TOEICで満点を取ったらどうなるの? 実際に990点取得者に聞いてみた【TOEIC®L&Rテスト分析[1]】

 


 

多くの英語学習者はTOEIC®で目標スコアを達成するために勉強をしているだろう。また、これから英語をやり直す人もTOEIC®を軸として学習をして欲しい。ここでは、なぜ今TOEIC®を受験するべきなのか? TOEIC®で高スコアを取るとどう変わるのか? を60回以上の受験経験を誇る英悟さんに教えてもらった。

なぜTOEIC®を軸にして英語を学習するべきか

はじめまして。英悟と申します。最初に私のことについて簡単な紹介をさせて頂きます。私は1992年からTOEIC®L&Rテストを受験し始めてから合計68回の受験経験があり、最高スコアは満点です。もともと社会人になるとき、「人生で3回、海外に駐在する」という計画を立てていました。希望は叶って30、40、50代に各1回ずつ、合計3回も海外駐在員を経験することができました。このように自身の夢を叶えることができたのは、TOEIC®L&Rテストを軸に英語を学習してきたからだと思っています。

では、なぜ今、TOEIC®なのでしょうか? それは、一昔前までの大手企業に就職して、定年になったらセカンドライフを満喫するという時代ではなくなったからだと思います。“人生100年”と言われる昨今、社会人からの再学習、定年後の再就職なども必要な時代になりつつあります。特に、グローバル化が進み、ビジネス英語が注目されており、TOEICを受験する社会人が増えています。

どのくらいの人が受験しているかというと、TOEIC®の実施と運営をする国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)は、2018年度の総受験者数を約266万人と発表しています。センター試験受験者が約55万人、大学の学部在学者数が260万人程度なので、試験の規模感がわかるかと思います。

そして、英語を再学習するならTOEIC®を軸に進めて欲しいです。理由は二つあり、一つは出題される単語がビジネス寄りで内容が海外のビジネスや日常生活に関連しているからです。そしてもう一つが、英文法の範囲が中学・高校であるので基本的な文法を再確認できることです。このように社会人にとってメリット面が多いので、英語を再学習するのならTOEIC®を軸にすることをオススメしています。

また、TOEIC®のスコアは日本企業も重視しており、海外関連事業で働くのであれば、最低でも600点以上、海外勤務や昇進には800点以上など具体的なスコアや条件を定めている企業もあります。海外に進出している日本企業が多いため、英語ができる人材の確保に多くの企業が力を入れています。

私の場合は残念ながら、最初に入社した会社は既になくなってしまいました。しかし、40代で転職をする前にTOEIC®で900点を取得して、希望する企業への転職に成功し、社会人になったときの目標だった「人生で3回海外駐在する」という計画も達成することができました。

一緒に学習していた仲間の中にも、シンガポールやイタリアで勤務する機会に恵まれた人もいます。私がタイ赴任中に一緒に英語の再学習していた仲間の中には、帰国後の再就職まで英語力を維持、向上させておきたいとTOEIC®L&Rテストを軸に英語再学習し、帰国後に希望の英語関連の仕事に再就職した人もいます。このようにTOEIC®で高得点を取得することで、海外での仕事や海外(英語)関連の仕事をする機会が出てきます。

TOEICを中心に英語学習をやり直すとメリットが大きい

TOEIC®のスコアごとの周囲の変化

現在は、周囲にTOEIC®テストのスコアが高い人があまりいないという人も多いと思います。私も当初、900点以上の知り合いはおらず、自分には900点越えなんて無理、外資系企業の社員や長期海外留学経験者、帰国子女ばかりだろうと勝手に思い込んでいました。

上述した通り、40代で転職を目指す中で900点を目標にして英語の再学習し、目標スコアと転職の両方に成功しました。その後も定期的に受ける中で960点取得し、「あと30点くらい頑張れば取れるのではないか」という根拠のない自信から4年後に満点を取得できました。

800点を超えたときには、周囲から「英語が好きな人」という印象を持たれていたと思います。900点を超える頃には、会社でも「英語が得意な人」として認識され、英文契約関連の仕事を任されたり、海外駐在に奨めてもらえたり、英語を使う仕事をするようになりました。そして、990点を取得すると、残念ながら、社内で奨励しているTOEIC®IPテストなどの受験に声がかからなくなりました。

加えて、「毎回、受験するなんて趣味の世界ですね」など「少し変わった人」として見られるようになりました。当初、実名のフェイスブックで英語の学習やTOEIC®についての記事を投稿していたら、「あの人一体どうしたの?」と周りが感じ始めてしまい、それが嫌でフェイスブックをあまり使わなくなりました。

一方、現実の知り合いは少ないものの、ブログやツイッター上では、TOEIC®に関する情報に興味のある人や、英語再学習をされている社会人の方も一杯いて、新刊の参考書、問題集、学習会や交流会などの情報が溢れているので、最近はずっと自身のブログとツイッターとで情報交換をしています。この連載にお声をかけていただけたきっかけにもなりました。

900点以上を取得して感じた使える部分と使えない部分

TOEIC®で900点以上を取得すると、英文を読むことや聞くことが苦痛ではなくなり、むしろ楽しくもあります。洋書や洋画などを英語で楽しむことができる“入口”でもあります。また、私の場合、海外の同僚や顧客と英文のメールでやり取りをする事が多いので、TOEIC®で出題されるような英文をマネしたり、覚えたり、必要に応じて使います。実はTOEIC®の英文は、仕事で使える例文の宝庫です。

TOEIC®の英文には、大きな事件や犯罪などの文章は出題されませんが、現実では飛行機が遅れたり、車が故障したり、頼んだ商品が届かなかったり、出張のスケジュールが変更になったりと不測の事態が発生します。実際に海外に旅行したりすると、フライトが遅れたりすることもあり、空港での遅延のアナウンスを理解したり、食事券をもらったり、払い戻しを要求したりしなければならない事態も発生しますので、TOEIC®の英文で学んだ内容が多いに役に立っています。

一方で900点オーバーというと、普通の人から見れば、英語が得意な人と思われがちです。しかし仕事で英語を使うとなると、業務上の専門知識、専門用語の追加学習も必要ですし、契約書となると、契約書独特の言い回しも出てきます。そのため、TOEIC®の知識だけでは全く歯が立ちません。また、TOEIC®のリスニングで満点を59回取得しても、海外ニュースや洋画・洋楽などを聞いてもわからない部分はあります。

個人的な意見ですが、あくまでTOEIC®の900点は、再学習した英語を使って幅広い分野で英語のコミュニケーション力を高めるためのスタートラインに立った状態です。また、TOEIC®の900点が示すものは、単に「英語ができる人」というだけではなく、目標のために計画を立てて努力をし、達成できる人ということを表しています。

ここまで読んだ皆さん、「自分には無理」とは思っていませんか? 今できないからといって、諦めないでください。できないということは、それだけ伸び代が大きいということでもあります。英語はできるか・できないかではなく、やるか・やらないかです。大切なのはキッカケと勇気を持って一歩前に踏み出し、継続することです。

今の仕事や生活の中でそれほど英語が必要ではないし、そもそも日本では英語を使う機会も少ないなどと思っていませんか? 2019年6月時点での訪日外国人数は288万人と、2015年から1.8倍に増加しています。町を歩いていても、外国人観光客を多く見かけます。お店の店員さんが英語で話しかけるのもよく見かけます。

英語を始めるキッカケは何でも良いと思います。1億人いれば、1億のキッカケがあると思います。子供が小学校で英語を習うからでもいいですし、東京オリンピックで訪日する観光客のおもてなしのためでもいいと思います。東京オリンピックまで1年を切りましたが、遅くはありません。英語は何歳になっても学べます。世界中が注目する東京オリンピックに向けて、あなたも目標を持ってTOEIC®を軸に英語の再学習してみませんか? 私も次の目標に向けて皆さんと一緒に頑張ります。