社会人からでも英語力を伸ばすことは可能
はじめまして。市川基寿(いちかわ・もとひさ)といいます。英語の学習法や、TOEIC®の勉強方法について検索しているうちにたまたまこの記事に行き当たり、見ていただけていると思います。英語に対する目的・目標は人それぞれだと思いますが、ここではTOEIC® Listening & Reading Test(以下、TOEIC® L&Rテスト)で600点を目指す人たちに向けた勉強方法を伝授していきます。もし、あなたがどうしてもTOEIC® L&Rテストで600点を目指したいと考えているのなら、何かしらの役に立てることと思います。
さて、いきなり本題に入る前に私の経歴をザックリとお話しします。「英語を学習しているから外資系に勤めているのかな?」と思うかもしれませんが、いたって普通の会社員です。英語学習歴も義務教育どおりに中学1年生の4月から始め、大学こそ英米文学科に進学しましたが、大して勉強をせずに卒業と、特別英語が出来たわけではありません。
ですが、社会人になってから英語の学習を本格的に始め、今ではTOEIC® L&Rテストで910点、実用英語技能検定(英検)1級、英単語検定1級など、ある程度のレベルまでに達することができました。
そこで、TOEIC®受験生のボリューム層であるビジネスパーソンへ向け、同じように社会人から頑張り始めた身として私自身が持っている勉強方法をみなさんに発信していきたいと思います。さて、前置きはこのくらいにしてそろそろ本題へ入りましょう。
実はTOEIC®といってもTOEIC® L&Rテストをはじめとして、TOEIC® Speaking & Writing TestsやTOEIC® Bridgeなど様々なタイプがありますが、この記事では、最も受験者が多いTOEIC® L&Rについて話します。ビジネスパーソンでは昇進などの際に、学生でも大学入試や単位認定の際に関わってくるTOEIC® L&Rテストのスコア。いつしか日本人の英語力の指標となったこのテストは多くの場面で活用されています。
TOEIC® L&Rテストは英語のListening(聞く)とReading(読む)の2技能を試され、Listeningを45分で100問、Readingを75分で100問解くわけです。スコアはそれぞれ5点刻みで出され、各技能495点満点で合計990点満点のテストです。
ここでは一般受験として公開テストの話を進めていきます。一度でも受験した人なら知っているかと思いますが、TOEIC® L&Rテストは日曜日の13時から15時まで行われます。試験の申込期限は、試験の前月には終わってしまうので、まずはスケジュールの把握をしなくてはいけません。試験当日の座席は指定されており、受付は11時45分から12時30分まで、それ以降は基本的に試験終了まで席を立てないので、事実上2時間30分は拘束されることになります。
また、問題冊子と解答用紙のマークシートは試験後に回収され、テスト中に問題冊子・解答用紙ともに所定のマーク欄以外への書き込みは禁止されています。つまり、英文にマーク線などを引きながら読み進めるとことが不可能なのです。このようなことを当日試験直前になって知ったとなれば慌ててしまいます。これからTOEIC® L&Rテストを初めて受験される方は「問題を解く」や「いいスコアを出したい」などに意識が向きがちですが、受験前に基本的なルールを予め確認しておくことをオススメします。
TOEIC®で600点を取るのに必要な英語レベルとは?
この記事の冒頭で600点を目指すと言いましたが、600点とは全体でどのくらいの位置づけなのかご存知ですか? 各回のTOEIC® L&Rテストの平均点はListeningが320点、Readingが260点の合計580点になります。ですから、600点を目指すということは、平均点+αを目指すということだと考えてもらえたら、TOEIC® L&Rテストを始めて受ける人には分かりやすい目安になると思います。
このようにTOEIC® L&Rテストで600点を取るというのは、各回で全受験者の少し上の位置付けになります。具体的な勉強方法については次回以降に話すとして、600点を取るのにどれくらいの英語スキルが必要なのか、私自身の経験を踏まえてお答えします。
私が初めてTOEIC® L&Rテストを受けたときは、Listeningが230点、Readingが225点の合計455点と平均を大きく下回っていました。当時の私の英語レベルは、大学入試センター試験の英語の筆記で7割取れるくらいだったと記憶しています。ちなみにこのときは、TOEIC® L&Rテストというものをあまり知らず、本番で初めて2時間かけて解答し、途中何度も頭の中に疑問符が付いたホロ苦い思い出が残っています。
その後、1日に2時間の勉強を4ヶ月ほど継続し、再び受けたときのスコアはListeningが360点、Readingが355点で合計715点でした。およそ4ヶ月で260点のスコアアップに成功したことになります。
このことから、大学受験に向けて英語を学んだ経験があっても、TOEIC® L&Rテスト独特の形式に慣れていなければ、600点台を取得することは難しいことが分かります。逆に、センター試験の英語の筆記で7割くらい取れる英語力を持ちつつ、TOEIC® L&Rテストの対策をすれば600点台をゆうに越せると思います。
この記事を見ている人の年齢や職業は様々だと思いますが、どのような属性であれ、TOEIC® L&Rテストのスコアが必要という共通点があるからこそ、興味を持ってくれたことでしょう。特に初学者に伝えたいのですが、世の中には「聞き流すだけでリスニング力が身につく」や「短期間でスコアアップ」など、いとも簡単に結果を出すことができそうな耳触りの良い勉強法がありふれています。そして英語が苦手な人ほど、そのようなキャッチーなフレーズに心を奪われがちです。
しかし、残念なことに(もちろんどの程度のレベルを目指すかにもよりますが)しっかりとした実力を付けたいのならば地道に単語を覚え、文法を理解するといった“泥臭い勉強”が絶対に必要です。もし、読者の中に「ラクをしてすぐにスコアアップができる魔法のような勉強法」を期待されている人がいたとしたら、残念ながら私はその期待に応えられません。
一方で、「英語を勉強してみるか」と一念奮起してやる気に満ちている方には、私の実体験に即した勉強法は、全てではないにしても役に立つのではないかと思います。私も英語のプロではないですし、現在進行形で学習者です。ぜひ読者の皆さんとTOEIC® L&Rテストでスコアアップを目指し、共に切磋琢磨していけたらと思います。
1987年生まれ、愛知県出身。留学はおろか旅行ですら海外渡航歴のない英語学習者。大学で英米文学を専攻したが、学生時代は特に英語が得意というわけではなかった。一時は英語が嫌いになるが、社会人になってから本腰を入れて英語学習を始め、6年間でTOEIC®910点や英検1級を取得。紆余曲折を経て蓄積した自身の経験に基づいた勉強法をブログやSNSにて公開中。