TOEIC L&R TEST 900点特急 パート5&6

TOEIC上級者の弱点はここ!

本書は、中級者から上級者向けの問題集です。何周もすることでTOEICの形式にも慣れることができ、失点もかなり減らせるでしょう。
TOEIC600~700あたりでスコアが伸び悩んでいる方にはぜひ手に取っていただきたい1冊です。900overを目指す上での間違えの癖が書かれています。

もくじ

改訂版にあたって
「上級者の弱点」が詰まっています
本書を使った効果的な学習法

1st Round
2nd Round
3rd Round
4th Round
5th Round
Final Round
Bonus Questions

復習リスニング用 英文リスト
目標はすぐ目の前にあります

コラム
本書のカテゴリー分類
いつどのように目標スコアを取りにいくか
エッセンススタッフの岡本ですーその1
テクニックからの脱却
エッセンス・スタッフの岡本です―その2
接続詞リスト
接続副詞リスト

装 丁 川原田 良一
イラスト cawa-j☆かわじ

加藤 優 (著)
出版社: 朝日新聞出版; 新形式対応版 (2017/9/20)、出典:出版社HP

改訂版にあたって

本書を改訂するにあたり、2016年5月から導入された新形式に合わせてPart 6の問題を大幅に変更したのはもちろん、Part 5の問題についても、公開テストの最新傾向に合っているか1問1問徹底的に見直し、改訂を加えました。
実際、Part 5 & 6の傾向はここ数年間で激変しました。新形式の導入によりPart 7(長文読解問題)の文章量が増えた一方で、Part 5の間 題文は最大で20語前後と短くなり、問われる文法や語彙のレベルも以前より易しくなっています。その分、単語やフレーズを知っているだけでなく、1文全体を読んだ上で、自然な表現になるものを素早く見抜く力が求められます。Part 6では、空所を含む文以外に答えのヒント がある文脈問題が大半を占めるようになり、さらに文選択問題が加わったことで、本文全体を速読して状況をつかむ力が必須になりました。
以上の点を踏まえ、本改訂版では、各Roundに新問を加え、既存問題も一部修正し、最新のTOEIC L&Rテストで900点を達成するのに欠 かせない出題パターンと補足情報を詰め込み尽くしています。「本試験のハーフテスト」という体裁はそのままに、セット数を1つ増やしましたので、Part 6の難問対策も十分行えるのではないかと思います。巻末には990点レベルの超難問をBonus Questionsとして載せました。 合わせてお楽しみください!

「上級者の弱点」が詰まっています

今や書店に山のように溢れかえるTOEIC対策本の中から本書を手にしていただき、ありがとうございます。 900点を目指そう! と本書を手に取られた方は、英語学習、TOEIC対策学習をすでに多く積まれているのではないかと推察しておりま す。普段私が講師をしているTOEIC専門校「エッセンス イングリッシュ スクール」の「900点クラブ」という900点特化型クラスの受講生 も、文法知識や語彙力のある中・上級者の方たちです。クラスは、2カ月ごとに新しいクラスになるのですが、Part 5&6において、今まで のどの受講生の方々にも共通して正答率がグンと下がってしまう問題パターンがあるのです。
その中には、語彙を問ういわゆる「難問」もあれば、日本人に特有の「覚え違い」や「見落とし」などにより誤答を誘発する問題も含まれ ます。本書では、TOEIC の最新傾向を反映した、「エッセンス イングリッシュ スクール」の模擬問題の中から、誤答データに基づく上級 者の弱点問題だけを厳選しました。いわば長年のノウハウとデータを凝縮した選りすぐりの問題です(問題は、私とエッセンスのネイティブ 講師陣が、公開テストを毎回受験しながら、練り上げて作成したものです)。
ですから、数ある対策書の中から本書を手にされたことを大変うれしく思います。なにより、900点を目指す中・上級者の弱点ポイントが 詰まっておりますので、無料の音声ダウンロードを活用して本書の英文を繰り返し体と頭に染み込ませれば、もうPart 5&6でミスを犯すよ うなことはなくなると確信しています。もちろん、解説にも心をこめて、上級者の方にもご満足いただけますよう情報を詰め込んでありま す。ぜひ、本書を活用して、確実に結果を出してください!

上級者の弱点とは?

900点を目指す中・上級者に顕著に共通して見られる弱点を具体的にまとめました。下記の点を意識して学習するとより効果が上がると思います。

Part 5
名詞を選ぶ品詞問題
(1) 複合名詞を完成させるもの
〈空所+名詞〉や〈名詞+空所〉という形で、複合名詞(名詞のフレーズ)を完成させるパターンです。例えば、a (confident / confidentiality) agreement とある場合、空所に名詞を入れたconfidentiality agreement(機密保持合意書)が正解です。複合名詞はその表現 を知らないと、文法的に入りえる他の品詞を選びがちです。
(2) 人vs.モノ
選択肢にsubscriber(購読契約者)とsubscription(購読契約)など、「人」と「モノ」を表す名詞が並んでいる場合は、どちらが入るか文脈で 見極める必要があります。
(3) 単数vs.複数
冠詞の有無、複数形を導くキーワード、動詞の形などから、単数名詞と複数名詞のどちらが適切かを判断する問題です。同じ語でも意味に よって可算と不可算が変わるもの(例:名Nestablishmentは「施設」の意味では可算、「設立」の意味では不可算)や、複数名詞に見えて、実は動詞の現在形が選択肢に混ざっている場合もあるため、正確な語彙力が求められます。

数量表現の用法を問う問題
everyやmuchのような数量を表す語の使い分けは、多くの受験者の弱点です。可算・不可算どちらの名詞に使われるのか、可算名詞の場合は単数・複数どちらと組み合わされるのかを、正確におさえておくことが大切です。
動詞の語法を問う問題
異なる動詞が選択肢に4つ並ぶ問題の多くは、動詞そのものの意味だけでなく、それが他動詞か自動詞か、目的語が人かモノかといった語 法が問われます。例えば、He (communicated / addressed) participants on various topics. とあれば、人を目的語に置いてspeak toの意 味を表せるaddressedが入ります。

語彙問題
語彙問題で問われる単語は、日常生活やビジネスシーンで普通に使われるものばかりです。ただ、間違いの選択肢の中には、和訳をして考 えると正解に思えてしまうものもあります。確実に正答を選ぶためには、コロケーション(語句の相性)の知識や自然な英語感覚が求められます。trusting(信じやすい)とtrustworthy(信頼できる)など、形の似た語との混同を狙ったひっかけにも注意が必要です。

Part 6
文選択問題
Part 6には、本文の流れに合う1文を選ぶ問題が、各文書に1つずつ含まれています。一見空所に入りそうでも、本文の内容と矛盾しているもの、代名詞や接続副詞 (therefore, howeverなど)が前後の文とかみ合わないものもあります。本書の解説ページには、他の選択肢がなぜ正解ではないかの理由も記載していますので、ひとつひとつ確認して解答の精度を高めていってください。

その他の文脈問題
文選択問題のほかにも、空所を含む1文だけでは答えの出ない文脈問題が多くを占めます。「語彙」「時制」「接続副詞」「指示語(代名 詞)」の4つがこのタイプです。正解の根拠が空所からかなり離れている場合もあるため、本文全体の流れを把握していないと、うっかり誤 答に誘われることがあります。

上級者のためのストラテジー
本書を利用される方はすでにご承知だと思いますが、TOEICは時間との戦いです。理想的な時間配分は、Part 5&6を合わせて18分以内 で終え、難化傾向にあるPart 7に57分以上残すことです。900点を目指す方がこのスピードで解くために必要なことは、「必要のない部分を 読まずに解くテクニック」ではなく、「英語を英語のまま素早く処理する力」です。700点向けの攻略法を用いたままで900点を目指すと、
スコアはいつまでも伸び悩みます。

Part 5
10分以内で解く
Part 5は全30問を10分以内(20秒/問)で解くことが必須です。これ以上時間を費やすと後半に控えるPart 7の正答率が落ちます。また、必要以上に速く解こうとするとかえって取りこぼしが増える場合もありますので気をつけましょう。

空所前後だけにとらわれない
選択肢と空所前後だけを見て答えを出すのは確かにスピーディーですが、視野を狭めればそれだけ「見落し」の可能性も高まります。900 点を取りにいくにあたり、解けるはずの問題でミスをする余裕はありません。慣用表現など明らかに前後で答えの出る問題を除き、文頭から 目を走らせて全体の構文をとらえつつ、特に空所前後に着目する、といった「複眼的アプローチ」が重要です。上級者は、問題文を先に読ん でから選択肢をチェックする、という流れで解いた方が、スムーズに解答できることもあります。

語彙問題は「感覚」も大事に
解答に迷って答えを選び直す場合、初めにピンときた答えが結果的に正しかったという経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。一 度考え直すことにより、かえって日本語的な発想が邪魔をし誤答に誘われる場合があります。後述する学習法を参考に、日頃から「英語感覚」をできる限り磨いておきましょう。

Part 6 8分で解く
Part 6は1セット2分のペースで解き、合計4セットを8分前後で終わらせます。文選択問題は特に時間がかかりがちなので、本文と選択肢を一通り読んでも答えが判断できない場合は、思い切ってどれかにマークし、先に進みましょう。

本文は冒頭からすべて読む
空所を含む文だけを先に読み、答えが出ない場合のみ前後の文をチェックするといったテクニックは、新形式のPart 6では通用しません。 文脈問題を確実に正解するために、本文の流れのまま速読し、その都度答えを選んでいきます。その際、読み手の立場になったつもりで状況 をイメージしながら読んでいきましょう。

文選択問題は後ろの文とのつながりにも注意
文選択問題を解答する手がかりは、空所までの文章にあるとは限りません。空所直後の文とのつながりがカギになるものや、次の設問の空 所より後に解答のヒントが潜んでいることもあります。場合によっては他の設問を先に解き、本文全体を柔軟に読み進めていくことが大切で

本書を使った効果的な学習方法

(1) 実戦力をつける
本書は、実際のTOEIC Part 5&6のハーフテスト23問を、1st RoundからFinal Roundまで計6セット用意しています。どのセットも問題 の難易度を考慮した上で、制限時間を10分に設定しています。文中に登場する語彙や構文、選択肢の1語1語や設問の順番まで、学習効果が 最大限高まるよう工夫されています。以下の手順で学習を進めてください。

1 1セット23問を、10分で一気に解く。わからない問題も、とりあえずの答えを出す。
2 解答・解説を見る前にもう一度問題文を読み、1文 (Part 6は全文)の意味や構造がつかめるか、時間のプレッシャーの中で出した答えが本当に合っているかを再確認する。
※解答の着眼点を記した「Katoの服」コーナーを設けましたので、解説を読む前のヒントとしてご活用ください。
3 解説を読み、解答までのアプローチ、他の選択肢が不正解である理由、知らない表現などを確認する。心に浮かぶ疑問や好奇心を大切 にして、文法書や英英辞書などを積極的に活用し、学習の幅を広げていく。
4 日を空けて、繰り返し解き直す。答えだけ覚えてしまっているという場合は、選択肢を見ずに答えを出す。ここで、3のプロセスでお さえたポイントを確実に定着させる。

(2) 地力を押し上げる
本書の問題及び解説には、900点突破のために必要な単語・語法・文法など重要ポイントを凝縮してあります。ただ、問題の答え合わせや表現の確認は、あくまでインプットの作業。最も重要なことは、その場で瞬時に答えを出すアウトプットの力です。以下の方法を参考にして、900点に求められる英語力そのものを高めるトレーニングを習慣づけましょう。

朝日新聞出版HPから、無料音声ファイルをダウンロードして活用してください。
http://publications.asahi.com/toeic/
各設問ごとにアメリカ英語とイギリス英語の両方が収録されています。
1 音声ファイルを利用し、シャドーイング(音声を聞きながら、聞こえた通りに少し遅れて声に出していく)やリピーティング(1文を聞いた後でリピートする)を行う。英文を見なくても1文まるごと言えるようになるまで何度も繰り返す。電車の車内など声を出せない場所では、「ロパク」でもOK。 →英語感覚が磨かれ、日本語を介さずに文章をとらえることができるようになります。また、表現が口をついて出てくるようになり、 コロケーションが自然に身につきます。

2 巻末掲載の「復習リスニング用 英文リスト」を使い、空所になっていたら答えられないと感じる部分(前置詞・接続詞・語彙など) をすべて塗りつぶす。日を空けて答えを記入し、音声を聞きながら確認する。 →どこが空所になっていても正解できる確実な文法力・語彙力が身につきます。それにより、消去法に頼らず確信をもって正答できる問題が増えていきます。

3 和訳だけを見て、英文に直してみる。実際の英文と比較し、同じ文が書けるようになるまで繰り返す。 → 文法や語彙の弱点が一気に浮き彫りになります。また、ライティングカに比例してリーディングスピードも伸びていきます。自分で書ける文章は読めるからです。

それでは、これから900点特急の旅に出かけましょう! 手強い問題も多いと思いますが、それだけ学べる要素も多く、スコアの伸びも大 きいものです。前を向いて、私と一緒に突き進んでいきましょう!

本書の記号
名 名詞
形 形容詞
副 副詞
前 前置詞
接 接統詞
分 分詞
代 代名詞

合計解答時間は 10分以内で

TOEIC Part 5&6 1st Round

1.-15.0
16.-23.0
空所前後だけでなく
文全体を チェックしよう!

加藤 優 (著)
出版社: 朝日新聞出版; 新形式対応版 (2017/9/20)、出典:出版社HP

※本書は『新TOEIC® TEST 900点特急 パート5&6」を、TOEICの新形式にあわせ、問題の差しかえや変更、解説のさらなる充実など、大幅に改訂したものです。

音声を聴く方法
スマートフォンで聴く方法
「TOEIC 自動採点・分析アプリ abceed analytics(無料)」を、スマートフォンにダウンロードしてください。
http://www.globeejapan.com/
※abceed analyticsは株式会社Globeeの提供するサービスです。
パソコンで聴く方法
本書の音声は、下記の朝日新聞出版HPからダウンロードしてください。
http://publications.asahi.com/toeic/
左のマークのついている部分は音源が用意されています。 横の数字は音声ファイルの番号を表しています。

編集協力
渡邊 真理子
Bradley Towle
Paul McConnell
Ross Tulloch
秋庭千惠

録音協力
英語教育協議会(ELEC)
Jack Merluzzi
Emma Howard