目標達成までの計画
著者はTOEIC満点講師の早川幸治さんと、TOEICコーチのHarukaさん。アスク出版から出版された本書は470点から満点まで、それぞれが目標を達成できるように試験当日から逆算し、学習スケジュールを立てる手助けをしてくれる手帳タイプのものです。大半はスケジュール記入欄で構成されているが、単語レベルチェックやTOEICテストについてなど、試験を受ける上で重要な情報を掴めるものなっています。
単語レベルチェック
TOEIC頻出の単語100語が難易度順に並べられている。意味がわかる単語をチェックしていき、自身の英語レベルを測ることができます。ここで測ったレベルを参考にして、今後のスケジュールを立てていくことになる。もちろん、以前にTOEICを受験したことがある方は、そのスコアを参考に目標を立てても良いでしょう。
レベル(目標)別突破法
TOEICには470点、600点、730点、860点、満点(990点)とある程度の基準があります。この項では、前の項のレベルチェックや過去のスコアを参考にして定めた自身のレベルをもとに、それぞれのレベルに合わせた突破法と目標正解数を見ることができます。例えば470点の突破法であれば、何度も繰り返して単語を覚えることと、音読によってリスニング力を鍛える事などである。どのレベルにおいても突破法が詳しく述べられているので、学習方針を簡単に立てることができます。
TOEIC L & Rテストについて
この項では、TOEICの基礎知識や各パートの内容から当日のスケジュールまで、TOEIC L & Rテストについて詳しく知ることができます。特に初めて受験する方は、試験当日の勝手がよくわからないと思うので、この項を読むことで当日、気が楽になるでしょう。
レベル(目標)別逆算スケジュールと記入例
先ほど述べたレベル別に、試験日までの大まかな逆算スケジュールが書かれたのがこの項です。試験当日の2ヶ月前から、1ヶ月前、2週間前、1週間前、前日、試験日と期間を刻んで取り組むべき内容が書かれており、優先すべき事項のアドバイスもあります。また、次のページには月単位のスケジュール、週単位のスケジュールの立て方(記入例)が載っているので、これを参考にして実際に学習スケジュールを組んで行くことになります。記入欄は通常の手帳のような表形式になっているので、学習予定を書くだけでなく個人的な予定も書くことができます。
冒頭に述べたように、本書の大半は予定を記入する欄で構成されていますが、特に初めて受験する方にオススメな情報がたっぷり詰まっています。予定の立て方の例もレベル別に丁寧に記載されているので、自身のレベルに合わせて簡単に立てることができます。ぜひ本書を利用して、自身の目標を達成できるように学習の取り組んでいって欲しいと思います。
使い方
この手帳は、学習法と学習計画が一体となっています。TOEIC®テストをはじめて受ける方や何度も受験している方が一人で悩まないように、目標スコア達成をサポートするためのツールです。プロがおすすめする「レベル別学習法」と、You Tubeで活躍する手帳アドバイザーが考えた「年、月、週のスケジューリング」の相乗効果により、誰でも楽しく、そして無理なく学習を続けることができます。
「診断リストでレベルを確認したら、TOEIC®対策のプロ早川幸治(Jay)先生の学習アドバイスを読み、自分の目標スコアに合った学習計画を立てましょう。なお、テスト結果(公式認定証)が届いたら「スコアシートの見かた」を開き、Abilities Measuredの読み解き方を知ることで次の試験につながります。いつから始めてもいいように、日付は記入式にしています。本番まで「あと○日」とカウントダウンできるような記入欄も作りましたので、受験日が決まったら記入しておきましょう。
・YEARLY PLAN(年間スケジュール) × 5年分
・MONTHLY PLAN(月間スケジュール) × 12 カ月分
・WEEKLY PLAN(週間スケジュール)×月ごとに5週分ずつ
付録のTOEIC®︎コーチ Haruka特製「スタプラシール」や好きなシールを貼って、自分仕様の手帳にするのも楽しく勉強するコツです!
単語レベルチェック診断リスト
1 | □available | 14 | □explain |
2 | □purchase | 15 | □confirm |
3 | □submit | 16 | □currently |
4 | □luggage | 17 | □recommend |
5 | □opportunity | 18 | □postpone |
6 | □audience | 19 | □apply |
7 | □reservtion | 20 | □conference |
8 | □complete | 21 | □advertisement |
9 | □arrive | 22 | □meal |
10 | □delay | 23 | □renovation |
11 | □facility | 24 | □customer |
12 | □increase | 25 | □crowded |
13 | □conversation |
26 | □survey | 39 | □subscribe |
27 | □reduce | 40 | □contract |
28 | □significant | 41 | □valid |
29 | □effective | 42 | □complain |
30 | □transportation | 43 | □estimate |
31 | □vehicle | 44 | □enclose |
32 | □refreshment | 45 | □reliable |
33 | □adjust | 46 | □refund |
34 | □extremely | 47 | □evaluate |
35 | □contribution | 48 | □inspect |
36 | □shipment | 49 | □budget |
37 | □conduct | 50 | □complimentary |
38 | □award |
51 | □assign | 64 | □alternative |
52 | □reimbursement | 65 | □intensive |
53 | □affordable | 66 | □prevent |
54 | □sculpture | 67 | □malfunction |
55 | □relocate | 68 | □property |
56 | □reference | 69 | □predict |
57 | □publish | 70 | □length |
58 | □procedure | 71 | □comparison |
59 | □acquire | 72 | □otherwise |
60 | □durable | 73 | □itinerary |
61 | □furnished | 74 | □approve |
62 | □fluent | 75 | □residential |
63 | □accurate |
76 | □sufficient | 89 | □renowned |
77 | □ingredient | 90 | □authorize |
78 | □substantially | 91 | □overwhelm |
79 | □courteous | 92 | □meanwhile |
80 | □exceptional | 93 | □exclusive |
81 | □apprentice | 94 | □adjacent |
82 | □venue | 95 | □expedite |
83 | □restoration | 96 | □precise |
84 | □prompt | 97 | □verify |
85 | □relevant | 98 | □preserve |
86 | □enthusiastic | 99 | □yield |
87 | □subsidiary | 100 | □proximity |
88 | □unanimously |
診断結果
レベルチェックの結果はいかがでしたでしょうか? 徐々に難しくなっていったと思います。知っている単語がだんだんと減っていったという方も多いでしょう。それもそのはずで、1 ~ 25番には470点以下レベルでやさしめの単語が多くあります。続いて、26 ~ 50番が600点レベル。そして、51~75番が730点レベル。さらに、最後の76 ~100番は730点以上のレベルです。
TOEIC® L&Rテストスコアは正解数を基準に算出されます。正解数を増やすには、英文の理解度を高めるしかありません。その理解度を高める基準となるものが、単語力です。すでにスコアをお持ちの方は、ご自身のスコアと照らし合わせてみてください。スコアアップの壁になっているのは単語力かもしれません。また、単語は知っているのにスコアが出ていないという可能性もあります。
これからTOEIC® L&Rテストを受験される方は、単語力によって目標スコアを設定してもよいでしょう。「470点以下レベルの単語にも知らないものが多い」という方は、まずは400点や500点を目指すことをお勧めします。「600点レベルまでは知っているけれど、730点レベルになると全くわからない」という方は、650~730点あたりを目標にするとよいでしょう。
・470点突破法
とにかく基礎力をつけることのみに集中してください。無理に難しいことをやっても、それだけ速く上達するわけではありません。
学習しやすいものは、単語とリスニングです。単語学習のコツは、ジャンル別に学習することです。同じ文脈によく登場する語句が多いため、まとめて学習することができます。また、一度で覚えようとせずに、何度も繰り返してください。リスニングの場合、「読めばわかるけれど、聞くとわからない」という悩みが初級者には多く見られます。この「文字と音のギャップ」を埋めるには、音読トレーニングがお勧めです。取り組んだ問題の意味と文字を確認した後、必ず音声をマネしながら音読してください。そうすることによって、自然な英語のリズムを習得できます。
リーディングのPart 7の学習では、短い文書を優先的に学習することをお勧めします。試験前には模試を活用してテストの形式に慣れてください。
目標正解数:104問/200問中
リスニングセクション | リーディングセクション | ||
Part 1 | 4問/6問中 | Part 5 | 15問/30問中 |
Part 2 | 14問/25問中 | Part 6 | 8問/16問中 |
Part 3 | 20問/39問中 | Part 7 | 28問/54問中 |
Part 4 | 15問/30問中 |
・600点突破法
600点とは、基礎力+aが求められるスコアです。470点突破のための学習である単語力とリスニング力を伸ばしたうえで、リーディングの力も伸ばしていきましょう。知識を増やすために、Part 5に頻出する文法(品詞/代名詞/接続詞・前置詞/動詞の形など)を優先的に学習してください。
また、リスニングの応用力を高めるために、Part 3や4のような長めの音声の対策をお勧めします。基本的に、1問目は会話やトークの概要、2問目・3問目は具体的な情報が問われます。会話やトークの展開に慣れることで、長文のリスニングにも対応できるようになります。Part 7対策としては、e-mail / letterやチャットなど同じタイプの文書を集中的に学習することで、文書の構成を把握しながら読むスピードを上げることができます。
同様にPart 1からPart 7まで、同じタイプの問題を集中的に解くことで正解率と解答スピードを上げることができます。その後、模試に取り組んで、解き方や時間配分を身につけてください。
目標正解数:126問/200問中
リスニングセクション | リーディングセクション | ||
Part 1 | 5問/6問中 | Part 5 | 18問/30問中 |
Part 2 | 18問/25問中 | Part 6 | 10問/16問中 |
Part 3 | 25問/39問中 | Part 7 | 32問/54問中 |
Part 4 | 18問/30問中 |
・730点突破法
730点は、英語を使って仕事をしている人たちの平均スコア)だと言われています。600点を超えると、ある程度の内容は理解できているはずなので、より詳細の内容を理解すること、また選択肢で大きく言い換えられた表現に対応できる力が求められます。
もし600点台前半で停滞している場合は、本文の理解度不足が原因であることが多くあります。「解けているけれど、内容はあまり理解していない」という場合は、解答法よりも本文の理解度を優先してください。
一般的にリスニングのほうが早く伸びやすいのですが、高得点を取るためにはリーディング、特にPart 7の正解数がカギとなります。本文の情報をピンポイントで特定する問題に加えて、本文の冒頭から目的や概要をつかんだうえで、要約されている選択肢を選んだり、What is indicated/suggested….?のように本文に書かれている内容を幅広く読み取り、大きく言い換えられている選択肢を選んだりする力を高める必要があります。
目標正解数:150問/200問中
リスニングセクション | リーディングセクション | ||
Part 1 | 6問/6問中 | Part 5 | 21問/30問中 |
Part 2 | 20問/25問中 | Part 6 | 12問/16問中 |
Part 3 | 30問/39問中 | Part 7 | 38問/54問中 |
Part 4 | 23問/30問中 |
・860点突破法
外資系企業が設定する基準に多いスコアが800点ですから、それを上回るスコアです。860点を突破するには、高い知識とスキルを身につけることが不可欠です。一部正解できていないものの、内容自体はほぼ全て理解できているレベルです。普段、解答テクニックを使って解答している人や、テスト対策自体が学習のメインになっている人は、テクニックや解法をいったん脇に置いて学習することをお勧めします。
つまり、Part 3や4では設問の先読みをせずに解いたり、Part 7では本文を全て読んでから解いたりするなど、「脱対策」をすることで、TOEICに特化したスキルを確固たる英語スキルへと高めることができます。また、設問と関係ない場所だったとしても理解が不足している箇所があれば、単語やフレーズ、話の展開を学習して、小さな穴を埋めましょう。
「テスト直前は、伸ばしたスキルを解答力へとチューニングするために模試を活用してください。持っている実力を発揮できれば、スコアアップへとつながります。
目標正解数:177問/200問中
リスニングセクション | リーディングセクション | ||
Part 1 | 6問/6問中 | Part 5 | 26問/30問中 |
Part 2 | 22問/25問中 | Part 6 | 14問/16問中 |
Part 3 | 36問/39問中 | Part 7 | 47問/54問中 |
Part 4 | 26問/30問中 |
満点到達法
TOEIC® L&Rテストの頂点である990点(満点)。満点とは全問正解というわけではなく、リスニングは3~4問程度のミスでも495点を取ることができます。しかし、リーディングは、1問のミスも許されません。そのため、内容の正確な理解に加えて、ミスのない選択肢選びが不可欠です。
満点を目標にされている方には、あえてTOEIC以外で英語に触れることをお勧めします。たとえば、スマホアプリには海外のニュースやポッドキャストのほか、「TED Talk」など、無料で使えるものがたくさんあります。問題を解くために聞くのではなく情報を仕入れるために英語を聞いてください。また、リーディングにおいてもPart 7を「長文」と呼ぶことがありますが、実際にはそれほど長くありません。ぜひ本や雑誌、またはネットの記事などで情報を仕入れるために読んでみてください。Part 7の英文がかなり短いことに気づきます。
以上のように「脱・TOEIC」をしつつ、860点突破法で紹介している方法でTOEIC学習をすることにより、問題を解くために英語を聞く・読むのではなく、英語で聞いた・読んだ情報を、英語のまま処理するカへと高めることができます。900点を超えてから、満点を目指している方もいらっしゃると思います。950点を安定的に超えられるようになれば、あと一歩です!
学習教材の選び方
教材があなたのスコアを高めてくれるのではなく、あなたが正しい教材を正しく活用することによって知識やスキルが高まり、その結果としてスコアが高まります。
まず、初級者にオススメの教材は基礎力アップのみを目標とした《薄目の教材》です。
1冊やりきることで自信になりますし、基礎力も身に付きます。基礎となる単語力やリスニング力、リーディングカを磨くことを優先してください。
現在470 ~ 600点の方にオススメなのは、《全パート対策教材》です。基礎力を応用力に高めるために、各パートで問われている知識とスキルを伸ばすことを目標に学習するとよいでしょう。また、文法が苦手な方は、TOEICに特化した文法教材の併用をお勧めします。
現在600~730 点の方にオススメなのは、《苦手なパートに 特化した教材》です。たとえば、リーディングが苦手な方は、Part 7に特化した教材を学習することで、スコアアップのカギとなる単語力・読解力・解答力を高めることができます。
現在730点以上の方にオススメなのは、《やさしめの問題が少ない上級レベル対象の教材》です。特にスピード処理能力を高めるために大量の英文に触れることができるものを活用するとよいでしょう。
いずれのレベルにおいても、テスト前には必ず模試を活用してください。伸ばしてきた力をスコアに反映させるために、模試を「使ってテスト本番への最高の準備へと高めてください。
TOEIC®︎L&Rテストの概要
・リスニング問題(約45分・合計100問)
Part 1 写真描写問題
問題数:6問 時間:約4分
問題用紙には、1問につき1枚の「写真」が掲載されています。放送される(A)、(B)、(C)、(D)の4つの英文の中から、その写真の内容を正しく描写しているものを1つ選びましょう。
Part 2 応答問題
問題数:25問 時間:約8分
まず、短い「質問」か「発言」が放送されます。続いて、それに対する応答が(A)、(B)、(C)の3つ放送されるので、受け答えとして正しいものを1つ選びましょう。全パート中、唯一の3択問題です。
Part 3 会話問題
問題数:39問 時間:約18分
2人、または3人の「会話」を聞き、その内容に関する3つの質問に答えましょう。合計13の会話が出題され、1つの質問には(A)、(B)、(C)、(D)の 4つの選択肢が示されています。
Part 4 説明文問題
問題数:30問 時間:約15分
1人の人物による「トーク」を聞いて、その内容に関する3つの質問に答えましょう。合計10のトークが出題され、Part 3同様、4つの選択肢の中から正しいものを1つ選びます。
・リーディング問題 (75分・合計100問)
Part 5 短文穴埋め問題
問題数:30問 目標時間:約10分
リーディング問題最初のパートで、文法や単語・熟語の知識が問われます。「短い英文」
の中に空所が1つあるので、その空所に当てはまる語句を(A)、(B)、(C)、(D)の中から1つ選びましょう。
Part 6 長文穴埋め問題
問題数:16問 目標時間:約10分
文法や単語・熟語の知識に加え、長文読解力が試されます。「長い英文」の中に4つの空所があるので、そこに当てはまる語句、または1文を(A)、(B)、(C)、(D)の中から1つ選びましょう。
Part 7 読解問題
問題数:54問 目標時間:約55分
リーディングに関する幅広い能力が試されるパートです。メールや記事などの「文書」を読んで、その内容に関する質問に答えましょう。1つの文書を読んで答える問題と2~3つの文書を読む問題の2パターンあります。リーディング問題のほかのパートと同様、Part7も4択問題です。
Part 1~4のリスニング問題では、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアの男女の スピーカーによって英文が読み上げられます。