unit 5冠詞を理解するためのふたつの理論

Chapter 2 数詞と数量詞
Unit 1 数詞
Unit 2 数量詞
1 all
2 some
3 any
4 no
5 both
6 eitherとneither
7 eachとevery
8 no/ a few / a little / many / – much/most / all など
9 「たくさんの」を表すさまざまな表現
10 数量詞 + of + 特定化された名詞
Unit 3 計量詞

Chapter 3 前置修飾
Unit 1 人物描写の形容詞
Unit 2 マーケティングの形容詞
Unit 3 形容詞の配列順
1 前置修飾の形容詞の数
2 形容詞の配列の原理
Unit 4 名詞の後にくる形容詞
Unit 5 形容詞の限定用法と叙述用法
Unit 6 名詞になる「the +形容詞」
Unit 7 さまざまな前置修飾の形
1 形容詞としての分詞
2 動名詞+名詞
3 名詞+名詞(複合名詞)
4 ハイフンつき形容詞
Unit 8 名詞チャンクの基本的な情報配列

Chapter 4 後置修飾
Unit 1 [後置修飾タイプA] 形容詞句、前置詞句、副詞(句)、同格
1 形容詞句
2 前置詞句
3 副詞(句)
4 同格
Unit2 [後置修飾タイブ B] 現在分詞と過去分詞と to do(不定詞)
1 現在分詞の後置修飾
2 過去分詞の後置修飾
3 to doの後置修飾:不定詞の形容詞的用法
Unit3 [後置修飾タイブ C-1] 関係代名詞
1 関係詞節とは何か
2 日常言語における関係詞節
3 制限用法と非制限用法
4 関係代名詞の種類
5 主格の which
6 先行詞と関係詞節
7 主格の who
8 目的格のwhich
9 目的格のwhom
10 関係代名詞としての whose
11 関係代名詞としてのthat のはたらき
12 関係代名詞としての what と関係形容詞としてのwhat
13 wh-ever
14 関係代名詞は何回使用可能か
15 ゼロ関係詞節は関係代名詞の省略か接触節か
Unit 4 [後置修飾タイプ C-2] 関係副詞
1 関係代名詞と関係副詞の違い
2 場所を表すwhere
3 時を表す when
4 理由を表す why と方法を表す how
5 関係副詞の非制限用法

Chapter 5 代名詞
Unit 1 人称代名詞
Unit 2 最重要代名詞 it
1 itの基本的なはたらき
2 漠然とした状況や状態を示す
3 形式主語it
Unit3 代名詞としての one
Unit4 再帰代名詞
Unit 5人称代名詞以外の代名詞
1 代名詞としての such
2 代名詞としての each
Unit6代名詞としてのeitherとneither
Unit 7 some- / any- / no- / everyと-thing/-one/-body が結びついた代名詞
Unit 8 指示詞thisとthat
1 this と that の基本的な意味
2 thisとthat を用いた慣用表現
3 That’s it.の多様な解釈
4 that の使い方の広がり

Chapter 6 名詞節
Unit 1 that 節「……ということ」
Unit2 動詞の目的語としての that節と動名詞と to 不定詞
Unit3 疑問詞節の名詞化

第2部 動詞の文法
動詞の世界はコト的世界
Chapter 1 テンス(時制)と アスペクト(相)
Unit 1 テンスとアスペクトとは何か
Unit2 現在単純形―静止画的に語る「今」―
1 現在単純形の基本機能
2 動作動詞と現在単純形
3 状態動詞と現在単純形
4 注目したい静止画的な表現
Unit3 現在進行形―動画的に語る「今」―
1 現在進行形の基本機能
2 現在進行形の意味と使い方:応用編
Unit 4 現在完了形と現在完了進行形―HAVE 空間で語る「今」―
1 現在完了形の基本機能と使 い方
2 現在完了進行形の基本機能と 使い方
Unit5 過去単純形―静止画的に語る「過去」―
1 過去単純形の基本機能
2 過去を表す副詞表現
Unit6 過去進行形―動画的に語る「過去」―
1 過去進行形の基本機能
2 過去進行形には補足情報が必要
3 過去進行形は過去の連続的動作を表す
4 過去進行形の慣用的な使い方: I was wondering
Unit7 過去完了形と過去完了進行形―HAD 空間で語る「過去」―
1 過去完了形の基本機能
2 過去完了形と過去完了進行形の比較
3 過去の時点を設定するマーカー(標識)
4 過去完了形の慣用的な使い方: no sooner… than

Chapter 2 未来を語る表現
Unit1 おもな未来表現
1 確定した事実として語る「現在単純形」
2 何かがすでに始まっているかのように語る「現在進行形」
3 すでに行為に向かっている状態にある be going to…
4 意志と確実性の高い推量を表すwill
5 「推量」を表すwill be doing
6 「(未来のある時点では)…し終わっているだろう」を表すwill have done
Unit2 そのほかの未来表現
1 未来を表すさまざまな慣用表現
2 be about to…は未来表現ではない

Chapter 3 動詞のタイプ
Unit 1 他動詞と自動詞
1 前置詞のあるなしで意味合いが違う
2 日本語と英語の違い
Unit2 動作動詞と状態動詞
1 動作動詞と状態動詞の基本機能
2 進行形にできる動詞
3 受動態にできる動詞
Unit3 原形とは何か
Unit 4 現在分詞と過去分詞
Unit5 知覚動詞
1 嗅覚を表す動詞:smell
2 味覚を表す動詞:taste
3 触覚を表す動詞:feel/touch
4 視覚を表す動詞:look/see
5 聴覚を表す動詞: listen/hear/sound
6 見え方を表す動詞:appear/seem/look
Unit6 句動詞
1 副詞か前置詞か
2 結合タイプの句動詞と分離タイプの句動詞
3 句動詞における空間詞のはたらき
4 句動詞の意味のタイプ
5 異なった意味合いの背後にある共通のイメージ
Unit7 doの世界
1 doの構文
2 「……する」を表す doとmakeとplay
Unit 8 使役動詞
1 使役動詞 (get / cause/force) +名詞+ to do
2 使役動詞 (make/ have/let)+名詞+ d
Unit 9 助動詞
1 助動詞の3つの機能
2 法助動詞と代動詞
3 分詞補完動詞: be と have 266
Unit 10 get の世界
1 get の構文可能性
2 get のコア
2 get の基本的な使い方
2 get の応用例
Unit 11 haveの世界
1 haveの語彙的用法とコア
2 haveの構文可能性
3 have gotで「所有」
Unit 12 be の世界
1 beの構文とコア
2 beの意味の展開
Unit 13 -ing の力
1 -ingの共通性と4つの文法項目の相互関連性
2 進行形の-ing
3 現在分詞の-ing
4 分詞構文の-ing
5 動名詞の-ing
6 -ingの4つの文法的はたらき

Chapter 4 話し手の態度と法助動詞
Unit1 can
1 can の本質的な意味
2 canの意味展開
3 can’t / cannotの慣用表現
4 canとbe able to…の違い
Unit2 must
1 must の本質的な意味
2 must / have to… / need to…/have got to…
Unit3 may
1 may の本質的な意味
2 may の慣用表現
Unit4 will と shal
1 will の本質的な意味
2 shall の本質的な意味
3 法助動詞wil(may/must /can) +完了形
Unit 5 would
1 would の本質的な意味
2 would と used to… の違い
Unit6 could
1 過去を回想するcould
2 現在に関心を置いた could
Unit7 should
1 should の本質的な意味
2 「必要性」「意外性」の should
3 ought to… と shouldの違い
Unit 8 might
1 might の本質的な意味
2 mightとcouldの違い
3 mightの慣用表現
Unit 9 would [could / should /might] + have done
Unit 10 法助動詞を使わずに確信の度合いを表す
1 心的態度表現:確率を表す副詞と法助動詞の関連性
2 助動詞化と関連表現
3 その他の関連表現

Chapter 5 態―能動態と受動態と中間態
Unit 1 態とは何か
1 能動態と受動態と視点
2 中間態
Unit2 受動態が可能になる条件とは
1 受動態が可能になるふたつの条件
2 自動詞が受動態になる場合
Unit 3 受動態の機能的特徴
1 受動態で行為者を後ろにおく意味
2 動作重視か、状態・結果重視か
Unit4 by 以外の前置詞がくる場合 原因、手段、道具、材料など
1 by 以外の前置詞
2 擬似受動態
Unit 5 「get +過去分詞」で表す受動態表現
Unit6 知覚動詞と受動態
Unit7 受動態と感情表現
1 受動態で表す感情表現
2 形容詞的な擬似受動態と前置詞
3 by, at, about, with選ぶ基準

Chapter 6 動詞のスクリプトと構文
Unit 1 動詞のスクリプトと構文的可能性
Unit2 動詞の8つの構文タイプ
Unit3 タイブA 動詞+α(= 0 [ゼロ])
Unit 4 タイプB 動詞+α(=名詞、形容詞、副詞、前置詞句)
1 動詞+名詞
2 動詞+形容詞
3 動詞+副詞
4 動詞+前置詞句
Unit5タイブC 動詞+α(=名詞+名詞)
1 動詞+[名詞 HAVE 名詞] 2 動詞+[名詞 BE 名詞] 3 ふたつのタイプの「動詞+名詞+名詞」
Unit6 タイブD 動詞+α(=名詞+[形容詞/副詞/前置詞句])
1 動詞+名詞+形容詞
2 動詞+名詞+副詞
3 動詞+名詞+前置詞句
Unit 7 タイプE 動詞+α(=to do/doing/done)
1 to doか doingか
2 to doとdoingの違い
3 動名詞: doing
4 不定詞: to do
5 「動詞+ to do」と「動詞+ doing」で意味が異なる場合
6 不定詞と動名詞の否定形
7 開始・継続・終了動詞とto do/doing
8 go/come + 動詞的要素
9 過去分詞: done
Unit 8 タイプF 動詞+α(=名詞+[準動詞to do/do/doing/done])
1 動詞+名詞+to do
2 動詞+名詞+do
3 動詞+名詞+doing/done
4 知覚動詞+名詞+ do/doing
Unit 9 タイプG 動詞+α(=that節/wh節)
1 動詞+that節
2 動詞+wh節
Unit 10 タイプH 動詞+α(=名詞+[that節/wh節])
1 動詞+名詞+that節
2 動詞+名詞+wh節

Chapter 7 形容詞構文
Unit 1叙述用法と形容詞構文
Unit 2 「形容詞+ to do」のふたつの構文
1 ふたつの形容詞構文の違い
2 ふたつの構文を使うことができる場合
3 「主語+ BE +形容詞 + to do」のみが使われる場合
4 「It is +形容詞 + to do」のみが使われる場合
Unit3 BE +感情形容詞+前置詞句
1 前置詞を選択する際の基準
2 感情を表す形容詞と前置詞の組み合わせ
Unit 4 BE +形容詞+ that 節/wh節 節を伴う形容詞
1 「BE +形容詞+節」における形容詞のタイプ
2 sureとcertainの違い
3 BE + 形容詞+ wh 節
第2部のまとめ
公式としての動詞の文法

第3部 副詞の文法
副詞の世界は状況的世界
Chapter 1 副詞的表現の機能と位置
Unit 1 副詞と副詞的表現のいろいろ
1 副詞的表現とは
2 副詞(チャンク)のふたつのはたらき
Unit 2 副詞的表現のはたらき(1)修飾機能
1 強弱濃淡の調整によく使われる副詞的表現
2 強弱濃淡に写実性を加える副詞的表現
3 副詞が修飾するのは形容詞だけではない
4 Unit3 副詞的表現のはたらき(2)状況に関する情報表示機能
1 副詞的表現には情報を加える役割がある
2 話し手の発話内容に関する 態度
3 様態・手段・時問・場所など
Unit 4 副詞的表現の位置とそのはたらき
1 副詞的表現の3つの位置
2 文中の副詞的表現
3 文頭と文尾の副詞的表現
4 豊かな副詞的表現を盛り込める文頭と文尾の位置

Chapter 2 豊かな意味を生み出す副詞的表現
Unit 1 「時間」を表す副詞的表現
1 「今」を軸に時間を設定
2 時間に関する副詞的表現
Unit 2 「場所」を表す副詞的表現
1 話し手のいる場所であるhereが基本
2 視点に注意
Unit 3 「頻度」を表す副詞的表現
どれぐらい頻繁に
Unit 4 「様態」を表す副詞的表現
どのように
Unit5 「手段・道具」を表す副詞的表現
Unit6 「付帯状況」を表す副詞的表現
ある状況を伴って(with)
Unit 7 「目的」を表す副詞的表現
Unit 8 「結果」を表す副詞的表現

Chapter 3 前置詞
Unit 1 前置詞の種類
Unit2 空間関係を表す基本前置詞のとらえ方
1 at の意味世界
2 inの意味世界
3 onの意味世界
4 off の意味世界
5 aboutとaroundの意味世界
6 across の意味世界
7 throughの意味世界
8 alongの意味世界
9 overの意味世界
10 aboveの意味世界
11 beyondの意味世界
12 underの意味世界
13 belowの意味世界
14 withの意味世界
15 to の意味世界
16 of の意味世界
17 from の意味世界
18 for の意味世界
19 againstの意味世界
20 betweenとamongの意味世界
21 by の意味世界
Unit3 空間副詞
1 upの意味世界
2 downの意味世界
3 outの意味世界
4 backの意味世界
5 awayの意味世界

第4部 情報配列と構文
英語の情報配列の特徴と構文
Chapter 1 語順—情報配列のテンプレート
Unit 1 情報の流れ
Unit2 情報配列の基本 「主語+動詞+a」

Chapter 2 情報連結詞
Unit 1 情報連結詞とは何か
Unit2 等位接続詞―and / but /so/or
1 and の使い方
2 but の使い方
3 so の使い方
4 or の使い方
5 either A or B
6 neither A nor B
7 both A and B
8 not only A but also B
Unit 3 時を表す節を導く接続詞
1 接続詞の5つのタイプ
2 タイプA: when/while/as
3 タイプB: before / after / since / until
4 タイプC: as soon as / no sooner…than
5 タイプD: every time / each time
6 タイプE: 分詞構文 (-ing)
Unit 4 理由、条件、期待に反する状況を表す節を導く接続詞
1 理由を表す節を導く接続詞
2 条件に関する節を導く接続詞
3 期待に沿わない状況を表す 接続詞
4 「状況如何に関わらず」という状況を表す接続詞
Unit5談話標識
副詞的表現の連結詞

Chapter 3 文のタイプ
Unit 1 平叙文
Unit2疑問文質問力
1 yes/no 疑問文
2 yes/no 疑問文に対するさまざまな返答の仕方
3 選択疑問文
4 行為意図の表現:疑問形の機能表現
5 WH疑問文
6 WH疑問詞+名詞/形容詞の形
7 修辞疑問文
Unit3 命令文
Unit4 存在文:there
1「存在を表す構文」としてのthere is/are
2 物語導入における there 構文
3 特定できる名詞句を伴う場合
4 there 構文の応用表現
Unit5 付加疑問文
Unit 6 感嘆文
Unit7 語順の倒置 倒置構文
Unit 8省略を含む特殊文
Unit 9 主語
1 いろいろな主語
2 無生物主語

Chapter 4 比較構文
Unit 1 類似・相違・同等
1 似ていることを表す言い方と異なっていることを表す言い方
2 likeとalike
3 同じくらいであることを表すas…as:同等比較
4 as…as を用いた慣用構文
5 asのはたらき
Unit2 優劣・大小・強弱などを評価する
1 形容詞と副詞の比較級・最上級の形
2 優勢比較:天秤の高いほうに焦点をあてて
3 比較構文における省略
4 劣勢比較:天秤の低いほうに焦点をあてて
5 優劣などの強弱の調整
6 more [-er]… than 構文の表現力
7 多彩な比較慣用構文
8 これも比較構文
Unit3最上級
1 最上級の基本形
2 最上級なのに theをつけない場合
3 最上級の応用例
4 最上級の強弱の調整
5 最上級の慣用構文

Chapter 5 否定構文
Unit 1 モノの否定
1 「no + 名詞」で否定する
2 「no +単数形」と「no +複数形」の違い
3 noとnot で意味が異なる場合
4 「ほとんどない」を表すfewとlittle
5 否定の接頭辞・接尾辞
6 noを含んだ慣用表現
7 There is no-ingとIt’s no use-ing
Unit2 コトの否定
1 文の否定
2 多様な not の使い方
3 短縮形と文体
4 not の作用が及ぶ範囲
5 強く発音することで何を否定するかを示す
6 「ほとんど……ない」を表すhardly
Unit3 頻度上の否定
Unit 4 部分否定と二重否定
Unit 5 条件付きの否定
Unit6 否定形なのに肯定の意味
Unit7 否定の関連表現

Chapter 6 話法
Unit 1 直接話法と間接話法
Unit2 情報を引用する
Unit3話し手の視点が鍵
Unit 4直接話法と間接話法は何が違うのか
Unit 5 引用する文タイプと伝達動詞
Unit6問接話法の特徴

Chapter 7 仮定法構文
Unit1 仮定法は仮想の状況を設定して語る
Unit2 仮定法はテンス、アスペクトを 調整する
Unit3 仮定法過去
現在のことについて仮定した状況を設定する
1 仮定法過去の視点と形式
2 if it were not for…や倒置の文
3 I wish I could [were] Unit 4 仮定法現在
Unit5 仮定法過去完了
1 仮定法過去完了のはたらき
2 主節の形
Unit6 未来志向の仮定法表現
1 これからのことについて仮想の状況を設定する
2 should と were to….
Unit7 仮定法表現の意味の関連性
Unit 8 if 節が仮定法の柱
1 if only
2 as if… / as though…
Unit 9 これもあれも仮定法

特別記事 英文法のチャンキング学習法と 機能別チャンク表現リスト

【資料編1】
50 個の基本動詞のコアイメージ
【資料編2】
28個の空問詞のコアイメージ

インデックス
質問インデックス
日本語インデックス
英語インデックス

【特別コラム】
コア理論と文法1 give を例にして
コア理論と文法2 makeを例にして
いろいろな「位置」を表す表現
表現者の視点と言語表現

【コラム】
play the piano と play soccer の違いは?
a kind of…. と a make of..
yetとever
have/take + 動作名詞
mayを使った名文句
「動詞+名詞+前置詞句」の構文
日英語比較1 なぜgo swimming in the riverか
howeverの位置
almost / nearly / rather / quite / only /even
関連前置詞 atop/onto/upon
関連前置詞 beneathとunderneath
without と within
toとtoward
a kind of… や a glass of…で
使われる of
前後左右の表現
upとdownの句動詞
awayとaside
時問を表す前置詞:during/until [till] /before/after/since
いろいろな意味関係を表す前置詞: 単独前置詞と群前置詞
well / then/too/else
Here you are.とHere you go.はどう違う?
日英語比較2 定疑問文には要注意
Here is…の使い方
similarity と difference の類義語
ゲティスバーグの演説に使われたcan not

おわりに
参考文献

田中茂範 (著)
出版社: コスモピア (2017/1/26)、出典:出版社HP

本書の基本的な考え方

文法書と文法力

英語力を身につける上で英文法力は決定的に重要です。どんな言語であれ、ひとつの言語を獲得して話すということは、同時にその文法力を獲得することを意味します。しかし、母語の場合、自然に獲得された文法力は、知らず知らずのうちに体得した言語直視あるいは言語感覚のようなものだといえます。そこで、ある言語を母語にする人に文法の問題について尋ねてもスッキリした答えを得ることはまずありません。それでも、文法力を備えているからこそ、共通の表現ツールとしての言語を自在に使うことができるのです。

私たちは、「英文法書」という参考書があって、それを学ぶのが文法の学習だと考えがちです。しかし、これまで学んできた「英文法」については、いろいろな意 見があります。なかでも、「英文法がわからないから英語がわからなくなる」という意見と、「英文法を学んでも英語が使えるようにはならない」という意見のふたつは、新たな英文法を考える上で十分に考慮する必要があります。

コンピテンス(能力)としての文法力

言語学では、英語のとらえ方として、いわゆる「英語というもの」を表す「ラングとしての言語」と実際の「英語の使用」を表す「パロールとしての言語」を分けて考えます。ラングとしての言語観では、英語というものを規則の集合からなる全体(体系)としてとらえます。一方、パロールとしての言語観だと、音や文字の流れとしての英語をとらえ、それによって会話、演説、小説、歴史、論文、詩などのテクストが不断に生成されると考えます。しかし、本書の出発点となっているのは、ラングとしての英語が実際に存在するわけではないということです。つまり、「これが英語というものだ」というふうに英語を対象として指し示すことは原理的にできません。「英語というもの」は、人々が「これこれこうだ」と思っている何かであって、その想定の仕方が正しいという保証はありません。そこで、当然のこととして、言語学者も、生成言語学と認知言語学では立場が異なり、英語のとらえ方も異なります。

一方、パロールとしての英語は言語活動そのものであり、テクストとして実在するものです。そして、そうした言語活動が可能になるのは、「コンピテンス(能力)としての英語」を個々人が内在化しているからなのです。つまり、コンピテンスとしての英語が、英語のテクスト生成の源なのです。
文法でも同じように、文法書はラングとしての英文法を記述する試みであって、それがコンピテンスとしての文法力と対応している保証はありません。しかし、人々がコンピテンスとしての文法力を備えているからこそ、英語を自由に使って無数のテクストを作り出すことができるのです。
このように考えると、「英文法がわからないから英語がわからなくなる」と「英文法を学んでも英語が使えるようにはならない」という考えは不自然ということになります。大切なのは、「英文法力(コンピテンスとしての文法)」を養成するのに有用な形で「英文法書(ラングとしての文法)」の再編成を行うことです。必要なのは、英語による「言語活動(パロールとしての英語)」を支える文法力に結びつくような文法書だといえます。

英文法の妥当性の3つの条件

本書は上記を念頭に構成した「英文法(書)」であり、表現力を支える英文法という意味において「表現英文法」と名づけたいと思います。ここで提示する英文法も筆者が考えた英文法であって、その妥当性を決める基準が必要となります。
本書の執筆にあたり筆者が念頭においたのは「教育的(学習的)妥当性」(pedagogical validity)という基準です。ここでいう教育的妥当性とは、teachability(教えることができること)、learnability(学ぶことができること)、 usability(使うことができること)の3つの条件を満たす妥当性のことです。
従来の文法書は teachabilityの要件は満たしていました。しかし、「文法がわからない」という声は learnabilityの要件が低いことを意味し、「文法をやっても使え ない」という声は usabilityの要件が満たされていないことを意味します。そこで本書は、learnableで usableな文法わかる、使える英文法ーを目指して執筆しました。

使えるためには「使い分ける」ことと「使いこなす」ことが必要

文法を意識しないで自然に英語を使うことができ、自由に表現を紡ぎ出す力、 これが文法力というものです。母語の場合には、文法力は身体感覚のようなもので、意識されることはほとんどありません。自動的に使うことができるのです。 しかし、第二言語として英語を学ぶ場合には、自動化はいきなり起こるものではありません。自然に英語を学ぶ環境であれば、英語環境で英語にふれ、英語を使うという体験から文法力が自然に身につくかもしれません。しかし、そうでない環境では、「自分の英文法」をひとつのシステムとして意識的に構築していく必要があります。その際に重要なのが、納得しながら英文法を構築するということと、使うことを自覚しながら英文法を構築するということのふたつです。つまり、「わかる」と「使える」を実感しながら自分の英文法を自分で構築するということです。 しかし、「使える」を実感しながらとはどういうことでしょうか。

「使える」という条件を満たすためには、「使い分ける」と「使いこなす」が鍵に なります。「現在完了形と過去形の違いは何か」「aとtheの違いは何か」「不定詞と 動名詞の違いは何か」などはすべて使い分けるために必要な問いです。関係代名詞 について知っていてもそれを有効に使えない、現在単純形が何であるかは理解し ていてもそれが現実にどのように使われるかがわからない、といった問題は「使 いこなす」に関するものといえます。

「わかる」と「使える」を意識した「表現英文法」

ここで展開する英文法は、日本人学習者が英語を習得するための英文法です。 それは、「わかる」と「使える」を意識した英文法です。前述したように、そうした英文法のことを本書では「表現英文法」と呼びます。すべてのやりとりは表通して行われます。そして、本来、文法力は状況に応じて適切な文(表現)を作り出す力と、差し出された表現から意味を構成する力の中核になるものです。別の言い方をすれば、言葉で表現することで事態を構成するというのが「話す・書く」ということであり、言葉から事態を構成することが「聞く・読む」ということです。

本書では、基本的に、表現者の視点から英文法を構成していきます。しかし、 その内容は、理解者の視点を採用しても妥当なものであるはずです。
表現者の視点からみた場合、文法力とは、言いたいこと(表現意図)を英語で表 現することができる力です。つまり、表現意図があって、表現の駒(文法項目)があり、意図に合った表現の駒の選択を行うことができる、ということです。

表現意図→表現の駒→表現の選択

例えば、未来を展望して何か語ろうとする場合、そのために可能な表現の駒は複数あります。その中から適切な表現選択を行うには、表現同士の意味の違いが理解されていることが必要です。表現同士の意味の違いを見分ける力、これが文法力です。

例えば1月のある日、AとBのふたりの女性が会話をしているとします。A(妊 娠した女性)が友人Bに「赤ん坊は3月に生まれる」ということを伝えたいとします。これはAの具体的な表現意図です。このことを表現するのに、未来を展望して語るための駒のいずれかを使うことになります。しかし、Aがwill doとbe going to doの間で迷ったとします。この「迷い」は文法力のなさの現れです。ここでの状況では、I’m going to have a baby this coming March. と表現するのが適切です。つまり、be going to doを選択しなければならないのです。しかし、それを正しく選択するためには、be going to do と will との違い(→p.208-210)を直観的あるいは意識的に知っている必要があります。これが文法力です。

もし、I will have a baby this coming March. といえば「そうだ、この3月にもうひとり赤ん坊を生もう生むだろう)」という意味合いになります。表現の駒を 「時制」だとか「未来表現」という用語で語れば文法項目になるわけです。しかし、いずれにせよ文法力は、言いたいことをいうための拠り所にほかなりません。
もうひとつ例をみておきましょう。「彼女はロシア系の父とフランス系の母の間 に生まれた」という状況を英語で表現したいとします。そこで、She was born [ ] a Russian father and a French mother.の[ ]にどの前置詞を入れるかという問題に直面したときには、これも駒の選択の問題だといえます。ここでは to を使いま す。どうして to になるのかが直観的、あるいは意識的にわかること、これが文法力なのです。

表現英文法は、表現を作り出すための(そして表現を理解するための)文法です。 上のwill do か be going to do かの選択や to の選択の問題は、個別事例にすぎま せん。文法は体系的なものです。そこで、文法を体系化するのための視点が必要となりますが、本書では、「表現者が世界について言語で語る」という視点を採用します。すなわち、世界の表現の仕方が表現英文法であり、世界をどうとらえる かによって文法の構成の仕方が決まってくるということです。

*p.516で解説する「相対(あいたい)する」というtoの意味のコアがそのまま生かされた例。She was bornで「誕生 して」、[to] a Russian father and a French motherで「ロシア系の父とフランス系の母<に相対した>」ということ。

文法の全体像:名詞的世界・動詞的世界・副詞的世界

これまでの英文法学習では、例えば、関係代名詞、分詞構文、不定詞などにつ いて学ぶものの、それぞれがどういうふうに有機的に相互連関しているかを示すということはあまりみられませんでした。このことは、断片的な知識はあっても、それが総合的な英文法力になかなかつながらないという問題と関連しています。
本書では、世界(内的世界と外的世界)のとらえ方として、モノの集合としてのモノ的世界、出来事(コト)を表すコト的世界、そして、その出来事をとりまく状 況としての状況世界の3つを想定します。そして、それぞれの世界を語るための文法的な道具立てとして英文法を再編成することで文法の全体像を示します。

まず、モノの集合(things)としての世界を想定することができます。モノの要素はいろいろありますが、それは名詞を中心に展開する世界ということで、名詞 的世界と呼ぶことができます。英語では、名詞的世界をどういう文法で記述するのか、これが名詞的世界を語る文法の骨子となります。もちろん、世界を言語的にとらえる場合、モノとモノを関係づけた出来事や状態 (events & states) の世界が想定されます。出来事や状態を語る際の中心は動詞であることから動詞的世界と呼ぶことができます。さらに、出来事をとりまく状況(circumstances)を想定 する必要があります。例えば「誰が何に対して何をしたか(Who did what?)」は 動詞的世界の関心事ですが、出来事には、「いつ」、「どこで」、「どうして」、「どの ように」といった when、where、why、そしてhow が関係してきます。これを言語的には副詞で表現することから副詞的世界と呼ぶことができるでしょう。

モノ [things](名詞的世界)
コト[events & states] (動詞的世界)
状況[circumstances](副詞的世界)

英文法力とは、名詞的世界、動詞的世界、副詞的世界について、どういう英語 で、どれだけ、それぞれの世界、そして総合化された世界を語ることができるか、ということになります。
名詞的世界を語るのに、最初、子どもは比較的簡単な文法を使うことからはじめ、もちろん、個人差はありますが、徐々に機能性の高い洗練された文法を身に つけていきます。同じことが、動詞的世界、副詞的世界についてもいえます。もちろん、世界はこれらの3つの世界を統合・融合したもので、それぞれが独立し ているわけではありませんが、英文法書の編成原理としては、名詞的世界、動詞的世界、副詞的世界という切りわけ方は有効であると考えます。
しかし、この3つの世界を切り分けるというだけでは、英文法の世界は完結しません。表現はコトバの配列を通して行われるからです。だとすると、どのように配列するか、という情報配列の問題を考慮する必要があります。文のタイプ(平 保文、疑問文、命令文など)や接続詞などを考慮する必要があります。また、構文 (constructions)というとらえ方も必要です。比較構文、否定構文、仮定法構文などがこれに含まれます。配列と構文を本書では「情報の配列と構文」として取り扱います。 そこで、本書の見取り図(英文法の全体像)を示すと以下のようになります。

以下では、「名詞の文法」、「動詞の文法」、「副詞の文法」、それに「情報配列と心円状に、例えば名詞の文法がより機能的になる、というのが文法力の発達プロセスです。全体を意識しながら文法を学ぶことで、目標の設定、学習項目の位置 づけができると考えています。

田中茂範 (著)
出版社: コスモピア (2017/1/26)、出典:出版社HP