動詞の目的語となる名詞の働きとは?【TOEIC®から学ぶ基礎英文法(1)】

英語初心者が疎かにしがちな基本的な英文法。英文法はTOEICのパート5と6はもちろん、長文を読む中でも必要であり、スコアアップを目指すのではあれば必須知識。TOEICの問題を使って文法を覚えるために「ブラスト英語学院」を運営し、自身もTOEIC®満点・英検1級を保持する中野太郎氏に名詞の役割を解説してもらった。
 

動詞の後ろにくる名詞とは?

文中に出てくる単語は様々な品詞に分かれますが、その中で「ヒト、モノ、コト」を表す品詞のことを名詞と言います。今更名詞の復習かと思うかもしれませんが、実際にTOEIC® Listening & Reading Test(以下、TOEIC®)のPart5に当たる文法問題にはよく名詞を問う問題が出てきます。英文法の基本となる名詞に関する知識について、TOEIC®で出題される形式の練習問題を通じて触れていきます。

名詞は主語などいくつかの働きをしますが、基本中の基本である「動作の対象となる名詞」について理解しましょう。名詞は動詞の後ろに来る働きを持ち、文型で言うところの目的語(O)や補語(C)の位置に置くことができます。動詞は「…を~する」と訳されることが多く、「…を」といった動詞に対する目的語として名詞が必要と考えればわかりやすいかもしれません。それではTOEIC®に出題される形式の問題を解いて理解を深めていきましょう。

問題1:The bus ticket is ______ for 30 days from the day of issue.
(A)validated
(B)validating
(C)valid
(D)validate

設問文を日本語に訳すと「バスのチケットは発行日から30日間——です」となるので、単語の意味がわかる場合は空欄の答えが名詞だとわかります。しかし、日本語に訳すことができずに問題を解く場合、まず「主語に対する動詞が存在するか」を考えます。この文章では、主語(S)が「The bus ticket」で動詞(V)が「is」になり、すでに動詞が存在するので、解答となる選択肢が動詞以外の品詞となります。

ここではbe動詞の「is」が空欄の直前にあるので、「validating」が現在進行形、もしくは未来形になるのではと疑うかもしれませんが、空欄の後ろに「for 30 days(30日間)」とあるので、「30日間有効化し続けている」と意味の通らない文になってしまいます。

また、「validated」が受け身になる可能性も考えられますが、「30日間」と継続の意味に対して現在形を使うことはできません(現在形は違う記事で説明します)。ということで、動詞はありえないことが分かり、答えは名詞となる単語「(C)valid」であることが分かります。

今回はbe動詞「is」の後ですから非常に分かり易いですが、一般動詞の場合でも「get information」、「drink water」、「feel love」と動詞の後ろに動作の対象となる名詞がくることがわかります。それでは、練習として次の問題を解いてみましょう。

問題2:The president of Kings Market has requested a _______ of the personnel cost this year and last year.
(A)comparative
(B)compare
(C)comparison
(D)comparable

さて、問題2は動詞の後に冠詞の「a」が来ています。冠詞は名詞を修飾するため、瞬時に名詞が入るとわかると思います。ですので、答えは選択肢の中で唯一の名詞である(C)comparisonになります。ここで、「あれ?」と思った方もいるかもしれません。実は、「comparison」は不可算名詞であり、「比較」は1個、2個と数えられません。確かに一般的な「比較」は不可算名詞と辞書にも書いてあります。

ですが、「比較」の内容が“具体的なモノ”の場合は、「comparison」が可算名詞になってしまうのです。問題文は「会社の今年と去年の人件費の比較」と“具体的な比較”なので、「comparison」を可算名詞として扱います。この可算名詞・不可算名詞に関しては別の記事で説明します。

実際のTOEIC®の文法問題では、問題1のように選択肢を見て「どの品詞について問われているのか」を素早く見極めることや問題2のように瞬時に解答を導き出せても文法的に惑わしてくるので、考えすぎて時間を取られないようにする必要があります。本番で出題されても冷静に考えられるように普段から意識して練習することをオススメします。

英語初心者は、英文法を学ぶ第一歩として「動作の対象となる名詞」という名詞の働きがあるため、動詞の後ろに動作の対象となる名詞がくるということを理解しましょう。

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