子どもの未来を広げる「おやこえいご」 ~バイリンガルを育てる幼児英語メソッド~

最小限のお金と労力でバイリンガルを育てる!

最近では、ビジネスでも日常でも多くの場面で英語が使用される場面が増えてきました。これからはますます英語が必要になると考えられていることから、自分の子どもにバイリンガルになって欲しいと考える親が増えてきました。本書は、無理なくバイリンガルになれる効果的な幼児英語学習について紹介しています。

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はじめに

本書を手にしていただきまして、ありがとうございます。名古屋市で幼児から小学生までの英語教室「お やこえいごくらぶ」を運営している小田せつこです。
私は、中学1年生のときに初めて英語に出会いました。それから、あっという間に英語の虜になってしまい、これまで大手英会話教室、大手児童英語教室、私立中学校・高校・大学・大学院で英語を教えてきました。そして現在も、名古屋にある大学で、将来教師になる学生たちに英語を教えています。

私は2人の子ども(娘と息子)を授かると「子どもたちには、小さいうちから英語に触れさせたい」と思って子育てを始めました。とはいえ、家の中の会話は英語オンリーとか、学校はインターナショナルスクールといった、特殊な英語教育をしたわけではありません。私が行ったのは、子どもと接する毎日の生活の中に、少し英語を取り込むことでした。どのご家庭でも行っていること――たとえば、絵本の読み聞かせやアニメの視聴などを、子どもと一緒に英語で楽しむようにしたのです。

結果的に、子どもたちはバイリンガルに育ちました。私は「将来は2人とも、交換留学くらいするのかな」と漠然と思っていた程度だったのですが、子どもたちは2人とも海外の高校・大学に進学することになりました。ちなみに、言語面では全く不自由なく過ごしていたようでした。そのうえ、それぞれ第二外国語 もある程度身に付けることができ(娘は中国語、息子はフランス語)、現在では2人とも日本で専門職に就き、グローバルに働いています。

私は、英語を楽しみながら、たくましくバイリンガルに育った子どもたちを見て、「自分の子どもたちにしたように、全ての子どもたちをバイリンガルに育ててあげたい」という思いを募らせました。そして、2013年、幼児から小学生までの英語教室「おやこえいごくらぶ」のレッスンをスタートさせたのです。

近年では英語の需要が高まり、子どもの英語教育も注目されるようになってきました。おかげで、幼児向けの英語教育について書かれた書籍や、英語を取り入れた育児を行っているママのブログなどが一気に増えました。私が子育てをしていた頃に比べて、本当に多くの情報が手に入る便利な時代です。

ただ、「子どもの英語教育」と一言で言っても、その中身は多種多様。なかには、「3歳で英語ペラペラのちびっこバイリンガル」や「日本最年少で英検1級取得」を目指すような親御さんもいるかもしれません。でも、先ほど私の子育てについてお話ししたとおり、私はそんな極端な英語教育を勧めるつもりはありません。私が勧める子どもの英語教育「おやこえいご」は、「ムリなく、ムダなく、18歳でバイリンガルに!」がモットーです。

英語は親から子どもへのプレゼント

「18歳でバイリンガルなんて、まだずっと先の話だ」と感じるかもしれません。しかし、子ども自身が 「英語ができてよかった」と本当に実感するのは、人生の選択を始める18歳頃からでしょう。大学進学や職業などを考えるこの時期、「英語ができる」ことは子どもの人生の選択肢をぐっと増やしてくれます。

私は、「英語は親から子どもへのプレゼント」だと思っています。子どもの英語教育のゴールは、子どもに英語という強い味方を与え、子どもの将来の選択肢を増やすことではないでしょうか。子どものうちから 英語に慣れ親しむことは、将来の英語学習のハードルをぐんと下げてくれます。それによって、本来なら英 語に割く時間やエネルギーを、あなたの子どもは「自分の好きなこと」に注ぐことができるようになるのです。

ただ、このプレゼントは、子どもにせがまれてから渡すようでは遅すぎますし、子どもに押し付けるよう に渡すのもよくありません。理想は、子どもたちが気付いたときには「生活の一部に英語が当たり前にあった」という環境を作ることです。

こうした環境を作り、子どもたちが自然に英語というプレゼントを享受できるようにするためには、子ど もの発達段階に合った英語とのふれあいが大切です。ちなみに、英語のルール(文法やフォニックス)の理 解を急ぐことや、単語の暗記をさせることは子どもの発達段階に不相応ですから、これらを幼児期に行うの は非効率的。何より、無理やりやらせて、子どもたちが英語を嫌がってしまっては本末転倒です。

幼児期にふさわしいのは、「親子で楽しみながら英語に慣れ親しませること」です。幼児期の子どもたち は「新しいものに対する柔軟性」を備えているだけでなく、非常に高いレベルの「英語の音に対する柔軟性」も持っています。これらは、大人が持っていない貴重な能力ですから、幼児期には英語をたくさん聞かせることで、英語の音をインプットし、英語の理解能力をつけさせることが効果的です。この時期に、たくさん英語に触れて楽しむことができた子どもたちは、将来どんどん英語力を伸ばしていくことができるでしょう。

パパママに伝えたい「ムリなく、ムダなく」

「おやこえいご」のモットーは「ムリなく、ムダなく、18歳でバイリンガルに!」だとお伝えしました。 この「ムリなく、ムダなく」はいろいろな意味を含みますが、第一に「パパママが、ムリすることなく、ムダな労力を使うことなく」ということです。

子どもの英語教育に熱心な親御さんほど、「子どもの宿題を見てあげられていない」などと、自分を責めてしまう方が多いように感じます。でも、英語云々の前に、子育ては本当に大変なこと。子どもにご飯を食 べさせ、外で遊ばせて、寝かしつけて――毎日それだけで一苦労ですよね。それに加えて、多くの方々が仕 事や家事もこなしているのです。そんなパパママが、子どもの英語教育で、自分を追い詰めるほど頑張る必要なんてありません。

これが英語ではなく、スポーツや楽器の話で、将来は金メダルや賞を目指したい、というなら、もちろん 特別な努力が必要でしょう。でも英語は、金メダルを目指す必要はないけれど、これからの時代「みんなが できたほうがいいこと」です。ですから、私の提唱する「おやこえいご」では、できるだけムダな労力を省 き、パパママがムリなく続けられることを大事にしています。

また、「ムリなく、ムダなく」は経済面にも言えます。高額な英語教材を購入したり、インターナショナルスクールに通わせたりするのは、誰もができることではありません。「おやこえいご」ではあくまで、ご く一般的なご家庭で実践できる、経済的なやり方を紹介しています。
「18歳でバイリンガル」までの道のりは長いです。そして、子どもの成長に合わせて、その都度できることは変わってきます。だから「ムリなく、ムダなく」、お子さんの成長に寄り添いながら、お子さんと一緒に英語のある生活を楽しんでください。

長い道のりの間では、「英語なんて嫌だ!」と言われてしまう時期も来るかもしれません。でも、そこであきらめなければ、いずれ子どもが大きくなって、必ず「英語ができてよかった」と喜んでくれる日が来ます。

実は、この本を書こうと思ったきっかけは、私自身の子どもたちの言葉でした。「おやこえいご」で育てた我が子が、いよいよ結婚する年齢になり、彼ら自身が自分の子ども(私にとっては孫)の教育を考えるようになって、「お母さん、子育ての方法を教えてよ。何か書いておいて!」と言ってきたのです。子どもたちが、「母の教育のおかげで今の自分がある」「自分も同じように子どもを育てたい」と思ってくれている なんて、こんな嬉しいことはありません。

本書では、「おやこえいご」の進め方、年齢別の効果的な学習法、おすすめの英語コンテンツなどを紹介していきます。また、子どもの英語教育における、お金の「貯めどき」と「使いどき」といった、経済面のお話も盛り込んでいますので、英語教育を計画的に進めることができます。

「自分の子どもには、ぜひ英語を身に付けてほしい。でも、どうしたらいいのかわからない」という全てのパパママに、本書の「おやこえいご」が少しでもお役に立てれば幸いです。そして、全ての子どもたちに英語との幸せな出会いがありますように。

2019年5月 小田せつこ

小田 せつこ (著)
出版社: プチ・レトル (2019/5/20)、出典:出版社HP

目次

はじめに
Chapter1「おやこえいご」とは
英語習得の必要性
英語はチャンスに恵まれる言語
「やる気」ほど不確かなものはない
「おやこえいご」とは?
ムリなく、ムダなく、バイリンガルに!
「おやこえいご」の特徴
英語は親から子どもへのプレゼント
「おやこえいご」は、大いなる助走

Chapter2「おやこえいご」はこう進めよう
なぜそんなに早く英語に触れるべきなのか?
「おやこえいご」を始めるのは今!
学校でいい英語の先生に出会えるかどうかは運次第
赤ちゃんは語学の天才
「おやこえいご」で、日本語がおかしくなることはない!
早く始めることで、親自身の準備ができる
「おやこえいご」の経済学
お金の貯めどき使いどき
英語教育にかかるお金の種類
「おやこえいご」成功の決め手は「インプット」
「おやこえいご」では「インプット」を重視
幼児期のインプット段階でやってはいけないこと
ポイントは「英語で動画」と「幼児英語教室の活用」
「おやこえいご」の道のり
1歳半~幼稚園までに「動画」で英語の大量インプットを
週1回の英語教室は、パパママの強い味方

Chapter3動画で楽しむ「おやこえいご」
英語のインプットには「動画」が最適!
動画がおすすめな理由1 子どもに「英語は言語」だと認識してもらえる
動画がおすすめな理由2 英語がわからなくても楽しめる
動画がおすすめな理由3 パパママの負担が少ない
なぜ聞くだけではなく動画を見るのがいいのか
動画を長時間見せたくないという方へ
英語動画はこうやって楽しむ!
子どもが夢中になれる動画を見せよう
英語動画の始め方
英語動画の視聴方法とおすすめ動画
おすすめ動画視聴方法をもっと詳しく!
いずれやってくる英語イヤイヤ期対策

Chapter4 幼児英語教室に行こう
なぜ幼児英語教室に通ったほうがいいのか
英語教室に通うメリット
「おうち英語」は慎重に
いい英語教室はこうやって選ぼう!
いい英語教室の基準1 先生の英語力が高いこと
いい英語教室の基準2 先生が子ども好きで、子どもの発達段階に合わせ、ベストな指導法を追求していること
いい英語教室の基準3 楽しいレッスンで、しかも学びがあること
英語教室の効果を最大限に引き出すために
英語教室は途中でやめない!
レッスンの英語環境は大切

Chapter5 月齢別・年齢別! 「おやこえいご」の進め方
英語の取り組みの進め方
0歳~1歳半の「おやこえいご」
4ヶ月までのベビーとのふれあい遊び
5ヶ月~8ヶ月のベビーとのふれあい遊び
9ヶ月~1歳半までのベビーとのふれあい遊び
1歳半~幼稚園前の「おやこえいご」
この時期の十分なインプットが「おやこえいご」成功の鍵
インプットは動画を中心に
幼稚園の「おやこえいご」
幼稚園で英語イヤイヤ期に突入?
小学校低学年の「おやこえいご」
「英語耳の維持」を目標に!
小学校高学年の「おやこえいご」
英語の頑張りどき!
英語の発音を身に付けよう
文法は間違えながら身に付けよう
中学校・高校の「おやこえいご」
「思春期の難しさ」を理解しよう
中学では文法理解を深め、音読をしよう
子どもに海外経験をプレゼントするために

Chapter6 「おやこえいご」のQ & A
Q 英語の語りかけに自信がない
Q 幼児英語のセット教材は買うべきか
Q 英語は幼稚園からでは手遅れなのか
Q 子どもがなかなか英語を話さない
Q オンライン英会話の始めどき
Q 英検などを目標にすることについて
おわりに
付録 「おやこえいご」おすすめの歌・ライム

コラム
1 バイリンガルならではの特徴
2 英語はネイティブを目指さなくていい!
3 英語以外の生活も充実させよう
4 最近よく聞く「フォニックス」っていいの?

小田 せつこ (著)
出版社: プチ・レトル (2019/5/20)、出典:出版社HP