英会話が目的なら“ただ”学習するのをやめる
英語学習の目的を大きく2つに分けると、筆記のテストで良い点数を取ることと英会話を上達させることに分けられます。この記事では、英会話を上達させることを目的とする初心者が避けるべき勉強法について説明していきます。初心者が避けるべきことは主に2点。1点は、“ただ”単語帳や参考書を読むこと。もう1点は、“ただ”リスニング音声を聞き流すこと。この2つが学習の中で避けるべきことです。
まず、“ただ”書籍を読んだり書いたりして学習することについてです。大前提として、私たち日本人は、他の国の人に比べると英語の読み書きは非常に良くできます。その要因は、日本の英語教育が筆記中心だからです。読み書き中心の教育を受けてきたからか、いざ英会話の学習を始めようとしても、テキストを見たり、問題集を解いたり、と読み書きと同じ方法で勉強しようとします。
結論を言うと、多くの問題を解いても、何度も文法書を読んでも、「話す練習」をしないと話せるようにならないのです。実際に自身の経験としても、TOEIC®の勉強に多くの時間を費やして800点を超える点数を取っても、英語を話せるようにはなりませんでした。もちろん、問題集を解くことや参考書を読むことは良いことですが、インプットだけで終わってしまう人が多すぎるため注意する必要があるのです。
そこで、話す練習(アウトプット)をする必要があります。アウトプットの方法として、英会話カフェや英会話スクール、オンライン英会話等の「英語を話す機会のある場所」に身を投じることをオススメします。
次に、“ただ”リスニング音声を聞き流すことについてです。「聞き流すだけで英語が聞こえるようになる!」というようなキャッチフレーズの教材が一時期流行りましたね。ですが、“ただ”聞き流すだけというトレーニングは効果的ではありません。理由は、「英単語を知らない」、「視覚的に状況がわからない」、「文法もわからない」等、わからないこと尽くしの状況で聞き流しても意味がないからです。
例えば、日本語のリスニング教材を日本語がわからない外国人に聞き流ししてもらったところで、果たして日本語が聞こえるようになるでしょうか? 恐らく聞き取れるようになるのは難しいでしょう。
要はリスニング教材も使い方次第です。聞き流すだけではなく、聞こえた単語をメモに取ってわからない単語の意味を調べたり、スクリプト(リスニング音声の原稿)を読んで、わからなかった点を調べてからリスニング音源を聞いてみたり、学習の工夫次第で効果が発揮できます。
このように“ただ”単語帳や参考書を読むことや“ただ”リスニング音声を聞き流すことには意味がありません。問題集や参考書でインプットしたことを話す練習でアウトプットしなければ、いつまで経っても話せるようにはならないと言うことを覚えておきましょう。アウトプットとして英会話などで話す機会を作ったり、聞こえなかった部分の意味を調べて何回も聞き返してみたり、学習を工夫して自発的に取り組むことが大切です。
1995年生まれ、神奈川県出身の現役英会話講師。大学時代にアメリカとカナダへ長期留学を経験。留学先で言語の壁と英語への恐怖で引きこもりがちになるが、周りの日本人が英語を話している姿に鼓舞され、改めて英語に向き合うことを決意。長期留学後、TOEIC®900点を取得。現在は英会話講師としてセミナーや外部活動等で幅広く活動しつつも、昔の自分と同じく英語に挫折や躓いている人達へ向け、SNSを通して情報発信をしている。