ハートで感じる英文法 決定版

 


 

ネイティブスピーカーはこう文法を覚える!

実践的な英会話が重視されるようになってきて、英文法を勉強することは意味がないと言われることが増えてきました。しかし、英文法とは英語力の基礎となるものです。本書は、ネイティブスピーカーが持つ英語の感覚を24のトピックで解説する英文法書です。何度も読みたくなくらい貴重な情報が詰まっています。

大西 泰斗 (著), ポール・マクベイ (著)
出版社: NHK出版 (2018/9/25)、出典:出版社HP

 

英語の正しい「感じ方」

みなさんこんにちは。大西泰斗です。
昨今「やり直し」英語学習がブームですが、そのやり方に私 は大きな疑問を持っています。みなさんは中学・高校時代、それなりに勉強しましたよね。中学・高校でまったく学習してこなかったなら別でしょうが、社会人になったあと、英語力―特に会話能力―を切実に必要としているような方々なら、まじめに英語に取り組んだ歴史をお持ちだと思うのです。さて、 中学・高校時代、英語が話せましたか? その時点で英語が話せなかったとしたら、同じことを「やり直し」ても話せるわけはないのです。

みなさんが英語を話したいなら、やるべきは、結局話すことができなかった過去の学習を繰り返すことではありません。そうではなく、英語への態度の根本を改めることが必要なのです。どう改めるのか。もちろんネイティブスピーカーの意識に 同調するように、です。

私たちが学んできた「英語」は表面的です。英単語はどう学んできましたか。日本語訳を覚えただけではありませんか。文法はどうでしょう? 文法規則・語法を納得することなく、「暗記物」として頭に入れただけではないでしょうか。それをどう実践に生かしましたか。大学受験読解問題で日本語訳をしただけではありませんでしたか。その学習のどこにも「ネイティブスピーカーが感じている・使っている英語」はありません。上手に日本語訳ができる能力――私たちがこれまで培ってきたのはそうした「英語力」にすぎません。

日本語訳の束縛を離れれば、英単語は深く感覚的であることがわかります。文法事項は単なる暗記事項ではなく、それぞれの項目は感覚的に納得できるものであり、暗記をしなくても 自由に使いこなせるものだということがわかります。感覚でできているからこそ、英語は誰しもが使える道具たりえているのです。
本書は英文法全体を漏れなく、という形式を取ってはいません。英語への認識を改めるために全体を学習する必要はありませんし、それではかえって遠回りです。もっとも誤解されてきた話題をピンポイントで矯正していくだけで、みなさんの英語に対する誤解・苦手意識は氷解します。

英文法を「やり直そう」とお考えの方、まずこの本をお読みになってください。英語を話すためにやり直さなければならないのは、個々の文法事項ではなく、英語に対する考え方そのも のだということがすぐにご理解いただけるはずです。伝統的な学習で細部に至る知識を十分お持ちの方であれば、この本を読むだけで大きな英語力の改善を見ることができるかもしれません。

さあ、英語の本当の姿を探す旅に出かけましょう。

大西泰斗
(補足)本書は、2006年に出版された2冊の本をまとめたものであり、現在私が他の著作やラジオ番組などで解説している内容と用語が異なるところがありますが、あえて当時のまま残しています。伝統的な学習を重ねてきた学習者には、最適な用語選定、説明手法だと今でも思うからです。

大西 泰斗 (著), ポール・マクベイ (著)
出版社: NHK出版 (2018/9/25)、出典:出版社HP

CONTENTS

英語の正しい「感じ方」
PARTⅠ ~ハートで感じる12のレッスン~
LESSON1 「イメージでつかむ」前置詞の世界
LESSON2 theは「1つに決まる」
LESSON3 「導く」thatのキモチ
LESSON4 「迫ってくる」現在完了
LESSON5 「躍動する」進行形
LESSON6 すべての-ingは躍動する
LESSON7 未来形なんてない
LESSON8 助動詞のDNA
LESSON9 過去形が「過去じゃない」とき
LESSON10 仮定法を乗り越える
LESSON11 英単語もイメージだ
LESSON12 「文の形」にも感覚がある

PARTⅡ ~ハートで話す12のレッスン~
LESSON1 to不定詞―ことばをつくす―
LESSON2 if―プレッシャーをかける―
LESSON3 知覚構文―なめらかに語る―
LESSON4 倒置―感情を乗せる―
LESSON5 否定―オブラートに包む―
LESSON6時制の一致―感じたままに報告する―
LESSON7 「とき」の感覚―臨場感を与える―
LESSON8 some & any―正確にあらわす―
LESSON9 可算・不可算―繊細に表現する―
LESSON10 疑問詞・関係詞―的確に質問する―
LESSON11 使役構文―人間関係をふまえる―
LESSON12 up & down―自分の感性に従う―

おわりに

*本書は、NHKテレビ「3か月トピック英会話 ハートで感じる英文法」 (2005年7月~9月放送)、「3か月トピック英会話 ハートで感じる英文法 会話編」(2006年1月~3月放送)のテキストをそれぞれまとめて2006年に小 社より刊行した「NHK3か月トピック英会話 ハートで感じる英文法」および 「NHK3か月トピック英会話 ハートで感じる英文法 会話編」の2冊を再構成 し、あらたに1冊にまとめたものです。

STAFF
カバーデザイン 齋藤浩(トンプー・グラフィクス)
オリジナルブックデザイン 松森雅孝、柳沢由美子(ハーモナイズデザイン)
イラスト 兎村彩野、小林修治
撮影 藤田浩司
校正 大塚葉子
協力 NHKエデュケーショナル

大西 泰斗 (著), ポール・マクベイ (著)
出版社: NHK出版 (2018/9/25)、出典:出版社HP