実例解説英文法

 


 

生成文法による英文法書

英文法を苦手とする人が多いのは、暗記する文法の量が多くどれも複雑だからだと思います。本書は、生成文法という新しい文法の考え方に基づき、文法の背後にある本質を解説しています。それによって、暗記ではなくより論理的に文法が理解できるようになるでしょう。

中村 捷 (著)
出版社: 開拓社 (2009/10/1)、出典:出版社HP

はじめに

本書の特徴と考え方

本書の最大の特徴は、生成文法という新しい文法の考え方に基づいている点です。この考え方に基づいて,構文については,それを単に記述するのではなく,その背後にある成り立ちを図式的に説明します。文法事項については,単にその内容を記述するのではなく,その背後にある本質を説明することによって、その存在理由を明らかにします。このような新しい視点から学習文法を再構成し,より科学的で論理的な説明を試みたのが本書です。

外国語の学習では文法規則がすべての根幹をなします。本書では、文法規則の説明から出発し、それを基本的例文によって理解し、さらに実例による実践的訓練によって定着を図る、という演繹的方法をとります。文法の規則を知っていることとそれを解釈や作文で応用できることとは別の問題です。応用力をつけるために様々な英文から採った実例をあげてあり,これによって文法の理解が十分であるかどうかを確認することができます。本書は単に参照するのではなく,「活用」することを意図しています。本書の特徴をあげておきましょう。

  1. 文構造を単に記述するのではなく,その構造の成り立ちを図式的に説明していること、英文の構造を読み取る操作は一種の数学的解析ですから、文の成り立ちを理解しておくことは英文の解釈に非常に役立ちます。
  2. 日英語の比較を取り入れることによって、日本語の知識を英語学習に生かせるように工夫をしています。日本語と英語には多くの共通点があるので,日本語の知識を英語学習に生かすのが得策です.
  3. 動詞の記述が詳細であることことばの世界の中心をなすのは動詞です。動詞によってその言語の基本文型が決まります。そして,動詞の意味と基本文型の間には相関関係があります。本書では動詞を意味に基づいて体系的にまとめてあるので,動詞の用法と基本文型の関係を効果的に学習できます。
  4. 実例が豊富であること、実例を小説,論説,新聞,エッセイなど多様な英文から採っています。ここであげた実例のレベルの英文が読めるようになれば、自力でより高度な英文を読むのに十分な力がついたと考えることができます。

各章は,章のまとめである「章の概略」,文法事項の「説明」、内容の理解を確認し定着させるための「実例」の三つの部分から構成されています.実例や内容の説明が少しむずかしいと感じる人もいるかもしれませんが、脳は多少の負荷をかけないと成長しませんし、達成感もないことを心にとめておきましょう。
本書の出版にさいしては,金子義明氏には文法項目の整理や説明方法について知恵をお貸しいただいた.また,開拓社の川田賢氏には原稿の段階から出版に至るまですべての段階で大変お世話になった。記して感謝申し上げる.

2009年9月
中村捷

中村 捷 (著)
出版社: 開拓社 (2009/10/1)、出典:出版社HP

目次

はじめに
第1章文の成り立ち
1.文と節
2.句の成り立ち
3.日本語と英語の語順
4.英語の基本文型
5.必須要素と修飾要素
6.句を見つける練習

第2章文の種類
1.平叙文
2.疑問文
3.命令文
4.感嘆文
5.文の埋め込み

第3章動詞の型
1.動詞の型と基本文型
2.動詞の型
2.1.動詞(Vのみ)
2.2.動詞+補語(V-C)
2.2.1.be動詞など
2.2.2.becomeなどの動詞
2.2.3.seemなどの動詞
2.2.4.prove,turn outなどの動詞
2.3.動詞+名詞句/前置詞句/節(V-NP/PP/Sn)
2.3.1.V-NP(目的語をとる)
2.3.2.V-PP(前置詞句をとる)
2.3.3.V-Sn(節をとる)
[A]V+不定詞節,[B]V+動名詞節,[C]V+that節,
[D]V+should that18,(E)V+wh節(W140)
2.3.4.心理動詞
[A]like,[B]surprise
2.4.動詞+名詞句+他の要素(V-NP-XP)
2.4.1.V-NP-PP
[A]putタイプ,[B]giveタイプ,[C]buyタイプ,
[D]provideタイプ,[E]remove/depriveタイプ
2.4.2.V-NP-NP
[A]giveタイプ,[B]buyタイプ,[C]callタイプ
2.4.3.V-NP-AP
[A]makeタイプ,[B]結果を表す動詞,[C]believeタイプ
2.4.4.V-NP-VP
[A]使役動詞,[B]知覚動詞,[C]wantタイプ,[D]believeタイプ
[E]allowタイプ,[F]persuadeタイプ,[G]promiseタイプ
[H]不定詞をとる動詞のまとめ
2.4.5.V-NP-Sn
[A]V-NP-that節[B]V-NP
2.4.6.V-PP-Sn
[A]V-PP-that節/wh節,[B]V-PP-不定詞節
2.5.There構文の動詞
[A]存在を表す動詞[B]出現を表す動詞
2.6.It…that構文の動詞
[A]appear, seem,[B]happen, proveなど

第4章形容詞の型
1.形容詞の型
1.1.形容詞+前置詞
1.2.形容詞+節
1.2.1.形容詞+that節
1.2.2.形容詞+不定詞節
1.2.3.#形容詞+shouldを伴うthat節
1.2.4.It+is+形容詞+that節
1.2.5.It+is+形容詞+不定詞節
1.2.6.It+is+形容詞+shouldを伴うthat節
1.2.7.wiseクラスの形容詞
1.2.8.hardクラスの形容詞
1.2.9.likelyクラスの形容詞
1.2.10.deliciousクラスの形容詞
2.形容詞の限定用法と叙述用法
3.動作的・状態的と段階的・非段階的
4.実例

第5章名詞の型
1.文と名詞句の関係
2.名詞の型
2.1.名詞+前置詞句
2.2.名詞+不定詞節
2.3.名詞+that節/wh節/shouldを伴うthat節
2.4.It+is+名詞+that節
2.5.Thefact+is+that節の型
3.実例

第6章前置詞
1.前置詞句の構造
2.前置詞の選択
3.前置詞の用法
4.その他の注意点
5.実例

第7章副詞
1.副詞とは
2.動詞修飾の副詞
3.文副詞
4.形容詞・副詞修飾の副詞
5.名詞・前置詞修飾の副詞
6.その他の注意すべき副詞
7.実例

第8章不定詞節
1.不定詞節は文である
2.不定詞節の主語
3.不定詞節における「時」の表し方
4.不定詞関係節
5.動詞修飾の不定詞節
6.不定詞を含む慣用表現
7.実例

第9章動名詞節
1.動名詞節は文である
2.動名詞節の主語
3.動名詞節の「時」の区別
4.動詞的動名詞と名詞的動名詞
5.動名詞と不定詞の相違
6.動名詞を含む慣用表現
7.実例

第10章分詞節
1.分詞節の構造
2.分詞節の表す意味
3.beingの削除
4.分詞節の主語
5.主語や目的語の状態について述べる述語
6.付帯状況を表すwith

第11章副詞節
1.副詞節の働き
2.時の副詞節
3.理由の副詞節
4.様態の副詞節
5.条件の副詞節
6.譲歩の副詞節
7.目的の副詞節
8.結果の副詞節

第12章関係節
1.関係節の作り方と用法
2.関係代名詞
3.関係副詞
4.複合関係詞

第13章削除構文
1.動詞句の削除
2.文の削除
3.動詞を含む中間部の削除
4.名詞句の削除
5.その他の削除
6.実例

第14章比較構文
1.同等比較
2.比較級による比較
3.最上級
4.比較の慣用表現
5.実例

第15章能動文と受動文
1.能動文と受動文の関係
2.受動文と前置詞・イディオム
3.受動文の使われ方
4.受動文と不定詞節
5.受動文とthat節・不定詞節
6.能動受動文
7.実例

第16章時制と相(完了形・進行形)
1.動詞の意味分類
2.現在時制の用法
3.過去時制の用法
4.未来を表す表現
5.時制の一致
6.完了形
7.進行形

第17章助動詞
1.助動詞の二つの基本的意味
2.助動詞の現在形の用法

3.助動詞の過去形の用法
4.助動詞のまとめ

第18章仮定法
1.条件文と仮定法
2.条件文と仮定法の型
3.条件文
4.仮定法過去
5.仮定法過去完了
6.if節がない仮定法
7.仮定法を用いた慣用表現

第19章情報の流れ・右方移動・左方移動
1.情報の流れ
2.右方移動
3.左方移動

第20章itの用法.
1.天候,時間,距離,状況などを表すit
2.予備のit
3.強調構文
4.実例

第21章等位接続
1.等位接続詞とその特徴
2等位接続される要素

第22章否定
1.否定要素
2.文否定,部分否定,語否定
3.否定の及ぶ範囲と意味
4.否定要素を用いた慣用表現
5.実例

第23章挿入節
1.文を対象とする挿入節
2.句を対象とする挿入節
3.実例

第24章倒置
1.主語・助動詞の倒置
2.主語・動詞の倒置
3.実例

第25章同格:
1.併置による同格
2.ofによる同格
3.thefactthat節の型の同格
4.実例

第26章冠詞と名詞
1.定冠詞と不定冠詞
2.定冠詞
3,不定冠詞
4.冠詞の省略
5.名詞の種類

参考文献
実例について、
索引

中村 捷 (著)
出版社: 開拓社 (2009/10/1)、出典:出版社HP