文法問題で頻出! 副詞の使い方をマスターしよう【TOEIC®から学ぶ基礎英文法(8)】

品詞の中でも副詞は、文中での位置や役割が複雑なので、初学者にとって躓きやすいポイントだろう。間違いやすいこともあり、TOEICの品詞問題でも頻出である。副詞の位置や修飾できる品詞を再確認するために、英語学習塾「ブラスト英語学院」を運営し、TOEIC®満点・英検1級を保持する中野太郎氏に初心者でもわかりやすく解説してもらった。

 

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出典:各書籍出版社HP

副詞は形容詞や動詞、名詞を修飾する品詞

ここでは副詞について説明していきたいと思います。形容詞は名詞を修飾するのに対し、副詞は形容詞や動詞など名詞以外の単語を修飾して意味を追加する品詞です。例として、副詞がある文【1】とない文【2】を見てみましょう。

【例1】I could understand that.(私はそれを理解できた)
【例2】I could “easily” understand that.(私はそれを簡単に理解できた)

「easily(簡単に)」という副詞を付け加えることで、文がより具体的になります。修飾語としては形容詞と同じ働きをしますが、TOEIC® L&Rでは「名詞以外を修飾する」という点が理解しているかを問う問題が出題されます。

問題1:Hidelin Tech’s bankrupt has ______ influenced its current affiliated firms.
(A)extensive
(B)extend
(C)extensively
(D)extending

まず行うことは、主語になる名詞に対する動詞の確認です。主語は「Hidefin Tech’s bankrupt」で、名詞に対する動詞「has influenced」が存在し、また文中に節もないため、空欄部分に動詞が入ることはなくなりました。さらに、形容詞には、名詞のみを修飾する「限定用法」と名詞の補語(C)になる叙述用法があります。問題文では空欄の直後が名詞ではなく、名詞の補語にもなっていないので、形容詞の(A)extensiveが正解ではないとわかります。

これらのことを考慮に入れつつ、空欄の直後に動詞が置かれていることから、空欄は動詞を修飾していることがわかります。副詞は名詞を修飾できない代わりに、その他の品詞を修飾する働きがあるため、この問題の答えは副詞である(C)extensivelyであると導き出せます。(D)extendingに関しては、直前に「has」があることから現在進行形の線は消え、且つ直後に動詞の「influenced」があることから動名詞も入れることができず、適切ではありません。問題文の日本語訳は「ハイドリンテック社の倒産は、現存する関連企業に広範囲にわたり影響を与えた」となります。

問題2: ______ she has been interactive and participating actively in the meeting.
(A)Latter
(B)Late
(C)Lately
(D)Latest

選択肢を見ると、(A)Latter(形容詞:後者の)、(B)Late(形容詞:遅れた)、(C)Lately(副詞:最近)、(D)Latest(形容詞:最新の、副詞:一番最後に)と形容詞と副詞しかなく、この問題では二つの特性の違いを聞いています。空欄が文頭にあるため、形容詞が正解になるのは、限定用法の場合です。

しかし、空欄の直後は名詞でなく代名詞があるため、限定用法も適切ではありません。ここで、特記すべき副詞の性質として、副詞には文全体を修飾する特性があるということです。例えば、「Unfortunately, the train has already gone.」という文では、「unfortunately(不運なことに)」は、「the train has already gone(すでに電車は行ってしまいました)」という文全体を修飾しています。

選択肢に副詞は二つありますが、文脈から判断すると(C)Lately(最近)が最適な答えとなります。日本語訳は、「最近彼女は会議の中で対話的で、積極的に議論に参加してくる」となります。

ちなみに、副詞は形容詞の末尾に「ly」と付く単語が代表的ですが、「ly」が付くことで元の形容詞と意味が変わるものがあります。まさに今回の「Lately(最近)」が「Late(遅れた)」に「ly」が付いて意味が変わりました。このように「ly」が付くことで意味が変わる語彙は、TOEIC® L&Rなどの英語試験では頻繁に知識問題として出題されやすいので、単語は用心深く覚えましょう。

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