単語帳は自分にあったタイプを選ぶ
単語を覚えることは英語学習者において避けては通れない道。単語を覚えることが苦ではないという人は中々いないでしょう。そんな苦痛を伴う単語の暗記をいかにして行うかはとても大きな問題です。単語を覚える際、大抵の人は単語帳を使用して覚えると思いますが、単語帳にもいろいろとタイプがあります。今回は、各タイプのメリットを考慮しつつ、自分に合った単語帳を見つけて、効率的にボキャビルを行うためのスタートラインに立ちましょう。
【1】単語羅列タイプ
最もオーソドックスなタイプとして挙げられるのは、「単語」が羅列されているもの。シンプルな構成ゆえ、淡々と覚えていくタイプの人には向いていると思います。ただ、単調ゆえに根気強くボキャビルをしないと途中で諦めてしまう可能性も大いにあります。単語帳のレイアウトが左のページに単語、右のページに例文が書かれているものも多いので、使い方次第でボキャビルの可能性を大きく広められます。
【2】例文タイプ
『DUO3.0』のような例文を中心に単語を身につけていくのが例文タイプ。このタイプはなんといっても、1文中に見出し語が数語含まれているので、1度に数語を学べる効率の良さがメリット。さらに、その1文を自分で英作文として再現出来るレベルまで落とし込めば英会話にもつながります。単語の意味だけを覚えても、語法が分からなければ身につけたことにはなりません。例文という実際に単語が使われている場面で単語を学ぶのは有意義です。
【3】コロケーションタイプ
最近よく目にするコロケーションタイプの単語帳。コロケーションとは語の繋がりを言い、例えば、「heavy rain」や「make progress」のように形容詞+名詞や動詞+名詞、動詞+形容詞など自然なつながりのある単語を言います。コロケーションとしてフレーズで覚えていけば、効率的に実際に使える表現を身につけられます。例文を覚えるほどの負担がないので初心者でも比較的取り込みやすいでしょう。これまでコロケーションという言葉を聞いたことがない人は一度コロケーションの視点を交えてみても良いと思います。
【4】長文タイプ
「速読速聴・英単語シリーズ」に見られるような長文タイプの単語帳。1つのパッセージの中に数十文あり、コンテクスト内で多くのボキャブラリーを学べるのが特徴的です。もちろん負荷が高く、生半可な気持ちで挑んでも挫折してしまう可能性が高いです。しかし、パッセージを覚え込むまで身につければ、力になること間違いなしです。コンテクストで学ぶので、英文の論理展開も身につけられ、TOEIC®の長文問題の演習の対策にもなるので一石二鳥な単語帳です。
ここまで紹介したのは、すべて紙媒体の単語帳ですが、アプリも学習方法として考慮しても良いでしょう。実際、私が英検1級レベルの単語を覚えた際にはアプリを使いました。何と言っても、手軽なのでスキマ時間にも気軽にボキャビルできます。また、仕様によっては、クイズ形式の単語問題に取り組むことが可能。ゲーム感覚で語彙増強ができてしまいます。
単語を覚える際は音源が必須
いずれのタイプの単語帳を選んだとしても、単語を覚える際に欠かせないのが音源付属かどうかです。仮に発音を無視して単語を覚えた場合、リスニングで壁にぶつかってしまいます。例えば“allow”という単語を「アロー」と読んでいないでしょうか。実際には、発音記号が「əláu」なので、「アラゥ」が正しい発音になります。このことを知らないまま覚えてしまい、リスニングに取り掛かってしまうと聞き取ることができません。ですので、単語を覚える際は目で単語を捉えつつも、耳で発音をインプットしてスペリングと意味を一致させる作業が重要になります。
最後に複数の単語帳を並行して学ぶことのメリットを紹介します。もちろん1冊がボロボロになるまで覚えきるという姿勢は大切ですが、多くの学習者は途中で挫折してしまうと思います。その点、同時並行でボキャビルしていけば、一つの単語帳で覚えられなかった単語が他の単語帳で覚えられることだってありえます。そして、複数やることにより、双方の単語帳に出てくる重要語が自然と定着できます。ですから、異なるタイプの単語帳を選定し、上手くローテーションをしながらボキャビルをすれば、意外と苦もなく進められますよ。
1987年生まれ、愛知県出身。留学はおろか旅行ですら海外渡航歴のない英語学習者。大学で英米文学を専攻したが、学生時代は特に英語が得意というわけではなかった。一時は英語が嫌いになるが、社会人になってから本腰を入れて英語学習を始め、6年間でTOEIC®910点や英検1級を取得。紆余曲折を経て蓄積した自身の経験に基づいた勉強法をブログやSNSにて公開中。