[音声DL付]話せる英語ドリル300文~Q-Leap式! 1日10文で始める・続ける

1万人以上のビジネスマンも実践!

本書は、300の文を学べる英会話の参考書です。電話、会議、空港、ホテルなどのビジネスシーンを設定して、1つのシーンに10の例文を紹介する形式となっています。例文では、汎用性のある単語や文法、構文を含んでいるため、初心者でも使いやすいようにしています。

1日10文、1ヶ月で1冊の分量なので継続的な英語学習を始められます。本書を繰り返して特訓することで自然な発音が身に付き、さらに英会話力が上達するでしょう。

はじめに

大丈夫、誰でも話せるようになる!
Q-Leap式が“効く”理由
カギはプロセスの「自動化」

英語を「話せる」とはどういうことでしょう。それは「メッセージの構築」「語彙選択・構文化」「音声化」という3つのプロセスを、同時並行で、しかも連続で行えるということです。よどみなく話し続けるためには、前の発話が終わらないうちに頭の中で次の発話のプランを立て、次々に処理していかなければなりません。しかし、私たちのワーキングメモリ(短期記憶領域)は限られているので、これらの複雑なプロセスを連続してスムーズに行うためには、各プロセスの「自動化」が必須となります。

自動化とは、一から手順を考えなくても、「しよう」と思った瞬間に神経細胞と筋肉の反応が繋がり、スムーズに実現できることを言います。皆さんの生活のほぼ大半は「自動化」されたスキルで成り立っています。例えば、ペットボトルのキャップをひねる動作から、車の運転やスマホの操作に至るまで、無意識にアウトプットできることは全て自動化されていると言っていいでしょう。同じように、英語をスムーズに話すためには、先に挙げた3つのプロセス、「メッセージの構築」「語彙の選択・構文化」「音声化」を自動化していく必要があります。

自動化は、その一連の動作・作業を生活や仕事の中で繰り返すことで起こります。注意が必要なのは、誤った動作も繰り返せば自動化されてしまうということ。例えばゴルフのスイングも、自己流を続けて良くない癖がついてしまうと、スコアはいずれ頭打ちになるでしょう。英語も同じで、誤った語彙や発音や語順 感覚が自動化されてしまうと(これを第二言語習得論では「化石化= fossilization」と言います)、スムーズなコミュニケーションが妨げられてしまいます。一度化石化されてしまったスキルを矯正するには、かなりの量の意識的な学習が必要になります。ですから、初めが肝心なのです。

「話せる英語ドリル」の仕組み
本書では、これから英語を話せるようになりたい方のために、基礎的な英語のスピーキングスキルを自動化するためのプログラムを提供します。1日1ユニット、計30日で完成するプログラムです。皆さんには1日に10の例文をマスターしていただきます。例文はビジネス場面を想定したもので、ビジネスパーソンが仕事の会話で頻繁に使う基本語彙・表現・構文を盛り込んであります。例文と和訳を確認した後、音読、瞬間文構築、瞬間空所補充という段階的な発信トレーニングを行ってください。全てのトレーニングは音声化されており、一定時間、皆さんの脳と口を拘束します。この時間内に集中して反復練習を行うことでインプットした語彙・表現・構文が自動化され、アウトプットできるスキルに変わります。

Q-Leap式の最大の特長は発音、特にイントネーション(声の高低=ピッチのパターン)を重視していることです。ネイティブ並みに流暢に話す必要はありませんが、聞き手にストレスを与えない発音で話すことはビジネスマナーです。また、ネイティブスピーカーはイントネーションで会話の展開を予想しています。ですから、基本のイントネーションパターンを身につければ、伝えたい内容が正確に伝わり、会話がスムーズに進みます。単語単位の発音には気を配っていても文単位のイントネーションを意識している学習者は多くはありません。本書ではイントネーションを可視化した例文を見て音読を行うことで語順や意味のかたまりを意識して音声化する練習ができます。

英語が英語らしい音の「かたまり」で、するっと自分の口から出てくる。その喜びと快感を多くの皆さんと共有したいという願いを込めて、私たちは本書を執筆しました。1課を終えるごとに、皆さんの中に自動化された英語スキルと、「英語、話せる!」という自信が積み上がっていくはずです。私たちがレッスンをしているかのごとく皆さんの両脇を伴走しますので、最後の1ページまで徹底的に学び倒しましょう!

2018年12月 Q-Leap株式会社代表
企業英語研修講師 浅場眞紀子、愛場吉子
注:本書の音声はアルクのウェブサイトで無料配信しています(MP3形式ファイル)。学習にはこの音声が必須です。ご自身でスマートフォンやデジタルプレーヤーにダウンロードしてご利用ください。詳細はこちらをご覧ください。

浅場 眞紀子 (著) , 愛場 吉子 (著)
出版社: アルク (2018/12/27)、出典:出版社HP

目次

はじめに
本書の特長と学習の進め方
音声ダウンロードのご案内
音読用例文の記号の読み方
「今日の語句」一覧

Day 1 電話で1
Day 2 電話で2
Day 3 アポイントメント
Day 4 出張準備
Day 5 空港で1
Day 6 空港で2
Day 7 ホテルで1
Day 8 ホテルで2
Day 9 旧交を温める
Day 10 初対面の人と話す

Day 11 会議の準備
Day 12 会議で
Day 13 プレゼンで1
Day 14 プレゼンで2
Day 15 交渉
Day 16 意見交換
Day 17 会食で
Day 18 受注・発注1
Day 19 受注・発注2
Day 20 クレーム

Day 21 クレーム対応
Day 22 自社を語る
Day 23 自社の業績を語る
Day 24 世界経済を語る
Day 25 採用面接
Day 26 人物評価1
Day 27 人物評価2
Day 28 研修で1
Day 29 研修で2
Day 30 スピーチ

浅場 眞紀子 (著) , 愛場 吉子 (著)
出版社: アルク (2018/12/27)、出典:出版社HP

本書の特長と学習の進め方

本書は1日10例文×30日で、発音・語彙・語順感覚を磨くドリルです。以下のような特長があります。

■ 例文について ・30のビジネスシーン×10文=300文
「空港」「ホテル」「会議」「面接」など、英語を使う30のビジネスシーンを設定し、各シーンで使える基本例文10文を紹介。合計300文をマスターできます。基本例文の一部を変化させる「瞬間空所補充」の例文を入れると、合計600文を学ぶことができます。
・7つのコミュニケーション機能をカバー
例文は下記いずれかのコミュニケーション機能を持つ汎用性の高いものです。
1. Description(モノ・場所・人物などの描写)
2. Narration(行動・動作・作業過程などの説明)
3. Request(依頼、指示)
4. Recommendation (推薦・推奨)
5. Asking Questions(質問、情報収集)
6. Agreement / Disagreement(賛成/反対意見)
7. Comparison (ELTE)

・ビギナーでも暗唱しやすい4~10語の長さ
短期記憶領域で一度に保持できる新情報は最大10語と言われます。それ以上長い文をすらすらと言うには、文中の一部の英語表現が「自動化」されている必要があります。本書では自動化された英語表現のストックが少ない学習者も取り組みやすいよう、例文の語数を4語~10語にしています。

■エクササイズについて
・反復重視、1つの例文を5回学習
語彙・語順・発音を自動化する(意識せずに正しくアウトプットできる状態にする)ために、同じ例文を5つのステップで学びます。
Step 1 例文を聞き、和訳を確認する。
Step 2 音読記号と音声を参考に例文を音読する。
Step 3 例文を分割して順序を入れ替えた音声を聞き、瞬時に正しい形の文にする。
Step 4 例文内の語句や構文を変化させて、別の文に作り替える(空所補充で行う)。
Step 5 例文から抽出した重要語句10を聞き、リピートする。
【余力があれば】 An Extra Step 例文をシャドーイング、リピーティングする。
・最短15分から、隙間時間に取り組める
1日10例文なので、Step1~5までを15分程度でこなせます。スマホに音声をダウンロードして隙間時間に取り組みましょう。ただし自動化が目標なので、スムーズに発話できるまで最低3回は繰り返してください。
・イントネーションが「見える」例文で音読効果アップイントネーションは、声で文の構造や伝えたい内容を表すものです。英語らしい英語を身に付ける上で、イントネーションを意識した音読は欠かせません。本書の基本例文は、発音・アクセントの専門家の監修の下、矢印、文字の大きさ・太さ、下線などの記号で基本のイントネーションを可視化しています。見た通りに声に出すことでネイティブスピーカーの発音に近付けます。本書の「イントネーション」の考え方と記号の読み方は、こちらで詳しく説明します。

■ 学習の進め方
学習日を記入
復習は、やればやるだけ力になります。最低2回は復習し、記録しておきましょう。理想の復習タイミングは24時間以内、72時間以内、1週間後、1カ月後などです。
24時間以内に復習しないと7割弱忘れるという研究結果もあります。トレーニングの翌日には必ず復習しましょう。
Step 1 「今日の例文」をチェック
その日に学ぶ10の例文を読み、音声を聞きます。和訳にも目を通しておきます。
【音声】例文の読み上げ(英語)→和訳の読 み上げ(日本語)

Step 2 「音読」練習を行う
イントネーションを可視化した例文を声に出して読み上げます。ネイティブスピーカーが吹き込んだお手本音声に続けて行いましょう。
【音声】例文の読み上げ(英語)→音読用ポーズ

Step 3 「瞬間文構築」練習を行う
例文が2-3分割され、パーツの順番が並べ替えられた音声を聞き、瞬間的に正しい文の形にして口に出します。耳だけで行うことが難しければ、印刷された分割例文を見ながら行いましょう。解答ポーズの後に正解が聞こえます。
平叙文と疑問文どちらも作れるパターンや、副詞(句)の入る位置が複数あるパターンがあるため、正解は1文のみとは限りません。
【音声】分割例文の読み上げ(英語)→解答 用ポーズ→正解例文の読み上げ(英語)

Step 4 「瞬間空所補充」練習を行う
学んだ例文を応用して別の文を作る練習をします。和文の意味になるよう、英文の空所に単語を入れましょう。空所に与えられた先頭文字や「ヒント」覧を参考にしてください。空所を埋めた後、和文 →英文の音声を聞きます。
応用パターンは、1語句の差し替え、2動詞の数・時制の変更、3文の形の変更(例:平叙文→否定文・疑問文)のいずれかです。和文を聞いて瞬間英作文するのも良いトレーニングになりますよ。
【音声】和文の読み上げ(日本語)→解答用 ポーズ→正解英文の読み上げ(英語)

Step 5 「今日の語句」をチェック
その日学んだ例文(「瞬間空所補充」練習の文を含む)中の覚えておくべき重要語句を確認します。音声を聞きリピーティングしましょう。
【音声】語句の読み上げ(英語)→リピーティング用ポーズ
An Extra Step まとめのトレーニング
余力があれば、復習として例文のシャドーイング(音声を聞きながら同じ文を口に出す)、リピーティング(音声を聞いた後、同じ文を再現する)を行いましょう。
【音声】例文の読み上げ(英語)→リピーティング用ポーズ

浅場 眞紀子 (著) , 愛場 吉子 (著)
出版社: アルク (2018/12/27)、出典:出版社HP

音声ダウンロードのご案内
本書の学習用音声はアルクのウェブサイトにて無料で提供しています(MP3形式ファイル)。パソコンやスマートフォンにダウンロードしてご利用ください。ダウンロードにはインターネット接続が必要です。なお、ファイルサイズが大きいため、ダウンロードに時間がかかることがあります。ブロードバンド環境でのご利用をお勧めします。
・パソコンにダウンロードする場合パソコンへの音声ファイルのダウンロードは、下記のURLから行ってください。
アルクのダウンロードセンター
https://www.alc.co.jp/dl/
※書名もしくは商品コード(9580665)で検索してください。
※ダウンロード後、zipファイルを解凍してご利用ください。パソコンのOSによっては、圧縮ファイルの解凍ソフト(Lhaplusなど)が必要な場合があります。
※音声ファイルの他、「今日の語句」一覧リスト(PDFファイル)も提供しています。
・スマートフォンにダウンロードする場合
スマートフォンに直接ダウンロードするには、アルクが提供する語学学習用アプリ「語学のオトモALCO」をご利用ください。Android、iOSに対応しています。
音声マークについて MP3) 01_1 「MP3ファイル01_1を聞いてください」という意味です。
※アンダーバー前の数字はDayの番号を、後ろの数字はStepの番号を表します。

スマートフォン(iOS/Android)アプリ「語学のオトモ ALCO」をご活用ください
「語学のオトモALCO」アプリは、書籍・通信講座の音声、通信講座の電子版テキストブックをダウンロードして利用する専用アプリです。
・ALCOでできること
● 本書の音声をスマホで聞ける!
パソコンがなくても大丈夫。スマートフォンにALCOをインストールすれば、本書の音声をスマートフォンに直接ダウンロードして聞くことができます。
● 再生スピードを調節できる!
再生スピードを0.5倍~3倍まで調節できる話速変換機能を備えています。本書の音声が速すぎると感じる場合は、スライダーを動かしてスピードを遅くしてみましょう。
● 聞きたいところだけリピート再生できる!
音声でA地点、B地点を指定して、AB2区間の音声を再生できます。何度も繰り返し聞けるので、リピーティングの練習に便利です。
● 巻き戻し・早送りが便利!
再生中にボタンを押すだけで、指定した秒数(2、4、8、16、30秒)での巻き戻しや早送りができます。聞きたいところをピタリと指定できるのでストレスがありません。

・ご注意
※1 「語学のオトモ ALCO」はApp Store (iPhone)、Google Play(アンドロイド)からダウンロードできます。ご利用にはメールアドレスIDの登録が必要です。詳細は https://
www.alc.co.jp/alco/をご覧ください。
※2 ご利用条件(https://www.alc.co.jp/policy/other/)を必ずご確認のうえ、 同意いただける方のみご利用ください。
※3 ダウンロードコンテンツには容量の大きいものが多いため、ダウンロードの際はWi-Fi環境でのご利用を推奨いたします。また、スマートフォンの内蔵メモリにファイルサイズ相当の空き容量が必要です。
※4 本サービスの内容は予告なく変更する場合があります。あらかじめご了承ください。

音読用例文の記号の読み方
本書のトレーニングでは、「発音」をとても重視します。ここでは、英語の音声現象の基本と、本書の音読練習用例文の記号の読み方を解説します。

音読用例文・表記例
I mus(t) say tha(t) I’m no(t) happy with the staff.
イントネーションフレーズ(IP)の境界
ネイティブスピーカーは英語を話す時、「1つの文をどこで切るか(もしくは切らないか)」を意識的に、もしくは無意識に判断しています。文を区切ったそれぞれの単位をイントネーションフレーズ(IP)と呼びます。上の例文では、thatの前までとthatから後の2つのIPに分けることができます。文法・意味上区切ってはいけないところはありますが、それ以外であれば、区切りの位置は伝えたい内容や話者の好みによっても変わります。 本書では境界の一例を|の記号で示します。
→ 声の高低の動き
イントネーションとは声の高低(ピッチ)の動きのことです。同じ英文でもイントネーションによって伝わる意味が変わります。英語を話す時には、文法・意味のかたまりであるIPをどのようなイントネーションに乗せるかを考えなければなりません。本書では、特殊な文脈を持たせない場合のイントネーションの例を、矢印付きの線で示します(便宜上「ピッチライン」と呼びます)。ピッチラインは全てロンドン大学言語学名誉講師で同大学の夏期音声学講座ディレクター、ジェフ・リンジー博士の監修を受けています。
mus(t) say、no(t) happy、service 強勢が置かれる部分
大きい太字のフォントで示された部分は、声を大きくする、高くする、長くするなどして他の部分より際立たせる部分です。意味伝達上重要な「内容語」と呼ばれる語句(名詞、動詞、形容詞、副詞など)です。
mus(i)staff イントネーションフレーズ(IP)の核
IP内の最も重要な語(一般的にはIP内の最後の内容語)には「核」が置かれます。「核」の語では、ピッチの高低の幅が他の語よりも顕著になります。本書ではIPの「核」となる内容語を太字+下線で示します。グレーの部分(u、a)は「核」の中でも最大のピッチ移動が起こる箇所です。

I、tha(t) I’m、with the 弱音化する部分
小さい細字のフォントで示された部分
は、弱音化させ、曖昧な音にする部分です。文法的機能を担う「機能語」と呼ばれる語句(代名詞、助動詞、前置詞、接続詞、冠詞など)や、既出の情報を示す語句がこれに当たります。弱音をしっかり意識することで英語特有のリズムが生まれます。

with the 連結、もしくは同化する部分
ーでつながる部分は、前の単語の最後の音が、次の単語の最初の音の影響を受けて変化する部分です。前の音と次の音が繋がる「連結」(リエゾン、リンキングとも呼ばれる)と、前の音が、次の音の影響を受けて変化する「同化」があります。例えばwith_theは弱音で音が曖昧になっている上に同化が起きるため「ウィズ・ザ」ではなく「ウィッザ」のような 新しい音になります。

mus(t) that)、 no(t) 脱落する部分
()で囲われている部分は、音が弱化して聞こえにくくなる、または限りなく消失する部分です。これを「脱落」と言います。単語の真ん中や末尾の破裂音 ([p] [b] [t] [d] [k] [g]など)は顕著に脱落します(ただし完全に消えるわけではなく、かすかに息が漏れる音が聞こえます)。特に語末では破裂音をはっきり発音し過ぎたり、後ろに母音を入れて音節を増やしたりしないようにしましょう。

※ 自分の発話を録音しよう
英語はとても音楽的な言語で、イントネーションの動きは音楽のメロディーのようです。一方、日本語は強弱や高低でリズムを作り出す言語ではなく、やや平坦に響きます。日本語話者である皆さんは、英語のイントネーションを再現しているつもりでも、高低を十分に表現できていないかもしれません。ぜひICレコーダーやスマートフォンで自分の音読を録音し、お手本の音声と客観的に比較してください。改善すべき点が明らかになり、上達につながります。

浅場 眞紀子 (著) , 愛場 吉子 (著)
出版社: アルク (2018/12/27)、出典:出版社HP