1回あたりの学習時間ではなく、毎日取り組むことが大切
社会人から英語を学習しようと思っている人が気になることと言えば、「どれくらい勉強したら良いか」だと思います。結論から先に言ってしまうと、1回あたりの学習時間ではなく、「毎日10分でもいいので英語に触れること」の方が大切です。それは、たとえ1日に3時間勉強したとしても学習を続けられなければ、1・2週間後には覚えたことを忘れてしまうからです。これは他の科目でも同じでしょう。日本史でも数学でも化学でも、継続して学習しなければ忘れてしまうものです。そのため、“毎日”10分でも良いので英語に触れる機会を作ることが大切なのです。
毎日学習をすると言っても、社会人の場合、職場の飲み会や接待、残業などで勉強ができない状況が作られやすい環境です。しかし、1回でも勉強しないと期間を作ってしまうと、ズルズルと引きずってしまい、平気で2週間近く間が空いてしまうこともあります。その結果、「また今度でいいや」となってしまい、悪循環となってしまいます。そうならないためにも、10分という短い時間でも学習に取り組むことが大切なのです。
では、実際にどのように勉強時間を確保すれば良いのかを教えます。平日であれば、会社までの通勤時間や昼休み、退社後、就寝前などのスキマ時間を有効活用すると良いでしょう。仕事を終えて帰宅した後、机に向かって毎日1〜2時間勉強することは簡単なことではありません。結果、三日坊主になってしまう可能性があります。
一方、行き帰りの通勤時間で30分、昼休みで20分、退社後に喫茶店か自宅で1時間、就寝前に10分と隙間時間を使いさえすれば、合計で2時間も確保することができます。普段よりも1時間早く起きて、自宅や会社近くの喫茶店で学習するのも良いでしょう。このように平日といっても、考え方と使い方次第で2〜3時間は学習に充てることができます。
さらに、休日であれば、平日よりも時間を容易に確保することができます。「休日は遊んだり、出かけたり、ゆっくりして過ごしたい」と思う人もいるでしょうが、普段通りに起床して午前のうちに勉強してしまえば、午後からは自分の時間を過ごすことができます。無駄にインターネットやSNSに時間を費やさなければ、充実した休日を過ごしつつも学習を継続できるでしょう。
こうやって平日・休日ともに時間を見つけ、学習を継続していきましょう。24時間という時間は皆さんに平等に与えられているものです。その時間をどのように活用するか、スケジュールを見直すことが大切です。
それでは、どんな教材を使って、どのような学習をすれば良いかを説明します。まず、学習する題材は、自分の好きなもの・興味のあるものであれば何でも良いです。映画でもドラマでもアニメでも、もちろんTOEIC用の教材でも構いません。学習するときの教材は、「自分の興味がある・好きなもの」をコンテンツにして取り組むことをオススメします。
好きなものを教材にする理由は、人は「自分の興味があるもの。または好きなもの」でなければ、積極的に取り組もうとはしないからです。毎日、好きでもない仕事をするのが苦痛に感じることと一緒です。好きなことを英語と結びつけることで、自発的に英語学習に取り組めるようにするのです。
私の場合、スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツのスピーチが好きだったので、彼らの演説を教材にして何回も観ました。スピーチの中の気になった箇所を調べることで、自然と英語学習になっていましたし、時間も1、2時間であればあっという間に過ぎていました。
このように、自身の関心事と英語を結びつけて学習に取り組むとメリットが大きいです。積極的に学ぶ姿勢を得られ、時間を気にせずに取り組むことができます。もし、「いきなり、そのようなことはできない」と感じている人は、毎日10分でも学習を続けることを意識してください。その10分間が積もり積もって、最終的には時間を気にせずに学習できるようになってくれます。
1995年生まれ、神奈川県出身の現役英会話講師。大学時代にアメリカとカナダへ長期留学を経験。留学先で言語の壁と英語への恐怖で引きこもりがちになるが、周りの日本人が英語を話している姿に鼓舞され、改めて英語に向き合うことを決意。長期留学後、TOEIC®900点を取得。現在は英会話講師としてセミナーや外部活動等で幅広く活動しつつも、昔の自分と同じく英語に挫折や躓いている人達へ向け、SNSを通して情報発信をしている。