本試験5回分掲載! – IELTSリーディングノウハウ
本書はIELTSのリーディング対策のためのテキストです。本試験5回分のパッセージが用意されており、バンドスコア6.5-7.0を狙うことを目的としています。頻出の問題タイプ11を整理して、IELTSのリーディングの完全マスターを狙います。
はじめに
日本で英語運用能力試験というと、まず英検とTOEICを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。海外大学への留学を目指す人にとってはTOEFLもなじみがあるかもしれません。しかし、近年IELTS(International English Language Testing System)に関心が集まっています。2000年以降全世界で受験者が急増し、今では年間300万人以上となっています。
これまで、IELTSというとイギリスやオーストラリアの大学への留学を希望する学生が受ける試験との印象が強かったかもしれませんが、今や多くの米国大学でも学生の英語運用能力の判断基準として導入されています。日本では大学のみならず、政府機関も国家公務員試験にIELTSを採用する傾向があります。これからも実用的な英語力を正確に測定できる試験としてIELTSはさらに身近なものになるでしょう。
IELTSのリーディングセクションの試験には、他の英語検定試験と異なる点があります。まず、解答用紙はマークシートではなく、すべて記述式となっています。そして、問題形式が多様です。文章の内容を表にまとめたり、要約を完成させたり、見出しを選んだりしなければなりませんので、選択肢形式の画一化された問題とは異なり受験者の幅広い対応力が試されます。
本書では、まず例題を解きながらリーディングセクションのすべての設問形式の分析と解法の確認をします。その後、本試験4回分の演習問題で徹底的に読んで解く訓練をします。さまざまな設問形式がランダムに登場しますので、苦手な形式をなくしましょう。最後に、総仕上げとして本試験と同じ形式と分量の模試に取り組みます。
この一冊を解ききり、リストアップされた重要語句を繰り返し復習すれば、IELTS試験のリーディングセクションの対策は万全です。本書が皆さんの国際舞台での活躍の足がかりになることを願っています。
トフルゼミナール
目次
はじめに
本書の取り組み方
IELTSについて
IELTSリーディングセクションについて
問い合わせ先
第1章 知っておきたい11の設問タイプ
QuestionType01
選択肢問題-Multiple Choicer
QuestionType02
正誤問題1-IdentifyingInformation(True/False/Not given)
QuestionType03
正誤問題2-Identifying writer’s views/claims(Yes/No/Not given)
QuestionType04
マッチング問題1(段落情報)-Matching information
QuestionType05
マッチング問題2(見出し)-Matching headings-
QuestionType06
マッチング問題3(内容)-Matching features-
QuestionType07
文末完成問題-Matching sentence endings-
QuestionType08
短文空所補充問題-Sentence completion-
QuestionType09
要約・ノート・表・フローチャート完成問題
-Summary, note, table, flowchart completion-.
QuestionType10
略図完成問題-Diagram label completion-
QuestionType11
英問英答問題-Short-answer questions-
第2章 リーディングセクション問題演習
Exercise01内向型の人の隠れた力
解答解說
Exercise02未来都市
解答解說
Exercise03アイザック・ニュートンの人生
解答解説
Exercise04ガイア理論
解答解說
Exercise05地中海式食事法
解答解說
Exercise06コーヒーハウス
解答解説
Exercise07 3Dプリント:次の産業革命
解答解說Exercise08養殖魚は鮮魚ではない
解答解說
Exercise09アフリカから(アフリカ起源)
解答解說
Exercise10生死の問題
解答解説
Exercise11ケインズ対ハイエク:世紀の経済の論争
解答解説
Exercise12東西の学習
解答解說
第3章 リーディング実戦模試
Section01
Section02
Section03
解答解說
解答用紙
本書の取り組み方
本書の構成
第1章 知っておきたい11の設問タイプ
リーディングセクションで扱われる設問のタイプを11に分けて紹介します。例題を解きながら、問題の特徴や何を問われているのかについて確認しましょう。
第2章 リーディングセクション問題演習
さまざまな分野の問題で実力を養成します。各問題には第1章で学んだ設問タイプが盛り込まれていますので、各設問タイプの解法に習熟するよう取り組んでください。解答解説では、問題に登場した重要単語をリストアップしていますので、復習の際にはこれらを覚えて語彙力を高める努力をするとスコアアップにつながります。各分野の英文は興味深いテーマが揃っていますので、味わいながら何度も読み返すことで、読解力をゆるぎないものにしましょう。
第3章 リーディング実戦模試
本番同様、3つのパッセージにまとめて挑戦する実戦模試です。時間内にどれくらい問題を解けるか、また正しく読み取れているかを確認しましょう。
解答用紙巻末には、Exerciseと実戦模試のための解答用紙があります。コピーを取るか、切り取ってそのまま使用することができます。
IELTSについて
IELTSとは?
IELTS(アイエルツ)は、International English Language Testing Systemの略称で、ブリティッシュ・カウンシル、IDP:IELTSオーストラリア、ケンブリッジ大学ESOLが共同運営、管理する英語力判定試験です。世界140カ国で実施されており、年間約300万人が受験しています。16歳以上であれば、誰でも受験することができ、TOEFL(アメリカの非営利テスト開発機関ETSによって運営、管理されている留学時に提出できる英語資格試験の1つ)と同様に海外留学や研修の際に自分の英語力を証明するためのスコアとして利用することができます。
試験はGeneral Training Module(-){Academic Module(学術英語)に分かれており、受験者の目的によってどちらを受けるかを決める必要があります。Academic ModuleはGeneral Training Moduleよりも難易度が高く、海外の高等教育機関への提出用のスコアとして利用できます。ただし、リスニングセクションとスピーキングセクションの試験内容は共通です。本書はAcademic Moduleのリーディングセクション対策本です。
IELTSの構成(Academic Moduleの場合)
科目 | 試驗時間 | 内容 |
Listening | 30分 |
4セクション・40問
|
Reading | 60分 | 長文3題・40問 |
Writing | 60分 | 2題 |
Speaking* | 11分~14分 |
3パート・質問数不定
|
*Speakingはネイティブスピーカーとのインタビュー形式
IELTSのスコア
IELTSのテスト結果は受験日から約2週間で発行されます。スコアはバンドスコア(Band Score)と呼ばれる1.0~9.0までの0.5刻みの評価数値で表されます。1.0は英語の運用能力はほとんどない初級レベルで、9.0はネイティブスピーカーに近い運用能力を持つことを意味します。各科目のバンドスコアと、すべての合計を平均した総合バンドスコアが通知されます。発行後の有効期限は2年間です。
バンドスコア一覧
Band | レベル | |
9 | Expert User |
十分な運用能力があり、適切で正確な 表現を用いることができる。
|
8 | Very Good User |
十分な運用能力があるが、不得意な分 野では間違いや、ぎこちない表現が散 見される。
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7 | Good User |
内容によっては誤解している場合もあ るが、おおむね正確に理解し、複雑な 表現も用いることができる。
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6 | Competent User |
内容によっては誤解している場合もあ るが、おおむね正確に理解し、得意分野では複雑な表現を用いることができ る。
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5 | Modest User |
部分的には実用的な表現力、理解力を 持っており、おおむね正しい理解がで きているが、間違いが散見される。
|
4 | Limited User |
慣れている状況や分野では基本的な理 用能力がある。
|
3 | Extremely limited User |
限られた状況や分野では一定の運用能力がある。
|
2 | Intermittent User |
実質的なコミュニケーションが困難。
|
1 | Non User | 基本的な運用能力がない。 |
採点・評価について
リーディングセクションの換算は毎回同じというわけではありませんが、おおよそ次の表のように換算されます。
素点 |
バンドスコア
|
39~40点 | 9 |
37~38点 | 8.5 |
35~36点 | 8 |
33~34点 | 7.5 |
30~32点 | 7 |
27~29点 | 6.5 |
23~26点 | 6 |
19~22点 | 5.5 |
15~18点 | 5 |
13~14点 | 4.5 |
10~12点 | 4 |
8~9点 | 3.5 |
6~7点 | 3 |
4~5点 | 2.5 |
3点 | 2 |
2点 | 1.5 |
1点 | 1 |
IELTSリーディングセクションについて
リーディングセクションの特徴
3つのパッセージが出題され、全部で40問です。パッセージの長さはそれぞれ異なり、3つ合わせて2,150~2,750語です。地理、生物、歴史など多岐にわたる分野が出題され、大学生や大学院生向けの内容ですが、専門知識は必要ありません。人物名や地名など見慣れない固有名詞については必ず本文中に説明があります。もしくは、パッセージの終わりに単語や専門用語についての注釈がついています。文体はnarrative(物語文)、argumentative(論証文)など、通常、本やジャーナル誌、新関で読むようなスタイルで書かれています。
設問のタイプはさまざまですが、主な解答のしかたとして、答えを選択肢のリストから選ぶもの、または本文から抜き出すものがあります。本文から単語や数字を抜き出す際には、語数制限があります。解答は、全て記述式ですので、選択肢問題の場合でも、マークシートのように○を塗りつぶすのではなく、選択肢の記号(「A」や「B」など)を解答用紙の解答欄に記入します。
IELTSリーディングセクション対策ポイント
1 1つのパッセージを20分以内で解く
解答時間は60分で3パッセージ出題されるので、平均して1パッセージに20分かけて解く計算になります。しかし、パッセージによって態易度が異なりますし、得意・不得意な内容や文体があるはずです。1つのパッセージで20分を越えてしまう場合は、他のパッセージに取り組んでみて、そちらをまず解いてからもどるとよいでしょう。
2 パッセージを読んだ後に問題を読む
IELTSの問題は、通常、According to paragraph1,..など、答えをどこから探せばよいのか示されていません。そのため、問題から読むのではなく、まずパッセージを読んで、それぞれの段落の内容を把握してから問題に挑むほうが効果的です。読みながらそれぞれの段落に自分なりの見出しをつけておくのもよい方法です。そうすれば問題を読んだ際に、おおよそどの段落を探せばよいのかすぐにわかるでしょう。
3 本文の流れにそって出題される傾向を手がかりにする。
設問のタイプにもよりますが、例えば選択肢問題の場合は、本文中、1問目の答えの根拠の前に見つかるはずです。同様に2問目の答えの根拠は、3問目より前に見つかります。これを知っていると、探す箇所が限られてくるので、効率よく問題を解くことができます。ただ、これはあくまでも傾向で、例外的なケースもあります。
4 選択肢中のパラフレーズを見つける。
基本的に、パラフレーズに気づくことがとても重要です。多くの場合、本文中の具体的な描写は、正解となる選択肢では抽象的に表現されています。簡単な例で述べると、本文のJim played soccer and tennisは、正解となる選択肢ではJim played sportsと表現される、ということです。本文を読みながら情報を整理する際に、パラフレーズすると効果的です。
5 本文中の情報を使って問題を解く
予備知識を使って問題を解こうとしてはいけません。IELTSの問題は、全て本文の情報だけで解答が得られるようになっています。正誤問題には、TRUE,FALSE以外にNOTGIVENという少々厄介な選択肢があり、設問の情報について全く記述がない場合に選びます。したがって、予備知識で勝手に補ってTRUEやFALSEを選ばないように気を付けてください。本文から単語を抜き出す場合も必ず本文中から選んでください。必要な品詞に着目すると探しやすくなります。
6 指示文を確認する
設問の指示文を毎回しっかり読むことを勧めます。例えば、You may use any answer more than once(「同じ選択肢を何度も選んでよい」という指示)や、本文から単語や数字を抜き出して書く際の語数制限(NO MORE THAN TWO WORDS「2語以内」など)に注意してください。
7 解答用紙への記入に注意する
答えは全て記述式です。選択肢の文字のほか、単語や数字を書く場合もあります。字が読めなければ採点できませんので、綺麗に書くことを心掛けましょう。当然ながら、正しい綴りも大切です。また、解答は制限時間内に記入し終える必要があります。リスニングセクションのように、問題用紙から解答用紙に答えを転記する時間が別に設けられていないので注意してください。
8 普段からさまざまな英文を読む勉強法としては、さまざまな文体の英文に触れることが必要です。読む際には、段落ごとに内容をまとめて、パラフレーズできるように調練するとよいでしょう。
問い合わせ先
受験申込み、受験料の支払いなどの手続きについては下記の問い合わせ先まで参照ください。(2020年2月現在)
問い合わせ先①
公益財団法人日本英語検定協会IELTS東京テストセンター
住所:〒162-8055東京都新宿区横寺町55
TEL:03-3266-6852
FAX:03-3266-6145
E-mail:jp500ielts@eiken.or.jp
問い合わせ先②
公益財団法人日本英語検定協会IELTS大阪テストセンター
住所:〒530-0002大阪市北区曽根崎新地1-3-16京富ビル4F
TEL:06-6455-6286
FAX:06-6455-6287
E-mail:jp512ielts@eiken.or.jp
問い合わせ先③
一般財団法人日本スタディ・アブロード・ファンデーション(JSAF)
住所:〒169-0075東京都新宿区高田馬場1-4-15大樹生命高田馬場ビル3F
TEL:03-6273-9356
FAX:03-6273-9357
E-mail:academic@japanstudyabroadfoundation.or.jp
(JSAF)のホーム
インターネット問い合わせ先
公益財団法人日本英語検定協会の運営するIELTSホームページ
http://www.eiken.or.jp/ielts/
一般財団法人日本スタディ・アブロード・ファンデーション(JSAF)のホームページ
ブリティッシュ・カウンシルによるIELTS紹介ページ
http://www.britishcouncil.jp/exam/ielts