1日1分!忙しいビジネスマンの為の速読英語術 文頭からの順送り読みによる 英語速読即解の法

 


 

英語を学習しながら教養も身につける

英語を習得する上で重要な知識やメソッドが載っています。本書を用いて速読の練習をすることで、語彙力、スピードアップが期待できます。内容として、名言や演説なども扱っているため幅広い知識を身に付けることができます。

はしがき

文頭リーディングでとらえる英文マインド
A Direct Approach to Reading English Like Native Speakers
英語は、大多数のアメリカ人の言葉・大多数のイギリス人の言葉であると同時に、今や「世界共通語」である。お隣の韓国の若者は言う。「日本語で日本人と交流すると、どうも違和感があるが、英語での交流ならばなんのわだかまりもなくコミュニケーションできる」と。英語を母語としない人々との交流にも、今や世界共通語となってきた英語の素養が不可欠である。

「世界共通語情報」をすばやく自分の中に取り入れるためにはどうしていけばよいであろうか。学校では返り読みが主流である。つまり、漢文式の文章解読法である。ある文の意味を日本文にして、その日本文から元の英文の意味を了解するという方法をとる。英語母語者は文の流れにそって、文の頭の方から順に、後戻りしないで、自然にその意味内容をとらえているはずである。私どもも、右へ、左へ、また右へというような視線を忙しく動かす読み方を止めて、文章の頭の方から視線を文の流れのままに左から右へと順送りに自然に移動させて、意味をとるようにしてみる。こうすれば、読むスピードが速くなるのみならず、その英文を書いた人の内面的な意識の流れにまでせまることができる。文頭から意味をとらえる読み方によって、英文に込められている思考の形や、発想の方法が手にとるように見えてくるようになる。

私どもの口語を点検してみる。日本語母語者が使う口語における語順と英語の語順とを比較してみると、私どもの日常の口語における言葉の並べ方や発し方が、英語の言葉の並べ方や発し方にかなり近似していることを発見する。私どもの口語の語順をそのまま英語におきかえると立派な英文や英会話になることがわかる。このことがわかり出すと、読む力の養成を通じて、しゃべる力や、書く力までもが向上してゆく自分に気がつくようになる。私どもが日本語で気楽にしゃべっている発話や発想の中に、英語話者の発想方法と共通のものがあることに気がつくことによって英語がいっそう身近に感じられるようになる。

「私は思うんですがねェ、彼は正直者ですよ」という日常的な口語に対応する英文を作りあげるのは容易である。
「私は思うんですがねェ」のところは“I think”とする。下線部の「んですがねェ」のところは、日本語の口語におけるリズムの一種だと考えてみる。この「…ね」とか、「…よ」とかいった口語のリズムが、英文の発想をとらえてゆくための大切なポイントとなる。その後の「彼は正直者ですよ」のところは“He is honest”でもよいであろうし“He is an honest man”でもよい。そして、この二つの文をつなげれば“I think / he is honest.”となる。これは、まぎれもなく、立派な英文である。日本語の口語のリズムが、そのまま英語の流れになっている。

“I think he is honest.”という英文に対して、「私は、彼が正直であると思う」というようなきちんとした日本文にして、その日本文からやっと元の英文の意味を了解するのではなくて、「口語の日本文」によって、とりあえずは意味をおさえていく。きれいなちゃんとした日本語にするのは、第二次的な作業であると考えてゆく。
だから“I think / he is honest.”のように、英文の中のある意味のかたまり(=センス・グループ)毎に、斜めの線(=スラッシュ)を入れてゆき、このかたまり毎に、文の頭から、左から右へと順に意味をおさえていくだけでよい。この時の意味のおさえ方の中に、日本語の口語のリズムを入れてゆくと、後戻りや返り読みをしなくとも、英文の意味をきちんとおさえることができる:「私は思うんですがネ/彼は正直ですヨ」というように意味をとらえることができる。英語話者の発想の順番に従って、私どももネイティブ・スピーカーのもつ内面的な意識の流れを、共感(share)できるようになる。

返り読みしなければ意味のとれない英文の場合は、それを聞いた場合でも意味がとれないのが普通である。耳に流れ入ってくる順番に従って、英語の音声の意味を了解してゆくためには、頭から意味をとらえてゆけるようになっていることがどうしても必要である。返り読みの方法で意味を把握しようとしている人は、聞く力もなかなか伸びないらしい。だから、英会話も最初歩のきまり文句の域以上にはなかなか上達しないらしい。英文を頭から読んでゆくようにすれば、聞く力を伸ばすことにもつながるということに気がつかなくてはならない所以がここにある。

私どもは、頭から英文を読む力をつけることによって、実は、聞く力も養うことができるのであり、さらに話す力や書く力までも養成することができる。英語には「狭義の英語(例えば、読む英語と書く英語)」と「英会話」という二つの道があるのではない。構えとしては「一本の道」である。

英文を頭からの直読法でとらえられるようになれば、長文になっても心配の必要はない。英文の中味が透けて見えてくる。英語話者の発想のしかたや、意識の流れが見えてくる。ある文章について、「この文章は、作者があるいは著者が、ふと、思いついて挿入したのだけ」ということが手にとるようにわかってくる。英文を流れのままに理解できるようになるということは、英語話者の思考の流れにせまって行くということにつながる。英語が読めるということは英文マインドをつかむことであったのか、ということも納得できる。心の底から喜びを感じながら英語話者のものの考え方に共感をおぼえられるようにもなる。

英語を読みこなしてゆくということは、日本語と英語の中に介在するいろいろな考え方の違いや共通性に気がつく、というプロセスでもある。言葉に対する感覚・感性が鋭くなるということでもある。日本語を見つめなおし、日本語の美しさを認識し、日本人としてのアイデンティティを改めて認識することにもつながる。「外国語を知らない人は、自分の言葉も本当に知らない」とは、ゲーテの言葉である。

世界への仲間入りを実感し、やがては発信型のさらには交信型の人間になることができるように、今や世界共通語となったと言ってもよい英語をまずはとりあげて、それをできるだけあるがままに文頭からとらえていき、世界のいろいろな人々としみじみとした「心の交流」を共にしてゆく。このとき、私どもは、「世界共通語としての英語が読めた」、とか「わかった」、といえるようになる。このことは、おそらくは、英語を介しての世界の人々との心と心を結ぶ共感造りへの第一歩でもある。

坂井 孝彦

目次

はしがき
I 英文マインドをはやくつかむためには
1 学校英語でない英文の読み方
2 英文マインドを頭からとらえてゆくとどんないいことが?
3 頭から読む英文マインドの事例
II 文頭からの順送り読みプラクティス
1 物語の英語
The Little Match Girl / The Happy Prince / Sir Isaac Newton and the Apple / The Blind Men and the Elephant / Damon and Pythias
2 名言・名句の英語
林語堂 / Helen Keller / Bertrand Russell / George Santayana
3 演説の英語
米国第16代大統領リンカーンの「ゲティスバーグ・アドレス」
4 実用英語
搭乗券/搭乗中の航空会社からのアンケート/ホテル のチェックイン / ホテルのチェックアウト/ブロード ウェイの劇場/ 自由の女神/ディズニーランド / 海外 旅行一紛失した預託荷物の処理/中華料理レストラン 一お箸の使い方/イギリスの観光バスーチケットの注 意書/ イギリスのホテルーダブルチェックのためのカード/ ウィンブルドン・ローン・テニス・ミュージア
5 詩歌の英語
1.只管朗唱 / 2.メリーさんの羊/3.なつかしいケンタッキーの我が家/ 4.夢見る人 / 5.はるかな昔(蛍の 光) / 6.アメリカ合衆国国歌 / 7.イギリス国歌 / 8.マ ギー、あの頃お互いに若かったねえ/9.谷間でランプ に灯をともす頃(になると) / 10.英語の詩歌とネイティブスピーカーの心のふるさと
あとがき

付録