頭の中に一生モノの英語回路をつくる: 本気で話したい人のための英語トレーニング

本気で話したい人のための英語トレーニング
頭の中に一生モノの英語回路をつくる

予約の取れない英語プロコーチ、埜村友香氏が著者の英会話をするためには「英語回路」をまずは頭に入れることをを書かれたものとなります。英語回路とは、筆者いわく、「頭の中にある適切な英語情報と発話する口とをつなげること」を指します。そして「英語回路をつくるトレーニング =脳と口の筋トレが必要」であることを理解する必要があると説きます。本書ではその実際のトレーニングをどのようにするかを詳細に紹介しています。特に3章の「「英語」を話すトレーニングを始めよう」具体的な教材を上げ、成果を挙げられます。

目次

Contents
Prologue
Chapter 1
あなたが「英語」を話せないのは話せるようになる方法を知らないだけ
1-1 頭の中に「英語回路」をつくれば、言いたいことの80%を英語で言える
1-2 間違った英語を話したほうが英語の上達は断然早い!
1-3 文法や英単語の勉強をしても英語を話せるようにはならない
1-4 まだ、単語集で単語を覚えますか?
1-5 英語をスラスラ話すには、中学3年生レベルの文法で十分
1-6 幼稚園児に伝わる言葉で英語にすれば、英単語を知らなくて大丈夫!
1-7 英語を書くのが得意ですか?
1-8 「続ける」ことが最も重要なこと

Chapter2
「英語」を話すということは?
2-1 「英語が話せない!」からネイティブレベルまでの道
2-2 自分に必要な英語を把握せずに、勉強しても遠回りするだけ
2-3 本当に話したいことわかってる?
2-4 外国人を前にすると固まる人にぜひやってほしいこと
2-5 コンフォートゾーンから1歩出よう
2-6 まずは幼稚園児でもわかる言葉で短く話すのが上達のコツ!
2-7 英語のニックネームをつけて、ネイティブになりきろう!
2-8 フレーズの丸暗記はムダが多い!

Chapter3
さぁ、「英語」を話すトレーニングを始めよう (5STEPS)
3-1 毎日続けるのが難しい人に英語攻略の秘策を授けます
3-2 【STEP1】教材を用意する
3-3 【STEP2】「英語脳2.0」をインストールする
3-4 【STEP3】「英語脳2.0」を鍛えるトレーニング
3-5 【STEP4】 苦手意識は捨てましょう
3-6 【STEP5】 仕上げは「アウトプット重視」

Chapter4
英語でとぎれずに会話するためには?
4-1 ローコンテクストの「英語」とハイコンテクストの「日本語」の違い
4-2 日本人が英語を話すときに気をつけるべき10のポイント

Chapter5 英語でコミュニケーションをとるための8つのTips
5-1 【Tip1】 Filler(あいづち)
5-2 【Tip2】 共感を表現しよう
5-3 【Tip3】 NOV2017
5-4 【Tip4】 ボディランゲージ
5-5 【Tip5】「You」の使い方を気をつけよう!
5-6 【Tip6】 I don’t know. のトリセツ
5-7 【Tip7】 とても大事な「数字」と「時間」
5-8 【Tip8】 Thank you ottið

Chapter6 さて、ここからはあなた次第!
Do whatever you want to do & Decide what you want to do
with it.
6-1 自分の言いたいことが英語で80%言えるようになったあなたへ
6-2 英語を話せることであなたが手に入れるメリット
6-3 このレベルになって考えてほしいこと、そして次のレベルへ
6-4 ビジネス英語を身につけたいあなたへ
6-5 リーディングカアップは、スピーキングカアップに直結する
6-6 英語+a=継続可能なアウトプット

Afterwords
編集協力/有限会社バウンド
●装丁/鈴木大輔、仲條世菜(ソウルデザイン)

Prologue

「自分の言いたいことが80%、英語でスラスラ話せます」 これがこの本のすべてです。しかし、実際に話せない人がいます。それは、単に話せるようになる方法を知らないだけです。ですか ら、それに取り組めば誰でもそれは可能になります。 そして、この本ではその方法をお伝えします。 ですから、英会話スクールに通ったりオンラインレッスンを受けたりインターネットで高価な教材を購 入する必要はありません。

ただし、どなたもがこの本を読めばスラスラ話せるようになるわけではありません 。まずは、本を読んでください。そして、その内容に取り組むと約束してください。その方だけがその力を手にいれることができます。さぁ、どうしますか? その後の「英語」との付き合い方を決めるのはあなた次第です。 そして、80%英語で言いたいことが言えるようになったあなたにはさらなるご褒美が待っています。 そのご褒美とは何だと思いますか?

それは、あなたの人生が確実に良い方へ変化しだすということです。100%の確率で!と言ってもいい かもしれません。コミュニケーションツールとしての 「英語」を身につけて 、自在に使えるようになると 今まで思いもしなかった可能性、チャンスが手に入ります。 「英語」は確実に人生を良くするツールです。(経験者なので)そして、あなたが身につけた「英語」は誰もあなたから盗むことができないかけがえのない財産になります。

「英語」を自在に使えるようになってあなたの人生をより良いものに変えてみてください 。あなたの年齢も 環境も関係ありません。 あなたの人生がより良く変わる、そのお手伝いができればとっても嬉しいです。

2020年1月 埜村友香

埜村 友香 (著)
出版社: 実業之日本社 (2020/1/14)、出典:出版社HP

Chapter1 – あなたが「英語」を話せないのは話せるようになる方法を知らないだけ

Chapter1-1 頭の中に「英語回路」をつくれば、言いたいことの80%を英語で言える

日本の教育では「英語回路」をつなぐ方法を教えてくれない

英語で言いたいことがあるのに、とっさに出てこない。そのときは思いつかなかったけれども、しばらくすると「あっ!ああ言えばよかったんだ!」と気づく――こんな経験をしたことはありませんか?これは、あなたの頭の中には知識としての英語はしっかりと詰まっているにもかかわらず、その言いたいことを表現する英語が思いつかず、まったく口から出てこない状態を意味しています。つまり、脳にある情報を引き出すこと、そしてその情報を瞬時に口から発する回路がつながっていない状態です。

私は、頭の中にある適切な英語情報と発話する口とをつなげることを「英語回路」と呼んでいます。この「英語回路」をつくってしまえば、あなたは自分の言いたいことの80%をスッと話せるようになります。英語回路をつなぐための具体的なトレーニング法はChapter 3で詳しく説明しますが、その前に「なぜ、私たちは英語の勉強をしてきたのに英語回路がつくられなかったのか?」を少し考えてみたいと思います。多くの日本人が中学校で英語を学び始め、高校を含めると1,200時間以上英語を勉強します。大学に行けば、さらに多くの時間を英語の勉強に費やします。

しかし、英語が話せない人は本当にたくさんいます。この本を手にとっているあなたも多かれ少なかれ 「英語を話すのは難しい」「とっさには英語が口から出てこない」と感じているのではないでしょうか?

私たち日本人の多くが時間を割いて英語を勉強してきたのに「英語回路」がないのは、学校で「英語回路」をつくる具体的なトレーニング法を教えてくれなかったからです。学校の通常の英語の授業以外に、学校で英会話のクラスがあった人も多いと思いますし、英会話スクールに通った人もいると思います。でも、話せるようにならなかったですよね?

あなたが受けた授業やレッスンはこんな感じではありませんでしたか。 多くの場合、テキストがあって、いろいろな場面の会話例が載っています。そこで新しい英単語や表現を学んで会話をするスタイルです。そして、ネイティブ講師やクラスメイトとテキストの会話を練習する。テキストで学んだ文章を使って質問をされて答える。または、違うパターンで質問をする……。

はっきり言います。 この方法を漠然と続けても「英語回路」はできず、英語を話せるようにはなりません。担当のネイティブ講師の英語に慣れるでしょうが、自分の言いたいことをスラスラ話せるようにはなりません 。これは英語を話せるようになるための「英語回路」をつくる具体的なトレーニング法ではありません。 そうなんです! 方法が間違っていただけなんです。だから安心してください。いろいろな教材やスクールに貴重なお金と時間を使ってきたけれど、英語が話せないのは、話せるようになるトレーニングをしていなかっただけなんです。

では、なぜその方法を誰も教えてくれなかったのでしょうか 。世の中にはその方法が出回っていないのでしょうか。

いいえ、ちゃんとあるところにあります。ただ、マスコミやメディアで宣伝、露出されている情報にはありません。実際、その情報にアクセスすることができて、その方法で取り組んだ人は話せるようになっています。

あなたは、すでにこの本を読んでいます。つまり、英語を話せるようになるための「英語回路」をつくる具体的なトレーニング法にちゃんとアクセスできているので、きちんと話せるようになります。楽しみにしてくださいね。

Chapter1-2 間違った英語を話したほうが英語の上達は断然早い!

正しい英語って何ですか?

日本人が英語を話せない大きな理由のひとつとして、「テストのための英語の勉強しかしてこなかったから」というものが挙げられます。

学生時代の英語は、テストで良い点数を取るためのものでした。学校のテストでは、常に答えはひとつ。

私も含めて多くの人は「間違えてはいけない」「間違えたくない」と潜在意識に刷り込んでしまったのではないでしょうか。その結果によって私たちは点数を付けられてきたので、英語で話そうとすると無意識に「間違えたくない」と思ってしまうのです。

考えてみてください。「英語」は、「日本語」と同じコミュニケーションツールで、答えがひとつではありません。

たとえば、「昨日、友達と新宿に映画を観に行ってきたんだ。おもしろかったよ」と言うのと、「昨日、おもしろい映画を友達と新宿で観てきたんだ」とでは言い方は違っても伝わる内容は同じです。 では、ここで質問です。あなたなら「昨日、おもしろい映画を友達と新宿で観てきたんだ」をどのように英語で言いますか?

I went to see an interesting movie with my friend in Shinjuku yesterday.

もしかしたら、こう言うかもしれません。

I watched a movie with my friend in Shinjuku yesterday and it was fun.

この2センテンスは違う言い方ですが、両方正解です。

あなたの頭の中ではこんなことが起こったかもしれません。 「昨日、おもしろい映画を友達と新宿で観に行ってきたんでしょ?これだと『映画を観た』だから watched a movie? いや、『映画を観に行った』だからwent to see a movie? あれ? どっちが正しいんだろう?」

こうなると脳がフリーズして 、言葉がまったく出てこなくなります。 繰り返しますが「英語」も日本語と同じように表現方法はいろいろあります。改めてこう言われると納得できませんか。このことをしっかり理解していただきたいと思います。

ここでは重要なことが、もう1点あります。 先ほども日本人は無意識に「間違えたくない」という意識が働くと述べましたが、この延長上には「間 違えたら恥ずかしい」という意識が多くの人に働いています。

私は、日本人は外国人たちと比べてどちらかといえば、「何事も正しくあるべき」と考える完璧主義の 傾向が強いと思っています。英語を話すなら「正しい英語を話さないといけない」と感じている人が多い のです。

ところで、あなたは常に正しい日本語を話していますか? 私は日本語ネイティブですが、常に正しい日本語を使っているかと言われれば、まったく自信がありません。あなたも教科書どおりの正しい日本語を常に話しているわけではなく、きっと間違った日本語を話 しています。 同じように世界中の英語を話す人たちも文法を間違えたり、誤った話し方をしています。 たとえば、多くのアジア人はガンガン英語を話しています。代表はシンガポール、マレーシア、インドなどです。特にシンガポール人が話す英語は、その独特な発音から「シングリッシュ」と呼ばれたりしています。インド人の英語のアクセントもクセがあります。

しかし、彼らは「自分が話している英語が正しいか」「英語ネイティブがどう感じるか」なんておかまいなしで、「あなたはなぜ私の英語を理解できないの?」と言わんばかりです。

現在ではネイティブ同士の英語でのコミュニケーションよりも非ネイティブとの英語でのコミュニケーションが普通になっています。

統計では、この地球上で英語を使う英語ネイティブが22%なのに対して、第2言語として英語を使う人口は78%を占めています(Harvard Business Review, 2012年10月号)。この統計は少し古いので、今ではその割合は非ネイティブのほうがさらに増えているはずです。

決して間違った英語を話してもいいと言っているわけではありません。ビジネスシーンで金額、数量、期限などは間違って伝えてはいけませんが、ちょっとした動詞の使い方や前置詞を間違えることを気にして話せなくなる状況はもったいないを通り越して愚の骨頂です。ビジネスシーン以外での英語での会話では間違ってもいいのでどんどん話しましょう。

間違いを指摘されると、その一瞬は「恥ずかしい」かもしれませんが、それはあなたに必ずしっかりと 刻み込まれて、そのとき指摘された正しい英語を身につけるきっかけになります。「正しい英語を話さなければならない」という呪縛にとらわれることなく、どんどん話して間違うことをおそれないでください。

間違った経験が多い人のほうが英語の上達は断然早いのです。経験者の私が言うので間違いありません。

埜村 友香 (著)
出版社: 実業之日本社 (2020/1/14)、出典:出版社HP

Chapter1-3 文法や英単語の勉強をしても英語を話せるようにはならない

これまでの文法や単語の「お勉強」は、いったん忘れよう!

ズバリ言います。英語が話せるようになるには「英語のお勉強」をしていてはダメです。もちろん、英文法を学んだり、語彙力を増やすことは大事です。しかし、「英語を話せるための英語回路をつくる」ためには、お勉強ではダメなんです。

英語を話すには「脳と口のトレーニング」をしなければなりません。脳と口の筋トレです。これがまさに「英語回路」をつくることになります。必ずしも常に机に座ってテキストを開く必要はありません。それよりも体を使って、声に出すことが重要です。多くの人がこう言います。

「英語やりたいんですけど忙しくって時間がとれないんです」「英語をやっても続かなくて……」

私に言わせると、こう言っている人は英語を本当に話せるようになりたいと考えていないか、英語は「お勉強しなくてはいけない」と思い込んでいる人です。こういう人は、「やりたいんですけど……」と言い続けるだけで、一生、英語をものにはできません。英語をスラスラ話したいと本気で考えているなら、お勉強ではなく、「英語回路をつくるトレーニング=脳と口の筋トレが必要」であることを理解して、スキマ時間を有効に利用してトレーニングすることです。そうすれば、思っているよりも早く英語がスラスラ話せるようになります。

「でも、英語力がないと話せるようにはならないから、文法や単語をやらないといけないんじゃないですか?これってお勉強ですよね?」

そんな声が聞こえてきそうですね。もし、あなたが中学校で学んだ英文法と単語が頭の中に入っているなら、一度あなたの考えている文法や単語のお勉強のことは忘れてください。今はそれ以上の英語の知識は必要ありません。

なかには「英語のお勉強」が好きな人がいます。お勉強が得意な人に「英語の勉強はしないでください」とは言いませんが、「英語を話せるようになりたい」と私のコーチングに申し込んできたのに、トレーニングはせずに単語を覚えて、高度な文法ばかり気にする人は、話せるようにはなりません(もちろ ん、トレーニングに取り組むことで、話せるようになります)。

誤解がないようにお伝えしておきますが、私は語彙を増やしたり、文法の勉強が不要だとは思っていません。

まずは自分の言いたいの80%を英語で言えるようになってから、英語力を高める取り組みをするほうが 理解度が上がり頭に入ってきやすくなります。英語力を高めるには、そのほうが効率的なので断然オススメです。

Chapter1-4

まだ、単語集で単語を覚えますか?

必死に英単語を覚えるのはオススメできない

前項では「英単語を覚えて語彙力を増やすお勉強をする前に、英語を話せるようになってください」と お伝えしましたが、違った視点から、英語力を上げるための単語や文法を習得する方法についてお伝えし ましょう。 ここではまず、多くの人が勘違いしている単語へのアプローチについてシェアさせてください。

「英語を話すには単語を覚えるのがまず第一でしょ」そう考える人がほとんどだと思います。 もちろん、英語は単語の羅列ですから、英単語の知識がゼロであれば、英語を話すことはおろか、理解 もできません。ただし、すでにお伝えしたように、中学校で学ぶ英語の知識が頭に入っているなら、語彙 増やす努力をする前に、スラスラ話せるようになる取り組みをオススメします。 理由は簡単です。こうすることで「話せるようになる=使える英語」にできるからです。

私が単語集で単語を必死に覚えることをオススメしないのには、もちろん理由があります。私はこう聞きたいんです。「あなたが今、がんばって覚えているその単語集の単語、あなたの人生ですべて使いますか?」

TOEICや英検、IELTSなどを受験するのであれば、単語を知らなければ、良いスコアを取れませんから、試験対策に単語集は必須です。しかし、あなたが英語をスラスラ話したいのなら、その必要はありません。

多くの人は、単語集で覚えた単語を使いこなせていません。暗記をして脳に単語を蓄積しても、実際に会話で使うわけではないので、知識としての単語でしかないのです。そもそも単語集に出てくる単語は、データベースから抽出された汎用性が高い一般的な単語です。「だからいいんじゃないの?」と思うかもしれませんが、私はだからこそ無駄が多いと感じています。

あなたはあなたという唯一無二の人間です。あなたの両親、兄弟、仲の良い友人、恋人の誰とも違う人 間です。趣味、趣向、行動、言動、思考……すべて同じではないはずです。私は、「あなたにはあなたに必要な単語がある」と考えています。 AさんとBさんの話し言葉は同じものもあるけど、違うものもあります。中学校で学んだ単語は基本の単語です。これらで同じ話はできます。その単語力で表現するのに足りないものがあなたに必要な単語です。

もちろん、専門職やビジネスでコミュニケーションをとる必要があれば、私もその人にあった単語集をオススメします。

自分の言いたいことを英語で話せるようになりたい人には、単語集で単語を覚えるのはいったんストップしていただいて、英語が話せるようになるための取り組みにフォーカスしていただきます。

それでもあなたはいつ使うかもわからない英単語を覚え続けますか?

Chapter 1-5

英語をスラスラ話すには、中学3年生レベルの文法で十分

中学3年生のレベルの文法で、英語はスラスラ話せる

文法は大事です。ルールですから無視できませんが、はっきり言うと、英語をスラスラ話すのに必要な文法のほとんどは、中学3年間で学んだ文法でほとんどカバーできます。

もし、あなたが英字新聞や論文、洋書、とくに小説などのフィクションを読みたいなら高度な文法力が 求められます。しかし、友人と話す、海外で不自由なくコミュニケーションをとる、海外のセミナーに参加して参加者と交流する――そのためであれば、中学3年間で学んだ文法で十分です。

もし、あなたが中学レベルの文法が怪しいのであれば、簡単な中学文法をさっと復習することをオススメします。

中学1年生レベルの英文法で出てくるSVOやSVOCを覚えていますか? 主語、動詞、目的語、補語といった、いかにもお勉強的な説明です。 ネイティブの友人が日本に来たときに、あまりにも日本人が英語を話せない人が多いことに驚いて私に質問してきたことがあります。

私は日本では義務教育の中学から英語の授業があることや、中学1年生でSVOとかSVOCとか習うこと を伝えると「それ何?」と驚いていました。大多数のネイティブはそんなことを全然気にしていないのです。

教科書では学問として、または説明モデルとして良いと考えられて採用されているのだと私は推測していますが、いちいち文型を考えていたらまったく話せないですよね?

ですから、中学1年生レベルも英文法が怪しいあなたも、SVOのくだりは飛ばしても大丈夫です。ただ誤解のないように補足しますが、高度な文章を読んだり、書くときにはこの「文型」の理解はとても役立ちます。

もうひとつシェアしたいことがあります。 なかには、学生時代成績優秀で文法が完璧な人もいると思います。TOEIC満点や英検1級という人もいるかもしれません。そういう人のなかには英語の読み書きはできても、会話がまったくできない人がいます。

もちろん、もともと英語力が高い人は英語を話せるようになるトレーニングをすれば簡単に話せるよう になりますが、英語力が高いゆえに「100%理解、納得できないと前に進めない」という弊害が起こった りします。

たとえば、So far, so good.という言い回しがあります。「今のところ順調だよ」という意味です。 海外旅行などで現地人と会話していると、How’s your trip? (旅行どう?)と聞かれることがありま す。そんなときにこう返したりします。

So far, so good. Thanks.

埜村 友香 (著)
出版社: 実業之日本社 (2020/1/14)、出典:出版社HP