全部解けなくてもいいの? 目標スコアが取れるパート7の攻略法【第9回TOEIC®600点への手引き】

TOEIC®L&Rの中で多くの受験者を悩ませるのがパート7。問題の難易度もさることながら、時間が足らないという声が多く聞こえる。では、どうすればこの難所を攻略できるのだろう? 社会人から本格的に英語学習を始めて、TOEIC®910点や英検1級などを取得した市川基寿氏に鬼門であるパート7の攻略法を教えてもらおう。

パート7は初心者独自の方針を持つことがカギ

今回はパート7について考えていきます。このパートはシングル、ダブル、トリプルとパッセージに応じて設問があり、シングルは29問、ダブルは10問、トリプルは15問の合計54問とリーディングパートの過半数を占め、多くの受験者にとって鬼門となるパートです。

まずこのパートに取り組む上で大事になるのは、文単位で英文を解釈できるかということです。そのためにパート5の対策の一環として、基本文法や単語を押さえておく必要があると前回の記事でお伝えしました。そして、単文から長文に取り組んでいくのですが、そこで意識して欲しいのは「精読」するということです。

「精読」とは一文ごとを正確に読む力です。正直、長文を読むことを苦痛に感じる人は多いことでしょう。そういう人は「パラグラフの最初と最後を読めばいい」とか「設問のキーワードを拾い読みすればいい」など言われたら、思わず飛びついてしまいたくなるかもしれません。しかし、このようなテクニックを活かすことができる人は、基本スキルを保有しており、プラスアルファとしてテクニックを使うことを想定しています。最初から楽な読解をしてはすぐに頭打ちし、思うようにスコアは伸びません。

ですから、まずは時間を気にせずに丹念に一文ずつ読む必要があるのです。この際、読めない文があったら「何故か?」と理由を突き詰めてください。「単語が分からないのか」、「文型が取れないのか」など何かしらの理由があるはずです。私はTOEIC® L&Rテストの講座で指導歴がありますが、伸び悩む人は往々にして「プライドが高く、出来ないことを認めません」。もし、語彙力不足や英文法がダメなら、必要に応じて中学英語まで遡るべきです。「出来ない自分を直視すること」から始まり、原因を突き止め改善していく姿勢こそパート7の学習を始める姿勢だと思います。

さて、実際にリーディングパートでスコアを取るための戦略を考えたとき、「正答率を重視する」というスタンスを取ることをオススメします。理由として多くの受験者は全問を解答しようとし、途中でタイムアップを迎えてしまいます。そして一様に「時間が足りなかった」と嘆くわけです。全問を解こうとしているので途中で焦り、誤答を連発。これで全体の半分しか出来なかったとしたら、スコアはあまりよいものではありません。

一方、現在の自分の実力を鑑みてマルチプルパッセージ(ダブルとトリプルの部分)の25問を最初から捨てるとシングルパッセージの29問が残ります。この残った29問だけが、その人にとってのパート7になります。仮にパート5と6で30分かかり、残り時間が45分の段階で残りの問題を29問と割り切るか、無理に54問解こうとするか。どちらが精神的に楽かは明らかですね。ですから、初心者には「パート7は全問を解こうとしない」という戦略をオススメします。

英文を精読する癖をつけることでリーディングパートの正答率を高める

設問とパッセージのパターンを知ると解ける・解けないを仕分けしやすい

これまでリスニングのパート3・4やリーディングのパート5の設問には、パターンがあると言及してきました。ここでは、パート7ではどのような設問のパターンがあるのかを列挙しておきます。

【1.主題タイプ】
「What is the main topic of this article?」や「Why did Mr. John write the e-mail?」などパッセージ自体の主題を問う問題。各設問の最初に来ることの多く、このタイプの問題は絶対に正解したい。

【2.具体的な情報を問う問題】
「Who is Mr. Michel?」や「When will happen on July 1?」など具体的な情報を問う問題。このタイプは「Mr. Michel」や「July 1」など、設問で問われているキーワードが本文で登場したときに該当箇所を読めば解けるので正解にしたい。

【3.NOT問題】
「What is NOT described in this e-mail?」のようなNOT問題は曲者。というのも、消去法を駆使して解くことが多いので、時間に追われているときは解答に時間が掛かってしまう恐れがある。余裕があれば解くというスタンスで良い。

【4.推測問題】
「What is suggested about the notice?」や「Who most likely is Ms. Cathy」など「suggest」や「likely」が設問で問われていたら、本文で直接言及されているのではなく、推測する必要のある問題である可能性が高い。初心者にはなかなか難しいと感じられる。

【5.同義語問題】
「The word “book” in paragraph 1, line 3, is closest meaning to?」など、特定の文脈で使われている言葉を別の単語で言い換えるという問題。文脈に沿って読む力と多義語の各意味を覚えているかを問われるので受験者によって難易度は変わる。こういう問題は、見た瞬間に解けるようボキャビルに取り組みたい。

【6.会話文意図問題】
「At 13:18 P.M, what does Kevin mean when he write, “Leave it to me”?」などシングルパッセージの中で2題出題されるチャット形式のパッセージで、特定の人が特定の時間に発した言葉の意図を問う問題。文脈を掴めているかが問われているが、口語表現を知っていれば選択肢が絞れる。リスニングでも意図問題は出てくるので、苦手な人はリーディングの方から取り組んでほしい。

【7.文補充問題】
「In which of the positions marked [1], [2], [3], and [4] does the following sentence best belong?
“She had to finish by five o’clock.”」など文章を入れる問題。パート6では決められた空所にどの文が適切か1文ずつ選択肢を検討していくが、パート7の文補充問題は、ある1文を補充するとしたら、文脈上どこが適切かを問われている。文脈に則って読む力を問われている。

このように設問とパッセージにはいくつかのパターンがある。各パッセージの上に「Question 47-48 refer to the following letter.」と書かれているが、この「following」以下に書かれている内容がパッセージの種類である。

ざっと列挙すると「advertisement」、「memo」、「notice」、「online chat」、「text message」、「announcement」、「instructions」、「information」、「report」、「Web page」、「press release」、「article」、「menu」、「schedule」、「form」、「document」、「review」、「contract」など多岐にわたります。

ある程度、問題演習を行っていくと自分の得手不得手の傾向も見えてくるので、得点アップのために得意分野のパッセージを伸ばすか、もしくは苦手分野のパッセージを克服するかといった学習の方針も立てやすくなります。まずはすべての分野を取り組んで傾向を探ると良いでしょう。

ここまでパート7について話してきましたが、スコアが伸び悩んでいる人にはぶっつけ本番で望む人が多い。日頃から英語に触れていないのに、いきなり120分間も触れ続けるのは苦行に近い。だから、リーディングのスコアを上げたければ毎日英文を読むこと。これが当たり前になれば、テストが非日常なものから、ルーティンワークの一環として習慣化します。多くの受験者は妥協してしまいがちですが、英文を読むことを習慣化してしまえば、ライバルを追い越すことができますよ。