全パートで変化がある文法書
TOEICの英語の文法書として特化した参考書になります。TOEICに必要なすべての文法項目を網羅しているため、一気に読むことができます。また自身が苦手とする単元別で確認もできる最適な1冊となっています。
はじめに
「問題集」ではなく「参考書」
TOEICテスト対策として、書店には「問題集」なら溢れんばかりに並んでいますが、英文法を体系的に解説する「参考書」というものは、ほとんど見当たらないのが現状です。
それゆえTOEICテストの文法対策といえば、Part5の4択問題を解くことだけになってしまいがちです。しかし、そのやり方に以下の問題点があることは、あまり指摘されません。
□体系的な説明がない(丸暗記型の解説で、知識をただ覚えていくだけ)
□Part5の問題は品詞と語彙の問題が7割近くを占めるので、文法自体の練習は実質3割程度
□Part5以外でよく出る文法(たとえばPart2で出る否定疑問文)が抜け落ちる
もちろん一通り英文法を学んだ後に、問題演習をすることは有効です。しかし、「文法の知識に自信がない」「この機会に英文法をきちんと学びたい」「Part5の問題を自信を持って解けるようになりたい」「せっかく文法をやるなら、リーディングにもリスニングにも活かしたい」という思いがあるのなら、本書が必ず大きな助けとなるはずです。
TOEICテストの本格的文法書
以前、とあるビジネス雑誌の特集「TOEICテスト対策」の取材を受けたとき、「オススメの文法書」を聞かれました。「残念ながら、TOEIC本の売り場にはないので、大学受験の分厚い文法書を使うしかない」と苦しみながらの回答をしたのですが、なんとボク以外のTOEIC対策のプロ2人も同じことを言っていたのです。
しかし一般のTOEIC受験者がそれを聞いたところで、「試験まで時間がないんだから、実践形式で問題を解かなきゃ」と思うのも無理はありません。何より、分厚い文法書を読むこと自体が苦痛ですし、大学受験の文法書を読みながら、「本当にこの内容すべてが、TOEICにも出てくるのか?」と不安になるのは当然でしょう。
そこで本書では、文法書並みに広く・詳しくどの単元も扱いながら、「丸暗記を排除した解説」と「TOEICにそのまま出そうな例文」を実現させました。
TOEICでハイスコアをとるためには、そして英語ができるようになるためには、一度腹をくくってじっくり文法に取り組んでみることが絶対に必要です。それをTOEICの対策をしながらできるようにしたのが本書です。
時間切れになるのは「英文法の力不足」
英文法は「英語の土台」です。間違っても「Part5だけの土台」ではないのです。
この本で学んだ英文法は、Part5の問題以外で、特に以下の場面で効果を実感できます。
□Part7での「時間不足」が解消される
Part7で時間切れになる大きな原因の1つが「文法力不足」なんです。一文一文を正確に読み進めることができないため、余計なことで悩んだり、細かい部分をいい加減にしてしまう結果、誤解したり、何度も読み返したりするからです。
また、「スキャニング(拾い読み)」のようなテクニックも教えられることが多いのですが、そもそも一文を正確に読めないのに、解答の根拠になる部分を拾い読みすることなんてできるわけがありませんよね。
□リスニング本文の理解が深くなる
リスニングにも英文法は絶対に必要です。リスニングでミスをする場合、そもそも英文自体の意味を理解できていないことがよくあるからです。
□設問文を「素早く・確実に」理解できる
Part3、Part4の「設問の先読み」や、Part7の設問文を「素早く・確実に読む」ときに役立ちます。正確さはもちろんのこと、設問を読むスピードも上がります。
□TOEICテスト以外の場面でも役立つ
丸暗記ではなく、きちんと理解した英文法の力は、TOEICテストだけでなく、ビジネス・英会話・趣味(洋画や洋書)などでも必ず役立ちます。
実際に本書を読み進めてみれば、思いのほかスムーズに学習が進み、今まで持っていた英語のイメージがまるで変わってくることを感じるはずです。新時代の「TOEIC英文法の授業」を始めていきましょう。
関 正生
本書の特長
1 丸暗記のない英文法講義
英文法を本質から解説しますので、丸暗記が激減するはずです。TOEICテストの勉強、英文法の勉強はとかく単調になりがちですが、この本はどの文法書よりもわかりやすく、楽しく、かつ知的好奇心を刺激する解説を心がけています。
また、たとえば一般の文法書では「不可算名詞」として、informationなどは説明されていますが、TOEICで必要なfeedbackという単語は載っていません。このfeedbackのようなTOEICで必要なことまで、「しっかりと解説」をしていきます。
2 圧倒的クオリティの例文
文法問題に限らず、長文でもリスニングでも、そして設問を読む上でも役立つ、TOEICにそのまま出そうな例文を使っています。例文作成のKarl Rosvold氏と綿密にコミュニケーションをとり続けて生まれた本書の英文は、彼が作り上げた作品とさえいえるでしょう。そこには様々な工夫も凝らされています。たとえば、動名詞のところで”give up -ing”を説明する例文では、動名詞とセットで考えるべき不定詞の”decide to 原形”を混ぜて、自然に復習ができるようになっています。
ex. Based on his doctor’s advice, Mr.Keahi has decided to give up drinking coffee.
「担当医師のアドバイスを受けて、Keahi氏はコーヒーを飲むのをやめることした」
3 参考書でありながら、演習問題も豊富に
きちんと理解できた文法事項は、当然TOEIC形式の問題で確認したいですよね。問題集は別に用意していただいて…と言いたいところですが、すぐに知識を確認するには十分なほどの、162問もの演習問題をつけました。
本書の使い方
文法解説と例文
演習問題
本書の文法記号一覧
S………….主語
V…………. 動詞
O…………目的語
C………….補語
M…………修飾語
S.V………従属節の中の主語・動詞は小文字で記しています
S’ ‘V’…….意味上の主語・動詞
仮S・仮O..仮主語・仮目的語
※同じ意味で「形式主語・形式目的語」という言い方もありますが、本書では「仮」のほうを使っています。
真S・真0..真主語・真目的語
原形 …….. 動詞の原形
-ing ……… 動詞の-ing形
p.p………. 動詞の過去分詞形
ex. …………例
cf. ……….. 参照・比較
φ……. 名詞が欠けている箇所
[ ]…….. 言い換え可能
{ }…….省略可能
目次
TOEICテストについて
はじめに
本書の特長
本書の使い方
Chapter 1 受動態
テーマ1 受動態の基本
演習問題
テーマ2 受動態の変形パターン
演習問題
テーマ3 by以外の前置詞を使う受動態/受動態の構造
演習問題
Chapter 2 接続詞
テーマ1 等位接続詞
演習問題
テーマ2 従属接続詞
演習問題
テーマ3「名詞節」を作る従属接続詞/「副詞節」を作るthat
演習問題
Chapter 3 関係詞
テーマ1 関係代名詞
演習問題
テーマ2 前置詞+関係代名詞/関係副詞
演習問題
テーマ3 関係代名詞what/複合関係詞
演習問題
Chapter 4 形容詞・副詞
テーマ1 形容詞・副詞の基本
演習問題
テーマ2 注意すべき形容詞
演習問題
テーマ3 注意すべき副詞
演習問題
テーマ4 接続副詞
演習問題
Chapter 5 分詞
テーマ1 分詞の基本
演習問題
テーマ2 感情動詞/「付帯状況」を表すwith
演習問題
テーマ3 分詞構文
演習問題
テーマ4 分詞構文のバリエーション/分詞構文の慣用表現
演習問題
Chapter 6 時制
テーマ1 現在形
演習問題
テーマ2 進行形
演習問題
テーマ3 完了形
演習問題
テーマ4 現在形の特別用法
演習問題
Chapter 7 助動詞
テーマ1 助動詞の基本
演習問題
テーマ2 will/would
演習問題
テーマ3 can/could
演習問題
テーマ4 shall-should/may-might
演習問題
テーマ5 must-have to/助動詞の働きをするもの/助動詞 have p.p.
演習問題
Chapter 8 仮定法
テーマ1 仮定法の全体像/仮定法の公式
演習問題
テーマ2 仮定法の倒置/ifなし仮定法/慣用表現
演習問題
Chapter 9 不定詞
テーマ1 不定詞の基本
テーマ2 名詞的用法/形容詞的用法
演習問題
テーマ3 副詞的用法
演習問題
テーマ4 to不定詞のバリエーション/代不定詞
演習問題
テーマ5 「to不定詞」をとる動詞/be to構文
演習問題
Chapter 10 動名詞
テーマ1 動名詞の基本/動名詞のバリエーション
演習問題
テーマ2 「動名詞」をとる動詞/toと-ingを両方とる動詞
演習問題
Chapter 11 比較
テーマ1 原級比較
演習問題
テーマ2 比較級
演習問題
テーマ3 比較級の重要表現
演習問題
テーマ4 最上級/比較級・最上級の強調
演習問題
Chapter 12 冠詞・名詞・代名詞
テーマ1 冠詞・名詞の基本
演習問題
テーマ2 不可算名詞・可算名詞/複合名詞
演習問題
テーマ3 代名詞①
演習問題
テーマ4 代名詞②
演習問題
Chapter 13 疑問
テーマ1 付加疑問文/否定疑問文/間接疑問文など
演習問題
【補足】順番と品詞対策について
この本の「単元の順番」は、他の文法書とは違います。Part5でよく出る順番にしてあります。もちろん本書はPart5だけの本ではないことは「はじめに」で述べましたが、直近で受けるTOEICテスト当日までに全部を読み終えるとは限りませんよね。そこで、仮に3分の1だけしか読まなくても、その分スコアに直結しやすい順番にしました。
また、TOEICの英文法対策で必ず最初に出てくる「品詞」の判別は単元としては作っていません。理由は、「いきなり品詞の話はつまらなくて挫折する」こと、さらに「そもそも1つずつ単元をこなしていけば、品詞の判別は”必ずできるようになる”から」です。それぞれの単元の中で品詞問題として狙われやすいところは、きちんと解説してあります(たとえば116~125ページ)ので、安心して読み進めてください。