今までの英語学習を変える!
文法を勉強、「音読をたくさんする、英語を一日中聞く、試験に受かるための勉強など、今まで義務教育でも社会人になってからでもこのような話をどのように変えていく必要があるでしょうか。本書を通して、新しい学び方を身に着けてみましょう。
はじめに
まずもって、本書をお手に取っていただきましたことに対し、心よりお礼を申し上げます。有難うございました。あなたが、本書にご興味を持たれたのには、様々な理由があると思います。
もし、多くの方がお持ちであろう理由を挙げるとするなら、「英語を話したい」、「英語力を上げたい」という理由からではないでしょうか?近年、英語力の必要性が、数十年前に比べ、かなり高くなってきているように感じます。例えば、2020年に開催予定である「オリンピック・パラリンピック」や、今後更に進むと予想される「グローバリゼーション」に、日本国民が対応できるよう、文部科学省主導のもとに、国家レベルで「英語教育」に力を入れ始めています。
また、教育機関において英語教育の変化が見られるのみならず、多くの企業(英語の公用語化を実施している「楽天株式会社」を含む)が、英語の必要性を感じてきているように思います。
このように、多数の日本国民が、「英語」に対して関心を高めてきている中、一体どれだけの人が、英語を何不自由なく扱うことができるのでしょうか?
ある調査によると、7割以上の日本国民が、「英語は話せない」と回答したそうです。ここで一つ疑問を感じるのです。私たちは中学校、高校を通じて、約6年もの間、英語の勉強に励んできました。しかし、7割以上の人が、流暢に英語を話すことができないというのは、少し異常であるのではないかと、私は思うのです。この本を手に取られた読者の方も、同じようなご意見をお持ちかもしれません。このように感じる私自身も、義務教育を受け、公立の高校に進学し、英語をはじめとして、勉学に励んできたものと自負しております。申し遅れましたが、私は、本書の著者の南山紘輝(みなみやまこうき)と申します。私自身も、高校3年生の時に、「英語を話したい」という思いを持ち、一念発起して、改めて、英語の勉強を開始しました。
その結果、約7年経った今、日本語以外に、3ヶ国語(英語、フランス語、スペイン語)を流暢に話せるようになり、更に、日々新しい言語の習得に努めています。しかし、この約7年の間、私が英語を安易に習得できたわけではありません。
もちろん、たくさんの挫折も経験しながら、一つひとつ前進して、やっとの思いで英語を体の一部にすることができたのです。
先ほども述べましたように、私たち日本人は、ほぼ例外なく、約6年間の英語を学ぶ機会を与えられます。
そのような恵まれた環境にありながら、英語を話すことができないのには、何か理由があるのではないかと思うのです。ここで、「日本人の脳には英語は向かないからだよ!」と言われる方がおられるかもしれません。
しかし、ちょっと待ってください。
それであれば、なぜ日本人の両親の間に生まれた子供であっても、アメリカで育つと英語を流暢に話すことができるのでしょうか。
つまり、「日本人が英語の勉強に向いていない」というのは、ありえない話だと思うのです。
なぜならば、私たち人類の脳の構造は同じであり、ネイティブスピーカーであろうと、日本人であろうと、脳の構造に違いは全くないのです。つまり、言語習得を行うには、脳をどのように使うのかが、鍵になってくるのではないでしょうか。
実際に北欧のスウェーデンやフィンランドでは、英語教育に力を入れ、国民のほとんどが英語を流暢に話します。
しかしながら、決して彼らの扱う言語が、英語に類似しているとは言えないのです。日本人だから英語を話すことができないというのは、筋が通らないわけです。しかし、誰でも、「それじゃ一体、日本人が英語を習得するにはどうすれば良いんだよ!」と思いますよね。
この約7年間、私も同じような質問を何度も自分に投げかけ、そして自ら失敗を重ねながらチャレンジしてきました。
その結果、私が辿り着いた答え、それが、「英語勉強の常識を全て疑う必要があるのではないか!」ということです。
英語の勉強の常識として、どのようなことを思い浮かべますか?例えば、「文法を勉強しなさい」、「音読をたくさんしなさい」、「英語を一日中聞きなさい」、「試験に受かるために英語は必要である」など、この他にも多数思い浮かぶことがあると思います。
「本当にこれらのことは、英語力を身に付ける上で重要なのでしょうか?」「本当に、これらのことを行えば英語力は向上するのでしょうか?」ここで、よく考えてみてください。
私たちは、これらのことを、約6年間行なってきました。その結果、英語を話せるようになった人は、ほぼ皆無に近いのです。もし、このまま同じことを続けながら勉強量を増やしたとしても、約6年間で英語力が伸びなかったように、この先、英語力の向上を、体で感じることができない可能性は、極めて高いものと思われます。
つまり、今すぐ、私たちが考えている「英語の勉強の常識」を、一つずつ塗り変えていく必要があると、私は思うのです。
「文法は何のために勉強するのか」、「英語は何のためにあるのか」、「英語をたくさん聞いてリスニング力は上がるのか」、「そもそも日本人に英語は必要なのか」など。本書では、英語力を伸ばすための内容を、たくさんまとめてみました。リスニング力を上げるための勉強法や、英単語を大量に暗記するためのテクニックも載せています。しかし、何よりも、これまで私たちが考え固めてきた「英語の勉強の常識」というものを、一から作り直していくことを目標としています。
このことを知ることで、無駄な英語の勉強を行う必要がなくなり、あなたの目標である、「英語を話す」、「英語力を上げる」という到達点まで近道で到達することができます。
これまで、英語の勉強に苦しむ人を、たくさん目にしてきました。私も同じ経験をしましたので、その気持ちが良くわかります。
「悔しい」、「自信喪失」、「募るイライラ」、「不甲斐なさ」、「将来への不安」、「諦めたい」などの気持ちを感じている人も多いのではないでしょうか。
このような気持ちを持つ読者の皆さんの負担を少しでも楽にし、「英語は話せるんだ!」という自信を持っていただくために、今回、特に英語の勉強に苦しんできたと自負する私が、本書を執筆することを決意いたしました。
英語は必ず習得することができます。今まで、的を射た勉強になっていなかった方も、まだ道に迷っている方も、挫折を繰り返している方も、これから英語勉強を始めたいと考えている方も、必ず、英語を習得すること・英語を話すことは可能になります。
このことを本書で証明いたしました。是非、ご一読下さい。
南山紘輝
目次
はじめに
序章 英語にテストはいらない
・英語脳とは何か
・日本人が忘れてしまったこと
・「英語」というコミュニケーションツール
・誰かによって作り出された常識
・常識を疑う習慣をつけよう
・文法勉強は一切必要なし
・英文法はイギリスから輸入された?
・英文法は古典である
・赤ちゃんが文法を学ばないのはなぜか
・テストが英語力を下げる理由とは
・英語にテストはいらない
・文法は学ばなくても100点満点
・何から英語勉強を始めるべきなのか
・言葉の情報が世界を作り出している
・英語の世界観とは
・日本のお笑いは面白いのか?
・英語情報世界に入り込め!
・日本で英語習得はできないの?
・なぜ夫婦の顔は似てしまうのか
・仮想空間で英語を学ぶ・海外ドラマを使うと英語力が伸びる?
第1章 なぜ「英語の勉強」は3日坊主になるのか
・なぜか続かない、英語の勉強
・果たして英語は必要なのか
・目的が人間を行動させる
・誰のためでもない英語の勉強
・ドーパミンと英語の勉強の関係性
・VAK理論でモチベーションアップ
第2章 リスニングカは環境を変えると向上する?
・英語を聞き取ることができない理由
・言語のパスバンド
・日本人は英語を言語として認識しない?
・英語を聞き取るのは不可能なのか
・「日本語のボックス」と「英語のボックス」
・日本語を使った英語の勉強は厳禁
・イメージが英語耳を作る
・体内振動でリスニング力アップ?
・「L」と「R」を聞き分ける赤ちゃん
・リスニング力アップのための最強道具
・自閉症を克服するほどすごい英語勉強法
・予想外が作り出す英語脳
第3章 英語を話すための勉強法は存在しないのか
・自己評価が生み出す自分
・自分が作り出すリアリティ
・英語の勉強をすることに自信がない理由
・なぜポジティブな人は英語ができるのか
・英語力の上達はこうして早まる
・自己対話を今すぐ変えよう
・今すぐ自分を変えるアファメーション術
・方法は後からついてくるもの
・盲点が英語勉強法を隠す
第4章 英単語帳が英語力を下げる
・英単語勉強の良くない現状
・単語の意味はすぐに変わる
・英単語は文章の中で暗記しなさい
・イメージが英単語力を向上させる
・英単語のラベルをつけよう
・五感で英単語を暗記する