英語学習のモチベーションを維持するポイントとは?【第4回TOEIC®600点への手引き】

長期間に渡り英語学習を続けるには、学習意欲を維持することが大切だ。たとえ3ヶ月という短期間でも、日々モチベーションを高い状態にすることは大変である。そもそもモチベーションとは維持できるのだろうか? 無理なく学習を継続するための方法をTOEIC®910点や英検1級などを保持する市川基寿さんに教えてもらった。

短・中・長期目標を掲げ日々の管理をしよう

英語学習の初心者にとって最も難しいことが「勉強を続ける」ということだと思います。私がこれまで学習してきて、継続して学習するために必要なこととは「目標を持つこと」だと思います。それは、人間という生き物は目標があるからこそ達成するために頑張れるもので、あてもなくただ勉強をしていてもなかなか結果が出ず、最悪の場合は勉強を投げ出してしまう恐れもあります。そこで、モチベーション維持のためにも短期・中期・長期でそれぞれ目標を掲げ、それに向かって日々の進捗を管理することが大切です。つまり、ビジネスなら当たり前に求められることを自分の学習にも取り入れるのです。

短期目標は1日単位での勉強内容や学習時間のこと。単語や文法、リスニングなど「どんな内容の学習をするのか」と「合計で何時間勉強するのか」を決めることで日々のノルマが明確になります。中期目標は、数ヶ月先くらいまでに達成したい目標を定めることです。例えば、このシリーズのように「3ヶ月後のTOEIC®で600点を取る」などが当てはまります。長期目標というのは、「1年後に英語力を活かして転職する」など1年後くらいを目処に、英語を習得した後のビジョンを定めることです。短期・中期・長期で具体的な目標を定めることによって、モチベーションの管理をしやすいのと同時に目標から逆算して学習内容を決めることで最短ルートでの学習ができます。

そこで、勉強を管理するのに打って付けのアプリ「Studyplus(スタディプラス)」を紹介しましょう。このアプリは勉強をする際に、進捗状況の管理や勉強時間の可視化など英語学習者の味方になってくれる優れモノ。自分の使用している参考書や問題集を登録できるため、各教材にどのくらい勉強時間を割いているのかが一目瞭然。その週の勉強を振り返りながら、次週の計画を練る際も便利です。また、「カウントダウン」の機能も備わっているので、次回の試験に向けてモチベーションを高めやすい。この機能によって、「〆切効果」で適度な焦りが生まれ、本番に近づくにつれてインテンシブに勉強ができる一助となってくれるでしょう。

短期・中期・長期でそれぞれ目標を設定しよう

試験前夜から結果発表までにすることとは?

ここで私がどのような準備をして試験本番を迎え、次の試験に備えているのかを今年3月に行われたTOEIC®を例に出してお伝えします。

まず、試験の前夜の徹夜は厳禁です。試験前日は日付が回る前に就寝しましたが、就寝前にイメージトレーニングの一環として「過去の成功体験」や「いいスコアが取れること」を想像しながら入眠しました。試験前夜に緊張して眠ることができないとコンディションの調整が失敗するので、テスト当日までに体調をベストコンディションにすることは極めて重要です。

試験当日は、試験開始の13時から逆算して5時間前には起床します。目覚めがその日の出来を左右すると言っても過言ではありません。起きた瞬間、「イケるかも!?」と思ったら勝負は半分勝ったも同然。身支度をし、余裕を持って受付開始の30分前には会場に到着しましょう。仮に電車の遅延などの不測の事態に巻き込まれても、元々時間には余裕があるので心配無用です。無駄な焦りを生まないためにも常に余裕のある行動は必須です。

ちなみに移動中はリスニングの音源を聞きながら会場入り、到着後は受付開始まで単語の確認などをして徐々に本番モードに気持ちを切り替えることを意識しています。11時45分に受付を済ませ着席。すぐさま受験環境を確認することをオススメします。特に、緊張している人は、「自分がどういう空間で受験するのか」をいち早く認知することで緊張を取り除くことができます。その後、12時30分までは弱点を綴ったまとめノートの確認やマークシートの受験者情報の記述、他にはトイレを済ませたり、ストレッチをしたりとリラックスしながら過ごします。

試験終了後はすぐさま反省。問題冊子は持ち帰れないので、覚えているうちに振り返らないと「ただ受けただけ」になってしまい、次回に繋がりません。そのため試験後すぐに反省をするというプロセスはとても大事です。特に自分の出来なかった部分を強く意識することが大切です。試験を終えてホッとして気休めしたいところですが、次の戦いはもう始まっています。

日々の進捗を管理することがスコアアップにつながる

また、本番や模試を解くと結果が出るわけですが、それらの結果をグラフにするなどして数値化することをオススメします。数値化することにより弱点が見えてきたりして次の勉強に活かせるわけです。私は模試を解いた際にトータルでの正解数のみならず、パート毎の素点やリーディングに至っては各パートとパッセージの所要時間もメモすることにより、弱点を可視化して「今自分が対策すべきところ」を課題として浮き彫りにします。そして、可視化して浮き彫りになった弱点を克服する為に計画的な勉強をしてきました。このような姿勢が短期間でのスコアアップを実現させたのだと実感しています。

このように単に試験を受けるにとどまらず、しっかりコンディションを整えて本番に臨み、そして結果を真摯に受け止め次回に活かす姿勢がスコアアップをする上で大事になってくるのです。もし、あなたにこの視点が欠けていたら、次回はもう少しTOEIC®と向き合って見たらいかがでしょうか。