レッドブックで学ぶイギリス英語
本書では、イギリスのさまざまな観光スポットで録音された合計22人の生の英語音声を聞くことができます。話す人は、観光スポットのガイド、従業員などさまざまです。楽しみながら聞くことができるため、飽きずにリスニング力を鍛えることができます。
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はじめに
THEREDBOOKを手に取ってくださったあなたへ
Welcome to England!こんにちは。まずはこの本をお手にとっていただいたあなたに心から感謝を申し上げます。
私はイギリス英語の発音に関して、本やら学習記事などをずいぶん書いてきました。そのせいもあって、英語を学んでいる人とお話しすると、「イギリス英語は聞きやすいですよね」といった声を聞くことがよくあります。
でも、実はそうでもないんです。というのも、イギリス英語には驚くほどの多様性があるからです。わかりやすい英語もあれば、英語に聞こえないような英語まであるのです。
わかりやすい英語の代表が、いわゆるクイーンズ・イングリッシュです。でも、イギリスは日本同様、歴史の古い国。だからこそ、さまざまな方言があります。これが難しいんです。
首都ロンドンでさえ例外ではありません。あるアメリカ人学生が、ロンドンに留学していて、そこでアルバイトをしたけれど、しばらくは周りの人が何を言っているかわからなかったそうです。
それがリアルなイギリス英語。そんな英語を少しでも聞き取れるようになってみたい。そう思う人のための本こそが、このTHEREDBOOKです。
本書は、ロンドンの生の英語を集めた本です。話し手は、観光地のツアーガイドや広報関係者など、人前で話す人が中心です。あまり強い訛りのない人たちですが、それでも、やはりイギリス英語はイギリス英語。わかりやすい英語ばかりではありません。
そういった生の音声に、聴解のための解説と練習問題を付けました。それらを通じて、なぜイギリス英語は聞き取りにくいのかが、多少なりとも見えてくると思います。
どうぞ、本書を通してリアルなイギリス英語の奥深さを体験してみて、奥深さを体験してみてください。
2012年3月小川直樹
10数年前、大阪で英語学習に励んでいたころ、ある日突然イギリス英語の響きに魅了されました。そしてふと振り返ると、これまで自分が好きだったり、影響を受けた音楽、ファッション、映画、テレビ番組のそのほとんどが、なぜか偶然Madein Englandであることに気づきました(小5の頃に初めて聞いた英国発祥のパンク音楽がぼくのイギリス原体験だったと思っています)。
そしてそれからは迷うことなく「イギリス英語の生素材」で英語学習を続けました。今回このような形で、自らMadein Englandのイギリス英語生素材を取材し、あなたにお届けする機会に恵まれたことを本当に嬉しく思っています。
ロンドン(一部ロンドン郊外)の街を文字通り歩き回り、魅力的な場所を訪れ、そこで活動される魅力的な人の声、音をたくさん集めてきました。ロンドンの匂いさえ伝わってくるような、リアルな音声が収録できたと自負しています。
Madein Englandのイギリス英語生素材、あなたには、昔のぼくがそうであったように、英語学習用として使いたおしてもらうもよし、ディープな「話す観光ガイド本」としてイギリス旅行の準備用、お供にしていただくのもよし、イギリスを感じたい時のBGMにしていた
だくもよし、この本が醸し出す、疑似イギリス空間を、深く考えず、感じて、楽しんでいただけば、著者としてそれに勝る喜びはありません。
合計2回の渡英で集めたたくさんの素材はとても1冊ではまとまらないので、2冊にしようというありがたいお話をいただいたとき、ビートルズの有名なアルバム、「赤盤The Red Album」と「青盤The Blue Album」が浮かびました。そんな背景から、この本は、THEREDBOOKそしてその姉妹本はTHEBLUEBOOKと名付けられました。そうです、音楽を楽しむようにイギリスの音を楽しんでください。
Feel, enjoy and learn!
2012年4月川合亮平
CONTENTS
はじめに
本書の構成と使い方
CDトラック表
序章:イギリス英語の世界
1)イギリス英語の一般的な特徴
2)アメリカ英語とイギリス英語の違い
3)本書で取り上げたインタビューの音声について
4)イギリス英語は聞き取りにくい!?
5)聞き取りのために知っておきたい機能語の弱形について
6)本書の学習の仕方とエクササイズの特徴
Tubeで行くロンドン観光
ロンドン地下鉄マップ
地下鉄で巡れるロンドンの観光スポットS1
地下鉄で巡れるロンドンの観光スポットS2
地下鉄で巡れるロンドンの観光スポットS3
本章:リアルなイギリス英語を聞いてみよう!
Unit1ロンドン・ダックツアー
ダックツアーへ出発S1
アドミラルティ・アーチからバッキンガム宮殿までS2
セント・ジェームズ通りからザ・リッツまでS3
ガイド・マネージャーが語るダックツアーの魅力S4
Exercise
Unit2ウィンブルドン・ミュージアム
ウィンブルドンはテニスファンの巡礼地S1
お気に入りのテニス選手S2
ミュージアムの展示物S3
Exercise
Unit3サウスバンク観光グループ
サウスバンクは文化の中心地S1
戦争中の資料が展示される帝国戦争博物館S2
2012年のロンドンは文化的なイベントが目白押しS3
Exercise
Unit4シェイクスピア・グローブ座
グローブ座の歴史S1
グローブ座を建設したのはアメリカ人?S2
グローブ座の壁に使われていたライム・ブラスターS3
昔のロンドンでは演劇は非合法だったS4
Exercise
Unit5セントポール大聖堂
大聖堂の見どころとは?S1
大聖堂がたどってきた歴史S2
私の前職と出身地S3
Exercise
Unit6ナショナル・ギャラリー
美術館最初の館長、チャールズ・イーストレイクS1
子どもから大人まで連日多数のイベントを開催S2
夜に訪れたい人のための「フライデー・レイツ」S3
Exercise
Unit7オリンピック・スタジアム
お客の要望に応じたオリジナルツアーを催行S1
街全体がオリンピックで盛り上がるS2
チケットの入手は困難S3
Exercise
Unit8もしもし寿司
寿司はエレガントで健康的な食べ物S1
日本に行ったのは偶然だった!?S2
日本食に関わることになったきっかけS3
Exercise
Unit9クリケット○ガイドツアー
クリケット界のヒーローS1
クリケットのあゆみS2
イングランドとオーストラリアの歴史的な1戦S3
Exercise
Unit10クリケットのインタビュー
スポーツに明け暮れた少年時代S1
突然巡ってきたプロデビューS2
クリケットの魅力とはS3
Exercise
Pre-Questionの解答と解説
Exerciseの解答と解説
番外編イギリスの家庭の会話を聞いて見よう
早朝のフィッシュマーケットS1
背丈と結婚との関係S2
おばあちゃんから見た孫娘S3
プレゼントの中身は?S4
【コラム】取材ウラ話1一歩進んだ「関わる」観光を
取材ウラ話のイギリスは歩く街
本書の構成と使い方
本書は、全部で10のUnitから構成されています。各Unitに入る前に、序章ではイギリス英語の特徴、アメリカ英語との違い、音声変化や地域による訛りなどについて詳しく解説しています。各Unitでは、すべてイギリス現地で録音された生のトークが展開されています。様々な人・場所によるトークを聞いて、本場のイギリス英語を体感してください。
また、巻末には、イギリスの一般的な家庭で行われる会話を番外編として収録しています。イギリスの人々が日常的に話している、普段のイギリス英語とはどのようなものか、こちらもぜひ聞いてみてください。
スピーカーの音声の特徴
スピーカーが話す英語にはどのような特徴があるのかを解説しています。
スピーカーについて
スピーカーの職業、人物像についての説明です。
ミニマップ
トークが行われている実際の場所を示しています。
バックグラウンド
主に会話に登場する場所や録音環境などに関する情報です。事前に読んでおくと音声をリスニングするときの助けになるほか、実際に訪れてみたいという方にも参考になる観光情報を紹介しています。
プリクエスチョン
トークを聞く前に目を通しておいていただきたい質問です。質問で聞かれていることに注意しながら音声を聞くと、聞き取りの助けになります。
語注
単語の意味の説明です。英文の黒色の番号と対応しています。
リスニングポイント
各セクションで特に重要なポイントです。イギリス英語ではどういった要因からどのように聞こえるのか、その仕組みや特徴について詳しく解説しています。次のセクションに移る前にしっかり読んで確認しておきましょう。
音声注
単語の音声的な説明です。英文の赤色の番号と対応しています。
[コントロール]
本文の音声のスピードを遅めに調整した音声です。ノーマルの音声と比較しながら聞いてみましょう。
[ナチュラル]
本文の音声を一部抜粋した音声です。
エクササイズ
短い音声を聞いて、聞えた音声を空欄に書き込む問題です。各ユニットで学習した「リスニングポイント」と同じ音声的特徴を持つ箇所から出題されます。
*各ユニット以外の音声から出題されている問題もあります。