TOEICテスト300点から990点へ、「7つの壁」を突破するブレイクスルー英語勉強法

独学でTOEICを勉強している人にとって、目標スコアを達成することは容易ではないはず。なかなか結果が出ずに英語が嫌になってしまうなんてこともあるでしょう。ここでは、独学者に読んで欲しい本を紹介していきます。まず、紹介するのは、講談社が販売している『TOEICテスト300点から990点へ、「7つの壁」を突破するブレイクスルー英語勉強法』です。

はじめに――なぜ、あなたの英語学習は成果を上げられないのか?

ひと昔前まで、英語ができるのは、親がネイティヴであるとか帰国子女などのごく一 部の「特別な人たち」、「選ばれた人たち」だけでした。今は、違います。学生時代には 英語が大の苦手だったが、入社試験で、または昇進や転職のために会社からTOEIC スコアを求められ、必死で勉強しているうちに英語が得意になった――そういうケース が非常に多くあります。

筆者自身、元々は超のつく英語劣等生で、なおかつ、作家という職業柄、日本語漬けの日々で、30歳を過ぎるまで英語とは無縁でした。ですが、本書の中でもくわしく述べているように、あるきっかけから英語学習に関心を持ち、いくつもの偶然に助けられて、 幸いにもTOEIC満点を達成するまで挫折せずに学習を継続することができました。 また筆者の学習仲間にも、社会人(それも40代や50代)になってからTOEICスコアで300点レベルの超初級者として英語学習をスタートして、900点台や800点台後半にまで辿りついた(そして、今なお成長し続けている)方が何人もいます。

もちろん、すべての人が「成功学習者」になれるわけではありません。同じように英 語力ゼロから学習を始めた場合でも、成果を出せる人と、そうでない人に分かれます。 むしろ、成果を出せる人は、まだ少数派でしょう。

では、「成功学習者」と「英語 “難民”」の分かれ道は、なんなのでしょうか? 元々の頭の良さの差、ではありません。環境の影響も、実は、そんなにありません。 ほとんど自由な時間をつくれないほど多忙な方でも、勉強法を工夫して大きな成果を出せるケースは多くあります。

正解は、「正しい勉強法を知っているかどうか」です。ここで重要な点がひとつあります。「正しい勉強法」は、各人の英語レベルが向上す るにしたがって何度も変化する、ということです。つまり、英語上級者にとっての「正 しい勉強法」は初級者にとっては正しくありませんし、初級者にとっての「正しい勉強法」は、初級者を卒業する段階に至ると、もはや正しくなくなるのです。

はじめに――なぜ、あなたの英語学習は成果を上げられないのか?

TOEICテストには、大きく分けて「7つの壁」があります。 600点、730点、800点、860点、900点、950点、990点――その それぞれに、簡単には超えられない、そのつど性質の違う「壁」が挑戦者(受験者)たちを待ち構えています。

一例として、英語入門者が最初の「600点の壁」を突破できないのは、ひとことで 言うなら、「英単語と英文法の知識の絶対的な不足」が原因です。そうした弱点の補強 に特化した学習法を選択することで「壁」は超えやすくなりますが、そのままの方法を 続けていても、次の「730点の壁」は超えられません。

同様に、たとえば「800点の壁」を超える際に役立った勉強法も、「900点の壁」には、まったく通用しないのです。それぞれの「スコア(=英語力レベル)の壁」ごとに、そのつど攻略法は異なる、ということです。身近な学習仲間たちの協力を得て、理想の勉強法を何年も試行錯誤し続けてきた末に 筆者が学んだ、「英語学習の真実」があります。

多くの学習者が必死で努力しているのに結果が出せない理由は、ただひとつ。自分のレベルに応じた正しい「目標設定」をしていない――ことです。

基礎が固まっていない段階で、どれだけたくさんの模試を解いても、その成果はゼロです。また、スコアが「壁」にぶつかっているのに同じ勉強法を延々と続けていたら、 永遠に結果は出ません。大切なのは、レベルに応じた適切な目標設定と、そのレベルにおいて最適な勉強法をすること――。 そのためにも、まずは、ご自分の英語力のレベルを知ることです。 英語力を高めるためには、自分の英語力を定期的に、精確に測定する必要があります。 英語力を測るものさしとしてはTOEICテストのスコアこそが最適であると、筆者自身と学習仲間の成功体験から断言できます。

TOEICスコアの「7つの壁」をブレイクスルーするための勉強法を身につけることで、あなたが「成功学習者」の仲間入りを果たされ、あなたの人生がより豊かに輝き続けることを、心から期待しています。

ご自分にとって重要な「気づき」を得た瞬間、あなたの人生は「一瞬で」より良い方向へ必ず変わります。そんな貴重な「気づき」を、ひとつでも多く本書で発見していた だきたいと願っています。

清涼院 流水(著)
出版社:講談社(2015/1/23)、出典:出版社HP

目次

1 はじめに――なぜ、あなたの英語学習は成果を上げられないのか?
序章 – 英語入門の壁 「英語ができない」という思い込みを捨てる
16 学生時代は英語力ゼロの落ちこぼれだった
18 英語が「できない人」はいない
2110年前の推定スコアは250点
25人生最大の転機は、ある人気マンガとの出会い
38 英語学習は、やり方次第で面白くなる
30 英語力を高めるためにTOEICテストを活用する
34 レベルごとに異なるTOEICスコアの「壁」

第1章 「600点」の壁 単語力と文法力の基礎を固める

38すべての受験者が体験する、最初の関門
41 TOEICスコアに「偶然」はない
45 どれほど勉強しても、英語が身につかない理由
47 1日1度の「英語習慣」で苦手意識を克服する
50 基礎固めとヤル気は連動する
53 単語と文法の基礎は「聴いて覚える」
56 英単語の「基本イメージ」を正確につかむ

第2章 「730点」の壁TOEICの英語を「正しい発音」でマスターする
62 出題される単語と文法の範囲をつかむ
65「新公式問題集」を1冊やり込めば、730点は突破できる
69 正しく発音できない英語は聴き取れない
73 発音の「仕組み」をマスターする近道

77 英単語と英文法の「理想の記憶法」
81 「四角メソッド」で英文を読むスピードを劇的に上げる
83 「多読」「多聴」だけでは効果がない
Column
「発音」の壁―日本人がつまずきがちな、発音の最重要ポイント
86 カタカナ英語から卒業するには?
88「息だけの音(無声音)」と「声による音(有声音)」を意識する
90押さえておきたい、発音の使い分け

第3章 「800点」の壁 日本語を離れ、英語を英語のまま処理できるレベルへ
100 800点から、その先へ進めない

105日本語を介さず、〈音→イメージ〉の連想回路をつくる
108言葉のかたまり=チャンク単位で「正しい音」をおぼえる
110 「共通イメージ」を理解すれば、暗記は必要ない
113イメージの違いがわかれば、使い分けに迷わない
114短時間でも毎日TOEIC学習を継続する
117「生の英語」を吸収するための、オススメ教材

第4章 「860点」の壁 隠れた弱点を見つけ出し、確実に潰していく
120 学習の「量」から「質」への転換
122「わかったつもりで、わかっていないこと」を克服する
127 1 0種類の模試を解くより、ひとつの模試を10回解く
129リーディング・セクションを時間内に解き終えるには?
131文法問題のスピードアップには「タイムトライアル」が効果的

Column
「ヤル気」の壁 英語学習のモチベーションを、どう維持するか?
134 がんばっているのに成果が出ない
136学習仲間の存在が、大きな支えになる
139 「ドリーム・キラー」に気をつけよう

第5章 「900点」の壁 アウトプット練習の積み重ねで、英語力を底上げする
142 800点台までの学習法は通用しない
146 900点突破のカギは「トランスクリプション (=書き写し)」
149オーヴァーラーニング(=過剰学習)で「わかったつもり」を排除する
152留学やネイティヴとの会話で、英語力は向上しない

第6章 「950点」の壁 解説できるレベルまで、英文を100%理解する
158「正解したつもりで間違える問題」が意外に多い
160学習の「量」に溺れず、「質」を高める
162英語の4大技能を同時に高める、究極の方法
172正解と不正解の理由を「セルフ解説」する

第7章 「990点」の壁満 点への最後の1ピース、「自然な英語勘」を手に入れる
176 英語のプロでも一生獲得できない人が大半
179「倍速リスニング」で毎回満点をキープ
181暗唱の徹底で「自然な英語勘」を身につける
185「カンニング英訳」で英訳経験のトレーニング

187イメージの英訳から「スムーズ暗唱」へ
191満点への総仕上げを担う、最高最強の単語本

最終章 壁の向こう側目標を見失った時に必要なこと
196満点を獲った後、どうすればいいのか……
200「最後の壁」を超えるために必要な意識の変化
204目の前の「壁」を突破する、最高の秘訣とは?
207おわりに――TOEICが人生を変えた夜
220本書内で紹介したオススメ参考書一覧