日本人が知らないイギリス英語1
イギリス英語入門、イギリス人が使う挨拶、自己紹介・人の紹介をする際に使うフレーズ、イギリス人のマナー
、日付・時間の話をする際に使うフレーズ、空港・飛行機の中で使うフレーズ、ホテルで使うフレーズ、交通機関を使う際に使うフレーズ、レストランで使うフレーズ、カフェで使うフレーズ、イギリスのパブで使うフレーズ、道を聞く際に使うフレーズ、
旅行とツアーに関するフレーズ、スーパーで買い物をする際に使うフレーズ、趣味について話す際に使うフレーズ、スポーツについて話す際に使うフレーズ、映画とテレビの話をする際に使うフレーズ、家族・赤ん坊に関するフレーズ、友達・パーティに関するフレーズ、結婚式に関するフレーズ、芸能人と話す際に使うフレーズ が集力されています。
また、こちらの続編も既に出ています。 – 日本人が知らないイギリス英語 (2) ~住宅事情から恋愛まで、イギリスの日常で使われるフレーズを豊富に収録!~
本書の特徴
~現代的でナチュラルな生きたイギリス英語》を学びたい方
<特徴 1>・初級から中級の英語学習者向けに設計しており、 中学3年生までの語彙や文法をマスターしていれば、無理なく独習できる、やさしく続けられる内容です。
<特徴 2>・初めての海外旅行やロンドン観光のシーンを考慮 して構成されており、年齢を問わず、海外に行った先でコミュニケーションを円滑に取りたい人に最適な内容です。
<特徴 3>オーディオを特典ダウンロード可能 。「今話されている」イギリス英語、イングランドで一般的な若者が使って いるブリティッシュアクセントでリスニング・発音練習が可能 です。
著者のブログ「ブリティッシュ英語」http://britisheigo.com/
Preface – はじめに
2013年の初め、私は、自分の日本語を練習とイギリス英語を紹 介する目的と兼ねてbritisheigo.com(ブリティッシュ英語.com) という日本語ブログを始めました。イギリス人が日本語で書くブログ自体めずらしいと思いますが、イギリス英語の役立つフレーズや言葉の意味について、ネイティブの視点を日本語で読めるブログとしては、今でも唯一無二のブログかもしれません。ブログを始めてしばらくすると読者から質問やリクエストが寄せられるようになり、日本では、イギリス英語を学びたく ても、その情報が不足しているということがハッキリとわかりました。
私は、日本の私立・公立の小中高校で英語講師をしています。 日本の学校ではアメリカ英語の単語・発音・スペルを生徒に教 えるので、多くの日本人は「アメリカ英語=英語」だと考えて います。例えば、ある日、小学校で「フルーツと野菜」という レッスンをした時のこと。私は「tomato」と書いてあるフラッ シュカードを生徒たちに見せて、イギリス英語の「トマート」という発音をして、生徒に繰り返すように促していました 。 ところが、授業が終わったあとで私は日本人教師に叱られまし た。「トメイトという発音を使ってください!」。
そう言われて、思わず、私は心の中でこう叫びました。
「私はイギリス人なのに、どうしてイギリス英語の発音を使っちゃいけないの!?」
私にとって、イギリス英語を「間違い」のように否定される時 は、驚きよりも怒りに近いものがありました。そのような「事 件」が今まで何回もありましたので、私は、そのうち、自分の ブログを通してアメリカ英語以外の英語を日本人に紹介したいと思うようになったのです。
世界には、多くの種類の「English」があります。イギリス英語 がありますし、オーストラリア英語もありますし、インド英語、シンガポール英語、アイルランド英語などのさまざまな種 類があります。私は色々な人に「イギリス英語は訛ってますね」と言われたことがありますが、私がみんなに知って欲しい ことは、「全ての英語の種類には価値がある」という事です。 つまり、アメリカ英語は一つだけの「正しい英語」だというわけではありません。
イギリス英語はただの「訛り」ではなく、1つの英語の種類です。ほとんどのヨーロッパ初校では学校でイギリス英語を勉強していますし、オーストラリア英語、ニュージーラド英語、インド英語も元々イギリス英語に基づいていますのでイギリス英 語を勉強したら、イギリス国内だけでなく、どこでも使うことができます。もちろん、イギリス英語はどこでも通じます。その上、イギリス英語の発音・特有の単語・スラングなどが理解できれば、多くの面白い映画やテレビドラマ、小説を楽しむことができるでしょう。
イギリス英語を勉強すると、イギリスの歴史、カルチャー、イギリス人の国民性への理解も深まります。イギリス英語とアメリカ英語は両方とも「英語」の種類で すが、場合によっては使い方が違います。そしてその使い方を見たら文化の違いも分かると思います。例えば、イギリス人は「understatement」(控えめな表現)と付加疑問を好みます。アメリカ人はそこまでは使いません。なにごとにも少しだけ懐疑 的で大げさな態度や自慢することを嫌うイギリスの文化が現れている言葉の特徴だと思います。他にもたくさんある文化背景やイギリス英語の特徴を、本書の中では、よく使う英文のフレーズを挙げながら、詳しく紹介していきたいと思います。
Britisheigo.comというブログを書くことのとても良い点は、多 くの日本人のイギリス英語学習者とコミュニケーションが取れることです。ブログを書き始めようと決めたときの私は「日本 語を練習するため」に重きを置いていたのですが、今では、私のブログを書く理由は、イギリスのファンとイギリス英語のファンと、知識とパッションをシェアするためになっています。
目次
Introduction
イギリス英語入門
Lesson 1
Greetings
イギリス人が使う挨拶
Lesson 2
Introductions 自己紹介・人の紹介をする際に使うフレーズ
Lesson 3
British Manners
イギリス人のマナー
Lesson4
Date and Time
日付・時間の話をする際に使うフレーズ
Lesson 5
At the Airport/In the Aeroplane
空港・飛行機の中で使うフレーズ
Lesson 6
At a Hotel
ホテルで使うフレーズ
Lesson 7
Transport
交通機関を使う際に使うフレーズ
Lesson 8
At a Restaurant
レストランで使うフレーズ
Lesson 9
At a Café
カフェで使うフレーズ
Lesson 10
At the Pub
イギリスのパブで使うフレーズ
Lesson 11
Directions
道を聞く際に使うフレーズ
Lesson 12
Travel and Tours
旅行とツアーに関するフレーズ
Lesson 13
At the Supermarket
スーパーで買い物をする際に使うフレーズ
Lesson 14
Hobbies
趣味について話す際に使うフレーズ
Lesson 15
Sport
スポーツについて話す際に使うフレーズ
Lesson 16
Film and Television
映画とテレビの話をする際に使うフレーズ
Lesson 17
Family and Babies
家族・赤ん坊に関するフレーズ
Lesson 18
Friends and Parties
友達・パーティに関するフレーズ
Lesson 19
Weddings
結婚式に関するフレーズ
Lesson 20
Celebrities
芸能人と話す際に使うフレーズ
無料音声ダウンロードについて
Introduction
イギリス英語入門
What is “British English?” – イギリス英語と は?
日本では、「イギリス英語」という言葉がよく使われます。ちょっと高貴な響きで、アメリカ英語よりも難しい英語……。そんなふうに思っている方もいるでしょうか。実は、イギリス人 から見れば1つの「イギリス英語」というものは存在しません。イギリスには、数え切れないほど多くの種類の「英語」がある からです。例えば、スコットランド英語、ウェールズで使われている英語と、イングランドで使われている英語はかなり違います。そして、イングランド、スコットランド、ウェールズの中にもそれぞれ地方の方言があるため、「イギリス英語」という言葉をはっきり定義することはとても難しいです。
そもそも、日本人が「イギリス英語」だと考えている英語は、イギリス全体で話されているものではありません。日本語の 「標準語」とだいぶん違うのです。日本人の多くの人が考えて いる「イギリス英語」は、イギリスの南の地方、そのなかでもロンドンの中流階級の人に限って使われている英語です。驚きましたか?この英語は、よく、BBCのニュースアナウンサーなどが使っている発音・イントネーション・言葉になります。
さらにいえば、世界中には、さまざまな英語の種類がありま す。アメリカ英語がありますし、オーストラリア英語もあります。そして、インド、シンガポール、香港などの元々イギリス の植民地もユニークな英語を使っています。それぞれの国はユニークな発音、ボキャブラリー、イディオムを使っています。
もしも、イギリスが大好きで、旅行に行ったことがあって、自分は多少英語ができると思っていたのに、人の言っていることがまったく聞き取れなかったという体験があるとしたら、それは、あなたの知っている「英語」や「イギリス英語」がごく限られたものだったからかもしれません。
。実際、ロンドンだけでも、さまざまな発音をする人たちが居ますし、中流階級と上流 階級の人、また下町の人では驚くほど違う話し方(発音)をします。そのため、「知っているはずの英語なのに、まったく理解 できない!?」といったことが起こるのです。イギリスをもっと深く理解したい、イギリスに将来住んでみたいと思っている人は、イギリスで使われているボキャブラリーや、地域ごとのアクセントの違いなどを学んでおくと、ぐんと理解力がアップすると思います。
イギリス人は、多様な英語に慣れているので、日本人の使うアメリカ英語のボキャブラリーとスペルが通じます。話すぶんには不便に思うことは少ないでしょうが、イギリス人は必ず自分 たちのイギリス英語のボキャブラリー、スペル、発音、イントネーションを使って返してくるので、読んだり聞いたりする際困ることがあると思います。そこで、旅行や出張などイギリ スに行く前には、イギリス特有の表現を学んでおくことがお勧めです。
Why learn British English? – イギリス英語を 習うとどんなことがいい?
日本の中学校、高校、大学では、アメリカ英語の発音、アクセント、イントネーション、リズムなどが「英語」だと思っている人が多くいます。日本の教育機関はアメリカ英語を主に教えていますので、ほとんどの日本人英語学習者はアメリカ英語しか聞いたことがないためです。アメリカ英語しか聞いたことのない人は、イギリスやオーストラリアに行ったら、その国の英語を聞いてびっくりします。「発音があまりにも違いすぎて聞き取れない」と言う人が多いと思います。そして、聞いたことのないボキャブラリーが多く出てくるとすっかり困ってしまいます。
「本当の英語は1種類だから、ほかのなまった英語ができなくて も、今回はしかたない」。本当にそうでしょうか?世界にはさまざまな人が英語を使っていて、さまざまな英語があるのが グローバリズムの現実です。聞き取りやすいアメリカ英語だけではありません。日本語なまりの英語が受け入れられるのと同 じように、世界中でさまざまな英語が使われています。
ですから、日本人の英語学習者は、できれば、アメリカ英語だけではなく、さまざまな英語の種類に聞きなれることが、より深く英 語を理解し、世界中の人と自由にコミュニケーションできるための近道になると思います。そのとき、イギリス英語は歴史も 深く使っている人が多いものなので、真っ先に始めておくべきものだと思います。例えば、オーストラリア英語、アイルランド英語、ニュージーランド英語は、アメリカ英語よりもだいぶんイギリス英語に近いので、イギリス英語を習うとこれらも理解しやすくなります。
また、日本がアメリカ英語を使っているのに対し、ほとんどの ヨーロッパの国々では、学校でイギリス英語を教わります。で すから、ヨーロッパの人と英語で話す際も、イギリス英語のボ キャブラリーと発音が基本になります。インド、パキスタン、 シンガポール、香港などの元植民地は、イギリスから遠く離れた地域にもかかわらず、主にイギリス英語に近い英語を使っています。イギリス英語を習うと、多くの国々の人とコミュニケーションがスムーズに取れるようになるでしょう。
TOEIC試験を目指している学習者もイギリス英語に聞きなれた
ほうが良いでしょう。最近、TOEICなどの聴解テストはアメリ カ英語だけではなく、イギリス英語、オーストラリア英語など の音声を使っています。そのため、イギリス英語のリズム、発 音、アクセントなどに聞きなれると自然とスコアアップにも繋 がります。
そして、イギリス英語が理解できると、イギリスのメディアを もっと深く楽しむことができます。例えば、イギリスの映画、 テレビドラマ、オーディオブックなどを楽しむことができます。イギリスの映画とドラマは世界中に人気が出ています。例 えば、「シャーロック」、「ダウントン・アビー」、「ドクター・フー」、「ジェイムズ・ボンド007」などは全てイギリス 英語です。ドラマ、映画などを通して、イギリスのユニークな 文化に触れることができます。いままで英語が聞きとれな い! と思っていたのは、イギリス英語を学んだことがなかったからで、アメリカ英語との違いやコツが掴めれば、一気にセリフもわかってくると思います。
Britain or England? – ブリティッシュとイングリッシュの違いを知っていますか?
ところで、「イギリス」と呼ばれる「国」は実は一つの国ではなく、「四つの国の入っている連合王国」だということをご存知でしたか。その四つの国はイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドです。
「イギリス」の正式な英語の言い方は The United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland という長い名前になります。「The United Kingdom」という部分は「連合王国」という意味になります。「Great Britain」というのは、イングランド、スコットランド、ウェールズの入っている島の名前です。 北アイルランドは、アイルランドという島の北の方だけの地域 です。アイルランドの南の方は「アイルランド共和国」という独立した国です。
イギリス人はイギリスについて話す際、「UK」という呼び方をよく使います。これは「United Kingdom」の省略になります。「Britain」という呼び方も使いますが、この呼び方を使う 場合北アイルランドが入っていません。それぞれの国の人は地 元意識が高いので、「I am British」(私はイギリス人です)と言 うよりも「I am Scottish」(私はスコットランド人です)や「I am Welsh」(私はウェールズ人です)などといった言い方をします。
日本語の「イギリス」はおそらく「イングランド」を元にした 呼び名だと思いますが、イギリス全体を指すのに「England」と言うのはよくある間違いです。ロンドンは England地方にあるので、もしもロンドンに行って来たならあながち間違いではないのですが、国名には Britain もしくは UK を使いたいとこ ろです。同様に形容詞の「English」も「イングランド地方の」 という意味になるので、イギリス人全般のことを話したりするときは「English people」ではなく「British people」となります。
イギリスはオリンピックの場合、「イギリス連合王国」として 戦いますが、サッカー、ラグビー、クリケットなどの場合、それぞれの国は別のチームを出します。
イギリスに関するボキャブラリー一覧ガイド
The UK/The United Kingdom (イギリス連合王国)
Great Britain (イングランド、スコットランド、ウェールズの 入っている島)
Britain (Great Britainの省略)
England (イングランド)
Scotland (スコットランド)
Wales (ウェールズ)
Northern Ireland (北アイルランド)
Republic of Ireland (アイルランド共和国)
English (イングランド人、英語、イングランドの)
Scottish (スコットランド人、スコットランドの)
Welsh (ウェールズ人、ウェールズ語、ウェールズの)
Irish (アイルランド人※、北アイルランド人※、アイルランドの)
※北アイルランドの歴史が複雑なので、自分がアイルランド人だと考えている人がいますし、自分がイギリス人だと考えている人もいます。
British (イギリス人、イギリスの~という形容詞)
The differences between British and American English – イギリス英語とアメリカ 英語の違い
ボキャブラリーの違い
イギリス英語とアメリカ英語では多くの違いがあります。最も分かりやすい違いの一つは、日常的なボキャブラリーの違いで
す。食べ物に関するボキャブラリーを例として使うと、多くの 違いが出てきます。下記の例では、「(BE)」は「イギリス英語 (British English)」、「(AE)」は「アメリカ英語 (American English)」という意味です。
茄子
(BE) aubergine
(AE) eggplant
ズッキーニ
(BE) courgette
(AE) zucchini
フライドポテト
(BE) chips
(AE) French fries
クッキー
(BE) biscuit
(AE) cookie
もう一つの例として、「車に関するボキャブラリー」をクローズアップしてみましょう。
フライドポテト
(BE) chips
(AE) French fries
クッキー
(BE) biscuit
(AE) cookie
もう一つの例として、「車に関するボキャブラリー」をクロー ズアップしてみましょう。
車のトランク
(BE) boot
(AE) trunk
車のボンネット
(BE) bonnet
(AE) hood
駐車場
(BE) car park
(AE) parking lot
スペルの違い
もう一つの大きな違いはイギリス英語とアメリカ英語のスペルの違いです。18世紀までにイギリス英語とアメリカ英語のスペ ルはほとんど同じでした。1775年にはサミュエル・ジョンソン というイギリス人が初めての英語辞書を作りました。現在使われているイギリス英語のスペルはその辞書に決められました。そして、1828年にはノーアウェブスターというアメリカ人は初めてのアメリカ英語の辞書を作りました。ノーアウェブスターはアメリカ英語のスペルを改革しようとしました。
彼は、 英語のスペルを発音通りにしようとし、ラテン語のルーツのある単語のスペルを「英語っぽく」綴ろうとしました。彼の影響 で、現在のアメリカ英語のスペルとイギリス英語のスペルはだいぶん違ってしまうことになりました。
他の英語圏の国は主にイギリス英語のスペルを使っています。 例えば、オーストラリア、ニュージーランド、アイルランドなどのスペルはほとんどイギリス英語のスペルと同じです。カナダ英語のスペルは主にイギリス英語に近いですが、アメリカ英語のスペルも多く使われています。
最も重要なスペルの違いを紹介します。
色
(BE) colour
(AE) color
最も好きな、お気に入りの
(BE) favourite
(AE) favorite
行動
(BE) behaviour
(AE) behavior
近所の人
(BE) neighbour
(AE) neighbor
中心、真ん中
(BE) centre
(AE) center
劇場
(BE) theatre
(AE) theater
リットル
(BE) litre
(AE) liter
気が付く
(BE) realise, realize
(AE) realize
分析する
(BE) analyse
(AE) analyze
イギリス英語とアメリカ英語の発音の違い
「r」の発音
イギリス英語とアメリカ英語の発音には多くの違いがありま す。最も分かりやすい違いは、「r」の発音の違いです。アメリ カ英語では、必ず「r」をはっきり発音します。しかし、イギリス英語では、場合によって、「r」を発音しない時があります。例えば、単語の最後の「r」は、イギリス英語で発音しません。「car」(車)という単語は、イギリス英語で「カー」になりま す。
しかし、アメリカ英語では、「カール」になります。カタカナで書くと、英語の発音をちゃんと表現できませんが、アメ リカ人は必ず最後の「r」をはっきり発音します。
単語の真ん中にある「r」は、次の文字が子音である場合、イギ リス人は発音しません。例えば、「cart」(カート)という単語はイギリス英語で「カート」という発音になります。つまり、「r」の存在を無視します。しかし、アメリカ人はその「r」を必ず発音します。つまり、「カールト」になります。
単語の真ん中にある「r」は、次の文字が母音であるばあい、イギリス人は発音します。例えば、「carrot」(にんじん)という単 語の場合、イギリス人でもアメリカ人でも「r」を発音します。
「a」の発音イギリス英語の「a」の発音は日本語の「ア」に近いです。発音記号で書くと、「」か「a」になります。アメリカ英語の 「a」は「D」という発音になります。これは「ア」と「エ」の 間の発音です。
「o」の発音イギリス英語とアメリカ英語の「o」の発音はかなり異なります。イギリス英語の「o」は日本語の「オ」に近い発音です。しかし、アメリカ英語の「オ」の発音は「アー」に近いです。例えば、「hot」(暑い)という単語はイギリス英語では「ホッ」になりますが、アメリカ英語では「ハーッ」になります。イギリス英語でもアメリカ英語でもその単語の最後の「t」をあまりはっきり発音しません。
もう一つの「o」の発音があります。単語の最後に来る「o」は、また違う発音になります。例えば、「go」、「no」などの単語に使われている「o」はイギリス英語で「エウ」に近いで す。アメリカ英語の発音は「オウ」に近いです。
「t」の発音アメリカ英語の「t」は会話の中での発音が「d」に近くなります。例えば、「better」は「ベダー」、「butter」は「バダー」 になります。一方、イギリス人は「t」をはっきり発音します。つまり、その二つの単語の発音は「ベタ」と「ブタ」になります。そして、場合によって、アメリカ人は「t」を全く発音しません。例えば、「twenty」という単語はアメリカ英語で「トゥウェニー」になりますが、イギリス英語では「トゥウェンティー」になります。このtの発音の仕方によって、イギリス英語はシャキっとした印象に聞こえると思います。
「tu」の発音
イギリス人とアメリカ人の「tune」、「Tuesday」、「tube」
などの単語の発音も違います。それらの単語に出る「tu」はイギリス英語で「チュ」という発音になりますが、アメリカ英語では「トゥ」という発音になります。例えば、「Tuesday」(火 曜日)はイギリス英語で「チューズデイ」になりますが、アメリカ英語では「トゥーズデイ」になります。
イギリス英語とアメリカ英語の発音が最も異なる単語
イギリス英語のリスニングをする際、下記の単語の発音の違いを必ず覚えましょう。
can’t(できない)
(BE) カーント
(AE) キャエント
water (水)
(BE) ウォータ
(AE) ワーダ
herb (調理用のハーブ)
(BE) ハーブ
(AE) アーブ
※アメリカ人は「h」を発音しません。
vitamin (ビタミン)
(BE) ヴィタミン
(AE) ヴァイタミン
schedule (スケジュール)
(BE) シェジュール
(AE) スケジェル
※イギリス英語でも、「スケジュール」という発音が使われる ようになっています。
privacy (プライバシー)
(BE) プリヴァセイ
(AE) プライヴァセイ
advertisement (宣伝、CM)
(BE) アドヴァーティスメント
(AE) アドヴァタイズメント
※イギリス英語では、「advertisement」はよく「advert」に省略されます。
イギリス英語とアメリカ英語のイントネーション・アクセントの違い
イギリス英語とアメリカ英語は単語によって、違うアクセントを付ける場合があります。例えば、「adult」(大人)という単語 の場合、イギリス人は最初の音節にアクセントをつけます。つ まり、「ADult」という発音になります。アメリカ人は逆に最後の音節にアクセントをつけます。つまり、「aDULT」という 発音になります。他の例も沢山あります。アクセントにつける
音節は大文字で書いてあります。
ballet (バレエ)
(BE) BAllet
(AE) ballet
café (カフェ)
(BE) CAfe
(AE) caFE
caffeine (カフェイン)
(BE) CAffeine
(AE) caffElne
上記の例はほとんどフランス語から来た外来語です。ですからアクセントの違いが出てきました。
イギリス英語とアメリカ英語のスラング・イディオムの違い
イギリス英語とアメリカ英語では日常的なボキャブラリーの違いが多くありますが、それよりもスラングとイディオムの違い はもっとたくさんあります。イディオムは特に国のカルチャー に近い関係がありますので、それぞれの英語圏の国は特有のイディオムがあります。例えば、イギリスの最も人気のある夏のスポーツはクリケットです。
クリケットはイギリス、オーストラリア、ニュージーランドなどの国でとても人気がありますが、アメリカでほとんど知られていません。クリケットは歴史 が長いので多くのクリケット用語はイディオムとしてイギリス英語に入りました。そして、サッカーはイギリスでとても人気 がありますのでサッカー用語から来たイディオムが多くありま す。アメリカ英語では、サッカーやクリケットから来たイディオムはほとんど使われていません。
同じイディオムが使われても、言い方の違いがあります。例えば、「green fingers」(直訳:緑色の指)というイディオムはイ ギリス英語で使われています。これは「ガーデニングが得意」 という意味になります。アメリカ英語では「green thumbs」(直訳:緑色の親指)という言い方になります。もう一つの例はイギリス英語で使われている「couldn’t care less」(意味:私は全く興味がない)です。アメリカ英語では同じ意味になりますが、言い方は「could care less」になります。真逆の意味になってしまいます。
スラングの違いも非常に多くあります。例えば、イギリス英語 では「snog」というスラングがあります。これは「ディープキス」という意味になります。アメリカ人は「snog」が理解でき ないかもしれません。アメリカ人は代わりに「make out」という動詞を使います。「警察」は正式な英語では「police」にな りますが、イギリス英語のスラングでは「the old bill」という 言い方になります。アメリカ人は主に「cops」というスラングを使います。他にも違うものが数百単語もあり、細かく挙げれば切りがありません。
Peculiarities of British English – イギリス英語の特徴
上記のセクションではイギリス英語とアメリカ英語の具体的な違いを紹介しましたが、イギリス英語は他にもっと微妙な特徴があります。実は、「イギリス英語」というよりも、「イギリ ス人が話す英語」の特徴として考えたほうがよいです。
付加疑問をよく使うイギリス人
一つの例は「付加疑問」の使い方です。イギリス英語を話す人はアメリカ英語を話す人よりも「付加疑問」(question tag)を使う傾向があります。「付加疑問」は「~ですよね」や「~でしょう?」という文章の語尾です。英語では、「~ isn’t it?」や 「~don’t you?」という表現になります。例えば、
You play tennis, don’t you? (あなたはテニスをしますよね。)
It’s hot today, isn’t it? (今日は暑いよね。)
The meeting starts at half past nine, doesn’t it? (会議は9時半に始まりますよね。)
付加疑問は、情報を確認する際や、相手が賛成しているかどうかを確認する際に使う文法です。ある研究によると、イギリス人はアメリカ人よりもなんと9倍も付加疑問を使っているそうで す。付加疑問はイギリス人の口癖の一つです。
控えめな表現をよく使うイギリス人
もう一つのイギリス英語の特徴は、「控えめな表現」の利用です。イギリス人は会話中に「控えめな表現」をよく使います。 これは英語で「understatement」になります。例えば、とても暑い日に、イギリス人は「It’s extremely hot today」という表現をあまり使いません。代わりに、ユーモア的な「understatement」として、「It’s quite warm today, isn’t it?」(今日は結構暖かいですね)と言ったりします。つまり、イギリス人は「大げさな」言い方を嫌い、微妙な「控えめな表現」を使う傾向があります。
It’s a bit nippy today, isn’t it?
直訳: 今日は少し涼しいですね。
本音: 今日はめっちゃ寒いですね。
It’s not the best fish and chips I have tasted.
直訳: これは私が今まで食べたことがあるフィッシュアンドチップスの中で最も美味しいのではない。
本音: このフィッシュアンドチップスはかなりまずいです。
I’m a bit busy.
直訳: 私は少し忙しいです。
本音: 私はとても忙しいです。
ユーモアとアイロニーをよく使うイギリス人
もう一つのイギリス人の癖は、アイロニーをよく使うことで す。イギリス人はどんな真面目な会話でもユーモアとアイロニーを入れる癖があります。「アイロニー」とは、「皮肉めいた」や「反対の意味のことを言う」ということです。例えば、 自分の上司が失礼で嫌な人であれば、イギリス人の部下は「my lovely boss」(直訳:私の優しい上司)という皮肉ったニックネームをつけるかもしれません。もう一つの例として、ドアを開けてくれない人は、イギリス人に「thoughtful gentleman」(思いやりのある紳士)という皮肉ってニックネームで呼ばれるかも しれません。簡単に言うと、思っていることの反対の意味を言うと「アイロニー」になります。イギリス人はこのようなアイロニーをよく使います。
謙遜するイギリス人
イギリスのカルチャーでは、「私は凄い!」や「私は上手です よ」、「私は100点で合格したよ」などのことをみんなの前で言うことはNGです。もちろん言う人がいますが、一般的にそのような自慢話はイギリスで嫌われます。アメリカでは、自慢話 は当たり前のように扱われています。アメリカ人の子供は小さい頃から「自信を持て!」、「自分が自慢話しないでどうするの?(自分から自分のことを良く言わないと、他の人は良く言ってくれないよ!)」などのことが言われています。イギリス人だって偉業を成し遂げたらもちろん自分のことを誇りに思います が、それをみんなの前に話すことがNGだと分かっていますので、代わりに微妙で婉曲的な表現でその自慢を表します。ですから、イギリス人はunderstatement(控えめな表現)で自分のスキルについて話す癖があります。
例えば、テストを100点で合格した場合、イギリス人は「I didn’t do too badly」(直訳:悪くなかったよ)などの婉曲的な表 現を使います。しかし、相手がイギリス人であれば、「やっぱりうまく行ったんだね!」ということが分かります。その点で イギリス人と日本人は結構似ているかもしれません。
もう一つの例として、自分が美味しいスイーツを作った時に、 「これはとても美味しいよ!」という表現より、「These are actually pretty good」(直訳:これは意外と美味しいよ)のよう な婉曲的な表現を使うかもしれません。
イギリス英語を代表する単語のトップ10
イギリス人がよく使う単語でイギリス人の国民性とカルチャーが分かると思います。下記の単語を覚えると、イギリス人の性 格と価値観が明らかになるでしょう。
1位 sorry
イギリス人が使う「sorry」は「ごめんなさい」という意味だけではなく、「すみません、どいてください」、「聞き取れなかったよ」、「何!?」、「失礼します」などの意味としても使われています。イギリス人は、他の人にぶつけられても「sorry」を言う癖があります。とにかく、イギリスに行く場合、 「sorry」が最も役に立つ単語になります。
「Excuse me」というフレーズも「すみません」という意味になりますが、イギリス人が使うすみませんは主に「誰かに話しかける際」と「誰かにどいて欲しい際」に限って使われていま す。イギリス人は自分が誰かにぶつかった際には、「sorry」と いう単語を使います。
2位 lovely
イギリス人は「lovely」という形容詞をいつでも使います。「素敵な」という意味になりますが、どのシーンでも使える形容詞です。例えば、
She’s a lovely lady.
(彼女は優しい人です。)
This cake is lovely.
(このケーキは美味しい。)
What lovely weather!
(素敵な天気ですね!)
A: Let’s meet at the station at half past ten.
(10時半に駅で待ち合わせしましょう。)
B:Lovely. See you then.
(了解。じゃあね。)
もう一つの役に立つ形容詞は「nice」になります。どんなポジティブなニュアンスでも「lovely」や「nice」を使っても大丈夫です。
3位 all right? 「all right?」はイギリス人が使う多目的な挨拶です。「hi」や「hello」の代わりに使います。返事する際、また「all right」を言い返しても大丈夫です。この挨拶はアメリカで全く使われていませんのでアメリカ人がイギリスに行く場合、どうやって返事すればいいのか分からないようです。
「all right?」は、「alright」と綴られることもありますが、これが「all right」の省略形です。意味は同じですが、文章で使う際は「all right」が正式な書き方です。「I am」と「Im」と同じようなものです。会話では一つの単語になったように発音されますので会話のダイアログや映画の台詞などで「alright」 というスペルを使う場合があります。
4位 cheers
「cheers」は「乾杯」という意味になりますが、イギリス人は他のシーンでもよく使います。イギリス英語では、「cheers」は「ありがとう」という意味になりますし、「じゃあね」、 「またね」という意味としても使われています。主に男性に使われていますが、イギリスに行く際、「cheers」という単語は何回も耳にすると思います。
51% fancy 「fancy」はアメリカ英語では「高級な」、「立派な」という形容詞として使われていますが、イギリス英語では「欲しい」、 「したい」という動詞として使われています。 例えば、
I fancy a biscuit.
(私はクッキーが食べたい。)
I fancy a swim.
(泳ぎたいなあ。)
Do you fancy watching a film?
(映画を観ましょうか?)
もう一つのイギリス英語特有の使い方は「好き」という恋愛関係の意味になります。 例えば、
Do you fancy Kate?
(あなたはケイトのことが好きなの?)
She fancies you.
(彼女はあなたのことが好きだよ。)
6位 rubbish
「rubbish」の元々の意味は「ゴミ」になります。アメリカ人は 変わりに「trash」や「garbage」という単語を使います。しかし、イギリス英語の日常会話ではもう一つの使い方がありま す。それは「だめな」、「質の悪い」、「嘘だよ!」、「違うよ!」という意味になります。
例えば、
My car is rubbish.
(私の車はダメだ。)
This football match is rubbish.
(このサッカー試合はつまらない。)
A England are going to win the World Cup.
(イングランドはワールドカップを優勝するよ。)
B Rubbish! That’s never going to happen.
(嘘だよ! それはありえない!)
7位 brilliant
アメリカ英語の代表の単語は「awesome」になるかもしれませ ん。この単語は「素晴らしい」、「凄い!」、「良かった!」 という強くてポジティブな意味になります。イギリス人は 「awesome」という単語をあまり使いません。代わりに 「brilliant」を使います。
That film is brilliant.
(その映画は凄く面白いよ。)
You passed your exam? That’s brilliant!
(あなたは試験を合格したの? それは素晴らしいよ!)
What a brilliant goal!
(なんて凄いゴールだったね!)
8位
cheeky 「cheeky」という単語は「生意気」や「厚かましい」という意味になりますが、時々少しポジティブなニュアンスも入っています。つまり、「可愛くて生意気」というニュアンスとしてよく使われています。アメリカ英語では、「spunky」という形容 詞が一番近いかもしれません。
例えば、
My son is so cheeky!
(私の息子はとても生意気なのよ。)
※少し「可愛い」ニュアンスが含まれています。
Don’t be cheeky!
(生意気なことを言うなよ!)
※親や先生が子供に叱る際。
He nicked the last biscuit! How cheeky!
(彼は最後のクッキーを取りやがった! なんて厚かましい奴だね!)
もう一つのイギリス英語特有の使い方があります。それは「早く」という意味になります。しかし、主に少し悪いことを「早く」する際に使う単語です。例えば、
I’m just going out for a cheeky fag.
(私はちょっとタバコを吸いに行ってくるよ。)
※タバコを吸うことは少し悪いアクティビティーとして考えられていますので「cheeky」という単語を使います。「fag」は イギリス英語のスラングで「タバコ」という意味になります。
I went out for a cheeky burger at lunch time.
(ちょっとお昼ご飯に出てハンバーガーをむさぼってきた 。 )
※「バーガー」は不健康なイメージがありますので「cheeky」という単語を使います。
9位 posh
「posh」という単語は「高級な」、「上流階級の」という意味の形容詞です。イギリス英語特有の単語です。「posh」は文脈によって良いニュアンスが含まれている場合がありますが、ネガティブなニュアンスが含まれている場合もあります。使い方によって少し皮肉めいたニュアンスも含まれている単語です。
例えば、
That’s a very posh dress. Where did you buy it?
(それはとても高級で素敵なドレスですね。どこで買いましたか?)
※この例では「posh」は褒め言葉になります。
He’s a posh git.
(あいつは上流階級の嫌な奴だよ。)
※この文脈では「posh」はネガティブなニュアンスが入っています。つまり、この文脈で「posh」は「スノッブ」というニュアンスが含まれています。
10位 cuppa
「cuppa」はイギリス英語特有のスラングです。「cup of tea」 (紅茶の一杯)という表現の省略です。イギリス人は紅茶を沢山飲みます。どのスーパーに行っても多くの種類の紅茶が並べてあります。悲しい時、疲れている時、困っている時でも、紅茶を飲むと落ちづくという考え方があります。ですから、イギリスに行く場合「cuppa」というスラングは必ず耳にします。
Fancy a cuppa?
(紅茶を飲みませんか?)
I think I’ll have a nice cup of tea.
(私は美味しい紅茶が飲みたいと思います。)
Thanks for the cuppa!
(紅茶をありがとうね!)