その英語一言が大切
メール、チャット、SNSが普及されたおかげで、世界中の人と一瞬でつながることができるようになりました。しかし、英語で自分の気持ちや考えを伝えるということに慣れず、困っている人も多いのではないでしょうか。本書は、他の国の人と距離を縮める英語の伝え方を紹介しています。
はじめに
ワクワク感がないと勉強は楽しくない
「モテたい人集まれ!」
そう言われたら、あなたはどうしますか?
もし、「ハイ!」と大きく声をあげ、前に出て行けるなら、あなたは1つ壁を越えてますね。普通の日本人は、たとえモテたくても、自信なさげに少しだけ手を挙げて首をすくめるはず。
でも、もしそうだとしても大丈夫! この本に書かれていることを実践していくことで、以前のシャイなあなたは消えて、「モテたい人は?」と聞かれたら「ハイ!」と答える人になるでしょ う。実際に、英語を使えるようになって明るく積極的になった人を何人も知っています。
なぜ、英語の本なのにモテの話を最初にするのか? それは、 モチベーションを「モテ」にするほうが、勉強や学習が楽しくなるからです。だって、「会社で言われたから TOEIC 取らなきゃ」 とかだと、それはもう“義務”であって、ワクワク感がないです よね? 何かを「学ぼう」とか「習得しよう」と思ったら、根性だけではとても続かず、ワクワクを大事にしなくてはいけません。
「モテたい」これは万人の欲求なのではないでしょうか。「モテたい」といっても、異性だけじゃありません。同性にだってモテたほうが、人生は楽しくなります。異性でも同性でも、モテるには、まず心を開いてもらって友達にならないとダメですよね!
コミュニケーションはメールやチャットが主流、なのに学校だと教えてくれない
コミュニケーションの形はスピーキングばかりではありませ ん。むしろ最近は、メールやチャットといったネットのコミュ ケーションが主流になってきています。私は英会話の講師とし いるのですが、私の生徒さんで会社で英語を使っている人全員に 確認したところ、普段のコミュニケーションで一番多いのがメー ルとチャットだとわかりました。海外の人に対してだけではあり ません。国内や社内の同僚に対しても、実際に会って英語で話を するよりも、日常ではメールのやりとりが多いそうです。
仕事に限らず、英語圏の人と友達になれば、その後はメールか チャットでやりとりします。ここでうまくいかないと、育つ友情 も育ちません。しかし、それこそ学校で習っていませんから、見よう見まねで「自信がありません!」という方がとっても多いの です。私はレッスンで英語日記を課題に出して添削しています が、みなさん判を押したように同じようなまちがいをしてしまい ます。典型的なまちがいがよくあり、いつも同じ説明をしなくて はいけないので、「テープに録って聞かせようかな」と思うこともしばしばあります。どうせなら「友達になれる伝え方」、もっというなら「モテる伝え方」ができるようになりましょう!
相手の文化を理解して フレーズを使うからこそ距離が縮まる
私の添削の基本は、「正しい英文」ではなく、「自然な英文」です。 文法がいくら正しくても、ネイティブが使わない表現や単語は「不自然な英語」として直します。本書の目的も、「モテる自然な英語」 を身につけていただくことです。
そのために、この本では「なぜそう考えるのか?」という、コミュニケーションの根底にある文化を理解していただきます。英 語の勉強というと、フレーズや表現ばかりを理由もなしに覚えたりするイメージがあるかもしれません。でも、1つ1つのフレーズや表現の裏には文化が隠れています。文化的な背景を理解して状況に応じたフレーズを使えば、まちがいなく距離が縮まります。
言語は文化を表します。コミュニケーションの形にも文化が表れています。どうしても日本語発想から英語に直してしまいがちですが、英語にあって日本語にない表現、日本語にあって英語に ない表現が当然あるわけです。「英語は日本語と違うのだ」という事実を受け入れなくてはいけません。「英語圏が優れていて、日本文化が劣っている」とか、その逆でもありません。異なる文 化をお互いに理解する、広い心が大事です。
私は外資系の金融会社に勤めたおかげで、英文ビジネスメール をイヤというほど書きました。もともと、講師の仕事に戻ってくるために一度ビジネスの世界へ飛び込んだので、その時の経験が 今とても生きています。東京と NY のオフィスでやりとりしていたので会ったこともない方でしたが、毎日やりとりしているうち に友達みたいになります。最初は少し固いメールでしたが、やがてビジネスメールも友達とのやりとりのようにカジュアルになり ました。それが逆に“礼儀正しい”わけです。仲良くなっている のに、「ビジネスだから」と固いメールを書き続けたら、英語圏 では失礼になってしまいます。その匙加減も大事ですね。
この本で、あなたの異文化理解を助け、素早く「モテる」英語 の伝え方を身につけて、世界に友達を作り、豊かな人生を送れるよう応援します!
目次
はじめに
ワクワク感がないと勉強は楽しくない
コミュニケーションはメールやチャットが主流、 なのに学校だと教えてくれない。
相手の文化を理解してフレーズを 使うからこそ距離が縮まる
Chapter (1) 英語のコミュニケーションが うまくいく7つのモテルール
1 シンプルに
長くてまわりくどい文章は 「頭が混乱している」と思われるだけ
とにかくシンプルにシンプルにシンプルに
日本語から直訳すると長くなりがち
2 ストレートに
「要はなに?」と言われないように
日本語と英語ではレトリックが違う
なるべく能動態に
用件はタイトルでズバリと
3 フレンドリーに
英語では年上も年下も気にせず equal に扱う
日本語では「がんばって」、英語では「気軽にね」
4 ポジティブに
I’m sorry.を言いすぎないで
へりくだるのはやめよう
5 より具体的に
「月がきれいですね」じゃlove you. は伝わらない
「お店」が shop でないことも
名詞は単数か複数かに注意
6 主語を大事に
「主語はだれかな、何かな?」と必ず意識を
日本語に訳すときは主語を入れないのが自然
7 ジョークやユーモアを
文法をまちがえないことよりも、ジョークで笑えるセンスのほうが大事
相手がジョークを言ったら、 おもしろくなくてもよく笑うこと!
Chapter (2) 英語メールの 基本ルールを押さえよう
基本となる5つの要素とは
「件名」は目的が伝わるように
長くても6語か7語くらいで
やってはいけない2つのこと。
本文に書く内容と同じことを要約する
名詞をうまく使って簡潔に
省略形を使ってカジュアルに
「敬辞」には名前とタイトルを
Dear のあとに敬称+ファーストネーム/フルネームは NG
相手が使ってきたら「~ san」でのやりとりも OK
担当者がわからない場合は
「本文」は Why が大事
まどろっこしい挨拶文はいらない
「KISS の法則」とパラグラフを意識しよう
センテンスの修正例
パラグラフの修正例
必ずスペルチェックを
「結辞」は定番の表現を押さえよう
定番の表現
親しい相手へ。
友達、恋人、家族に
「署名」には自分の情報だけでなく仕事のPR を入れることも。
自宅の場合
会社の場合
Chapter (3) プライベートに効く10大黄金フレーズ!
1 How’s(How was) ~20~はどうですか?」
「出だしに何を書いていいかわからない」と迷ったときに
現在形と過去形を使い分ける
2 lam / was happy ~ [~でうれしい(うれしかった)]
ちょっとしたことでも積極的にこのフレーズを
that を使うパターンも。
3 Thank you for ~「~をありがとう]
感謝するときのマジックフレーズ
I’m happy ~と組み合わせて使ってみよう
4 I’m sorry ~ [~をごめんね、~は残念だね]
そっと寄り添うこともコミュニケーションでは大事
謝る場合にも使える
5 Why don’t we 〜?~しない? ~はどう?]
「なんて誘ったらいいかわからない」というときはこれ
上司やお客様には使えないので注意
6 How about ~?[~はどう?]
相手の意向をうかがう思いやりを表現
待ち合わせの場所や時間を決める時にも便利
7 Canyou ~?[~できる?~しない?]
頼みごとができる仲の人に使う
No を言うのも、言われるのも必要
8 Congratulations!「おめでとう!」
お祝いしたいときはすぐにこのフレーズを
「何かを成し遂げた時に声をかける表現」であることに注意
9 Please let me know ~「~を知らせてね」
相手に発言を促すことで、やりとりが途絶えるのを防ぐ
結びや約束、オファーの最後につける
10 Have a 〜!「よい~を!」
Good bye と言わないお別れの挨拶表現
挨拶にも結びにも使える
Chapter (4) ビジネスに効く 10 大黄金フレーズ
書き出しの4大フレーズ、用件の3大フレーズ、
結びの3大フレーズを押さえよう
書いていくうちに、単なる word が生きた language となる
書き出しの4大フレーズ
用件の3大フレーズ
結びの3大フレーズ
1 Thank you for ~ [~をありがとうございます]
用件に入る前に、まずは感謝を伝えよう
相手とのやりとりの返事として書く
2 This is to inform you that ~ [~をお知らせいたします」
「返信をお願いしないメールの時に使う
口語でカジュアルに表現するとしたら? 「そっけない」「ぶっきらぼう」な感じをなくす
3 Attached is ~ [~を添付いたしました] 「資料の送付はあらためてメールで」となる場合もある あとに続けて添付する内容を書くだけで OK
4 Regarding ~ [~に関しまして]
日本語では前置きの挨拶文が長いのが“心遣い”
英語は用件から入るほうがわかりやすく、シンプル
5 I’m interested in ~ [~のお問い合わせをいたします]
「私は将来の顧客だ」と示す
「使える学校英語を使いこなしていく」のが大事
直訳はできない
6 ls it possible to 〜? [~は可能でしょうか?]
Can you 〜はお客様に使うには失礼。
Could you 〜は丁寧だけど、上司には NG な場合も
7 We would like to ~[~させていただきます] これからのアクションを予告し、意思を伝える。
「個人はI、会社の見解は We」と使い分ける
8 look forward to ~ (ing) [~を楽しみにしています]
「~をよろしくお願いします」に相当する表現
to のあとの動詞は原型にしないように注意
9 Please let me know ~[~をお知らせください]
「返信を必ず期待する」と伝えることができる
「決まりきったフレーズを駆使して短時間で仕上げる」のが大事
10 Please do not hesitate to [どうぞ遠慮なく~してください]
遠慮されて連絡が途絶えるのを防ぐ
do not は省略形にしない
10フレーズで基本メールの型がかんたんにできる
Chapter(5) 英語特有の始めと、 終わりの挨拶を使いこなそう
始めの挨拶
やあ!/調子はどう?
お元気だと願ってます(思います)
ちょっと聞いて/週末どうだった?/週末の予定は?
終わりの挨拶
楽しみにしてます/またね/無理しないで 楽しんで/よい1日を!
Chapter (6) 距離がググッと縮まる 《状況別 フレーズ
お見舞い・お悔やみ
ご病気の方に/失恋した友達へ
災害にあった方へのお見舞い/愛する方を亡くした方へ
一般的なお知らせ
大学に入学しました。英文学を専攻します
大学を卒業しました/ IT 企業に就職しました
8月31日で退職しました/今仕事を探しています
転職しました。9月から新しい会社で働いています
大阪支社に転勤になりました
起業しました。
今は車を売っています 。
婚約しました/結婚のお知らせ
今日は私たちの結婚 10 周年記念日です
新しいアパートに引っ越しました。ぜひ遊びに来てください
9月に出産の予定です/女の子が生まれました!
エマと名付けました
ほめ言葉・励まし言葉
何かがステキだったとほめたい時に
何かを成し遂げた人をねぎらいたい時に
何かが素晴らしい・素晴らしかったとほめたい時に
「がんばって」と励ましたい時に
落ち込んだ人を励ます時に
Chapter (7) チャット・SNSで 短く返信する極意
チャットの特徴って?
話しかける時は、本題に入る前にワンクッション置いて
「どうも~」という感じでカジュアルに
Hey と組み合わせて/Hey よりは少しかしこまって
チャットの中でよく使う表現を押さえよう
「~したい」と自分の希望を伝える
「~しなくてはいけない」と自分の予定を伝える
「たぶん/ほぼ〜みたいな」と流暢さを増す
考える時に、沈黙しないための間をとる。
「~だから」と文と文をつなぐ
「それで〜」と結果を伝える
効果的にあいづちをうつには
1 Yes (はい、うん)というあいづちをいろいろな言い方で
2 相手の話を促して「興味を持ってるよ」と表現する時
3 相手の話に驚いた時
4 まちがえたり、何かあった時
5 相手の話に納得した時や同意した時
6 ちょっとチャットを待ってほしい時
7 謝られた時
8 形容詞を使って何かを表現する時
チャットを終える時は合図を出して、次につなげよう
略語や顔文字をうまく使う
略語が上達すればスピーキング能力も向上する
略語は適度に
顔文字は日本語と違ってベーシックなものだけ
略語を使ったチャットの例
Chapter(8) 日本語発想から英語発想へ
日本語から直訳できない英語がある
「おつかれさまです」は英語にない
「日本語の意味」をあらためて考えてみよう
日本語の決まり文句、英語でなんて言う?
お世話になっております/お世話になります
先日はお世話になりました/ご無沙汰しております
よろしくお願いいたします(=お返事お待ちしております)
最近いかがおすごしですか?
お忙しいところお返事すみません/了解です。
とりあえず/おかげさまで(うまくいきました)
お手数ですがお願いします/残念ながら/〜は残念ですね
わざわざありがとうございます。
日本語の敬語と英語の敬語の違いを理解しよう
英語に「タメロ」はない ~日本語は縦、英語は横
Would you mind 〜? を使えば常に丁寧?
注意が必要な Please ビジネスにはカジュアルすぎる表現は使わないように
5W1H や Yes/No Question も、場合によってはぶっきらぼう
意外にも失礼な言い方に注意
日本語は話せますか?/外人
日本語お上手ですね!/まあまあです
COLUMN
英語脳になる自己トレーニング
1 模写する。
2 写経する
3 読んで、書くことで吸収する
4 ユーモア精神を忘れない。
5 暗記の5つの問題を解決する。
6 「ワクワクする何か」を見つける
7 言い方がわからないフレーズがあったら