TOEICで600点を取るための参考書とは?【第2回TOEIC®600点への手引き】

TOEICで600点を達成するためには、TOEIC対策の参考書が必要不可欠。だが、書店に立ち寄るとTOEIC関連の書籍がズラッと並んでいて、どういうものを選べばいいかわからない。そこで、自分に合った参考書を見つけるときのポイントをTOEIC®910点を達成した市川基寿に解説してもらった。

上級者はどんな参考書を使っているのか?

TOEIC® L&Rテストの受験を志したら、まずはテストを知ることが大事。私の場合は初回受験を経て当時の自分の英語力と試験で求められる英語力のギャップを考えたところ、単語と文法を学ぶ必要性を感じました。しかし、いきなり分厚い“硬派な参考書”では挫折しそうだったのと、後述する参考書選びのポイントを踏まえた結果、最初は手頃な文庫本サイズの『1駅1題 新TOEIC TEST文法特急』『新 TOEIC TEST 文法特急2 急所アタック編』の2冊を手にしました。

さて、勉強方法はというと学習を始めた頃は1日に1章のペースで問題を解き、2周目以降は全ての問題を「解説と同じ思考で解答できること」を目標にして何周も読み込んで仕上げました。たまに問題集などを1度やり切っただけで終えてしまう人がいますが、それはテストをしたに過ぎません。2周目以降は、解答が分かっているのを前提に「その答えになるまでの過程」を瞬時に導き出せるかが大事になります。正しい思考を身に付けることにこそ意味があり、そのレベルまで落とし込めることができれば、本番の試験で同じような問題に出くわしたときに即時に解答できるのです。

また、単語に関しては『TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ』と呼ばれるTOEIC®の単語帳のバイブルと評されるものを使用しました。この単語帳は単語の掲載されている順番がスコアごとのレベル別になっているので、600点台を目指すのであれば一気に全部を覚えようとはせず、まずは600点レベルまでの単語をしっかり覚えるとよいかと思います。

ちなみに単語に関しては「1日10語ずつ覚える」などというチマチマした覚え方だと一向に終わらないし、三日坊主で飽きてしまう恐れもあるので、毎日一定量(例えば600点台の掲載語を全てやるなど)を繰り返して「見た瞬間に単語の意味が思い浮かぶ」ようにインテンシブかつスピーディーに行うのがオススメです。

それから自作のノートに関してもご紹介します。勉強をしているとノートを取ることも多く、サイズや紙質などに対してこだわりを持っている方もいるかと思いますが、私はA5サイズの無地のノートを使っていました。このノートに間違えた問題のポイントを転記や、参考書の要点をコピーして貼り付け、いわば自分だけのマイ参考書を作ってスキマ時間に確認して効率的に学習しました。

自作のノートを作ればスキマ時間だけでも自分の苦手な部分の対策ができる

参考書を選ぶときのポイントは?

まず始めに、参考書には「相性」があるので、私が使っていたものがあなたにも合うとは限りません。すると、自ら書店へ足を運び、自分自身で品定めをする必要があるわけですが、その際TOEIC®の参考書を選ぶ上でのコツを紹介します。

参考書を選ぶ上で最も大切なことは、購入を検討している参考書が「現在のTOEIC®試験の傾向を反映しているか」ということです。TOEIC® L&Rの受験者数が年々増加しているのに比例してTOEIC®試験の難易度も上がっているため、現在のテストのレベルを反映しているかチェックする必要があるのです。

そこで、購入を考えている参考書が、現在の試験レベルを反映しているかどうかを確かめるわけですが、確認する際には著者をチェックすることをオススメします。なぜなら、TOEIC® L&Rテストの参考書のベストセラーの方々は、ほぼ毎回のごとくTOEIC® L&Rテストを受験して最新の傾向を掴み、試験の傾向を反映した参考書を出版しているからです。

また、本の著者を見比べると、同じ著者が複数のTOEIC® L&Rテストの参考書を出版していることに気がつくはずです。同じ著者が何冊も出版するということは、業界内で試験の傾向を分析する力が優れていると認められている証拠。そのような著者が書いているベストセラー本を中心に自分が勉強しやすそうな参考書を吟味すると、スコアアップに直結する効率的な勉強ができると思います。

あくまでも私自身の経験ではありますが、「最新の試験傾向を掴んでいるか」と「著者が複数の本を執筆しているか」という要素を軸に書籍を選んだ結果、先ほど紹介した参考書に行き着き、留学や海外渡航をせずに社会人から本格的に英語学習を始め、短期間でスコアアップを実現できたのです。

参考書を選ぶときは「最新の傾向に対応しているか」と「著者」を確認しよう

参考書以外で役立つ学習ツールも使う

ここまでは私自身が使用した参考書と選び方をご紹介してきましたが、いつでもどこでも参考書を開きながら腰を据えて勉強できるとは限りません。そこで、参考書と筆記用具がなくても勉強ができるお役立ちツールを2つ紹介します。

ひとつ目は、スマートフォンです。多くの方々がスマートフォンを利用していることと思いますが、スマートフォンのアプリを使えば効率的な学習が可能になります。多くのアプリはiPhoneやAndroid双方に対応しているのでどちらのユーザーでも大丈夫です。

スマートフォンを使ったTOEIC®対応の学習アプリでは、何と言っても「abceed」がオススメの筆頭です。このアプリでは多くのTOEIC®のベストセラー本の音源を聴くことができます。書籍に付属するCDをPCにダウンロードしてからスマートフォンに同期する手間もいらず、手軽にリスニングの学習ができます。また単に音源を聴くだけにとどまらず、学習履歴を残すことができることや、「MY 単語帳」などの機能もある点がオススメの理由です。

もうひとつが言語を学ぶ上で必須となる「辞書」です。多くの人は電子辞書やアプリの辞書を使っているかと思います。紙の辞書を否定するつもりは毛頭ありませんが、学習効率を考えたときに電子辞書やアプリといったデバイス経由の検索の方が望ましいと思います。

私も最近ではスマートフォンに各種用途に合った辞書のアプリをインストールしていつでも調べられる状態にあります。皆さんもスマートフォンを活用して、いつでもどこでも学習する環境を作ってみてはいかがでしょうか。