目標設定から逆算して学習をする! 正しいor間違った学習方法とは?【社会人からの英語学習[5]】

学生の受験とは違い、社会人が英語を勉強する理由は十人十色。当然だが、学習目標を設定せずに勉強してしまうと、効率的に学習することができない。まずは、目標を設定してから、逆算して学習方法を選択すると良いだろう。それでは、現役英語講師の“まえたく”こと前田拓也さんに目標までの正しい学習法と間違った学習法の2つを教えてもらおう。

効果的な学習に必要なことは目標設定

英語を効率的に学習する上で一番大切なこととは何だと思いますか? 結論を先に言ってしまうと、目標設定が最も重要です。なぜなら、具体的な目標がないまま学習してしまうと、たどり着くまでのステップが明確にならないからです。ですので、目標を明らかにした後、達成するために必要な知識を優先的に学ぶことが、最も効率よく学習できる方法です。

例えば、「海外で医者の仕事をする」という人であれば、来客対応や外来診療、英文診断書の作成など、英語の中でも業務に必要な英単語は限られてくると思います。まずは、状況別に使いそうな日本語を書くことが大事です。そして、日本語で書いた文章を英語に翻訳します。単語やフレーズを辞書やインターネットで調べ、自分で書いた日本文を英文にしましょう。

極論を言ってしまうと、この方法で英語自体は話せるようになりますが、自分が言いたいことを一回ごとに調べなくてはいけません。自分自身で派生した様々な英文を作れるようになるには、作った英文の文構造(文法)や単語を解析します。このように、いきなり単語や文法から勉強するのではなく、このタイミングで初めて両方とも学ぶのです。先に単語と文法を学びがちですが、学ぶ順番としては最後で良いのです。

逆に一番やってはいけないことは、必要ないことを優先的にやってしまうことです。プレゼンで上手く話したいという場合、一般的な単語の教材を使って、単語(breathやimmigrateなど)を覚えても、プレゼンに必要不可欠とは言い難く効果的とは思えません。

余計な回り道をしないためには、先ほど挙げた医者の例のごとく、自分のプレゼンを日本語で書き出した後に英訳し、出てきた単語と文法を覚えていくという作業が良いでしょう。別に英訳するときは、Google翻訳でも英語ができる人に頼んでも良いです。このように自分の書いた資料に出てきた単語、文法を覚えると、大切な単語、文法を優先的に覚えることができます。

単語レベルですと、「breath」や「immigrate」などの単語は、全く使用しないと言うわけではないと思いますが、目標達成のための優先順位は低いので、こういった単語は必要に応じて覚えていけばいいわけです。

おそらく多くの人が「英語を勉強しよう」と思って単語帳を買ったけど、覚えた単語を使用する機会がなかったという経験があると思います。効率的に単語を覚えたい場合は、自身の業務で使用する可能性が高いものから優先的に覚えていきましょう。また、文法については、英語を学習する目標を持っている人は単語と同じ方法で学ぶと良いですが、目標がない人は、自分に合いそうな教材を購入して進めていきましょう。教材を進めていく中で、目標が、パッと浮かんでくることもあるかもしれません。