ゼロからスタート英語低速メソッド リスニング入門編

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スローで確実に聞き取り、定着!

本書は、リスニングの入門書です。通常のスピードの音声に加えて、ゆっくりとしたネイティブスピーカーの発音の音声も収録しています。最初は単語や短い文で、徐々に長い文も聴き取れるようにレベルアップしていきます。しっかりと聞き取れるため、意味を理解しながら英語の思考回路を強化していきます。

低速メソッドは、多くの人にとって目から鱗のリスニング上達法です。リアルな英語が全く聞き取れないという悩みを解決してくれるでしょう。リスニング力だけでなく、発音にも効果的なお勧めの1冊です。

はじめに

リスニングに対する意識が高まってきています。英語の検定試験の4技能化への影響や、企業の海外取引が当たり前となり多くの人が実際に英語を使うようになって、「やはり、リスニングは大切だ」と身を持って認識されてきているようです。さらに、しばらく英語から離れていた人も英語学習を再開するにあたって、まずリスニングに取り組んでみようと考えることが多くなっています。

そのような人たちのためにこの本を書きました。本書でしっかり練習することにより、リスニングの基礎を固めていただくことはもちろん、総合的な英語力も伸ばし、英語での会話力を高めていくことが可能です。

本書はリスニング訓練教本ですが、発音練習も大いにしていただきます。発音練習をすることによってリスニング力も確実にアップしていくからです。そして、発音練習をする際に大切なことは、「よく聞く」ことです。音を何度もしっかりと耳で聞いて覚え、口を動かしてその音を出す。それを繰り返しすることで「英語の音」を体に定着させていきます。そして、定着した音のネットワークは他の人が発する英語を拾ってくれます。ですので、リスニング上達のためにも、どんどん発音練習をしてください。

本書の大きな特徴は、「低速メソッド」を取り入れていることです。この「低速メソッド」というのは、発音矯正のために私が随分と前に世に問うたメソッドですが、お陰様で多くの支持を得ることができ、たくさんの方々がその効果の大きさを報告してくださっています。そのなかには「発音の練習のためにこのメソッドで練習したのだが、発音はもちろん、なぜか英語のリスニングがすごく上達した」というコメントが多々ありました。

この「低速メソッド」をリスニング向けに濃縮させたのが本書です。本書を活用することで大きな効果を見ることができるしょう。

内海克泰

内海 克泰 (著)
出版社: Jリサーチ出版 (2017/11/27)、出典:出版社HP

目次

contents

はじめに
なぜ「低速メソッド」?
本書の使い方

Chapter 1 最初の1歩!
単語や短いフレーズで英語の音と変化に耳を慣らそう
―リスニングを難しくしている主犯格「発音の変化」をまず押さえる
なんで英語が聞きとれない?
Lesson 1 「発音の変化」って何?
Lesson 2 「沈黙」① 基本の6音を掴む
Lesson 3 「沈黙」② 基本の6音をマスター
Lesson 4 「沈黙」③ 音と音がくっつく?
Lesson 5 「連結」① 基本の基本
Lesson 6 「連結」② yの多彩な変化
Lesson 7 その他の重要な音変化① t
Lesson 8 他の重要な音変化② and, h, th
Lesson 9 その他の重要な音変化③ y, w
Lesson 10 知らないと聞きとれない音の変化

Chapter 2 応用力 UP!
日常英会話でリスニングトレーニング
会話で練習をしよう
DIALOGUE 1 「明日のミーティング」
DIALOGUE 2 「空港で出迎え」
DIALOGUE 3 「食事」
DIALOGUE 4 「パーティー」
DIALOGUE 5 「ロンドンから友人がやってくる!」
DIALOGUE 6 「電車に乗る」
DIALOGUE 7 「部屋の整理」
DIALOGUE 8 「エクササイズ」
DIALOGUE 9 「京都に行く」
DIALOGUE 10 「転職」

Chapter3さらに飛躍!
日本人が間違いやすい英語の音を集中トレーニング
―同じような音を聞き分ける
違いの分かる人になる
Unit 1 「ア」に聞こえる音
Unit 2 「アー」に聞こえる音
Unit 3 「オー」に聞こえる音
Unit 4 「フ」に聞こえる音
Unit 5 「プ」に聞こえる音
Unit 6 「ス」に聞こえる音
Unit 7 「ズ」に聞こえる音
Unit 8 「ル」に聞こえる音
Unit 9 こんな区別も注意!
Unit 10 yは厄介かも

いかがでしたか?-あとがきにかえて

column
ひと息入れましょう
《その1》我が英語が通じない!やはり発音は大切
《その2》 英語を読む(1)~(4)
《その3》 英語の聞き流し(1)~(2)
最後にひと息 英語に飢えた若き野獣たち

内海 克泰 (著)
出版社: Jリサーチ出版 (2017/11/27)、出典:出版社HP

なぜ「低速メソッド」?

皆さんのなかには、
「えっ!低速の練習なんかでリスニングが上達するの!!???発音がうまくなるのは分かるけど、そんなスロー教材で練習していてリスニンが上達するはずはないだろう!リスニング練習はできるだけ速い英語を聞かなくちゃ!!」

と思われている方がいるでしょう。まさにあなたがそうかもしれませんね。そう思ってしまうのが素人の「アサハカサ」(失礼!)。

コチコチの日本語耳を、英語の耳に
頭の中が母語(日本語)の音声体系でコチコチになってしまっている私たちの脳みそを低速でほぐしながら練習していき、少しずつ丁寧に耳(脳みそ?)を英語モードにしていくのです。このようにして英語の音声体系が私たちの体内にできあがっていくほどに、私たちの耳に入ってくる英語を受け取れる「受け皿」が揃っていきます。

「なんとなく」分かったつもりはダメ!
低速メソッドの底力は、1つひとつ音をなぞるようにして正しい英語音声を自分のものにしていくことにあり、低速でじっくりと練習を重ねるほどに、自分の唇が、舌が、そして、体全体がその動きを体得していき、英語音声が体に染み込んでいきます。一方、そのようなステップを通過しないで、いつまでも”なんとなく”英語を耳に入れて、音をなんとなく”分かったつもりでいるだけだと、上達は確実に止まります。
何事でも技術を習得しようとする場合、例えば空手でもギターでも、目にもとまらぬ早業を見せられて、「これが本物の動きです。真似をしなさい」と言われてもわけが分かりませんし、そんな練習(?)を何年続けたとしても全く上達しないでしょう。どこの空手道場でもギター教室でも、まずはゆっくりと動きを分解しながら丁寧に教えます。そのような丁寧な練習を続けていくことによって、自らも早菜を使いこなせるようになりますし、自分の目でも見極めることができるようになるのです。

ですので、本書でしっかりと正しい音声と共に英語を体内に入れてください。本書の基本稽古を真面目にされた方は、「英語音声の核」が体内に形成され始めて、着実に上達していきます。

発音記号について
本書では、便宜上ときどき発音記号を使って英語の音を説明しています。学習者によっては発音記号があったほうが練習しやすいのではないかと思うからです。そのような人は大いに活用してください。
「発音記号などは面倒だ」と思う方は、発音記号は無視してください。練習しているうちに自然に覚えてしまいますし、覚えていただきたいのは「音」であって記号ではありません。また、本書ではカタカナを使って説明している箇所もあります。カタカナ使用に関しては賛否両論ありますが、私は「可能な場合には、カタカナを利用して上手に発音できるほうがカタカナを避けて上達しないより良い」と考えています。カタカナは上手に利用すれば大きな味方となり得ます。「勝てば官軍」ですので、うまく利用しましょう。ただし、カタカナ利用に際しては、必ずネイティブのお手本を聞いて参考にする、というのが条件です。もっとも、発音記号を利用するにしても必ずお手本はしっかり聞かなくてはなりません。
最後にもう1点。本書内では「こう聞こえる」という音をアルファベットで表している箇所もあります。実際のスペルと区別できるよう記したつもりですが、ご注意くださいね。必ずしもこのようにスペルアウトするということではありません。

さあ、これから一緒に楽しく練習していきましょう。

内海 克泰 (著)
出版社: Jリサーチ出版 (2017/11/27)、出典:出版社HP

本書の使い方

本書は、英語のリスニング力向上を目的に、基礎となる「音」をきちんと掴む学習を行うために書かれたものです。Chapter 1~Chapter 3まで順を追って効率よく耳を鍛えていけるように構成されています。3つのChapterは、すべて10課で分けられています。「毎日1課」などとご自身のペースで学習を進め、英語の音に慣れていきましょう。

STEP 1
Chapter 1 最初の1歩!
単語や短いフレーズで英語の音と変化に耳を慣らそう
―リスニングを難しくしている主犯格「発音の変化」をまず押さえる
英語が聞きとれない最大の原因、英語の「発音の変化」に慣れるための10のレッスンです。リスニングを難しくしている「単語と単語のつながり方」を学びます。レッスンごとにまずは基本事項を理解し、「単語やフレーズ」→「センテンス」で発音の変化をトレーニングしていきます。

●トラック番号
CDとダウンロード音声は、ネイティブスピーカー(アメリカ人男性)が日常的に発話するスピード=Normalとゆっくり発話した低速=Slowの2種類の音声を、トラックで分けて収録しています。トラック番号は、見開きページの右ページ、見開きで異なるトラックの場合は、各ページの右上に示してあります。

●耳の慣らし方
① 「Normal」音声を聞いて、実際にネイティブスピーカーが話す際のスピードで音の変化を感じてみてください。
② 「Slow」音声を注意しながら聞いてください。
③ 音は実際に発音することで、自分の「音」とすることが できます。「Slow」音声を聞いて終わりにせず、音声を真似して必ず一緒に発音する練習をしましょう。

●音声と一緒に発音!
各レッスンには、解説や「真似するときの注意点」や「こう聞こえる」などで「発音が変化する」ときの注意点を解説しています。解説をよく読み、舌の位置などに注意して音声で聞こえたとおりに真似しましょう。

本書の使い方
STEP 2
Chapter 2 応用力UP!
日常英会話でリスニングトレーニング
Chapter 1で学んだ「発音の変化」が聞きとれるようになったら、日常のシーンを想定したダイアローグ形式の英文10セットでトレーニングしていきます。

●穴埋め問題にチャレンジ!
まずは「Normal」音声で聞こえたとおりに書き出してみましょう。次に「Slow」音声で確認してみます。本書の穴埋めは、あえて語数を記していません。聞こえたとおりに書き出してみましょう。

●答え合わせ!
「Slow」スピードでの確認が終わったら、ページをめくって答え合わせをします。ダイアローグの意味や、ダイアローグ中の語句・表現も合わせて、確認をしましょう。

●「リスニングのポイント!」をチェック!
答え合わせをしたら、リスニングのポイントをチェックします。セリフごとにどのような「発音の変化」をしているかを簡潔に、分かりやすく解説しています。聞きとれなかったところはもちろん、聞きとれた箇所もどう「発音の変化」していたか、ご自身の聞きとり方が当たっていたかに注意しながら確認をしましょう。

●リスニング力UP!
「正解」のダイアローグの後にチェックボックスを設けています。ここでもやはり「聞いたら終わり」にせずに、答え合わせをして、「リスニングのポイント!」を確認したあとで、「正解」のダイアローグを見ながら、音声を聞いて、真似して発音しましょう。真似して発音することで、身体が「英語の音」をどんどん覚えていきます。

本書の使い方
STEP 3
Chapter 3 さらに飛躍!
日本人が間違いやすい英語の音を集中トレーニング
―同じような音を聞き分ける
この10のユニットでは/a/や/A/、/æ/など「英語の音」に焦点をあてて、リスニング力をさらに高めていきます。本書では「英語の音」を、/a/と/A/や、/l/と/r/などと日本人が聞き分けにくい音同士を比較することで、掴んでいくスタイルを採用しています。

●まずは単語で聞き分け&音を掴む!
最初に単語ベースでそれぞれの「英語の音」を比較し、それぞれどういった聞こえ方をするのか音声を聞いてみましょう。「ザックリ言えば、こんな感じに聞こえます」も参考にして、音声を聞きこみましょう。

●語彙をチェックしよう!
Chapter 1とChapter 3では、本文中の単語やフレーズ内の語句の意味をページの下部にまとめました。発音の変化や英語の音に慣れるとともに、語彙力もつけていきましょう。
*文(センテンス)には日本語訳をつけていますので、日本語訳を参考に語彙や表現を増やしましょう。

●実際に発音してみる!
ここでもやはり「発音する」ことがリスニングカUPに欠かせません。各Unitで学ぶ「英語の音」の発音のされ方を解説しているので、舌の動かし方や口の開け方、息の吐き方などをイメージしながら読んで、音声と一緒に発音をしてみましょう。

●センテンスで聞き分け&発音練習
先ほど習った発音を取り入れた短い文で、「英語の音」の聞き分けチェックをしましょう。ここでも発音練習を忘れずに!

内海 克泰 (著)
出版社: Jリサーチ出版 (2017/11/27)、出典:出版社HP