学校では教えてくれない! 英文法の新常識

 


 

どちらが正しい? – My hobby is taking picture or to take picture

本書は、日本の教育現場では教えられてない、あるいは古くなってしまっている英文法の知識をアップデートすることを目的とした本です。これまでの常識を紹介し、その常識が通用しなくなっていることを次々と解説していきます。例えば、疑問文でwhomを使うケースはほとんど無くなってきていることなどが説明されており、英文法の実際の使われ方がまとめられています。

はじめに

「英文法の知識をアップデート」、これが本書のねらいです。あなたが「常識」だと思って いる英文法の知識の中に、間違っているものや、今では通用しない古いものがあるかもしれません。そのままにしておくと、実際に英語を話したり書いたりするときに、思わぬ失敗を招く ことになりかねません。そうならないために、今すぐあなたの「常識」を「新常識」へとアッ プデートしましょう。

本書は、英語の学習をしている社会人、大学生、高校生を対象としています。社会人や大学 生で英語を学んでいる人は、高校生のときに覚えた英文法を最新のものにすることができます。また、高校で英語を勉強している人は、「授業では教えてくれない」英文法の知識を身に つけることができます。本書では50の項目を取り上げていますが、なかには「こんなこと知 ってるよ」と思うものもあるかもしれません。

でも、「知っている」と「理解している」は別 ですし、どうしてなのかを納得していないものもあるはずです。高校の英語の授業時間は限られていますから、先生も生徒全員が納得できるまで詳しくていねいに教えることはなかなかで きません。本書では1つの項目に4ページを使い、みなさんが理解し納得できる説明を心がけ ました。これが「学校では教えてくれない!」という副題を付けた理由です。

鈴木 希明 (著)
出版社: NHK出版 (2019/2/12)、出典:出版社HP

すぐにでもアップデートしなければならないのは、
1間違って覚えている
2使われなくなっていることを知らない

この2点です。また、
3使い分けがわからない
4そもそも教えてもらっていない
という英文法の知識もあるはずです。

ただ「覚える」だけでなく、理解し納得することで、あなたの英語の基礎は盤石のものになるでしょう。 では、アップデートする項目を具体的に紹介しておきます。

1間違って覚えている
1990年代に出版されていた参考書に、次のような文が掲載されていました。
My hobby is to collect stamps.
この参考書で学習した人は、この文が間違っているとは思わないでしょう。ひょっとしたら間 違いがわからない現役の高校生もいるかもしれません。不定詞と動名詞の使い方は覚えるだけ ではなく、使うときの感覚を理解することが大切なのです。

2使われなくなっていることを知らない
比較の文を学習するときに、以前の参考書では、
He is older than I (am).
という書き方がされていました。これでは am を省略して than 1 としてもよさそうに思えて しまいます。今では than I とすることはほとんどないのです。

3使い分けがわからない
「私は〜することができた」と言うときは、I could … と I was able to … という表現を 使うことができます。でも、どちらでもいいというわけではありません。表す内容によっては could を使えないこともあるのです。
そもそも教えてもらっていない命令文に please を加えさえすればていねいになる、と思い込んでいる人や、依頼するとき は Will you …? を使えばいい、と思っている人はたくさんいます。

人に何かを依頼するとき に適切な表現を使えなければ、人間関係を壊すことになりかねません。実際に英語を使うとき は、自分の言うことが相手にどのように伝わるのかを知っておく必要があるのです。このよう な言語使用に関する知識を教えてもらった、という人は意外と少ないのです。

本書では全3章で50の項目を取り上げます。各章の★の数は現代英文法としての「常識レベ ル」を表し、星の数が多いほど、ぜひ知っておいてもらいたい項目となっています。また各項 目では、最初に「あなたの常識」として、皆さんが学んできたであろう古くなった、あるいは 間違っている知識を提示し、それがなぜ違うのか?を「新常識」として、時にはイラストも使 い、ていねいに説明していきます。

英語の学習をしていると、「どうして?」と疑問に思うことがよくあります。どういう場面 でどういう表現を使うのかを理解し納得することは、英語を話す人の感覚を理解することでも あります。それは「ことば」に関する新しい発見なのです。
The real voyage of discovery consists not in seeking new landscapes, but in having new eyes.
-Marcel Proust (1871-1922)
さあ、新しい発見の旅に出ましょう!

鈴木 希明 (著)
出版社: NHK出版 (2019/2/12)、出典:出版社HP

はじめに

第1章常識レベル★★★
知らないと恥ずかしい表現16
あなたの常識 その1 不定詞と動名詞
「趣味は写真を撮ることです」と言うときの「写真を撮ること」は、to take pictures でも taking pictures でもよい。
あなたの常識その2 進行形
進行形は「している最中の動作」を表すので、状態を表す動詞を進行形にすることはでき ない。
あなたの常識その3 可算・不可算
「卵」は数えられる名詞なので、an egg や the egg, some eggs とは言えるが、 some egg とは言えない。
あなたの常識 その4 比較
「彼は私よりも年上だ」と言うときは、比較級 older を使って、He is older than 1. とする。
あなたの常識その5 動名詞の意味上の主語
動名詞の意味上の主語を示すときは、 his living abroad(彼が海外で暮らすこと)のように所有格を使う。
あなたの常識その6 助動詞
「私は〜することができた」と言うときは、「could … と I was able to … のどちらを使ってもよい。
あなたの常識 その7 使役動詞 「夫に指輪を買ってもらった」と言うときは、《have +人+動詞の原形>を使って had my husband buy me a ring とする。
あなたの常識 その8 命令・依頼文
Close the door.のような命令文に please を加えると、「~してください」というていねいな依頼になる。
あなたの常識 その9 疑問詞・関係代名詞
「だれを招待したの?」と尋ねるときは、 whom を使って Whom did you invite? と する。
あなたの常識その10 イディオム
「私は徒歩通学です」と言うときは、 on foot(歩いて)を使って I go to school on foot. とする。
あなたの常識その11 イディオム
自己紹介で部活動について言うときは、I belong to the drama club. のように belong to を使う。
あなたの常識 その12 助動詞
「~したほうがいい」と助言するときは、 had better を使って You’d better … と言 えばよい。
あなたの常識その13 助動詞
will は「~だろう」という意味で、そうなることに確信が持てないときに使う。
あなたの常識その14 助動詞
未来のことについて「~するつもりだ」と言うときは、I will … と I’m going to … のどちらを使ってもよい。
あなたの常識その15 助動詞
「しなければならない」を表す must と have to は、どちらを使ってもよい。
あなたの常識その16 否定形
do not という否定形は don’t と短くすることができ、どちらを使ってもよい。
column 1 あなたの常識使わない表現編

第2章 常識レベル★★
知っていて当たり前の表現20
あなたの常識その17仮定法
仮定法で「もし私が…なら」と言うときは、 be 動詞は was ではなくwere を使って If I were … とする。
あなたの常識その18 関係代名詞
関係代名詞を使って名詞に説明を加えるときは、その名詞(先行詞)が人以外であればwhich を使う。
あなたの常識その19 分詞 分詞だけで名詞を修飾するときは《分詞+名詞〉の語順なので、「たばこを吸っている 男」は a smoking man とする。
あなたの常識その20文型(第4文型)
He taught me English. と He taught English to me. は同じ意味だ。
あなたの常識その21 比較
「私は彼より2歳年上だ」は、 senior を使って I’m senior to him by two years. で表すことができる。
あなたの常識その22 助動詞
過去の習慣について「よく〜したものだ」と言うときは、 used to と would のどちらを 使っても同じ意味になる。
あなたの常識その23 受動態
他動詞を使う SVO の文は、目的語(O)を主語にした受動態の文にすることができる。
あなたの常識その24 コミュニケーション表現
初対面の人に「はじめまして」とあいさつするときは、How do you do? と言う。
あなたの常識その25 コミュニケーション表現 「~しましょうか」と申し出るときは Shall I …?、「~しませんか」と促すときは Shall we …? を使う。
あなたの常識その26単数・複数
「私は犬が好き」と言うときは、1 like a dog.かI like dogs.のどちらかを使えばよい。
あなたの常識その27 現在完了
「東京にずっと住んでいる」という継続の意味を表すときは、現在完了形を使って I’ve lived in Tokyo. とする。
あなたの常識その28 未来進行形
あなたの常識その29時間
「もし~なら」という副詞節で未来のことを表すときは動詞の現在形を使い、 will は使わない。
あなたの常識その30 不定詞 「~できるほど背が高い」を表す あなたの常識その31 比較
「2倍の高さだ」は twice as tall as のように原級を使い、比較級 taller を使って表すことはできない。
あなたの常識その32 仮定法
仮定法の if 節で should を使うと、「万一~したら」という実現しそうにない未来の仮定 をすることになる。
あなたの常識その33話法
間接話法では、直接話法の過去形は過去完了形に、 will i would に変える。
あなたの常識その34 分詞構文
Turning to the left… は条件を表す分詞構文で、 If you turn to the left という意味
を表している。
あなたの常識その35 前置詞 be different from や be surprised at は決まった表現なので、ほかの前置詞を使うことはできない。
あなたの常識その36接続詞
理由や原因を表す節をつくる接続詞 because は、文頭で使ってはいけない。
column 2 あなたの常識「思い込み編

第3章 常識レベル ★
知っているとプラスの表現14
あなたの常識その37単数・複数
everybody(みんな)は単数扱いなので、人称代名詞で受けるときは he か he or she を使う。
あなたの常識その38 単数・複数
There’s … の後には単数形の名詞を続け、複数形の名詞を続けることはできない。
あなたの常識その39 イディオム
I’ve got a car. は現在完了形の文なので、「私は車を手に入れた」という意味になる。
あなたの常識その40 不定詞
「住む場所」は a place to live in で表し、a place to live とすることはできない。
あなたの常識その41 不定詞
This box is too heavy for me to lift. という文では、 lift の目的語として it を入れる ことはできない。
あなたの常識その42 現在完了
just now は「たった今」という過去の時点を示すので、現在完了形の文で使うことはできない。
あなたの常識 その43 現在完了 「パリに行ったことがある」は、現在完了形の have been to Paris で表し、 have gone to Paris とはしない。
あなたの常識その44 過去完了
「あなたにもらった時計をなくした」と言うときは、過去完了形を使って「lost the watch you had given me. とする。
あなたの常識その45 助動詞
must は「~に違いない」という意味を表すことができるが、have to でこの意味を表 すことはできない。
あなたの常識 その46 助動詞
may well を使った He may well be surprised. という文は、「彼が驚くのももっとも だ」という意味だ。
あなたの常識その47 接続詞
「もし…でなければ」と言うときは、if ….. not か unless のどちらを使ってもよい。
あなたの常識その48 冠詞
関係詞を使って名詞を修飾するときは、その名詞(先行詞)には定冠詞 the を付ける。
あなたの常識その49冠詞
play の後に楽器名を続けるときは、 play the piano(ピアノを弾く)のように楽器名にthe を付ける。
あなたの常識その50 前置詞
It was stupid you to believe him.の空所に入れるのは of で、 for を入れることはできない。

鈴木 希明 (著)
出版社: NHK出版 (2019/2/12)、出典:出版社HP